衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

Googleアナリティクスの導入から、運用、活用まで、正式なサポートがない初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。

Googleアナリティクスとは/衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座
「訪問数」を理解する[第11回]

概念的に言えば、「訪問」とは、Webサイトにおける連続した利用行動の塊のことを意味する

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前回から引き続き、主要なディメンションや指標と、それらを見るレポート群について解説する。

前回は、「ページビュー数」と「イベント数」について説明をした。今回は、「訪問数」を取り上げる。

アクセス解析では当たり前に使われていて、いまさら解説の必要がないと思うような基本的な用語も、じつはGoogle アナリティクス特有の仕様だったり、意外と正しく理解できていなかったりする場合もある。知ってるつもりの人も、注意深く読み進めていただければと思う。

訪問数、訪問の定義とは?

「訪問数」とは、文字どおり、Webサイトへの「訪問」の回数を意味する。では「訪問」とは、どのような定義でカウントするのだろうか。

概念的に言えば、「訪問」とは、Webサイトにおける連続した利用行動の塊(一連の利用行動)のことを意味する。

たとえば、サイトがお店だとすれば、お客がお店に入ってから出て行ったところまでが1訪問ということになる。しかし、サイトの利用行動の場合、その「出入り」をどのように定義するのかによってカウントが変わってしまうので注意が必要だ。

2011年8月11日に、Google アナリティクス公式ブログの「Googleアナリティクスにおけるセッションに関するアップデート(Update to Sessions in Google Analytics)」という記事で、この「訪問」の区切りを示す定義変更が発表されたので、それに沿って解説する。ちなみに、この記事のタイトルにもある「セッション」は、「訪問」と同義で使われている。

この記事によると、次の3つのいずれかに該当する場合にセッション(訪問)が切れるとのことだ。つまりこのルールで「訪問」の区切りを定義している。

  1. 行動と行動の間隔が30分を超えていた場合にセッションを切る
  2. 1日の終わりにセッションを切る
  3. 参照元が変化したらセッションを切る

2番目と3番目は細かい話なので、初心者は一番上の項目である「30分ルール」だけを覚えておけばよい。これは世界的に共通の原則である。基本的にはどのツールでもこの原則で集計していると思ってよいだろう。

30分ルールを実例に即して説明すると?

「30分ルール」とは、同じユーザーの連続したページ閲覧であっても、各ページの閲覧開始時間の間隔が30分を超えたら、その2つのページの間でセッションを切るというルールだ。

たとえば、計測対象サイト内で、ある人が次のような順でページを見ていったとしよう。

ページA → ページB → ページC → ページD

そしてそのうち、ページBを見始めた時刻とページCを見始めた時刻の間隔が30分を超えていたら、その前後それぞれの一連の行動を別の訪問(セッション)ということにしようというのが「30分ルール」である。

このケースでは、ページBとページCの間で訪問(セッション)が切れて、ページA→ページBを1回の訪問、ページC→ページDをもう1回の訪問とカウントし、合計2回の訪問があったことになるわけだ。

30分ルールを実例に即して説明する

誤解のないように念のため書き添えておくと、閲覧開始のページA の閲覧開始時刻から数えて30分経ったら、セッションが切れるわけではない。たとえば、120ページをそれぞれ1分ずつ閲覧すれば、合計で120分(2時間)閲覧することになるが、それぞれの閲覧間隔は1分なのでセッションは切れずに、この一連の120ページ閲覧の行動全体が「1訪問」とカウントされる。

※セッションの区切り方については、以前の連載「衣袋宏美のデータハックス」において、「30分を超えるセッションは2つに分割される? [アクセス解析Q&A]」という記事で詳しく解説してあるので、そちらも参照されたい。

タブブラウザでの訪問のカウント

最近は、Internet ExplorerでもGoogle Chromeでも、タブブラウザが標準になっている。タブを複数開いておいて、交互に閲覧するようなスタイルでWebサイトを見ているユーザーも多いと思われる。

では、このようなタブブラウザで最初に2つの空白タブを開いておいて、次のような順番で同じサイトのページを閲覧していくとどうなるだろうか?

閲覧順序 タブ1 タブ2
1 ページAを閲覧 空白
2 ページAを表示したまま ページZを閲覧
3 ページBを閲覧 ページZを表示したまま
4 ページBを表示したまま ページYを閲覧

この場合、閲覧順序1、2、3、4のそれぞれの間隔が30分以内であれば、全体が1訪問として記録される。

別々のタブで開いていても、ほとんどのタブブラウザでは同じユーザーの同じブラウザによるアクセスだとみなされるようになっている(同じブラウザで複数のウィンドウを開いても同様)。

ただし、「プライベートモード」「シークレットモード」「InPrivateブラウズ」などの特殊なモードで開いたウインドウからのアクセスは、別のユーザーだとみなされるため、別の訪問だとカウントされる。

では、まずページAとページBを別々のタブで開いておいてページAを読み、30分を超える間隔をおいてから、あらかじめ開いておいたページBのタブに切り替えた場合、別の訪問とカウントされるのだろうか?

この場合も、1訪問として記録される。なぜなら、タブブラウザでは、最初に各タブでページにアクセスした時間をもってそのページの「閲覧開始時間」としているからだ。あらかじめ複数のタブを開いておいて、タブを交互に切り替えても、それは「閲覧開始」とは記録されない。アクセス解析ツールでは、タブを切り替えた行動などまでは記録しないのが普通だ。今回の例では、ページAとページBはほぼ同時に閲覧を開始しているので、まずは1訪問として記録されており、その後のタブの切り替えは、そもそも閲覧開始とは記録されないというわけだ。

ただし、Firefoxなどの機能で再起動時などに「タブ待機状態」になっている場合は、最初にそのタブに表示を切り替えた時点でのアクセスとなる。

ブラウザやタブを閉じても訪問(セッション)は切れない

同様に、ブラウザのタブを閉じたり、終了したりすることも、訪問のカウントとは無関係だ。いったんブラウザやタブを終了しても、また30分以内に起動すれば、セッションはつながる。これが普通のセッション判定ルールになる。

1日の終わりにセッションを切る

3つの定義の2番目、「1日の終わりにセッションを切る」というルールは、毎日集計をする場合に、どこかでデータをいったん区切ってまとめてから集計するために必要な手続きなので、他の多くのツールでも、おそらくこのような仕様になっていると考えられる。

参照元が変化したらセッションを切る

3つの定義の3番目、「参照元が変化したらセッションを切る」というルールは細かい話になるが、正しい理解をしたい人は読み進めてほしい。

このルールは、厳密には「参照元」ではなく「トラフィック ソースの値」である。

※「トラフィック ソース」は、厳密な意味で言うと「参照元」ではないのだが、これに関しては、別途「参照元」の回で解説する予定だ。

具体例で説明しよう。図1 の太い黒枠がGoogle アナリティクスでの計測対象サイトだとする。あるユーザーが別のサイトAからリンクをクリックして計測対象サイトにやってきて、ページW、ページXと見たあとに、いったん計測対象サイト外に出て、今度はまた別のサイトBからリンクをクリックして再び計測対象サイト内のページY、ページZというページを見たとしよう。

図1:セッションの解説図
図1:セッションの解説図

2011年8月11日以前のルールだと、閲覧ページを時系列で単純に並べて、その閲覧開始時間の差でセッションを判定し、ページXとページYの時間差が30分以内であれば(その他のページ間の閲覧時開始時間差も30分以内で)、セッションは切れずに

ページW → ページX → ページY → ページZ

というページ遷移の1訪問だとカウントされていた。

これが新定義ではどうなるかというと、

  • サイトBが検索エンジンの場合
  • あるいは再流入ページYにGoogle アナリティクスの広告手動パラメータが付与されていた場合

に限っては、セッションを切って、

ページW → ページX
ページY → ページZ

という2回の訪問があったことにするのだ。

※ただしサイトAが検索エンジンで、かつサイトBの検索語と同じ場合は、1回の訪問として扱われる。

つまり、計測対象サイト外にいったん出ていったとしても、ただちにすべて別訪問としてカウントされるわけではないということだ。

たとえば、ECサイトでカートや決済部分だけ外部のASPを利用するような計測対象サイトの場合、サンキューページなどはサイト内に設置して、30分以内に元のECサイトの方に戻してあげれば、セッションはつながったままになり1訪問になるし、コンバージョンもその訪問の成果と見なされることになる。

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筆者が講義を行うGoogle アナリティクス徹底講座も、定期的に開催しています。  → Google アナリティクス ゼミナール

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