衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

Googleアナリティクスの導入から、運用、活用まで、正式なサポートがない初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。

Googleアナリティクスとは/衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

「ユーザー管理」権限を持ったユーザーを2人以上アサインしておこう――新しく増えた4種類のユーザー権限の使い分け方・後編(第87回)

なぜ最低2人なのか? ユーザー権限の仕組みとともに、その理由を解説する。

Googleアナリティクスのユーザー権限についての2回目となる今回は、実際にGoogleアナリティクスのアナリティクス設定から新規ユーザーを登録する手順を解説していく。

前回お薦めしたのは、一般閲覧ユーザーは「共有設定」権限を付与すればよいということだった。今回のポイントは、「ユーザー管理」あるいは「編集」権限を付与した人を最低2人はアサインしておくということだ。

なぜ2人アサインしておかなければならないのかを理解するには、「アカウント」「プロパティ」「ビュー」の3つのレベルで、権限がどのような依存関係、包含関係になっているのかを知っておく必要がある。順を追って説明していこう。

「ビュー」からユーザーに権限を付与するには

前回も冒頭の部分で紹介したが、新しいユーザーを登録するには、グローバルナビゲーションの[アナリティクス設定]をクリックして、管理画面に入るところから始めよう。ビューの設定項目の「ユーザー管理」(図1赤枠部分)をクリックしたのが図1だ。

図1:「ビュー」の「ユーザー管理」画面

サイトの計測をし始めたばかりであれば、アカウントを作成した自分自身だけがユーザーとして登録され、すべての権限が付与されている状態になっている(図1青枠部分)。

「ビュー」で新しいユーザーに権限を付与するには、以下の手順を行おう。

  1. 「権限を付与するユーザー」(図1緑枠部分)の入力ボックスにユーザーのメールアドレスを入力する
  2. その右隣のプルダウンをクリックし、付与したい権限を選択する
  3. [追加]ボタン(図1黒枠部分)をクリックする

これでユーザー登録は完了する。なお、ここで入力したメールアドレスは、Google アナリティクスを閲覧するためGoogleアカウントにログインする際に使うメールアドレスとなる。

「表示と分析」権限ユーザーを1人追加したあとの「ビュー」の「ユーザー管理」画面が図2だ。

図2:「表示と分析」権限ユーザーを1人追加したときの「ビュー」の「ユーザー管理」画面
上が新たにビューに追加したユーザー、下がこのGoogleアナリティクスのアカウントを作るのに使ったユーザー

追加したユーザーがユーザー一覧に追加されている(図2赤枠部分)のが確認できる。

付与したユーザー権限を「プロパティ」で確認してみる

では、いま「ビュー」で権限を付与されたユーザーは、1つ上の階層である「プロパティ」ではどのような権限を付与されているのだろうか? 「プロパティ」の「ユーザー管理」(図3赤枠部分)からそれを確認したのが図3だ。

図3:「プロパティ」の「ユーザー管理」画面
上が新たにビューに追加したユーザー、下がこのGoogleアナリティクスのアカウントを作るのに使ったユーザー

先ほど「ビュー」の「ユーザー管理」で「表示と分析」権限を付与されたユーザー(図3緑枠部分)は、「プロパティ」レベルでのアクセス許可は「なし」となっている(図3黒枠部分)。

一方、このGoogleアナリティクス アカウントの作成を行ったユーザーは、「プロパティ」レベルでもすべての権限が付与されている図3青枠部分)。

付与したユーザー権限を「アカウント」で確認してみる

同様に「アカウント」の「ユーザー管理」(図4赤枠部分)はどう見えているのか確認したのが図5だ。

図4:「アカウント」の「ユーザー管理」画面
上が新たにビューに追加したユーザー、下がこのGoogleアナリティクスのアカウントを作るのに使ったユーザー

先ほど「ビュー」の「ユーザー管理」で「表示と分析」権限を付与されたユーザーは、「アカウント」レベルでのアクセス許可は「なし」となっている(図4黒枠部分)。

「アカウント」の「ユーザー管理」ではユーザーを削除できる

「プロパティ」の場合(図3)との違いは、ユーザーを削除できることだ。「プロパティ」や「ビュー」のレベルでは権限を「なし」にすることは可能だが、ユーザー自体を削除する機能は、最上位の「アカウント」のレベルだけにあるのだ。

ユーザー一覧の右端に「削除」という部分がある(図4青枠部分)。ここをクリックすると、ユーザーの削除確認画面が現れるので、そこで[ユーザーを削除]ボタンを押せば、このアカウント全体に対する権限がすべて消滅する。

なお、このユーザーの削除は、「ユーザー管理」権限を持っているユーザーが1人しかいないアカウントの場合には、「ユーザー管理」権限を持っている唯一のユーザーが自分自身を削除することはできない。アカウントを管理できる人がいなくなってしまうからだろう。

その1人しかいないユーザーが、転職や異動でいなくなるということは、組織であれば起こり得る事態である。その際、そのユーザーのすべての権限を削除したい場合にはどうしたらよいのだろう。この場合は、最低でも「ユーザー管理」権限を持ったユーザーを別に1人ユーザー登録をし、その人が異動したユーザーを削除しよう。権限を持つ人全員が突然いなくなることはないとは思うが、常時「ユーザー管理」権限を持ったユーザーを2人以上アサインしておくべきだろう。

「アカウント」の「ユーザー管理」では、3つのレベルの権限を一覧で確認できる

「アカウント」の「ユーザー管理」においては、各ユーザーのメールアドレスがクリックできるようになっている(図4緑枠部分)。ここをクリックすると、該当ユーザーの「Google アナリティクスのアカウント」「プロパティ」「ビュー」の3つのレベルすべての権限を一覧で確認(図5赤枠部分)できるようになっている。

図5:選択したユーザーの権限一覧

また、この画面で、該当ユーザーの「Google アナリティクスのアカウント」「プロパティ」「ビュー」の3つのレベルすべての権限の修正もできるようになっている(図5青枠部分)。

親階層の権限は下の階層に引き継がれる

これまでも見てきたように、Googleアナリティクスでは、親階層の権限はデフォルトで下の階層に引き継がれるが、その逆は適用されない。階層は、「アカウント」>「プロパティ」>「ビュー」の順になっているため、「アカウント」や「プロパティ」の権限は「ビュー」に引き継がれるが、「ビュー」で付与した権限は「プロパティ」や「アカウント」には反映されない。

もし、すべての階層で同じ権限を付与したいのなら、階層が一番上位になる「アカウント」の「ユーザー管理」で指定してしまえばよい、というわけだ。

もちろん各階層できめ細かく権限を付与したいのであれば、それぞれの階層においてその設定を施すことは可能だ。「プロパティ」のレベルで別の指定をしたいのであれば、プロパティ設定(図3)あるいはすべてのレベルを指定できる図5の画面で、「ユーザー管理」「編集」「共有設定」「表示と分析」から割り当てたいユーザー権限を選択しよう。

4つの権限のうち、3つの権限は依存関係にある

また前回、各権限の内容について解説したとおり、「編集」「共有設定」「表示と分析」の3つの権限は依存関係がある。「編集」は「共有設定」の権限を包含し、「共有設定」は「表示と分析」の権限を包含するので、別々に独立して自由にチェックすることはできない。実際、図6のように「編集」(図6赤枠部分)にチェックをすると、その下の「共有設定」「表示と分析」権限にも自動的にチェックが付与され、かつそこはグレー表示となり消去することはできなくなる。

図6:権限選択のプルダウン画面

同様に「共有設定」をチェックすると、「表示と分析」も自動的にチェックされるが、そこは消去できない。権限内容の包含関係を理解していれば驚くことではなく、親切な機能だということだ。なお「ユーザー管理」は残り3つとは独立関係なので、このような依存関係はない

先ほど、親階層(「アカウント」>「プロパティ」>「ビュー」の階層順)の権限はデフォルトで下の階層に引き継がれると述べたが、子階層で設定された権限は、親階層で設定された権限よりも優先される。そのため階層が下に進むにつれて、設定する権限を増やすことはできるが、減らすことはできない。

たとえば、「アカウント」では「表示と分析」の権限のみをもっているユーザーに、「ビュー」では「共有設定」の権限を追加することはできる。しかし、「ビュー」で「編集」「共有設定」「表示と分析」の権限をもっているユーザーを、「アカウント」で「表示と分析」だけにすることはできないということだ。

ユーザー権限別の管理画面を確認しておこう

最後に、この権限の付与状況に応じて、実際そのユーザーが見ている管理画面はどのようなものかをいくつか紹介しておこう。4種類も権限の種類があると、権限を設定されたユーザーにはどのように見えているのか、何ができるのかできないのか共通理解をすることが難しい。そんなときの参考にしていただければと思う。

(1)3つのレベルで「ユーザー管理」権限のみ

「Google アナリティクスのアカウント」「プロパティ」「ビュー」の3つのレベルすべてに「ユーザー管理」の権限のみを割り当てている場合が図7だ。

図7:「ユーザー管理」権限のみのユーザーの管理画面表示

レポートの設定項目系の表示自体がなく、「ユーザー管理」の項目(図7赤枠部分)しか触ることができない

(2)3つのレベルで「表示と分析」権限を持つ場合

「Google アナリティクスのアカウント」「プロパティ」「ビュー」の3つのレベルすべてに「表示と分析」権限のみを割り当てている場合が図8だ。

図8:「表示と分析」権限のみのユーザーの管理画面表示

「アカウント」の「ユーザー管理」(図8赤枠部分、図9赤枠部分)をクリックすると、図9のように自分で自分自身を削除する(図9青枠部分)ことができる。

図9:自分自身を削除

他にもいくつか設定項目がないところがある。また「編集」権限を持っていないので、各項目の多くは内容の確認はできても、追加や修正といったことができない

(3)3つのレベルで「編集」権限を持つ場合

「Google アナリティクスのアカウント」「プロパティ」「ビュー」の3つのレベルすべてに「編集」権限を割当てている場合が図10だ。

図10:「編集」権限のユーザーの管理画面表示

「編集」権限は「ユーザー管理」以外の各種設定の権限を持っているので、管理画面の各項目へのリンクがあり、それぞれの項目の内容の編集ができる。

「ユーザー管理」と関係が深いのは、「アカウント」の管理項目である「変更履歴」(図10赤枠部分)だ。ここをクリックした画面が図11である。

図11:「変更履歴」画面

これは過去180日間のGoogle アナリティクスの重要な設定変更の内容を表示する機能だ。「ユーザー管理」あるいは「編集」権限のユーザーが複数いる場合に、いつ誰がその変更を行ったのかを確認できる。記録されるおもな履歴は以下のとおりだ。

  • プロパティの追加削除
  • ビューの追加削除
  • 費用データの連携
  • ユーザーの追加削除、権限の変更
  • 目標の変更、追加削除
  • フィルタの変更、追加削除

表示される情報は、

  • 変更が行われた日時
  • 変更者のメールアドレス
  • 変更内容(図10青枠部分)

で、新しい順に上から表示されている。誰が何をやったかという履歴が残るので、管理という意味では重要な記録となるだろう。

ブログを1人で個人的に運用していて、その計測をGoogle アナリティクスで行っているような場合は別として、組織でさまざまな関係者がいる場合にはユーザー管理は実は非常に重要なテーマだ。どんどん関係者が増えてきたときに、何が何だかわからなくなる前に、しっかりとしたルールを作っておくのも大事だろう。

筆者の『ユニバーサルアナリティクス版Googleアナリティクス完全マニュアル(PDF)』が発行されました。

筆者が講義を行うGoogle アナリティクス徹底講座も、定期的に開催しています。  → Google アナリティクス ゼミナール

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