有名サイト、かってに解析!

前回+今回のまとめ&アクセス解析的な視点でのチェックポイント

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前回+今回のまとめ&アクセス解析的な視点でのチェックポイント

最後にアクセス解析的な視点で見るべきポイントをまとめておこう。

  1. 季節変動について

    交通機関や乗り物系のWebサイトは季節変動が大きい。「レンタカー」も検索語の人気は季節性が高いようだ。

    本文では触れなかったが、「Google Insight for Search」というツールがある。これは「Google」で過去にどのような言葉が検索されたかを調べることができるツールだ。国を日本に絞って、「レンタカー」を検索クエリに入力して検索した結果が図27だ。

    図27:「Google Insight for Search」で「レンタカー」を調べた結果
    図27:「Google Insight for Search」で「レンタカー」を調べた結果

    これを見ると、毎年、春と夏に検索ボリュームが増えるパターンになっていることが確認できる。期間の選択(図27の赤枠で囲んだ部分)を2011年というように1年間にしてみると、もっと様子がはっきり見えてくる。それが図28だ。春のピークといっても、じつはピークは2回あり、3月上旬と4月下旬にピークがある

    図28:「Google Insight for Search」で「レンタカー」を調べた結果
    図28:「Google Insight for Search」で「レンタカー」を調べた結果(2011年)

    筆者は専門家でないので、これがどういう需要なのか勝手な推測だが、3月は引っ越し需要か春休み需要、4月はゴールデンウィーク需要ということになりそうだ。夏場の需要は、夏休み需要ということなのだろう。

    季節によって需要が異なる場合に、Webページの作りや訴求点を変える必要が出てくる部分もあるだろう。アクセス解析でWebサイトの改善活動に役立てる場合でも、季節によって変わる部分と変わらない部分は気をつけたいポイントだ

    Google Insight for Search」では、関連する「検索クエリ」も表示される(図27の青枠で囲んだ部分)。「ニッポンレンタカー」がどれくらい検索されているのか、競合はどうなのかといった情報も見ることができる。検索連動型広告の実施などにおいては、こういったユーザーニーズを知っておくことが有効だろう

  2. トップページについて

    本文でも触れたが、トップページはもっとコンパクトな作りの方がよいように思うので、

    • キャンペーン系のバナーやリンクがどれだけクリックされているのか
    • 下方までスクロールされているか、そして新着情報などはクリックされているのか

    といったことを確認したい。それほどクリックされていないのであれば、もっとコンパクトな作りにしてみることを提案したい。可能であれば、それらをA/Bテストしてみて、

    • トップページの滞在時間の短縮
    • コンバージョン率アップ

    になっているのかといったポイントで検証したい。

    「予約」や「会員登録」、「ログイン」などのボタンや機能の配置に関しても、どの部分が一番クリックされているのかによって、配置決めの参考にしてみたい。

    本文でも触れているが、URLにファイル名(index.html)が付いている場合と付いていない場合があるのだが、これはどちらかに統一をしておいた方がよいだろう。無理であれば、アクセス解析ツール側で同一視するような設定が可能であれば、そのような設定をしておきたい。SEO的にも検索エンジンに対して同一視するように伝える記述の仕方があるので(canonical属性の指定)、そのような対策をしておくとよいだろう。

  3. 会員登録プロセス

    会員規約の[同意ボタン]の位置について本文で触れたが、「同意しません」と誤ってクリックしてしまう割合がどのくらいいるのだろうか? これも可能ならA/Bテストをしてみたい。

    また[同意しません]というボタンをクリックすると、単純に前のページに戻ってしまうのだが、[同意します]をクリックしたつもりの人にとっては、何が起こったのか理解できないのではないだろうか。「[同意しません]がクリックされました。同意していただけないと会員登録できません」といった案内ページを作ってあげた方がよいように思う

    「入会申し込みページ」も、任意項目は削除するなどコンパクトにしてみることで、このページの滞在時間が短くなるのではないだろうか。そしてエラー率やエラー項目などがわかるような仕掛けをしておけば、どこを改良したらよいのか、改良前後の評価も可能になるだろう。

  4. レンタカー予約のプロセス

    アクセス解析データで、この予約の流れの各ステップでの離脱率を追っていくことで、問題のあるページの優先順位をつけていくことが必要だろう。その上で、予約のタスクを与えて実際にやってもらうユーザーテストで、各ページの問題点を洗い出していく方法がよさそうだ。

    本シナリオでは予約を行ってみたのだが、他にも「空車照会」や「料金照会」などさまざまな機能があるので、こういった機能もユーザーテストをしてみることが有効だろう。言葉使いや意味、ボタンの位置、ユーザーが迷う場所などを発見することができるはずだ。

◇◇◇

さて、この連載では、

  • Webサイトのオーナーか管理者の方からの「かってに解析」してほしいリクエスト
  • 「かってに解析」されたサイト運営者・管理者の方からの異論や反論

などを随時募集している。希望者は、(web-tan@impressrd.jp)までお寄せいただきたい。

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