企業ホームページ運営の心得
Webマーケッター瞳に捧ぐ。焼け太りする謝罪の極意

トラブル拡大原因の大半は「感情のこじれ」によるものです。円滑に収めるには原因を探るよりも謝罪から
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の百六十

ケアレスミスを許さない人々

クライマックスに向けてイベントの成功と恋模様が気になる漫画、「Webマーケッター瞳」の第6話「マーケッター失格!」でおきた「ケアレスミス」について共感する声がコメント欄に多数寄せられていました。実際問題「ケアレスミス」は細心の注意を払っても起こってしまうもので、出版業界においての「校正漏れ」と重なります。

人間のやることだから

と寛大な心で接してくれる読者とクライアントばかりならどれだけ幸せなことでしょう。しかし現実は「板井」のように感情を爆発させる人に多く出会います。しかし、ミスの原因が特定された時に会社への連絡を優先させた瞳の行動も一考が必要。それはトラブルが拡大する原因の大半が「感情のこじれ」だからです。

今回は「謝罪」がテーマ。もっとも板井の高慢な態度に我慢する瞳は大人です。私なら「売られた喧嘩」と買ってしまいます。

日本型社会においてはスピード

「頭は自分が優位に立っているときに下げる」と前に書きましたが、これは「交渉時」の話。日本以外の国では謝罪すると罪を認めたことになり不利になるといわれますが、国内に限ればすぐに頭を下げるのが上策です。ましてや先方が怒りをあらわにしているならば絶対です。

トラブル発生時は情報が錯綜し、どちらに非があるかはわかりませんので「トラブルの中身について謝罪はしない」というのがポイント。頭はこう下げます。

お騒がせしたことをお詫び致します

トラブルには触れずに「騒がせた」ことについて。後に先方の過失とわかり、優位に立てば「説明不足でご心配をかけました」と、さらに頭を下げて、にやりと口の端を持ち上げて笑います。

怒りより不安を解消する

怒りをあらわにするのは「不安」を隠すための攻撃対象を探しているからです。まず、これを回避するために頭を下げます。頭を下げることでこちらに非があると錯覚させ、「責任回避」できたという心理的な余裕を与えるのが狙いです。

間髪をいれずに伺いを立てます。

どうしましょうか

「瞳」のようにメールの誤送信なら「訂正メール」か「謝罪メール」、それとも手紙で詫びるべきかの対策を求めるのです。この時点でこちらから「提案」してはいけません。トラブルで芽生えた猜疑心から、優れたアイデアも色眼鏡で見られてしまうからです。相手が求めてから状況に適した「提案」をすれば、今度は逆に、求めに応えたという「満足感」が提案に下駄を履かせてくれます。

怒りに我を忘れたり、提案のすべてを却下したりと「聞く耳を持たない」場合は「解決を求めない」という選択肢もあります。取引は双方に「応分の責任」があると心の中で開き直るのです。換言すれば「発注者責任」。何をやってもフォローできないのなら、費やす人件費と精神エネルギーをカットするほうがお得です。

原因を先に探る愚

原因を探るのが先というご意見もあるでしょう。しかし、トラブルの原因が先にわかったとしてどうなるでしょうか。こちらに非があると確定すれば、さらに信用が損なわれます。逆に先方が原因と判明した時、振り上げた拳の行方をさがして気まずい空気が流れます。そこから「解決」へと向かうのは困難です。まずトラブルを解決しておくことで目先の不安はなくなり、「トラブル解決」という成功体験と、力を合わせたことで生まれる「連帯感」から互いを思いやる心の余裕が芽生えます。つまり「トラブル」が関係を深める「ツール」になるのです。

原因の追求は必要でも、緊急時の優先順位1位ではありません。これは受発注のどちら側でも使え、私はこの方法でほとんどのトラブルを円滑に解決してきました。

焼け太りのような人生

広告代理店に入社して初めての年末、宅配寿司チェーン店の「正月用チラシ」が年末に配布されてしまいました。客先に飛び謝罪します。そこで「どうしましょうか」と尋ねました。配布されたものを回収したとしても、逆にチラシを受けとった「客の客(消費者)」の不信を買う怖れがあり、損害賠償と騒ぎ立てても故意や悪質性のない「ケアレスミス」には「応分の責任」があり、受け取れる額は微々たるもの……と、教えてくれたのは先方の責任者です。

「明日からちゃんと入っていればいい」と諭すように言い、「蒼い顔になるほど思い詰めてくれるなら再発はしないだろう」と私をはげましてくれます。ありがたいことです。ただ、この「蒼い顔」は風邪を引き39度の熱があったことが理由というのは今でも秘密です。

誤配の原因はドライバーのケアレスミス。ケアレスミスをどう説明すれば相手の怒りは収まるでしょうか。それより、迅速に謝罪をすませ、解決を優先させるほうが建設的で、この「蒼い顔」によって責任者に気に入られ、取引拡大のきっかけとなったのは、まるで「焼け太り」です。

ミスは必ず起こるもの

納期直前に業者が逃げ出したこともあります。すぐにクライアントに謝罪にいきました。30分ほど激しいお叱りを受け、頃合いを見計り「どうしましょうか」と訊ねます。繰り返される謝罪に少し冷静になったようで「間に合わせるためなら協力を惜しまない」とクライアントのスタッフにも協力してもらい無事達成しました。以来、社員以上に信頼され取引も増えました。

謝罪は営業チャンス

とは私の「焼け太り理論」です。ミスが起きたときには、まず相手の不安を取り除くために頭を下げ、一緒に「解決策」を考えて信頼を深め、取引を拡大します。科学者や研究者ではないので原因解明はその後。当然ですがミスを計算しろというわけではありません。

謝罪で命まで取られませんし、また発注者責任から重大な過失でもなければ発注金額の範囲内で収めるのが一般的です。つまり最悪でも「ただ働き」。それ以上を求められたら我が国には「裁判」という解決方法もあります。しかし、何よりも「初手」が肝心。相手の不安を取り除くために頭を下げるぐらいは仕事の一部、料金のウチと割り切り「焼け太り」を目指してはいかがでしょうか。

今回のポイント

トラブルの拡大は「感情のこじれ」。

原因より先に解決方法を探す。

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