企業ホームページ運営の心得

アルバイトは専用機である。1人オーナーための雇用心得

細分化して作業を任せることがポイント
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の507

経営者の考え方

DAJ/Thinkstock

厚生労働省が5月30日に発表した2017年4月の有効求人倍率は1.48倍、バブル時代のピークを超え、ほぼ完全雇用を実現した空前の有効求人倍率が雄弁に語るのは「景気回復」です。ナウなヤングには人生初のことかもしれませんが、こう思っているのではないでしょうか。

好景気とかいわれても、まったく実感ねーし

気持ちはわかります。なぜなら、現代史の教科書で習った「バブル経済」のときも、当時のヤングマンだった私の給料が上がったのは、しばらく時間が経ってのことだったからです。経済学では「賃金の遅効性」と呼ばれ、会社が儲かってしばらくしてからしか、給料は増えないということ。そして、今のような景気回復期、「仕事量」だけは増加します。

仕事量が増えても、多くの経営者はすぐに正社員を増やすのではなく「パート」や「アルバイト」でしのごうとするものです。あるいは他部署からの応援部隊、一時的なヘルプなど。そして、その教育は現場へと押しつけられます。夏冬、イベント時の短期的な繁忙期も同じくです。今回はこうした諸事情から、パートを雇うことになったときの心得です。

パートとは何か

私はプログラマをドロップアウトした後、「フリーター」として職を転々としました。紆余曲折を経た再就職先では、中小企業の経営者から、パートやアルバイトの採用について相談を受けます。そして起業してからは雇う立場にもなり、これらの経験から得たパートやアルバイトを雇うときの心得は「仕事の細分化」です

たとえば、「文字打ち(文字起こし)」だけ、画像の切り抜きだけ。資料集めなら、1つのジャンルだけ探すといった、いわば「単純作業」にあたらせます。

かつて「ネット選挙」を取材したときは、各地の議員や立候補予定者のTwitterアカウントをフォローするためだけにパートさんを雇ったことがあります。語弊を怖れずに言うなら、パートやアルバイトは、そのジャンルにおける「専用機」と位置づけるということです。

これには3つのメリットがあり、人を動かす上で重要な心得へとつながります。

単純作業を推す3つのメリット

まず、人的リソースの効率化が図れます。既存のスタッフでなければできない作業と、誰でもすぐにできる作業に分け、後者をお願いすることで、前者の能力の最大化が期待できるということです。

たとえば、「八百屋(あるいはスーパーマーケット)」の場合、店頭の欠品を補充する「品だし」には、ある種の需要予測と陳列のコツ、お客に声をかけられたときの対応など、技術が求められます。一方、ダンボールの中のジャガイモをバックヤードでビニール袋に小分けする「袋詰め」なら、ほぼ誰でもすぐ作業に掛かれます。

2つめのメリットは教える手間が省けることです。仕事を教えるために「仕事ができる人」の作業を止めるのは本末転倒です。専用機に期待するのは特定の作業であり、ジャガイモの袋詰めだけなら説明の時間はわずかです。

繁忙期はアレもコレも手伝ってほしいと思うものですが、高望みが自分の首を絞めることもあります。まず、すぐに、誰にでもできることからはじめさせるということです。

3つめは能力を精査しやすいということ。作業を細分化して任せることで、成果を数字で確認しやすくなります。これがパートやアルバイトを使うときの重要な心得です。

アルバイト側の視点

パートやアルバイトを「専用機」としたことに憤りを感じる読者もいることでしょうが、フリーター時代にこんなことがありました。あるサービス業でアルバイトをしていたときのこと、トップの号令一下、高級ホテル並の接客を現場のアルバイトにまで求められたのです。

経営トップの志は理解しましたが、こちらは時間を切り売りするアルバイト。仮に高級ホテル並の接客が認められて昇給しても、10円単位の時給アップ、100時間働いてもわずか1,000円の増収にしかなりません。

大卒社員と同じモチベーションで仕事をしろというほうが無理な話です。アルバイトにとっては「専用機」の方が楽なことは少なくありません。そしてこのアルバイト側からの視点が、心得へとつながります。

栴檀を探せ

栴檀(せんだん)は双葉より芳し(かんばし)

こんなことわざがあります。実際には香木の白檀(びゃくだん)を指すのですが、芽生えたころからすでに良い香りを放つという意味があります。つまり、若くても優れた「人材」であれば、どこにいても光るということ。単純作業や「専用機」的な配置なら、その労働成果を客観的な数字として把握し、能力を比較検証することができます。

時間給の場合、勤務時間の浪費を目的とするような労働姿勢のスタッフが一定の割合で現れます。一方で「栴檀」のようなスタッフもいます。それぞれの能力、特性を見極めるためにも「専用機」的な業務は役立つのです。

専用機とは反対に、最初から「すべて」を任せて学ばせる方法もあります。

教育費の配分

知人の会社では入社直後から、ベテラン並に作業を「丸投げ」します。短期間に多くの経験も積めますが、ミスはもちろん、納期に間に合わないリスクも抱えています。そこで、ミスやトラブルが発生したときは、既存の全社員の総力を結集してフォローするというマッチョな「社風」がこの仕組みを支えています。このときの人件費の無駄も「教育費」と割り切ってのことです。

最初から多くを求めるときは、それ以上の負担を覚悟しなければならないということです。

実は私のプログラマ時代も「丸投げ型」でした。何度も失敗し、師匠のフォローを受けながら育ててもらいました。一方、翌年配属された専門学校卒の新人は、同じ丸投げ方式でも、何から手をつけていいかわからないとノイローゼになり出社拒否。彼の両親と、会社の上層部が話し合った結果、師匠の「サポート専用機」として職場復帰し、いきいきと「コピー」をとっていました。

1人ひとりの個性もあり、中長期的視野に立った人材育成なら「丸投げ」も1つのアプローチですが、ネコの手も借りたい繁忙期には不向きな方法で、専用機的な役割分担に軍配があがります。

今回のポイント

作業を細分化しリソースの有効活用

数的な把握は幾重にも重要

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