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200人のマーケターが集結! LINEが初めて開催した「LINE Marketing Meetup」第1回を特濃レポート

LINEが初のマーケター向けMeetupを11/16に開催した。懇親会と勉強会を兼ねたイベントに200名のマーケターが集結。イベントの詳細をレポートする。
LINE Marketer Meetup。「vol.1」と書かれている
LINE Marketer Meetup。「vol.1」と書かれている

日本企業のマーケター200人が集まるマーケティング部署オフ会「LINE Marketer Meetup」を、LINEが11月16日に渋谷ヒカリエで開催した。

LINEがマーケター向けにこのようなイベントを主催するのは初めて。同イベントはマーケターの懇親会とカジュアルな勉強会を兼ねており、10名の登壇者が10分ずつ話すライトニングトーク形式で、マーケティング、EC、デジタル広告、アフィリエイトなどについてプレゼンが行われた。

会場となったカフェスペース
会場となったカフェスペース

同イベントの会場となったのは、渋谷ヒカリエのLINEオフィス内にあるカフェスペース。渋谷の夜景を見下ろす広々としたスペースに約200人のマーケターが集まった。イベントには定員を大きく超える約700人の申し込みがあったという。

イベントは、同社マーケティング・コミュニケーション室 矢嶋聡氏の乾杯を合図にしてスタートした。ここでは、非公開の1セッションを除いてライトニングトークで語られた9つのテーマをレポートする。

マーケターに横のつながりを。2017年は「アフィリエイト」が来る!
藤原彰二氏(LINE)

LINE 藤原彰二氏
LINE 藤原彰二氏

ライトニングトークの一番手に登壇したのは今回のイベントを企画した同社の藤原彰二氏。

同氏はまず、日米のマーケティング事情が大きく異なっていることを指摘した。日本にはCMOがおらず、マーケター同士で横のつながりもない。一方でサンフランシスコではマーケター同士のエコシステムができていて、横のつながりが非常に強い。

日本のマーケットを広げて強くしていくには、競合とかをいったん忘れて横で連携しなければならないと思います。

インターネット系のサービスは総じて米国に押されており、日本から海外に出ていくサービスはとても少ない。藤原氏は、マーケター同士で横のつながりを作り、日本からブームが始まるようなサービスや動きを作っていくことがこのイベントの目的だと語った。

続いて、藤原氏が考えるこれからのマーケティングについて語られた。インターネットの広告には流れがあり、1996年ごろからバナー、メール、アフィリエイト、SEOと順に推移してきた。広告枠の変化や技術の進歩により、この歴史はもう一度繰り返しているという。

たとえば、バナー広告の進化でリマーケティングが登場し、メールの代替えで現在はメッセンジャーが注目されている。そして次の2017年は「もう一度アフィリエイトの時代がくる」と語る。

いつも新しい広告手法は米国で始まって、その1~2年後に日本に来る。僕は米国スタートって嫌いなんですよ。だから次のアフィリエイトで、初めて日本からブームをスタートさせたいと思っています。

技術が発展したおかげで既存ユーザーに対して広告配信が強化されてきている昨今、新規ユーザーの獲得は一般的に既存ユーザーの約5倍コストがかかるので、企業は新規ユーザーを積極的に狙っていないのが現状だ。藤原氏は「これは非常にもったいないこと」だという。

同社では「新規を獲るアフィリエイト」の準備を進めていて、既存化したユーザーにはLINEと連携してリテンションを図って売り上げにつなげる新しい仕組みを検討しているという。藤原氏は「これからアフィリエイトのニュースに注目してください」と自信を見せた。

売れるのは7割が商品の力。バズワードや流行に踊らされない
石川森生氏(ディノス・セシール)

ディノス・セシール 石川森生氏
ディノス・セシール 石川森生氏

続いて登壇したのはディノス・セシールの石川森生氏で、テーマは「EC売り上げの作り方」。同社の例を挙げながら、ECで売るために大切なこととして次の3つを挙げた。

  • 欲しい商品がある
  • 人が来るときに売る
  • ハードルを下げる

石川氏は「売れる理由が100あったら、そのうち70は商品の力」だと語る。無理やり売っても後が続かないので「欲しい商品がある」ことが大前提なのだ。また、アメ横の賑わいを例に出しながら「人が来るときに売る」のも基本だと説明する。クリスマスなどの既存イベントのほか、自社で買い物デーなどのイベントを企画して人を集めるのも有効だとした。

お客さんって、財布に最初からヒモがかかっているんですよね。そのヒモをどうやってほどくかというのがわれわれの仕事で、そのためには購入のハードルを下げないといけない。

そして、コンバージョン手前まで来た顧客の心理的なハードルを下げること。そのための方法は値下げ以外にもたくさんあり、それを考えることがECにおけるマーケティングの王道だと語った。

デジタルマーケティングについては、「導入したらすぐに売り上げが上がるようなソリューションはない」と断言。バズワードや流行に踊らされずに、自分たちのサービスにどう使えるのかを冷静に見て、必要であれば導入するという姿勢が大切だとした。

自社独自のフレームワークを定義するとサービスの成長につながる
中村裕一氏(エウレカ)

エウレカ 中村裕一氏
エウレカ 中村裕一氏

続いては恋愛・婚活マッチングサービス「pairs」を運営するエウレカの中村裕一氏が登壇。pairsのグロースに使った考え方を落とし込んだ独自のフレームワーク「ARRRP」を紹介した。

pairsのために作成したARRRPフレームワーク
Awareness: 認知・ブランドイメージ オウンドメディアやファンページで最初にユーザープールを作る
Registration: 獲得手法・登録フロー 広告やオーガニックのLPをチャネルや性別ごとに徹底的に分析して変える
Retention: CRM・Push設計 プロフィール入力ボーナスやスタンプカードなどモバイルを前提としたCRM戦略を行う
Revenue: Menu設計・CVR向上 来訪チャネルやデバイスなどで柔軟にキャンペーン内容やクリエイティブを変更する
Product experience: UI/UX設計・新機能 「実体験」を良くすることを最優先してUI/UXを積極的に更新する

サービスを進めていくうえで「ここではどの戦略を取ろうか」と悩むのはすごく無駄だと思っています。やるべきことをあらかじめ定義しておけば、極端なことを言うと僕が明日突然いなくなっても迷わない。

中村氏は「これはあくまで自社の事例にすぎない」としたうえで、世の中にはいろいろなフレームワークがあるが、自分たちなりにカスタマイズして定義し直してみてはどうかと提案する。それは企業のビジョンを定めるのと同じ話で「この段階では何をやる」を明確にすることがサービスの成長につながるとした。

スマホで5分読んでもらえれば、ユーザーに態度変容を起こせる
谷口マサト氏(LINE)

LINE 谷口マサト氏
LINE 谷口マサト氏

LINEの谷口マサト氏は、「ヒットする記事」のポイントについて説明した。

谷口氏は、最近ヒットした例としてライフネット生命保険の広告企画を紹介。山科ティナ氏が描いたマンガ「どうしてパパはカメムシになったの?」は、死んだ父親がカメムシに生まれ変わり、家族の生活を眺めて後悔する物語。100万人に平均6分間読まれ、SNSで1,800件シェアされたという。

この企画は、もともとあった「生命保険の重要性を伝えたい」という課題を深掘りして「なぜ生命保険に入らないのか?」ということを考えた結果、谷口氏は「自分の死後の家族の人生を想像できていないから」という仮説を立てた。そこで「自分の死後も家族の人生は続く」というメッセージをライフネット生命保険と相談して決めたという。

スマホの集中力は続いても5分。5分読んでもらえれば、ユーザーに態度変容を起こすことができます。

マンガは長い時間読んでもらうコンテンツなので、映画の脚本パターンを応用してストーリーを広告に落とすことに注力したという。悩みやトラブルをストーリーで表現して、解決策として商材を登場させるという手法だ。

コンテンツを読んだユーザーの態度変容は数値として計測しづらいが、「メッセージを5分読んでもらうこと」の効果は大きい。こうした効果が計測できるようになれば、もっと新しいことができるようになるはずだと語った。

スマホファーストのECフローの理想形「Official Web App」
谷口友彦氏(LINE)

LINE 谷口友彦氏
LINE 谷口友彦氏

LINEの谷口友彦氏が掲げるテーマは「スマホファーストのECフロー」。ECの購入チャネルがPCからスマホに大きくシフトしてきているなかで、LINEが考える理想的な購入フローと実例を紹介した。

スマホ周りの変化は目まぐるしく、ユーザーが情報を取得する方法も変化している。スマホユーザーがLINE経由で企業や店舗の情報を取得するニーズは1年間で2倍に伸びており、チャットボットの技術も後押ししてこの傾向は今後さらに強まっていくという。

LINEの「Official Web App」では、新規集客からコンバージョン、リピート集客までをすべてLINE上で実施できるマーケティングプラットフォームの構築を進めている。その特徴はメッセージを使った効率的なリテンションとリピート促進だ。

スマホに複雑なページ遷移や情報入力は向きません。Official Web Appではページ遷移や会員情報の入力を省略できるので、従来のECサイトで購買行動に約9ページ必要だったのを5ページにまで減らし、ユーザーの入力負担をほぼゼロにまで改善できます。

また、LINEのアカウントを使って各サービスにログインできる「LINE Login」についても紹介。LINE Loginを導入した各社では、同じソーシャルログインの仕組みであるFacebookやTwitterと比べても新規顧客の利用率No.1はLINE Loginだという。

LINE Loginのメリットはほかにもあり、LINE Loginを利用するとLINEビジネスコネクトの友だち増加ペースが約3.2倍になるというデータもある。友だちを増やせばリテンション施策も実施しやすい。Official Web Appは、集客だけでなくリピート促進までカバーする仕組みだと語った。

広告不正対策と成果アップを目指すアトリビューション分析
谷島貴弘氏(Fringe81)

Fringe81 谷島貴弘氏
Fringe81 谷島貴弘氏

第三者配信ベンダーであるFringe81の谷島貴弘氏は、「デジタル広告の透明性」をテーマにプレゼンを行った。

広告は思いもよらないところで「ユーザーではないもの」に表示されている危険性がある。ユーザーではなくロボットが広告を表示してクリックしているということが実際に起きており、これが「広告不正」問題だと説明する。

「広告不正を対処したらトラフィックが65%減った」という例もあります。これはほとんどがロボットだったということで、事実として今も存在しています。

米国と比べて日本ではCPAやコンバージョンなどの成果を重視する傾向があり、そのため広告不正に気付いていないケースが少なくない。そこで役立つのが「アトリビューション分析」だという。

ラストクリックだけでなくほかのサイトの接点も分析に加えることで、これまで測れなかった接点の価値も測れるようになる。広告不正対策と共に、計測への見直しもすべきと説明した。

谷島氏は、例としてグーグルと共同で行った動画広告の調査結果を紹介した。「YouTube動画を見た/見ていない」でユーザー群を分け、その後どのような経路をたどって成果に至ったかを計測すると、動画を見たことによるコンバージョンのリフトアップ効果は167.7%だったという。

第三者配信と連携を行うことで見えづらかったユーザーの広告タッチを見られるようになり、それがデジタル広告の透明性を高めることにもつながると説明した。

「アフィリエイトで獲得した顧客はすぐいなくなる」は誤解
加來幹久氏(バリューコマース)

バリューコマース 加來幹久氏
バリューコマース 加來幹久氏

バリューコマースの加來 幹久氏は、顧客のLTV(顧客生涯価値)について解説した。加來氏自身も昔は「アフィリエイトで獲得した新規顧客はすぐにいなくなる」というイメージを持っていたが、実態は異なることがわかったいう。

投資に対するリターンという視点で1年間の売上インパクトを集計し、アフィリエイトで新規獲得した顧客とその他すべての顧客を分けて比較したところ、アフィリエイトで集客した顧客の方が3年たっても約23%LTVが高いという結果になったと説明する。

アフィリエイト経由のコンバージョンはリピート率も高く、購入単価も高い。アフィリエイトで購入した顧客は、またアフィリエイトを「踏みまくる」という。

データを取ってみると「なんだ、いいことばかりじゃないか」と。アフィリエイトで獲得したユーザーのROASは中長期的に見ても伸びていきます。

「これまでアフィリエイトは最終的にCPAを合わせにいく媒体で、あまり優先される施策ではなかった」と加來氏は語る。LTVが優秀であるという視点を加えて見直すと、多くのビジネスに役立てられるのではないかと語った。

マーケターは「5年」の視点でキャリアを考えるべき
志水雄一郎氏(ネットジンザイバンク)

ネットジンザイバンク 志水雄一郎氏
ネットジンザイバンク 志水雄一郎氏

日本を代表するヘッドハンターの一人であるネットジンザイバンクの志水雄一郎氏は、他のテーマと少し毛色を変えて「マーケターのキャリア」について収入のシミュレーションを交えて説明した。

志水氏は「上場インターネット企業の平均勤続年数は4.2年」だという。なぜかというと、もちろん会社設立から時間が短いということもあるが、3~5年の期間でプロダクトや企業のライフサイクルがひと回りするからと説明する。

この業界で「働く」とは「5年の期間帯域で最大値のやりがいと経済合理性を獲得すること」とも言い換えられます。

グローバルではキャリアに対する価値観が変わってきているという。「従来はMBAを取得したり、メジャー企業に行ったりすることがブライトキャリアだったが、現代では、起業してアントレプレナーとなること、またはPre-IPO企業にCxOなどとして参画し、いずれもイグジットすることにより大きな資産を得ることもブライトキャリアだ」と説明する。

日本ではこうしたことを誰も教えてくれないが、そういう視点で自分のキャリアを考え直してみてもいいのではという。

志水氏は最後に「皆さんは何のために働いていますか?」と問いかけた。

今生きるために稼ぐということはもちろんそうだが、「もう1つ視点を高くしてほしい」という。外貨を獲得できる新産業をたくさん生み出して、日本を世界で勝つ国にしていくこと、そしてその日本に生きる家族や子孫を幸せにしていくこと。「マーケティングという手法を使って日本を強くしていく」と考える人が一人でも多く出てきてほしいと語った。/p>

LINEは世の中のライフサイクルを変えていけるポテンシャルが魅力
矢嶋聡氏(LINE)

LINE 矢嶋聡氏
LINE 矢嶋聡氏

最後は、LINEのマーケティング・コミュニケーション室 室長である矢嶋聡氏が登壇し、LINEがこれから目指すことと、同社のマーケティング部署について説明した。

LINEは今年で5周年を迎え、6月に日米で同時上場した。現在は日本、タイ、台湾、インドネシアの4か国にフォーカスしており、4か国のMAUは1億6,200万人。グローバルのMAUは2億2,000万人に上るという。これまでは自由にやっていくことを優先していたが、上場を機に会社のミッションを「CLOSING THE DISTANCE」と定めた。

家族や友人だけでなく、人と情報、人とサービス。LINEが入り口になって、あらゆる距離を縮めていくサービスになろうとしています。それを実現する戦略が「スマートポータル」です。

矢嶋氏はLINEの中でのマーケティング・コミュニケーション室の位置付けについても説明。マーケティング・コミュニケーション室はLINEが展開しているさまざまな事業に対してグロースをサポートする部署で、総勢は40名ほど。特徴は上流から下流まで統合型のマーケティングを行うことだと説明する。縦串に機能があって、横串で各サービスがあるイメージだ。

LINEというプロダクトには、世の中の生活やライフサイクルを変えていくポテンシャルが十分にある」という。どんなターゲットに、どんなメッセージで、どういうプロモーションを行えば人の習慣を変えられるかを考えられるのがLINEでマーケティングに取り組む魅力だと説明する。

矢嶋氏は最後に「皆さんの中で、もしLINEやスマートフォンで世の中に新しいバリューを生み出すことにご興味がある方がいれば、ぜひお声がけください」とマーケターに呼びかけてイベントを締めくくった。

◇◇◇
会場は終始熱気に包まれていた
会場は終始熱気に包まれていた

全体を通じて発信されたのは「スマホから新しいブームを生む」「日本を強くする」という2つのメッセージ。会場は終始熱気に包まれ、ライトニングトークの合間もマーケター同士で交流する姿が見られた。

今回のイベントを企画したLINEの藤原氏は、このイベントはこれからも継続的に開催していきたいと語る。詳細は未定だが、第2回は半年後くらいを予定しているという。

イベントの最後に撮影された集合写真
イベントの最後に撮影された集合写真
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