Web解析のためのKPI大全
コンテンツサイト向けKPI | KPI大全 第4章-2

こうしたサイトに適したKPIとして私が勧めるものは、訪問者の関心とロイヤリティにフォーカスしたものだ。

The Big Book of Key Performance Indicators
By Eric T. PetersonWeb解析のためのKPI大全
エリック・T・ピーターソン 著
株式会社デジタルフォレスト 訳

コンテンツサイト向けKPI

コンテンツサイトにおける第一のゴールは、オンライン広告を通じて利益を上げることだが、このゴールを達成するまでの道はそれほど明確ではないことが多い。コンテンツサイトの生死を分けるのは、訪問者のロイヤリティと、訪問者がオンライン広告をクリックする傾向である。特に、インターネット広告の料金システムは、成果連動型に向かって日々進化しているため、コンテンツサイトのオーナーは、広告主と協力し、行動ターゲット広告(behavioral targeting)などの広告技術をうまく用いて、編集可能な記事と広告部分の両方について、コンテンツをより適切なものにしていく必要がある。こうしたサイトに適したKPIとして私が勧めるものは、訪問者の関心とロイヤリティにフォーカスしたものである。また、指標を少なくとも週別には参照するような習慣づけをするように勧めている。

経営層向け

CPM課金制の広告、あるいはスポンサーシップ広告を収益源として利用するコンテンツサイトの経営層向けには、以下の指標を勧める。1訪問あたり平均ページビュー1訪問あたり平均コスト1訪問あたり平均収入平均CPM訪問頻度分布

  • 1訪問あたり平均ページビュー

    いかなるコンテンツサイトにおいても、成功を最も直接的に測るものはページビューである。提供されているコンテンツに、より興味を持った訪問者は、クリックを続け、ページビューを増やす。逆に、コンテンツに興味を失った訪問者は、クリックをしないか、ブラウザの「戻る」ボタンを押して、サイトから出て行ってしまう。経営層は、1訪問あたり平均ページビューの値に注目し、この比を高めるための努力を組織全体でしていくべきである。ZAAZ社のJason Burbyは、データが利用可能であれば、1訪問あたり平均広告表示回数も同時に追跡することを勧めている。CPM課金制の広告を利用するサイトでは、これが収益に関する情報をよりはっきりと示してくれるからだ。

  • 1訪問あたり平均コスト・収益

    「1ドルを作り出すには1ドルを使わなければならない」という格言はほとんど真理であるが、とはいえ1ドルを使うだけで3ドルでも4ドルでも、あるいは10ドルでも作り出せる可能性はある。この点でどれだけ良い仕事をしているかを判断するために、経営層は、1訪問あたり平均収入と相対して、獲得コストを注意深く観察する必要がある。1訪問あたりコストが1訪問あたり収入より高かったら、不幸なことである。同様に、あなたの使っている広告システムが、広告の総表示回数や、広告の収益額のデータを簡単に取得できるものならば、広告表示1000回あたりの平均収入(平均RPM)を計測することで、サイトが生み出す収入をより正確に追跡できるだろう。

  • 訪問頻度分布

    コンテンツサイトにおける訪問者のロイヤリティは最も重要な要素であるため、忠実な・やや忠実な・忠実でない訪問者の分布を注意深く観察することを強く勧める。この指標の値を変化させるのは難しいが、一方でこの指標により、訪問者のリテンション戦略がうまくいっているかどうかを全体的に判断できる。

中間管理職層向け

経営層向けのKPIに加えて、中間管理職層向けには、以下の指標を勧める。1人あたり平均訪問回数新規対リピート訪問者比閲覧時間分布

  • 1人あたり平均訪問回数

    1訪問あたり平均ページビュー1人あたり平均訪問回数から得られるデータは、訪問頻度分布と同じように、訪問者のロイヤリティを測る指標となる。この指標は、計測期間が短いため、訪問頻度の指標に比べれば、cookieの削除による影響を受けにくい。

  • 新規対訪問者比

    訪問者のロイヤリティ、そして訪問者の構成比という重要な要素を理解するために、一目でわかるこの指標を利用することで、訪問者の獲得とリテンションに対する活動の状況を知ることができる。コンテンツサイトでの理想的な値は、新規公開サイトや新規訪問者獲得に力を入れている場合を除いて、限りなく1.0に近いか、それより低い値である。一般的に、新しい訪問者が増え続けている限り、この値は低ければ低いほど良い。

  • 閲覧時間分布

    この指標もまた、訪問者の興味関心の度合いを測るためのものである。閲覧時間が中・高の割合が高いほど理想的で、1訪問あたり平均ページビューとの比較によって、訪問者がどのように時間を使っているかについて、多くの情報を得ることができる。

実務担当者向け

経営層・中間管理職層向け指標に加えて、実務担当者には、以下の指標を勧める。検索利用率クリック深度ランディングページ粘着度、そしてサイトでメールサービスやRSSの購読ができる場合は、購読コンバージョン率

  • 検索利用率

    コンテンツサイトにおいて、検索機能は大変重要なので、訪問者が検索機能をどのように利用しているかという指標は、注意深く観察することが必要である。この比率が高くなるほど、結果0件検索率成果なし検索率のような指標、及び検索システムが提供するネイティブの成功レポートにも目を向ける必要性が高まる。この指標を注意深く観察していると、値が急激に上昇していれば、訪問者が何らかの理由で、ある情報が「このWebサイト内にある」と確信して来ていることがわかるし、急激に減少していれば、検索結果に何か問題があり、検索インデックスに変更を加えたことに原因があるのではないか、というようなことがわかる。

  • クリック深度

    中間管理職層向けには閲覧時間分布があるが、実務担当者は、ページビュー数で計測される、クリック深度による訪問者の分布に注目しておく必要がある。閲覧時間が長いほどページビュー数は多い、ということはよく言われるが、これは必ずしも正しくない。訪問者が欲しい情報をなかなか見つけられないでいると、短い閲覧時間の間に、たくさんのページを見ることになる。閲覧時間かクリック深度のどちらかの計測から、訪問者が迷っているなと感じたら、購入者満足度の値もチェックしてみよう。

  • ランディングページ粘着度

    コンテンツ・広告サイトにとって、ランディングページの粘着度は、他のどのような業種よりも重要度が高いのではないだろうか。というのも、訪問者にページを見てもらってロイヤリティを醸成することが目標だとして、訪問者がサイトの中身を見ずに帰ってしまったら、目的を達成する術がないからである。この指標は、トップページと、上位5つから10のランディングページ(多くの場合はアクセス解析ツールの「上位のエントリーページ」レポートから取得できる)に関して、注意深く観察する必要がある。

    図15 樹形図から直帰率(粘着度の逆で低いほど良い)を表示したところ
    図15 樹形図から直帰率(粘着度の逆で低いほど良い)を表示したところ。それぞれのランディングページごとに直帰率を知ることができる。

    コンテンツが頻繁に更新されている場合、訪問者がそれぞれのコンテンツに示す関心の度合いによって、粘着度が変動することがよくある。しかし、この値が常に低迷していれば、ランディングページがうまく訪問者を惹きつけられておらず、何かしらの改善が必要だということになる。

  • 購読コンバージョン率

    メールによるニュースレター、RSSフィード、ポッドキャストなどの購読によって、訪問者の興味を引き続けようと思っているのならば、情報発見コンバージョン率の指標と同様に、この値を計測し、訪問者を購読に駆り立てているものが何なのかを発見しよう。購読手続きには、通常「購読ありがとうございます」ページを挟むことが多いので、このページを利用すれば、購読のトラッキングは比較的簡単にできる。RSSフィードやポッドキャストは比較的難しい。たとえば、購読ボタンを押したときに、リダイレクトページを挟んで、そこで計測をするという方法は考えられる。これに関しては、アクセス解析ベンダーの意見を聞くのも良いだろう。

    図16 CBSNews.comにおける購読ボタン
    図16 CBSNews.comにおける購読ボタン。それぞれ別々に計測ができる。

    上級者なら、購読者の中でセグメンテーションをして、購読率のトラッキングをするのも良い。

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