編集部ブログ―池田真也
ネット時代の広報スペシャリストを育成「ネットPR大学」――体験入学レポート

ニューズ・ツー・ユー開催の広報育成セミナー「ネットPR大学」の様子

ネット時代の広報担当者の実務に役立つノウハウを提供

ネットPR大学の様子
レゾン 代表取締役社長の矢口 須勢理氏

ネットPR事業のニューズ・ツー・ユーは、広報スペシャリストとなるために必要な基礎知識や現場で役立つ知識を伝える講座、「ネットPR大学」を2009年の2月から開始している。主催はニューズ・ツー・ユー、協力を同社グループでネットPR戦略コンサルティング事業のレゾンが行う。

ネットPR大学では、マスメディアに依存していた旧来のPR手法から、自社メディア(ウェブサイト)を利用したPRが必須となった、ネット時代のPRに即した知識を、同社が培ってきたネットPRのノウハウを活かして企業担当者へ伝えていく。

ネットPRという、企業活動を自社で効率的かつ効果的に企画実行するためのノウハウを提供する場として開講しました。ネットPRのPDCAサイクルを自社で運用していただけるようになることがゴールです」と、講座を企画するレゾン 代表取締役社長の矢口氏は語る。

社内外のステークホルダーとのコミュニケーションに関わる、広報やマーケティング部署の担当者を対象としたネットPR大学では、成功体験、実務経験のある講師陣による少人数制の講座とワークショップによって、参加後すぐに何らかのアクションに移すことが可能だという。講座は、受講者のレベルにあわせて初級~上級の3段階にわけられており、目的やスキルにあわせて受講できる。

また、現在はソーシャルメディア、解析、Webサイト構築、情報発信、ブロガーコミュニケーションといったコンテンツで運営しているが、今後は受講対象者のニーズを深堀した上で、さらに新しいコンテンツを提供していきたいという。

直近では、Webサイト構築の現場で、発注側として1人プロジェクトメンバーとの共通言語を持たないマーケターのためのWebサイト構築講座などを企画しており、9月下旬以降開講する予定です」(レゾン 矢口氏)

ネットPR大学
http://info.news2u.net/college/

今回、実際の講座に参加してきたので、ここではその様子を伝える。

ネットPRでは自社メディアの活用が大前提

ここでは、7月30日に実際に行われた講座の様子をお伝えする。この日の講座は、ネットPRの基本を学べる「ネットPR概論とコンテンツ設計の基本~ニュースリリースとブログを活用した情報発信~」。講師はニューズ・ツー・ユー 代表取締役社長の神原氏で、ネットPRの概論と、具体的なコンテンツ設計手法について、二部に分けて講義が行われた。

ネットPR大学の様子
講座は少人数制ということで、講師が受講生全員の顔を見渡せるようになっている。名前の通り大学の講義に近く質問がしやすい雰囲気だ。

今回の講座は初級編ということもあり、まず、ネット時代のPR論として、旧来のPR1.0からPR2.0への変化について解説。

はじめに、インターネット普及以前のPR1.0からの大きな変化として、マスメディアに送ったリリースが記事になり伝達されていくという、100%マスメディアに依存していた情報発信手段がネット後は多様化したことが挙げられた。企業が自社メディア(ウェブサイト)をもつことで、マスメディアは唯一の情報流通媒体からステークホルダーの1つとなり、企業は生の声をダイレクトに消費者に伝えることができる。同時に、消費者もマスメディアが発信する情報に依存せずに、企業が発信する一次情報を受け取れるようになった。

この他にも、メールマガジン、ブログ、RSSなど、インターネット全盛の現在、企業発の情報流通ルートは大きく拡大している。

PR2.0のルール

  1. 企業ウェブサイトは自社メディア
    企業が自社メディアを持つようになり、マスメディアに依存しない情報発信が可能になった。メディアが多様化し、メディア=マスメディアの時代ではない。

  2. コンテンツは資産
    サイトに載せたコンテンツはアーカイブされて資産になる。マスメディアや広告の単発的な露出と異なり、企業活動とともに時系列で蓄積され続け、その数だけ消費者とのコミュニケーション接点も増える。

  3. すべての人がスポークスパーソン
    ネット普及以前では、企業内の情報発信者は決まっていたが、今はブログなど、その広がり方はさまざま。誰もがあらゆる情報を発信できる環境がととのった。

このように、情報提供の手段が増えたことがネット以前との大きな違いだ。依然としてマスメディアの影響力は強いが、企業が自社メディアを持つようになったこと、さらに近年ソーシャルメディアが急成長したことで、今後さらにマスメディアの影響力の低下が進むという。

情報提供の手段が多様化したネットPR時代では、企業の広報、マーケティング担当者は予算をマスメディア対応だけに配分するのではなく、情報によって広告、ニュース、SEMなどの配分を考えなくてはならない。しかし、マスやソーシャルメディアも、自社メディアがあってこそ活きてくるので、どんなときも、まず情報の受け皿でありハブとなる自社メディアの整備が必要になる。

ネットPRのコンテンツ設計のコツ

後半は具体的なコンテンツ設計のプロセスについて触れられた。まずコンテンツ設計のためには、年間計画を立てることと話す神原氏。そのためにコツとして、次の4つのプロセスを紹介。

  1. リサーチ
    同業他社のリリースから情報発信頻度やカテゴリを分析する。

  2. 年間スケジュール確認
    サービスやマーケティングプランなど、社内行事の年間スケジュールを確認する。

  3. 指標の策定
    経営指標やマーケティング指標など、定期的に発表できる指標を探す。

  4. リリース年間計画決定
    年間スケジュールにリリーススケジュールを追加し、カテゴリと頻度を確認する。

年間計画を立てたら、あわせてリリースのテンプレートを作成し、社内の承認も獲得しておくとスムーズだ。

ネットPRでは、マスメディアに取り上げられないような情報でも、自社メディアを使って発信できるため、企業ニュースの切り口がロングテール化しているという。通常、マスメディアが取り上げるのは、ニュース性ある情報だけであるが、社内イベントや採用関連、導入事例、CSR活動、ランキング情報など、自社メディアを利用して発信できるのだ。大手企業では、CSRコンテンツが増えているという。

また、コンテンツの出し方や中身を工夫することで、その効果を広げることが可能だという。たとえば、イベントニュースであれば、開催案内のリリース1本だけでなく、「事前告知」「見所紹介」「開催後レポート」といったようにコンテンツを分解して出す方法もある。また、ランキング情報であれば、ただ人気商品の順位を掲載するだけでなく、個々の製品情報へのリンクを載せるなど、コンシューマを意識したコンテンツで成功している企業もあるという。

リリースの活用例のいくつかは、神原氏の連載「PR 2.0の現場から」にもあるのでこちらも参照してほしい。

情報提供の姿勢が企業の信頼につながる

講義では、PR的な側面だけでなく、リスクマネジメントの視点についても語られた。企業サイトは、消費者に直接情報を届けられる場であり、自社サイトでどれだけの情報を出しているかが信頼性にもつながる。ネット時代では、消費者の情報リテラシーが向上し、一次情報へと立ち戻る人が増えているというが、こうしたとき、正しい情報を企業サイトで継続して提供することで、誤情報発生のリスクを軽減できるという。

仮にリコールや個人情報流出などの不祥事がマスコミで取り上げられたとすると、結果だけが取り沙汰されてしまいがちだが、発覚前までの対応状況や経過などを見せておくことで、空白期間をなくすことができ、憶測による誤情報が発生するリスクを軽減できる。

さまざまな情報が飛び交うなかで、正しい情報をどのようにしたら届けられるのか。その情報流通ルートとしても自社メディアは大きな役割を担っている。

ここではいくつかピックアップして講義の内容を紹介したが、この他にも、ネットPRの効果測定の方法、情報カテゴリの詳細、ブログの活用方法やソーシャルメディア対応などについても詳しく解説されていた。

今回の講座は、ネットPRについての概論であったが、効果測定に特化した講座、ソーシャルメディア活用術、Webディレクター向け講座など、スキルに応じた各種講座を開講中だ。気になる人はネットPR大学のサイトを参照してほしい。

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