企業ホームページ運営の心得
“シーン”は日本人だけが理解する。マンガ技法の積極活用

Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の百十四

プロのネームに感動

マンガ「Web担当者 三ノ宮純二」第1話:居酒屋に学ぶネットビジネス
http://web-tan.forum.impressrd.jp/l/3047

今週最新号が公開されるマンガ「Web担当者 三ノ宮純二」に携わり驚いたのは、牧岡ちかひで先生の「ネーム」を見たときです。ネームとは大まかなコマにキャラクターと台詞が配置された「設計図」のようなものですが、ラフな線で描かれた三ノ宮や萌絵が動いているのです。そして仕上がった原稿は「売っているマンガ」でした。当然ですが。牧岡先生は「介護保険」や「判例マンガ」なども手がけ、「三ノ宮」を見た企業から執筆依頼が入るなど活躍の場を益々広げています。

その昔「マンガを読む大学生」という批判がありました。最高学府に入学したのに新聞や書籍も読まない大学生への嘆きです。首相が漫画好きを公言し、マンガは世界に誇る日本の文化だという主張を昭和の大人達はどう思うのか、ドラえもんのタイムマシーンを使って尋ねに行きたいものです。

実用的なツールとしてマンガや漫画的手法は使えます。

同じコンテンツで1.5倍のPVを記録

最初に読んだマンガの記憶は朧気ですが、小学館の学年誌「小学一年生」に掲載されていた作品だと思います。積極的にページをめくったマンガは「マカロニほうれん荘」です。マセた子供だったからか、作品の勢いかはわかりませんが、理髪店や喫茶店にあった「週刊少年チャンピオン」をめくり、意味もわからず目で追っていたのは「マンガ」がもつ表現力からなのでしょう。

コンビニエンスストア向け菓子物流のトップランナー「ライフサポート・エガワ」では昨夏より「3PL」のコンテンツを公開しました。3PLとは物流のアウトソーシングを指します。この用語もWeb 2.0やSaaSなどに並ぶ業界人のための業界人による業界用語ですが、流行しているものは利用するに限ります。今年に入りコンテンツはほぼ同じまま「漫画的手法」を導入したところ、1.5倍のPVを記録しました。

文章離れは永遠のテーマ

PVを上げた漫画的手法とは「フキダシ」です。コンテンツにあった「3PL導入以前の課題」として見出しに使っていたコピーをイメージ写真に「フキダシ」として埋めこんだところ「アイキャッチ」となりアクセスが増加しました。

活字離れが叫ばれて久しいですが、これは私が子供の頃から言われていることで、マンガ規制とあわせてPTAの定番議題でした。たしかに「非マンガ」を手にすらしない同級生も多くいました。ところが彼らも「マンガ」となると多少の長文を気にせず、「推理系マンガ」のコマを埋め尽くす長い台詞による謎解きもスラスラと読了します。まるで文章の食わず嫌いです。裏返せば「興味さえ惹かせれば文章を読む」ということではないでしょうか。フキダシは興味を持たせるアプローチの1つとなるのです。ちなみに我が家でも「マンガ規制」はありましたが、文字の多い本なら規制対象外で、その中に「マンガの描き方入門」があったのは秘密です。

=3でダッシュ

漫画的手法は応用範囲が広く、日ペンの美子ちゃんなどの「広告マンガ」のようにまるごとマンガにする手法もあれば前述のように写真画像にフキダシをつけただけでも効果が期待できます。スピード感を演出し、一点に視線を集めるための「集中線」なども応用範囲が広い漫画的手法です。

イラストが描ければ社内で作ってもいいですし、プロの漫画家さんに発注しても目が飛び出るほど(これも漫画的手法として有効です)高くはありません。しかし、そのどちらもできない場合は、文字の組み合わせによる「絵文字」を使っても表現できます。いわゆる「(-_-)」といった簡単な顔文字は、最近の日本語変換ソフトなら「かおもじ」から変換できますし、携帯メールから転送してコピペする手もあります。絵文字にも漫画的表現が活かされており「=(イコール)」と数字の「3」を組み合わせれば「=3」でダッシュや逃げるとなります。さらに応用としては以下のような絵文字にフキダシを組み合わせてもいいでしょう。

「(*`ε´*)ノ 

もちろん、TPOによりますが。

お約束という共通認識

つたない絵でも読者がイメージを補完してくれるのが我が国のメリットです。絵文字からでも「表情」を読み取ってくれます。これは多くの日本人が「マンガ慣れ」していることが理由です。「シーン」とあれば「静寂」や「沈黙」を意味し、「ぐぅぐぅ」と書き込めば寝ている状態を表しているという共通認識もその1つです。私たちが無意識に受けいれている「漫画的表現(手法)」はすでに生活の一部に溶け込んでいるということです。ただし、このことが「世界進出」の枷となるのではないかという危惧も……文化論を展開するつもりはありませんが。

共通認識の違いが意思の疎通を難しくする一例を1つ。著名企業から博士号をもつ方々までが集まったJEITAのシンポジウム会場で、下世話な情報の例えとして雑誌「BUBUKA」や「GON」の名前を挙げたところ、意味がわからないという表情で私を見つめます。多分、読んだことないのですね。慌てて「東スポ」とフォローしました。

手塚治虫没後20年に思う

没後20年。神話に磨きがかかっている手塚治虫さんは「父さんが子供の頃に読んでいた」と亡父が幼き私に語る存在でした。また「のらくろ」というマンガは父が生まれる前からあったことも教えてくれました。奇しくも手塚治虫さんと「のらくろ」の作者である田河水泡さんは同じ平成元年に逝去されています。僭越ながら父も同じく。父は生きていれば今年65歳。父の世代が子供の頃から日本人はマンガに親しんでいたのです。5人に1人が65歳以上の高齢者の時代となりました(2005年国勢調査)。幼き日に手塚治虫に触れた父と重ねれば5人に4人は65歳未満、つまり日本人の80%はマンガを理解する素養があるということです。これを活かさないのはもったいない話です。

某国の首相はマンガばかり読んでいたから漢字が読めないと批判されました。しかし、少年誌と違い青年誌は漢字にルビがありません。すると彼はずっと「誤読」のままストーリーを理解したのでしょうか。そんな彼の語る「マンガは文化」という主張の根拠にいささか疑問が残ります。

♪今回のポイント

マンガ世代が人口の大多数となっている。

漫画表現のお約束で客の理解を高める。

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