企業ホームページ運営の心得

ビルゲイツとスティーブ・ジョブズが和民で合併協議……という理由は?

4月1日。新年度の始まりに2つの提案をします。「イベントの活用」と「年間カレンダー」の作成です。
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の百十伍

古くは宇宙人との交信に成功

今回のタイトルは嘘です。ゴメンナサイ。コラムの公開は水曜日。次にエイプリルフールと重なるのは2015年。数年に一度のチャンスだったのでタイトルで釣ってみました。故、筑紫哲也さんが「宇宙人との交信に成功した」とニュース番組の冒頭で洒落たところ抗議の電話が多数寄せられたそうですが笑い飛ばしていただけると幸いです。

ネットの世界ではタイトルを扇情的にすることを「釣る」といい、批判的に使われることもありますがマーケティングの世界では常套手段で、逆に的確なタイトルでも客の興味を惹けなければ落第点です。もちろん「嘘」は信頼を失い逆効果となります。

4月1日。新年度の始まりに2つの提案をします。「イベントの活用」と「年間カレンダー」の作成です。

なんでもライドオン

この春、弊社では期間限定でこんなサービスを開始しました。

「定額給付金コンサルティング」

商売用ホームページのコンサルティングを定額給付金分の1万2,000円で提供するサービスです。景気対策としてばらまかれた給付金ですから、コンサルティングに投じて業績アップすればさらなる経済効果が期待できるというもくろみです。

便乗商法という非難も確信犯には馬耳東風です。逆に「商売用」を手伝っているものとして時機を逃す方が恥ずかしいと考えます。売名行為も同じ。知名度の高さは商売上有利ですし、無視されるより話題に上る方を選ぶのが商売です。何でも乗っかるのが「イベント」の基本でユーモアを香辛料とします。弊社のサービスのスパイスは「麻生総理の任期中有効」。総辞職か解散総選挙までサポートするとしました。

毎日がスペシャルデー

仕掛ける側の人間が便乗商法を批判することはなく、上手いか下手か、好きか嫌いか、成功か失敗かがあるだけです。批判するのは素人で、チャレンジするのがプロと線引きしてもいいでしょう。商売用に携わるなら「プロ」を目指します。

イベントの「ネタ」がないと頭を抱える人がいます。これはブログの「ネタがない」と嘆くのと同じで、ないのではなく「気づいていない」に過ぎません。毎日必ずどこかでイベントが行われております。時間区切りのタイムセールに曜日ごとの日替わりイベント、日付の下一桁を利用したものなどもあります。スーパー「マルゴ」では5、15、25と「5」のつく日を「マルゴの日」として5円の商品を販売するイベントを行い、和菓子店「梅林堂」では同じく「6」のつく日は人気ロールケーキの「六六ロール」を割引します。パチンコチェーンのマルハンでは同じく7のつく日を「7のちから」として盛り上げます。近所のパチンコ店では「4」を「ヨンさまの日」として「CR冬のソナタ2」を大開放すると告知します。

何でもあり。こじつけ。その通りです。だからパチンコ店の「サービスデー」を、客は「客が店にサービスする日」とからかいます。

うっかり防止のために

マンガ原作を始める際に、担当編集さんから「大きなストーリーの中に小さなストーリーを作る」とアドバイスを受けました。イベントに通じます。タイムセール、曜日、日付下一桁が小さな周期のイベント(ストーリー)とすれば、大きなストーリーが「季節」です。しかし、季節イベントは日々の業務でつい「準備」を忘れてしまいます。それを助けるのが「年間カレンダー」です。

  • 春:卒業、ホワイトデー、彼岸、桜、新入学・生活、GW
  • 夏:梅雨、ボーナス、七夕、お盆、夏休み、レジャー
  • 秋:彼岸、スポーツ・芸術、収穫(実り)、ハロウィン
  • 冬:クリスマス、年末年始、成人式、バレンタイン

4月から翌年の3月までの一覧表をエクセルなどで用意してこれらをかき込んでいきます。さらに二十四節気や地域の習慣を加えます。会社の「創業日」や「決算月」も忘れずに。こうして「大きなストーリー」のための「年間カレンダー」を仕上げていきます。

同じ夏は二度こない

年間カレンダーを一度作れば生涯使えます。初恋の同級生を追いかけて受験した高校生活を前にウキウキしていた24年前の春にも桜は咲き、定額給付金を貰った今年の春も桜吹雪は舞いました。昨年は「ガソリン租特法」の騒動の中、ソメイヨシノの花びらが散りました。しかし桜は咲いても同じ春は訪れません。昭和の頃の桜は吹雪でしたが、地球温暖化の影響なのでしょう、初音ミクは「桜ノ雨」と歌います。時代が季節行事のニュアンスを勝手に変えてくれるのです。

そして大きなストーリーのさらに外側に大きなうねりがあります。オリンピックとワールドカップ、各種博覧会に消費税の増税などもそうです。これらを組み合わせるだけでも同じ季節はなくなります。それは「行く川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」とある方丈記のように。

いい加減でいい加減な日本人気質

日本人の宗教観も季節イベントと関係しています。海外の宗教行事だった「ハロウィン」や、本命の異性と過ごすイブの代換えとしてアッシー、メッシーへのご褒美だった「クリスマス・イブイブ」は、今上陛下の誕生日と重なり定着しつつあります。宗教意識の希薄さか、それとも「八百万」も神様がいるからか、「めでたい」ことなら宗派を問いません。

曜日、日時、季節行事、ワールドカップ。イベントの理由がない日を探す方が困難です。それはバラクーダの「日本全国酒飲み音頭」のようです。理由を見つけては酒を飲むという歌で、毎月理由をつけて酒を飲みます。さらに全国展開し、富山では越中ふんどしで、沖縄には行ったことがなくても酒を飲みます。イベントも同じです。とにかく理由を見つけて開催するのです。エイプリルフールでもネタとなるように。

ものが余っている時代に「買う気」にさせる動機付けが「イベント」です。そして「季節カレンダー」を作ったことのある人はまれです。ぜひ、この春から1年がかりで挑戦してみてください。

♪今回のポイント

日本人はとにかくイベント好きだということ。

季節イベントとタイムリーネタを組み合わせると無限。

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