PR 2.0の現場から
大規模サイトのリニューアルとオンラインブランディングの新しい挑戦/富士フイルムの場合

事業拡大や新分野への進出で、Webサイトでの情報発信も大きく変わってきます。

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企業ブランディングにおけるウェブサイトの重要性はますます高まっています。

富士フイルム株式会社(以下「富士フイルム」)と富士ゼロックス株式会社の2社の持株会社として、富士フイルムホールディングス株式会社(以下「富士フイルムホールディングス」)が誕生したのは、2006年のこと。新社名に合わせての複数ウェブサイトの刷新は、壮大なプロジェクトだったと思います。

特に、B2Cでの化粧品事業への参入や、B2Bでの医療分野などの拡大や新分野への進出で、ウェブサイトでの情報発信やコミュニケーションの内容も大きく変わってきます。

今回の取材では、長年、富士フイルムのウェブサイトの運営に関わってきたインターネット室の安東氏と長谷川氏にお話をお聞きしました。

宣伝部からインターネット室へ

社長直轄の組織としてインターネット室が発足したのは2004年のこと。その前身は、宣伝部でした。

富士フイルム株式会社
インターネット室 担当課長 兼
富士フイルムホールディングス株式会社
コーポレートサポート部インターネットグループ 兼
ブランドマネジメントグループ
担当課長 安東 豊氏

現在、インターネット室担当課長の安東氏は、2000年8月に当時の宣伝部に移って以来のご担当で、長きにわたり自社のウェブプロモーションの変遷を見つめ続けてこられました。安東氏が所属するインターネット室は、現在は総勢10名の体制とのこと。

(2000年頃は)インパク(インターネット博覧会)の開催やグーグルの登場など業界でも大きな動きがあり、企業におけるウェブ活用に関しても、それまで事業部が好きなように作っていたサイトをどうやって統一していくかという課題が出てきたときでした。外部環境もいろいろ変わってきましたし、社内のウェブ活用のやり方も変化していましたが、本格的に体制を整備し始めたのがその3~4年後ですね」(安東氏)

長谷川氏は、もともとウェブデザイナー。業界歴も長く、技術的なサポートやプロモーションを担当しています。

インターネット室にきて2年になります。今は、ウェブサイトのアクセス解析やニュースリリースなどを担当しています。マーケティングに活用できるようなデータを収集、分析するのが仕事です」(長谷川氏)

広報的なウェブサイトから、マーケティングはもちろん、もっといろんなことに活用できるのではないかということで誕生したインターネット室。

各事業部のネットビジネスに関しては、戦略的な活用を後方支援するという立場でやっています」(安東氏)

イントラネットもインターネット室の担当。富士フイルムのイントラネットには、企業ウェブサイトを立ち上げてからのアーカイブコーナーがあります。今回、特別に見せていただいたのですが、90年代から現在に至るまで、ウェブサイトのトップページの変遷には、歴史を感じました。

全ウェブサイトのガイドラインとガバナンスを統括

現在、富士フイルムで運営しているウェブサイトは40以上にのぼります。富士フイルムでは、公式サイト以外のサイトは「サテライトサイト」と呼んでいるそうです。インターネット室では、4つの公式サイトの運営とあわせて、サテライトサイトを含む関連ウェブサイトのガイドラインの策定・管理と、各サイトのガバナンスを統括しています。

安東氏によると、「保有しているドメイン名の数は、防衛的な意味で取得したものも含めて国内だけで300個以上。各国のものを含めると400~500個になる」とのこと。インターネット室では、国内取得のドメイン名については全貌を把握、管理しているほか、社内の担当者向けのウェブ管理運用ガイドラインも発行しています。

富士フイルム株式会社
インターネット室
長谷川 正氏

具体的には、ウェブサイトを運営するに当たっての注意事項、契約関連、運営関連のものがまとめてあります。制作会社向けには、ウェブサイトの制作ガイドラインも発行しています。たとえばヘッダーやフッターの付け方からアクセシビリティまで技術寄りのものも含めて、公式サイトに関するソースコードレベルの内容も取り決めています」(長谷川氏)

ガイドラインを制定したのは、fujifilm.jpを作った2004年。これからリニューアルをしていくのですが、改めて見直しをしようかと思っています」(安東氏)

ウェブの新しい企画などは、事前に申請する必要があるという運用は、現場の担当者にとっては手間になるのではないでしょうか?

現場の担当者は、どうしても自分が担当している製品やコンテンツからの視点になります。申請していただくことによって、公式サイトと別ドメイン名のどちらがいいのかなどをやりとりしながら検討します。事業部と相談するツールとして活用しています」(長谷川氏)

企業発信の情報内容を統一し、管理できるのは、インターネット室と事業部が直接やり取りをしているからできることなんですね。

B2CからB2Bへ、ウェブサイトリニューアル・プロジェクト

今回、とても興味深かったのが大規模サイトのリニューアルの話。「なによりも社内調整に時間がかかった」と安東氏が言う、2004年から継続的に実施してきたウェブサイトのリニューアルプロジェクトについて、お話をうかがいました。

リニューアル以前のウェブサイトは、実際に“建て増しを繰り返した温泉旅館のような”サイトでした(笑)。事業部が独自のテイストでサイトを作っている。入り口も違えば、ロビーに戻ろうと思っても戻れない。そういう状態だったものを、フロア図を用意して使いやすいサイトにしていく必要がありました。

そのためにも、まず“ウェブサイトというのはその事業部だけでなく、もっと別の富士フイルムも知っていただける場所だ”ということを、担当一人ひとりに理解してもらいました」(安東氏)

業務用製品
業務用製品
ヘルスケア
ヘルスケア製品ラインナップ

それまで「写真」を軸にしたトータルソリューションが中心だったウェブサイト。そこにB2Bの要素を盛り込む際に注意した点はどのあたりなのでしょうか?

B2Bについては、fujifilm.jpの中で、業務用製品というカテゴリになります。まず、各販売会社がもっていた情報を、一覧性をもって整理しました。B2Bの商材は、最終的には弊社営業にコンタクトいただき、ビジネスの商談になっていくのが理想です。だから営業窓口としても整備し、その結果コンタクト数が向上しています

ヘルスケアについては、企業としては投資家や学生の方にも情報を伝えたいし、またプロモーションの部分では、化粧品ブランドがB2C分野でのFUJIFILMブランドをさらに強化できるかの試金石だととらえています。最終的には、全体最適の観点から事業部の方にアドバイスしています」(安東氏)

ECに関しては、これまでも写真プリントを展開していました。しかし、ECだけに注力したいというわけではなく、ECはあくまでもお客様に最適なチャンネルの1つだと考えています。化粧品もドラッッグストアなどの店舗でも販売させていただいておりますし、(それに合わせて)ウェブサイトでは、お客様の所在地から最寄りにある店舗をご案内できるようにしています」(長谷川氏)

“ゴールが営業コンタクト”と、従来とは異なるとはいえ、B2Cの経験で培ったお客様側の視点をB2Bに活用することで、「問い合わせなどの機能の利便性が向上できた」(安東氏)そうです。

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