企業ホームページ運営の心得
グーグル? ヤフーで問題ないしという国民気質

Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の八

「ゴーグルいいよ」と言い続けた時代

1月21日のNHKスペシャル「“グーグル革命”の衝撃 あなたの人生を“検索”が変える」が放送されて以降、リアル社会の各方面に話題を呼んでおります。番組の内容はこのサイトに訪れている方の多くにとっては目新しいものはなかったでしょうが、リアルな社会のネット認知度はあれで「最先端」だという温度差があるのです。

私自身のグーグルとの付き合いは、1999年頃から参加していたSOHOが集うメーリングリストで知り、日本国内の正式サービス開始前よりグーグルを使っていました。

当時はダイヤルアップ回線で、ヤフーの「なんでもあるよ」のゴテゴテとしていてサイトを表示させるだけで時間がかかるページに比べて、検索窓しかないシンプルな画面は、それだけで目的の情報への距離を縮めてくれたものです。

当時、「ゴーゴルいいよ」と言い続けていたのは内緒ですが。

グーグルを堪能する人しない人

グーグルマップやグーグルアースは衝撃的でした。仕事を放り投げて、自宅の屋根をチェックした後、世界中の遺跡や名所を回りました。APIも簡単に利用でき、近所に開通する「日暮里・舎人ライナー」の路線を移動するだけという地図を作り悦に浸りました。もちろんGmailも使っていますし、パーソナライズドホームで最新ニュースを眺めつつ、パックマンを楽しみカレンダーをグループウェア代わりに活用しています。

しかし、これぐらいグーグルを使う日本人はどれくらいいるでしょうか。同業者や新しい物好きのGmail使用率は100%に近づいていますが、携帯メールがメインで、仕事や調べ物があるときだけパソコンの電源を入れている人にはヤフーやMSNなどのフリーメールを使い、検索はヤフーという人はまだまだ多いのです(図1、2)。

最も利用している検索サービス(単一回答)[2005年-2006年]のグラフ画像
図1 最も利用している検索サービス(単一回答)[2005年-2006年]のグラフ。グーグルも追い上げてはきているものの、国内では依然としてヤフーがトップシェアを持っている。[出典:インターネット白書2006©Access Media/impress,2006]
利用している検索サービス(複数回答)[2005年-2006年]のグラフ画像
図2 利用している検索サービス(複数回答)[2005年-2006年]のグラフ。ヤフーに次いでグーグルの利用率も高いが、それにもかかわらず図1のような結果になるのは、日本人にはヤフーに馴染んでいるといえるのかもしれない。[出典:インターネット白書2006©Access Media/impress,2006]

参考記事:[INTERNET Watch]
「際立つYahoo!検索のシェアは日本独特の現象」NetRatings萩原社長

ぴったんこカンカンに見るヤフーの底力

たびたび紹介している行列のできる焼き肉屋、足立区鹿浜の「スタミナ苑」のホームページを置いているレンタルサーバー会社から「何かあったんですか」と電話が入りました。短時間に想定外のアクセスが集中したため、サーバーがダウンしたというのです。その日は定休日で身に覚えがないことを告げ、話しを聞くと9割以上がヤフーからのアクセスで、「スタミナ苑」で検索されていると言います。

調べてみるとTBSの人気番組「ぴったんこカン・カン」でスタミナ苑が取り上げられており、視聴者が「この店はどこだ?」と「ヤフー」を使って探し、アクセスが集中したことが原因でした。

純粋な検索結果としてはスタミナ苑はヤフーでもグーグルでも1位で表示されるので条件は同じです。

ネット世界では「検索はグーグル」というコンセンサスができたかのようですが、ゴールデンタイムの人気番組を観ての「検索」は、ヤフーの利用者が9割と圧倒的に多かったのです。

専門誌や情報発信サイトが作り出すネット世論

この直後、テレビ朝日の深夜の人気番組「草野キッド」でもスタミナ苑が紹介されました。やはり放送時刻よりアクセスが急増したのですがこちらはグーグルとヤフーからの検索がほぼ同数でした。つまり、時間帯や番組の視聴者ターゲットにより、使用する検索エンジンの傾向が異なるということです。

ネットの専門誌や情報発信サイトでは、ネットに詳しい人が詳しい人や詳しくなろうとしている人に向けて記事を企画するので、新興勢力でおもしろいツールを提供し続けるグーグルに肩入れします。

誰もが知っているという印象により、目新しさを読者が感じでないであろうヤフーよりも、「Google Labs」というおもちゃ箱を探して新しいものを紹介した方が読者受けしますからね。

ここで商売のツールとしてのホームページと、ネット社会で完結するグーグル万歳派との格差が生まれます。

最初にトヨタを買ったからずっとトヨタ

自分の好きな情報を次々と探し、掘り当てていく米国人(欧米人)にはグーグルがツボにはまったのでしょうが、主体的に行動することが得意でない日本人的には、一通り揃っているヤフーのようなポータルサイトが安心できます。

次々とキャリアアップすることが日常に組み込まれている米国人は、リスクを怖がりません。たとえ、検索エンジンを替えたことによって不都合が生じても、「失敗だった」という経験を得たと考えます。しかし、日本人はリスクを嫌います。「グーグルはいいかもしれないけど、ヤフーで問題ないし」。快適でなければ問題と考えるか、顕在化しない限り問題と受け取らないかの違いかも知れません。

また、年齢層が高くなるほど現れる傾向ですが、最初にトヨタを買ったからずっとトヨタというように、義理堅い方が多く、リスク回避と相まって、検索エンジンも終身雇用的発想で同じものを使い続けている人がいます。

ウィンドウズ98で走るホームページビルダーで粗利1000万円オーバー。

グーグルが日本国内で「普通の人」を虜にするのは、もう少し先のことではないかとみています。

楽天市場がなくなる日』で紹介している「マツブン刺繍」はWeb 2.0的(笑)に検索連動型広告を出していますが、ヤフー傘下のオーバーチュアへの出稿で年間1000万円を楽々超える粗利をたたき出しています。最近までウィンドウズ98で走るホームページビルダーを使っていたのは秘密です。

また、グーグルに傾倒しすぎることはネットの専門家の激戦区に参戦することでもあります。

商売においては「勝ち易きに勝つ」が王道です。グーグルで自分の欲しい情報を取捨選択するネットリテラシーに長けた相手と、「とりあえずヤフー」で探してくれる相手のどちらが欲しいお客さんかは一考に値します。

ちなみに、SEO=グーグルという「風評」は、2004年はじめ頃までのポータル各社がグーグルの検索エンジンを積んでいたことの名残です。

♪今回のポイント

ヤフーもまだまだ健在!

国内向けの商売なら日本人の特性にあったものを選ぼう。

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