レンタルサーバー導入&活用事例

アクセス集中の短期キャンペーンサイトでも安定運用/コクヨ+パワープラットフォーム

レンタルサーバー導入&活用事例

コクヨ株式会社+パワープラットフォームホスティングサービス

野本 幹彦(フリーライター)

アクセスが集中する短期キャンペーンサイトを
セキュリティーと安定性の高いサーバーで運用

コクヨ株式会社

コクヨキャンペーンサイト(2005年10月31日までのキャンペーン)
http://www.kokuyo.jp/
  • 設立:1905年10月
  • 本社所在地:大阪府大阪市東成区大今里南6-1-1
  • 事業内容:オフィス空間・パーソナル商品・公共施設・商空間における多岐に渡るモノづくり。ステーショナリーやファニチャーといった形あるものだけではなく、企業活動をサポートするサービス事業を展開
  • URL:http://www.kokuyo.co.jp/

レンタルサーバー利用概要

  • 利用サービス:パワープラットフォームホスティングサービス
    短期利用型
    (オンデマンド・ホスティング)
    ウェブサーバー1台+DBサーバー1台、Tier1バックボーン直結の100Mbps帯域確保型回線を2か月間利用
  • 利用内容:「コクヨえっラボ研究所設立記念キャンペーン」サイト(2005年10月31日まで)として利用

品質の高いサービスを時間のない中で利用できた

コクヨ株式会社は、明治38年(1905年)10月に創業された老舗企業で、2005年で100周年を迎えた。100周年を記念したさまざまなキャンペーンが行われたが、今回紹介する「コクヨえっラボ研究所設立記念キャンペーン」もこれらのキャンペーンの1つとして行われたものだ。

同キャンペーンは2005年10月3日から10月31日まで実施された。ウルフルズのトータス松本氏をイメージキャラクターとし、ウェブサイト上でクイズとアンケートに回答すると1,000名に特別デザインのキャンパスノートが当たるというものだ。

このような短期型のキャンペーンサイトでは、一時的なアクセス集中と負荷増大が問題となる場合が多い。コクヨの場合も、キャンペーンを開催するにあたって短期利用が可能なレンタルサーバーを探していたと、今回のキャンペーンサイトを手がけた佐藤詠美氏は言う。

「コクヨグループは、kokyuyo.co.jpを自社で運営しています。通常の運用であれば自社運用のサーバーで十分対応できるのですが、キャンペーンなどを行う場合はパフォーマンスに問題が出てきます。実際、以前にサイト上でキャンペーンを行ったときには表示が遅くなるなどの問題が発生し、お客様相談室に苦情が寄せられたこともありました」

コクヨビジネスサービス株式会社
コクヨホームページWebマスター
佐藤詠美氏

これらの事態を避けるため、コクヨでは、kokuyo.jpドメインを使ったキャンペーンサイトをNTTコミュニケーションズの「パワープラットフォームホスティングサービス」で運用することになった。ウェブサーバーとデータベースサーバーの2台を利用して、大規模応募サイトのアンケート集計を行ったのだという。

キャンペーンサイトの運用管理を担当する株式会社CreatorsNet代表取締役の菅原裕氏は、サーバー選択の決め手として「短期利用ができること」「アクセス集中に耐えうるスペックを持つこと」「高いセキュリティーを維持できること」の3点をあげている。

「1か月の短期キャンペーンであるため、構築準備、運用、撤収を含めて必要な期間は2か月間です。キャンペーンのためだけに年契約のサーバーを借りれば無駄なコストがかかってしまう。短期利用が可能なサービスを持ち、安定性と信頼性の高いサービスを選ぶことが重要でした」

サービスインまでの短い期間で十分なサポートを得られた

今回のキャンペーンでは、サービス開始まで1か月を切った時点からという慌しいスケジュールの中でサーバー選定が行われている。

「キャンペーン企画が決定したのは3か月前くらいで、ページデザインはすでにでき上がっていました。しかし、サーバーを内部に置くのか、外部で運用するのかということが決まらずサーバーの選定が遅れてしまいました。そのような中で、NTTコミュニケーションズからは負荷に合わせたインフラの提案などを行っていただき、時間のない中で無理を聞いていただいたと思っています」(佐藤氏)。

実際にコクヨがNTTコミュニケーションズに相談を開始してから、わずか2週間でサービスを提供している。

株式会社CreatorsNet 代表取締役
菅原裕氏

「これまでのキャンペーンや通常の運用の中で、ある程度の負荷予測はできていましたし、それをベースにサービスを提案してもらいました。ただし、予測したとおりに負荷が集中してくれるわけでもありません。今年始めにキャンパスノートが30周年を迎えたというリリースを発表したときのように、Yahoo! JAPANにそのニュースが掲載されて思わぬ負荷集中を招いたというケースもあります。
パワープラットフォームでは、ハードウェアのベーシック監視(死活監視)や負荷/使用率のモニタリングが行え、サーバー構成変更も含めて、何かあったら対応してもらえるという安心感がありましたね。
キャンペーンは初日を迎えた時点で大きなピークが訪れるというケースが多いのですが、初日の時点でしっかりとモニタリングできたのも安心感につながります。SSHのポリシー変更なども迅速に対応してくれました」
(菅原氏)

レンタルサーバーは、単純に回線やサーバー機器を提供するだけではサービスが成り立たない時代になってきている。SLA(Service Level Agreement:サービス品質保証)に代表されるように、利用者はハードウェアのスペックだけでサービスを選ぶのではなく、“どのようなサービスを提供してくれるのか”という視点で選んでいるのだ。

キャンペーンサイトなどのような“結果を出さなければならない”サイトは、そのよい例だろう。コクヨでは今回、Tier1バックボーン直結で100Mbps帯域確保型のサービスを利用しているが、「トラブルなど何もなくキャンペーンを進められた」と佐藤氏が語るように、運用面/セキュリティー面で問題が発生せずに“結果を出せた”ことは、企業にとって(当然でありながら)大きなメリットであると言えるだろう。

セキュリティ面も重要な問題

B2BやB2Cの両方で多くのユーザーを持つコクヨのような大企業にとっては、情報管理やセキュリティという側面も重要な課題となる。

「コクヨには、グループ全体で重点的に取り組んでいる、事業の3つの柱があります。1つは“エコロジー”、2つ目が“ユニバーサルデザイン”、そして3つ目が“セキュリティー”です」と佐藤氏は語る。

コクヨにおけるセキュリティー事業というのは、たとえば、人的ミスによる情報漏えいが起こりにくいオフィス空間設計の提案などを指す。kokuyo.co.jpを自社サーバーで運用している点もセキュリティー意識の高さからくるものであり、個人情報を管理していくことに対する会社の目は厳しい。

「アンケートなどの個人情報を扱うシステムを、実績や信頼性のない会社に任せることはできません。今回、外部にサーバーを置く決断ができたのは、PマークやISMSなどの認証取得に準ずるセキュリティーポリシーがしっかりしているNTTコミュニケーションズだからだと言ってもいいと思います。実績や信頼性も高く、IPS(不正侵入防御システム)なども含めたセキュリティーパックも選定の決め手となっています」(菅原氏)

100周年のキャンペーンを無事に終了させたコクヨだが、今後どのようなサービスを提供していくのだろうか。

「コクヨでは、“次の100年”“第二の創業”というキーワードで新たなブランドイメージ創出を考えています。ウェブサイトでもお客様の声を幅広く聞いて、サービスを展開したいと考えています」(佐藤氏)

コクヨ株式会社が選んだレンタルサーバー

パワープラットフォームホスティングサービス
http://www.powerplatform.jp/

「パワープラットフォームホスティングサービス」は、キャンペーンや検証などでの短期(1か月から)の利用が可能。たとえ短期利用であってもそのサービスは変わらず、ホスティングサービスのインターネット回線、サーバーインフラ、運用保守など540種類の充実したサービス内容を誇る。
http://www.powerplatform.jp/

※この記事は、『レンタルサーバー完全ガイド vol.3』 掲載の記事です。

※社名、所属部署、利用サービス、価格など、この記事内に記載の内容は、取材当時または記事初出当時(2005年11月)のものです。

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