各社の事例でわかるオウンドメディア運営の「企画」「構築」「成果」ノウハウ

コンテンツはタイトルが最重要! 「読みたい」と思わせるタイトルの作り方

ルイケン編集塾の講座のなかから、「タイトル案の作り方」を紹介します。

コンテンツが読者に読まれるかを決める最大の要素ともいえる「タイトル」。Webメディアやオウンドメディアの編集者・ライターは、タイトル付けに頭を悩ませている方も多いのでは? Webメディアやオウンドメディアの担当者に向けて開催された、ルイケン編集塾の中から、「タイトル案の作り方」について紹介する。

 

編集の基礎スキルを学ぶ「ルイケン編集塾」

ルイケン編集塾は、2020年5月4日~6日にオンラインで行われた、Webメディアやオウンドメディア担当者向けの基礎スキルが学べる全9コマのセミナーだ。講師はTABIPPO.NETの編集長を務める前田塁さん(以下、ルイスさん)と、編集者歴15年・現在はフリーランスとして活動中の鈴木健介さん(以下、アミケンさん)だ。

カリキュラムは、「編集部の仕事とは」という概論から、コンテンツを作るうえで重要な「企画案の作り方」「構成案の作り方」「取材(インタビュー)の基本」、メディア運営をしておくうえで知っておきたい「メディアの成長に効く&効かない施策」「SEO対策の押さえどころ」といった内容で行われた。この記事では「タイトル案の作り方」について内容をレポートする。

オンラインならでは! 東京、大阪、福岡、沖縄と全国各地から参加者が集まった

読者との接点の中で、タイトルで「おもしろそう!」「気になる!」と思ってもらうか

あなたはWebでコンテンツを選ぶとき、どのように選んでいるだろうか。

  • Yahoo!ニュース、SmartNewsといったニュースメディアで気になったタイトルをタップする
  • TwitterやFacebookでシェアされたコンテンツのうち、おもしろそうと思った投稿をタップする
  • 検索エンジンで、ヒットした結果のうち、知りたいと思ったタイトルをタップする

そうやってコンテンツを選んでいないだろうか? あなたと同じように、多くの読者はタイトルを見て、読むかを判断している。

アミケンさんは、「Webのコンテンツは雑誌のようにパラパラとめくったり、新聞のように全体を眺めたりすることができません。それゆえ、ニュースメディアや、SNS、検索結果といった読者との接点のなかで、タイトルで『おもしろそう!』『気になる!』と思ってもらうことがポイントです」と話す。

仮タイトルからリタイトルまで、タイトル付けの流れ

タイトルはどのタイミングで誰がつけるのか、タイトル付けの流れは次の通りだ。企画段階では「○◯さん インタビュー」などの仮タイトルでよいという。本タイトルは、記事が完成した段階で、候補案を出して確定させよう。

タイトル付けの流れ

仮タイトル

コンテンツ制作における案件名(プロジェクト名)のような役割で、キーワード1つ~2つで構成される。「○◯さんインタビュー」「××座談会」など。コンテンツが完成するまではこの仮タイトルで進行することが多い。

タイトル候補

コンテンツが確定した段階で、編集者またはライターがタイトル案を考える。タイトル案は3~5案、多い場合は10案ほど候補を出す。取材協力者がいる場合は、初稿または修正稿のタイミングで候補案のチェックを依頼しておく。媒体によるが、最終的には編集デスクや編集長が決めるか、会議で選ばれる。タイトル決めを迷う場合は、アンケートサービスで客観的なデータ収集を行う場合もあるという。

TABIPPOでは、タイトルを大切にしているので、編集者が50案、ライターが50案を出してそこからタイトルを選んでいました。少なくても30案くらいは考えていました。とにかく案を出すのが大事です。タイトル案をTwitterのアンケート機能を使って、投票してもらうこともあります(ルイスさん)

本タイトル

最終稿(プレビュー画面など)にて関係者に共有をする。

リタイトル

タイトルは掲載後に変更を行うこともある。掲載時にはSNSからの流入を期待し、感情移入型タイトルをつけ、一定期間が経った後に、検索流入記事として情報収集型のタイトルに変更する。

掲載から2週間くらいを目処に、ほぼほぼリタイトルしています。はじめからSNS用と、SEO用で書き分ける場合もあります(ルイスさん)

タイトルの基本原則と、タイトルを考える4つの手順

タイトル案をつくる前に基本の4原則を知っておこう。

1.タイトルは、記事の内容を正確に反映すべし

タイトルを見て読みたいと思ったユーザーの期待を裏切らないこと。

2.タイトルは短く・具体的であるべし

人間が一気に読める1行の限界は25文字である。適切なタイトルの長さは20文字~40文字。

3.タイトルは読みやすくあるべし

ばっかり表記(漢字ばかり、カタカナばかり、ひらがなばかり)は読みにくい。

4.タイトルは読者の知的好奇心を刺激すべし

タイトルで全てを伝えようとするのではなく、その先の内容をもっと知りたいと思わせる。

では、タイトル案はどのように考えればよいのか。アミケンさんによると、「いきなり本タイトルを生み出そうとするのではなく、次の4つの手順を経て考えるのがポイント」だという。

タイトル作成の手順

(1)キーワードをリストアップする

企画の主要キーワード、コンテンツ内でキャッチーな言葉を3つ~5つピックアップする。

(2)キーワード同士をつなげる

(1)でピックアップしたキーワードをつなげ、30文字前後の文章にする。複数のパターンをつくってみよう。キーワードは全部入れようとしないこと。

(3)文章の表現を練る

言い換え表現、略語、比喩表現を考え、代入してみる。文章の前後を入れ替えてみる(倒置法効果)。口調、トーンを変えてみる。

(4)推敲する

作ったタイトルをターゲット読者の心理になって読み返してみる。

基本原則を踏まえ、4つの手順にそって、タイトル案をいくつか出してみよう。

読まれるためにもうひと工夫! タイトル付けの5つのテクニック

タイトルには「読まれるためのテクニック(小ワザ)」が沢山あるという。そのうちの5つをピックアップして紹介しよう。

重要なことは最初に

Webは左から右に読まれるので「左」が大事。重要なキーワードはなるべく左端に置く。

直感的に理解させる

タイトルはキャッチコピー的な存在として考える。考えないとわからない、本文を読まないとわからないタイトルは避ける。

読者の感情を先回りする

「〇〇がかわいい」「〇〇に感動の声」「〇〇が斬新だと話題に」など、記事を読んだ後に得られる感情を表現したタイトルはSNSとの相性がよく、拡散されやすい。

「数」で網羅性や特別感を強調する

(網羅性)家を買った100人の失敗!後悔!ランキング

(特別感)美貌のアジアンヴィラ&リゾート厳選30

おどす、命令する

(例)結婚式カンペキ見積り術→ 結婚式見積りの落とし穴(知らないと損する、失敗する~ など)

「おどす、命令する」のタイトルは、やりすぎると媒体の品格を落とすおそれがあるので、使い方には注意が必要です(アミケンさん)

今までなんとなくタイトルを付けていた、タイトルをどうやって付けていいかわからなかったという方もいるだろう。基本原則を押さえ、4つの手順にそって、タイトル付けをしてみよう。テクニックを沢山知っていれば、そのぶんバリエーションが増えるとのこと。そこから読者に響きそうな最適なタイトルをロジカルに選んでいこう。

タイトルはコンテンツが読まれるかをもっとも左右する要素だ。良質なコンテンツを作っているのに読まれないという場合は、まずはタイトルの改善に取り組んでみるのがおすすめだ。

編集:鈴木健介 @amigoken
執筆:佐々木美帆

本記事で講師を務めているアミケンさんこと鈴木さんから直接学べる講座が開催されます。

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  • オウンドメディアの編集者って何をすればいいの?
  • 読者に刺さる、企画を考えるにはどうすればいいの?
  • ライターにあげてもらった原稿をどう編集すればいいの?
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