各社の事例でわかるオウンドメディア運営の「企画」「構築」「成果」ノウハウ

リアルイベントで効果倍増! オウンドメディアとオフライン施策を組み合わせるポイントとは?

オウンドメディアとオフライン施策を組み合わせてメディアを大きく成長させるヒントを実例で紹介
前田 塁(TABIPPO) 2016/9/20(火) 7:00 |
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オウンドメディアを運営しているとオンラインだけの活動に集中しがちですが、実はオウンドメディアとオフラインの施策と組み合わせると、メディアの幅を大きく広げられます。

リアルイベントなどのオフライン施策とオウンドメディアを組み合わせると、次のようなメリットがあります。

  • 直接読者とつながることでメディアの方向性を決める参考になる
  • 既存読者との距離が近くなりエンゲージメントが向上する
  • インフルエンサーとコラボして新たなユーザーにリーチできる
  • リアルイベントをきっかけに新しいブランドとタイアップできる

せっかくのオウンドメディアが、ネットだけで閉じてしまうのはもったいないことです。自社のオフライン施策と組み合わせてもっと盛り上げられないか、一度考えてみませんか?

今回は、「TABIPPO.NET」の事例をもとに、オウンドメディアとオフライン施策を組み合わせるヒントを紹介します。

読者が旅行者になって、書き手になるというサイクル

TABIPPO.NETはTABIPPOが運営するオウンドメディアで、現在のPVは月間150万PV程度。社員2人で運営し、世界中を旅するライターから記事を寄稿いただいています。当初のブログ時代から数えると6年目で、月間100記事前後をリリースしています。

月間100記事前後をリリースするTABIPPO
月間100記事前後をリリースするTABIPPOサイトで見る

TABIPPOは、大学生時代に世界一周を経験した6人でスタートしました。成し遂げたかったのは、「世界一周やバックパッカーに関する情報の非対称性を解決すること」です。「世界一周に行きたくても、経験者の知り合いがいないし情報もない」という状況を解決するために、自分たちの経験を日夜発信していました。

現在もその流れを汲み、長期海外旅行者や世界一周経験者を旅するライターとして迎えて、「旅を楽しみながら最新の原体験を発信する場」としてメディアを運営しています。

TABIPPO.NETの読者が旅行者となり、旅行者がライターとして情報を発信する。その情報を受け取った読者が次のライターとなる、というサイクルが生まれ始めています。

メディアを「コミュニティ」としてとらえる

オウンドメディアを支えるのは、編集部だけではありません。「メディアの方向性に共感してくれる人とつながり、一体となることが大切」という考えのもと、TABIPPOの設立当初から自社のコミュニティを大切にすることを意識していました。

具体的には、メディアでの情報を発信するのと並行して、業界関係者や著者、クリエイターに連絡をしてとりあえず会ってもらい、仕事抜きに繰り返し旅の話をしました。また、読者向けにオフ会や勉強会を開催して、その人となりや興味関心を把握していきました。

交流会の様子
交流会の様子

その結果、当時のつながりから仕事の依頼をいただいたり、読者からライターへの応募が多数あったりと、PVやUUだけでは測れない「コミュニティを形成する」ことにつながりました。特に採用面では、ほとんどのメンバーがコミュニティの出身者で、人材採用サービスを利用することなく優秀な社員をそろえられました。

もし、今オウンドメディアで情報発信をメインに運営しているなら、小規模でも構わないので「読者との交流会」を開催してみてはいかがでしょうか?

読者と直接つながることができれば、これから先メディアの方向性やコンテンツの良し悪しを決める際にも非常に参考になります。もし余裕があれば、その交流会を拡大していくとオウンドメディアを支えるインフラとなるコミュニティを確立できます

まずは小規模イベントからスタート

TABIPPO.NETでは、毎週末に読者に向けてトークイベントやワークショップを開催しています。記事で人気のテーマをイベント化することもあれば、イベントで人気のテーマを記事に逆輸入することもあります。

TABIPPO.NETではすでにイベント事業が独立しているため、オウンドメディアの編集部主導ではないイベントも多数企画されています。登壇するゲストの多くは、メディアで活躍しているライターです。記事がすでにあるためイベントの完成形をイメージしやすく、すでにメディア上にファンがいるためスムーズにイベントをリリースできます。

まだイベント開催の経験がなければ、まずは少人数向けに自社のスペースを使ったイベントを開催することをおすすめします。コストをさらに抑えるなら、自身がゲストとなり知人を招待する形で身内だけのイベントを開催する方法もあります。

その際、参加者にイベントに興味を持ちそうな同僚や知り合いを連れてきてもらいましょう。そこまで準備できれば、もう立派なユーザーイベントです! ここでは、小規模イベントの実例を3つ紹介します。

小規模イベントの例1: 他メディアとタイアップする

昨年、ライター発掘を目的に、旅行メディア「世界新聞」とタイアップして、メディアの特徴や編集方針について話をしながら、ライターの仕事や楽しさを紹介するイベントを開催しました。

  • 目的: 新規ライターの獲得
  • イベント名: 二大旅メディア編集長に学ぶ 旅でライターデビューする方法サイトで見る
  • 内容: 旅行ブログの立ち上げ方や記事の書き方について学ぶ
  • 場所: Journey×Journey(秋葉原)
  • 参加費: 2,500円
  • かけたコスト: 0円(参加費でペイしたため)
  • 得られた効果: 数名からのライター応募
世界新聞とタイアップしたライター発掘イベント
世界新聞とタイアップしたライター発掘イベントサイトで見る

参加者はブログを運営しているか、これからブログを立ち上げようとしている方が多く、イベントをきっかけに数名からライターの応募をいただきました。

他メディアと合同なら集客や運営の負担は半分で済みます。単独でのイベント開催に不安がある場合は、仲がいいメディアを誘ってみるのも手です。その際は、できれば編集長に来てもらえるようお願いしましょう。

小規模イベントの例2: 自社ライターの活躍の場を増やす

TABIPPO.NETでライターを務め、ハフィントンポストでも連載をしていた永崎氏をゲストにイベントを開催したこともあります。

  • 目的: オウンドメディアのコンテンツをイベントで展開する
  • イベント名: 100カ国旅した旅人が語る、世界「最幸」学 ~南太平洋の楽園フィジーに移住して学んだ事サイトで見る
  • 内容: フィジーの魅力について学ぶ
  • 場所:スマイルアース(高円寺)
  • 参加費: 2,500円
  • かけたコスト: 0円(参加費でペイしたため)
  • 得られた効果: オウンドメディアへの新規ファン獲得
人気のライターに参加してもったイベント
人気のライターに参加してもったイベントサイトで見る

TABIPPO.NETで人気のあるライターだったため、集客もできるだろうと踏んでいましたが、読みは大当たりでした。個性的なライターがいる場合は、積極的にイベントを開催することで、そのライター自身もよりメディアにコミットしてくれるようになります

小規模イベントの例3: インフルエンサーとコラボしてメディアの認知度を上げる

すでにメディアに関係している人だけではなく、人気のインフルエンサーとイベントを開催すると、メディアの認知度を上げて新規読者の獲得を期待できます。

  • 目的: オウンドメディアの認知度向上
  • イベント名: 旅する人気ブロガーが語る「旅してブログを書いた先に見えた世界」サイトで見る
  • 内容: 旅行ブロガーのノウハウを学ぶ
  • 場所: TABIPPO本社(代々木)
  • 参加費: 2,500円
  • かけたコスト: 0円(参加費でペイしたため)
  • 得られた効果: インフルエンサーとのつながりと新規ファン獲得
人気の旅行ブロガー2名とコラボしたイベント
人気の旅行ブロガー2名とコラボしたイベントサイトで見る

インフルエンサーにイベントの出演情報を告知してもらうことで、彼らのファンを中心に自社メディアをPRできます。また、イベント後はインフルエンサーとの距離が縮まるので仕事の依頼がしやすくなったり、他のインフルエンサーを紹介してもらえたりといった副次的な効果もあります。

大規模イベントで新しい企業やブランドとタイアップ

小規模イベントの例を3つ挙げましたが、イベントを続けるなら大規模イベントにもトライしたいところです。TABIPPO.NETでは、7,000人規模のイベントを年に2回開催しています。今年は8月11日に「旅祭」という旅を体感する野外フェスを開催しました。

  • 目的: 新しいクライアントの開拓
  • イベント名: 旅祭2016サイトで見る
  • 内容: ネイティブアドをシェアしてくれた方にお水をプレゼント
  • 場所: 旅祭2016(お台場)
  • 参加費: 6,500円
  • かけたコスト: 0円(自社開催のため)
  • 得られた効果: ネイティブアド経由でコンバージョン多数
7,000人の大規模イベント「旅祭」
7,000人の大規模イベント「旅祭」サイトで見る

これはイベントとして独立していたのでオウンドメディアが関与する領域は限定的でしたが、それでも集客の半数以上はメディア経由でした。大規模イベントを行うメリットは、「メディア+イベント」の合わせ技で、新しい企業やブランドとタイアップを行えることです。

イベントを自主開催せずとも、各種カンファレンスや展示会に出展するだけでも、タイアップの声かけは相当しやくなります。

イベントをフックにメディアの認知度向上を図るなら、イベントレポートや参加者へのインタビューをオウンドメディアに掲載するのも効果的です。

別のイベントでは、あるスポンサーとイベント参加者向けにあらかじめ記事広告を発信しておいて、「その記事をシェアしたひとに無料でミネラルウォーターをプレゼントする」というキャンペーンを実施しました。

イベント当日は真夏日だったので多くの方に記事を読んでいただき、参加者からその友人たちへと記事を拡散することができました。その記事からスポンサーへの申し込みも複数発生しており、2年目も同様のキャンペーンを開催しました。

来場者が数千人の大規模イベントは、かかわるゲストや関係者、スタッフが非常に多いため、イベントを行うたびにコミュニティが強固になることを実感します。昨年度の参加者が翌年にスタッフとして参加したり、ゲストから新しいゲストを紹介いただいたり、スタッフと別のイベントを運営したりなど、さまざまな広がりがあります。

オウンドメディアを紙の本で出版する

最後は、参加型のイベントとは少し異なるアプローチです。精魂込めて作った記事や情報を、Webメディア以外に活用できないか考えてみましょう。TABIPPO.NETはメディア+コミュニティの力を武器に、年間5冊の書籍をリリースしています。

7,000人の大規模イベント「旅祭」
TABIPPOから出版された書籍の例サイトで見る

メディアにある情報をもとに書籍の骨子を決め、不足分はコミュニティのメンバーやメディアのライター、これまでイベントに来ていただいたゲストを中心に原稿の執筆を依頼しています。

書籍化によって、大規模イベントよりもさらに広く日本中につながりができました。特に、地方に住んでいてイベントに来られない人や、ソーシャルメディアの利用が少なくこれまでリーチできていなかった人に活動を知ってもらえるきっかけになります。また、カメラマンやデザイナー、ビデオグラファーなどクリエイターとのつながりは、書籍がきっかけとなるケースが多くあります。

また、書籍化のために拡充した情報をメディアに逆輸入することも多く、書籍を出すたびに情報の質を上げることができます。

いきなり書籍化はハードルが高いかもしれませんが、まずは「既存の記事や情報をオウンドメディア以外で使えないか」と検討してみてください。書籍に限らず、自社のパンフレットやチラシ、セミナー、資料などは、メディアに取り込むことでコンテンツを拡充できるはずです。

◇◇◇

いかがでしたでしょうか。今回はオウンドメディアとオフライン施策の組み合わせについて紹介しました。既存のコンテンツやライターを生かして、みなさんのメディアの幅が広がるきっかけとなれば幸いです。

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