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SEOの教育・研修はアウトソースすべき? 社内でやるべき? メリットとデメリットを比較してみた(前編)

SEO研修とデジタルマーケティング研修の違いをみたうえで、アウトソースする場合のメリットを7つ解説
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SEO担当者を育成するための研修は、社内(インハウス)で行うのがいいのだろうか、社外の研修プログラムを利用してアウトソースするのがいいのだろうか。双方のメリットとデメリットを挙げて比較して解説する。

新しい製品やサービスを提供するにあたって、ほとんどの企業が次のどちらかの戦略を検討することになる。

  • 製品やサービスを自社で制作する
  • 製品やサービスを購入またはアウトソースする

この2つはコインの裏表であり、それぞれに良い点と悪い点がある。

たとえば、自社で販売する製品のラインアップを広げることを検討しているとしよう。

  • 新しい製品を自社で制作すれば、その製品のサイズや形を自由に決められるだろう。だが、欠点もある。たいていの場合、自社で製品を作るには、社内のリソースと時間を大量につぎ込む必要が生じる。

  • そうせずに、他の企業の製品を購入して自社の名前で売るか、その企業自体を買収したらどうだろうか。そうすれば、自社で作るよりも早く製品を市場に投入できるようになるだろう。だが、提供する製品について自由に決められる余地が狭まることはほぼ確実だ。

この「自社制作」か「外部から導入」かという選択は、製品だけで起こるわけではない。市場調査や製品戦略の策定など、社内で行う他のさまざまな取り組みでも起こりうる。もちろん、社員教育でもだ。実際、業務プロセスから社内の人材まで、企業を構成するほとんどあらゆる要素で、こうした選択を検討できる。

自社で一番最近リリースした製品(自社制作か外注かを問わず)を思い返してみよう。どちらを選択しただろうか。外注を図るか自社制作を目指すかは、ビジネスの種類やそのときの状況によって決まる。また、どちらの戦略にもメリットがあるため、企業によっては、これらの戦略を組み合わせて利用する場合もある。

この記事では、社員教育、なかでもSEOに関する研修を、社内で行うか外注するか、採用すべき戦略を決める際に検討すべき点や事例を考えてみたい。

SEO研修は特殊なもの?

まず、SEO研修が他の種類の社員教育と異なっているかどうかを考えてみよう(そして異なっているとすれば、どのように異なっているのかを)。

SEO研修は、プログラミングや企業会計を学ぶのとは種類の異なる研修だが、オンライン講師としての目で見ると、SEOを教えるのは各種のデジタルマーケティングを教える場合とさほど大きな違いはないと思える。

左:SEOとデジタルマーケティングの研修
右:Web開発やデータベース管理の研修
SEO研修は、種族が違う

初級レベルや中級レベルでは、一般に言ってSEOもデジタルマーケティングも、それほど専門性が強いわけではない。JavaScriptやMySQLを学んだり、SalesforceのCRM製品をセットアップしたりするような専門性は特にない。また、MBAなどの修士号や博士号が必要になるわけでもない。

どちらも、ウェブサイトやインターネットの仕組みに関する基本的な知識があれば、比較的簡単に学べる。さらに、裏付けとなる実際のデータが利用できて、少しばかりの創造性を発揮できれば、言うことはない。

SEOの研修とデジタルマーケティングの研修を比べてみた

そもそも「SEO研修」と「デジタルマーケティング研修」は異なっているのだろうか。

SEO(検索エンジン最適化)はデジタルマーケティングを構成する1つの要素なので、両者には関連性がある。だが、もちろん異なる点もある。以下の表で詳しく見てみよう。

研修スタイルの比較

デジタルマーケティングの研修 SEOの研修
目的

「トラフィックを集める」「訪問者を見込み客に変える」「その見込み客を顧客に変える」といった方法について、あらゆる側面から検討

訪問者を引きつける最適な方法を主に検討

対象チャネル

あらゆるソースから訪問者を引きつける方法を扱う

ほとんどの場合、検索エンジンからのトラフィックを増やしたり、その質を高めたりする方法を扱う

トピック

「メールマーケティング」「マーケティングの自動化」「ソーシャルメディア」「コンテンツ作成」といったトピックが対象

「キーワード調査」「サイトアーキテクチャ」「オンページ最適化」「オフページ最適化」「分析」といったトピックが対象

コンテンツは検索トラフィックの生成に関連するため、コンテンツ作成などのトピックを扱う場合もあり

ROI検討
(投資利益率)

通常は、「見込み客を作り出すマーケティング活動」と「営業活動」の観点からROIを検討

ほとんどの場合、ソース(検索エンジンまたは検索の影響を受けたソース)によって生成されたトラフィックに関するROIを検討

右の列に書かれた内容が、この記事の目的であり、「SEO研修」の定義のしかたということになるだろう。

SEO研修を考察するにあたってその定義について共通の認識が確認できたところで、次は数千ドルもの金額が関わってくるかもしれない質問について、詳しく検討しよう。

すなわち、このような研修プログラムの作成や実施を、社内で行うべきかアウトソースすべきかという質問だ。

※そう、SEO研修プログラムによっては、実際これくらいコストがかかるものもあるのだ。

ここでは、2つを比較するために、SEO研修をアウトソースする場合のメリットとデメリットを考えていく(社内で行う場合に関しては、その対比として随時示していく)。

SEO研修アウトソーシングのメリット

トレーニングをアウトソースする場合と自社で組み立てる場合を比較するために、外部の講師を雇ったり外部のSEO研修コースを利用したりしたときのメリットを考えてみよう。

次の7つだ。

アウトソースのメリット
  1. アウトソーシングは時間の節約につながる。
  2. アウトソーシングは費用の節約につながる可能性がある。
  3. アウトソーシングによって、より多くの予算を日常業務に振り分けられるようになる。
  4. 新しい専門知識が必要になったのに、社内に専門家がいない場合にも対応できる。
  5. 研修をアウトソースすれば、サテライトオフィスや多言語環境にあるオフィスのスタッフも受講できる。
  6. アウトソーシングによって修了証や認定証を取得できる。
  7. アウトソーシングによって、最高レベルの講師に教えてもらえる。

アウトソースのメリット1
アウトソーシングは時間の節約につながる。

SEO研修を一から作成して提供するには、膨大な時間と労力がかかりかねない。これは、カリキュラムを開発し、コースを編成してレッスンを始める場合でも、コースを終了した受講者をフォローする場合でも、どちらでも同じだ。

アウトソースすれば、こうした作業に時間(つまり社内の人件費)を取られなくて済む。

また、専門家がレッスンを作成するため、最終的な研修の質は、自社で作った場合よりも高くなることが多いだろう。

アウトソースのメリット2
アウトソーシングは費用の節約につながる可能性がある。

費用の節約に「つながる」と書かずに、「つながる可能性がある」と書いたのには、理由がある。

研修を1回(または数回)実施すれば十分な場合や、研修参加者が比較的少ない場合は、研修をアウトソースすることでコスト効率を大きく高めることができる。

だが、受講者が大勢いる場合や、研修を定期的に行っていくことを計画している場合(毎年の新人研修など)は、最初は費用がかかっても、社内で研修プログラムを開発した方がいいかもしれない。

アウトソースのメリット3
アウトソーシングによって、より多くの予算を日常業務に振り分けられるようになる。

この話は直感的にわかりにくいかもしれないが、“効率の高い”経営をしている企業や、日常業務に費やす予算の割合が大きい企業は、研修プログラムの開発、提供、継続に必要なリソースを確保できないことがある。

わかりやすく言うと、「人件費」という貴重なリソースを、人材育成に使うよりも、直接の売上や利益を生み出すことに優先するような企業の場合だ。

アウトソースすれば、このような企業が必要とする規模の研修を、きわめて安いコストで実現できることが多い。

アウトソースのメリット4
新しい専門知識が必要になったのに、社内に専門家がいない場合にも対応できる。

自社のSEOのスキルを強化したり、社内でSEOの専門知識を一から積み上げたりしたいと考えながらも、検索マーケティング責任者を雇うのが難しい場合がある。

そのように、社内にSEOに関する専門家がまだいない場合は、適切なSEO研修コースを利用したり、外部の講師を招いたりすることで、求めているスキルを新たに獲得できる。

この方法は、包括的なSEOサービスの提供やSEOの試験サービスの開発を検討している広告代理店やSEO事業者にとっても有効だ。外部から講師を招いて少数のスタッフに主要なスキルを学ばせれば、まだ確実ではないサービスのためにコストをかけて新しい人を雇う必要がないし、自分で学ぶのに長い時間をかけたために案件獲得の機会を逃すことも減る。

アウトソースのメリット5
研修をアウトソースすれば、サテライトオフィスや多言語環境にあるオフィスのスタッフも受講できる。

今の時代、北京に初めてサテライトオフィスを開くという話が、国内に支店を開くという話と同じくらい普通のことになっている。インターネットのおかげで、今日の世界はかつてないほど狭くなったのだ。

その結果、さまざまな国籍の社員が在籍する企業や遠隔地に大勢のスタッフを抱える企業はたくさんある。こうした企業では、研修をすべての社員に等しく提供することが難しい可能性がある。

このような場合、とくにさまざまな国籍の社員がいる場合などは、いろいろな言語で利用できる外部の研修プログラムが魅力的な選択肢になるかもしれない。

アウトソースのメリット6
アウトソーシングによって修了証や認定証を取得できる。

オンラインでも対面でも、SEO研修プログラムの多くは、研修を完了したことや一定の技術レベルに達したことを示す修了証などを発行してくれる。

これを重要視するのであれば、修了証などを発行する業界で名の知れた機関が実施する対面プログラムやオンラインプログラムの利用をお勧めする。

アウトソースのメリット7
アウトソーシングによって、最高レベルの講師に教えてもらえる。

グーグルのアルゴリズムの権威と言えるほどの人でも、サイトのクロールに関する知識しか持ち合わせていない人でも、SEOに関するなんらかの知識を持っていることは確かだ。題材はわかっているのだから、その知識を活かせば簡単に研修は組み立てられるような気もする。

そうかもしれないし、そうでないかもしれない。スキルを「使う」ことと「教える」ことは違うのだ。SEOに熟練しているからといって、SEOを教えるスキルがあることにはならない。

そして、おそらくもっと重要なのは、教えさえすればその内容がちゃんと身に付くとは限らないということだ。「伝えるべき知識を持っている」というだけでは、社員が実際に学ぶのをうまく支援できるとは限らない

トレーニングをアウトソースする大きなメリットの1つは、「教える」「学ばせる」ことのプロから学べる点にある。単に業務の合間に実務経験のある社員に教えてもらうのとは違うのだ。

SEO教育を「社内で行う」のと「アウトソースする」場合を比較するこの記事は、前後編の2回に分けてお届けする。

今回はSEO研修をアウトソースする場合の「メリット」を見てきたが、後編となる次回は、SEO研修をアウトソースした場合に生じる「デメリット」について考える。

→後編を読む

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