企業ホームページ運営の心得
画面のど真ん中に飛び込んでくるスマホコンテンツ。モバイルフレンドリーでオウンドメディアが進化する

モバイルフレンドリー対応によって、従来のWebサイトのあり方が変化するかもしれません
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の404

最短は3時間で50ページ

スマホからのグーグル検索結果に「モバイルフレンドリー」が反映されはじめるのは、来週の4月21日(火)から。PC版には影響がないとはいえ、みなさん気になるようで、そのための業者の選び方を紹介した回はいつも以上にアクセスを集めておりました。

さすがにもう間に合わない……いや、まだ間に合います。50ページほどあるサイトでも、わずか3時間での「RWD化」を実現! と、通販番組のような煽り方ですが「邪道」な方法なら、まだ間に合います。その概念は最後に紹介するとして、今回はレスポンシブウェブデザイン(RWD)の「モバイルフレンドリー」には、従来のサイトが見落としていた可能性がある、という話。

もともとは否定派

そもそも「モバイルフレンドリー」の号令は、グーグルの都合に過ぎません。ワンソースの対応を事実上推奨しているのも、具体的な手口は省略するとして、サブドメインや別アドレスでのモバイル対応、動的な処理などは、グーグルが黎明期から苦労してきた「スパム」と重なる手法だからです。彼らにつき合う義理もないと「モバイルフレンドリー」を冷ややかに見ていました。

いつもは都県境にある事務所に引きこもっているのですが、この数か月ほど電車移動する機会が重なりました。他人のスマホを覗き込むのはマナー違反ですが、あけすけな電車内での端末操作で、画面が目に映ることは防ぎようがありません。そのとき、ゲームやTwitter、LINEの画面は何度も見かけましたが、Webサイトを閲覧しているユーザーは皆無でした。そして、1つの仮説が閃きます。

不便を甘受しない世代

もちろん、スマホユーザーは必要があれば検索し、サイトを訪問しますが、RWDの「実機テスト」を重ねるうちに仮説が確信に変わります。「使いづらい」のです。

RWDのメリットの1つは、PCとスマートフォン版をワンソースで管理できることですが、PC版をベースとするサイトは「情報の特盛り」となり、「シンプル」というコンセプトで船出したサイトが、数か月後には「メガ盛り」になることは珍しくありません。PC版の宿命といえますが、それはスマホユーザーには関係のない話です。

スマホ向けに最適化された「アプリ」に慣れた、いまどきのスマホユーザーは不便を嫌います。つまり、電車内でサイト閲覧者を見かけなかったのは、スマホにとっては「使いづらい」「読みにくい」サイトが多いことが理由の1つではないかと考えたのです。直接的な対策は「ユーザビリティの向上」となりますが、注目したのは、その先に生まれる「ビジネスチャンス」です。

コンテンツをそのまま「電子書籍」

「モバイル」には「移動で生まれる隙間時間」があります。細切れの時間から、いつでも中断できる「ゲーム」や「SNS」を利用するユーザーは多いでしょうが、かつてその時間を「読書」にあてる社会人は多かったものです。そこで、自社のブログやコンテンツを、スマホ用の「読み物」、すなわち「電子書籍」のように仕立てることができれば「隙間時間」に自社サイトを割り込ませることができるのではないか。それはサイトの利用者増と、新たな客層の発掘につながる。これが見落としていた「モバイルフレンドリー」の可能性です。

仮説を、近日上場予定のキュレーションアプリ「グノシー」の共同CEOのインタビューが補強します。

「グノシー」の共同CEOの木村氏(現在は退任)は、1年前の「ダイヤモンド・オンライン」の取材に

コンテンツを縦にスクロールしていった先に出てくる広告はよけようがない

と答えていました。ネット広告はブラウザの左右どちらかに配置されることが多く、それがネット広告の収益性の低さにつながっていると仮定し、対するスマホでは、無視することができないど真ん中に広告を表示できる。その結果、収益性が高まるという主張です。それはコンテンツそのものにも通じます。

コンテンツリーダーとしての利便性

PCのWebサイトで、左右に並ぶメニューに集中力が乱され「本文」への興味が薄れたことは、Web担当者なら何度も経験していることでしょう。スマホならば、デザインによってこうした誘惑をカットすることができます。つまり、「コンテンツ」に集中させることができるのです。「RWD」の実機での確認作業、うっかりしてコンテンツを「読み耽った」Web担当者も多いのではないでしょうか。

「オウンドメディア」は今後、名前を変えることはあっても、コンセプトそのものが廃れることはありません。企業の情報発信は不可欠であり、重要性が増すことはあっても減ることはないからです。それを安価にかつ機動的に実施できるのはWebだけです。そしてスマホが「コンテンツ(本文)」への集中力を高める特性を持った「デバイス」ならば、モバイルフレンドリーはビジネスチャンスを拡大します。さらにゲームやSNSの独擅場だった「隙間時間」に、Webサイトが分け入るチャンスも生まれ、「モバイルフレンドリー」は一粒で二度美味しい取り組みなのです。

RWDの邪道的対応(非推奨)

それでは最後に邪道的RWDについて。

スマホの操作性は、PCのブラウザと比較して、「悪い」というか「限定」されます。そこでコンテンツも限定した方が、ユーザビリティは高めやすい……という理論武装(いいわけ)から、CSSの「非表示」を多用します。

たとえば、上部に「ヘッダー(メニュー)」があり、左右のどちらかに「メニュー(ナビ)」がある「2カラム」のサイトがあります。底部に「フッター」があるなら、スマホ向けの画面幅での表示は、サイドバーかフッターのどれか1つを残して「固定表示」にし、もう一方を「非表示」とします。すると、見かけ上は、ベテランWeb担当者にとっては懐かしい「フレーム構造」の完成です。

グーグルは「SEO目的とした非表示」を「スパム」としていますが、ユーザビリティにおける「非表示」を禁じてはいません(隠しテキストと隠しリンク)。ただし、少し古いiPhoneでこのアプローチはとんでもないレイアウトになります。こうした諸事情も含めての「非推奨」です。

今回のポイント

コンテンツを「読み物」に変換するスマホ

そしてユーザーの「隙間時間」をゲット

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