【レポート】Web担当者Forum ミーティング2013 Spring

グローバルWebサイト管理で解決すべき4つの課題、最高のカスタマーエクスペリエンス管理を提供するCMS/オートノミー

グローバル企業のWebサイト管理に関係する、さまざまな課題の解決策が示された講演をレポート
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【レポート】Web担当者Forum ミーティング2013 Spring

セミナーイベント「Web担当者Forumミーティング 2013 Spring」(2013年4月24日開催)の講演をレポートする。他のセッションのレポートはこちらから。

グローバル展開する企業には、各国Webサイトにおける統一したブランディング、コンテンツ管理、複数言語対応など多くの課題が存在する。グローバル展開を加速する企業のWeb担当者が直面しがちな課題の解決策がクローズアップされた、オートノミー社(現、日本HP オートノミー事業本部)並木昌一氏の講演をレポートする。

Webサイトのグローバル化で解決すべき4つの課題

並木 昌一氏
オートノミー株式会社
シニアセールスエグゼクティブ
並木 昌一氏

オートノミーは、非構造化データを含めたあらゆるデータをヒューマンインフォメーションとして処理・理解するテクノロジーを開発し、ビジネスに役立てることを支援するソフトウェア企業。2011年に米ヒューレット・パッカードのグループ会社になっており、今回のセッションが「オートノミー」として行う最後のものになるという。

同社の並木氏が挙げたWebサイトのグローバル化で直面しがちな課題は4つ。このレポートでは、それぞれの要点を紹介していきたい。

Webサイトのグローバル化の課題
  1. アーキテクチャ
  2. マルチ言語対応
  3. 危機管理
  4. ブランドコントロール

一極集中型と分散型のアーキテクチャ

1点目の課題は、CMSをどのようにグローバルに構築するかという「アーキテクチャ」の問題だ。並木氏はCMSのアーキテクチャを「一極集中型」と「分散型」の2つに分類し、それぞれのメリット/デメリットを紹介した。一極集中型は、各国(あるいは各エリア)のコンテンツをどこか1箇所で一元管理するもの。分散型は逆に、コンテンツを基本的に各国(各エリア)で管理するものになる。

一極集中型CMSと分散型CMSの考慮点
メリット デメリット
一極集中型のCMS
  • メンテナンスコストが低い
  • コンテンツソースは1つ
  • シームレスなコンポーネント共有
  • 複製の必要なし
  • 地理的に遠いユーザーは低レスポンスが問題となる
  • メンテナンス・バックアップ時間の調整
  • スケジュール配信のコントロール
  • 多言語・24時間サポート体制の整備
分散型のCMS
  • ローカルサーバはローカルのビジネスのために利用
  • 地理的に近い場所へアクセスできるため、高レスポンスを提供
  • ローカルコンテンツを各サーバに保管
  • サーバメンテナンスの負荷
  • OSメンテナンスの負荷
  • コンテンツのシンジケーションが必要
  • システムの複雑さ

並木氏は「この2つのアーキテクチャのどちらが優れているかは、一概には言えない」と語る。なお、オートノミーが提供するCMS「TeamSite」では、サーバ内に「ブランチ」と呼ばれるローカルサイトのコンテンツ管理エリアを仮想的に設けることができ、世界各国にいくつもCMSサーバを立てなくても分散型と同じような運用が可能だという。既存の膨大なコンテンツを簡単に取り込む仕組みも用意されているそうだ。

講演の終盤では、コンテンツの一元管理を行うことで、制作ワークフローの効率化を実現すると同時に、ロゴやブランド、新商品情報のマネジメントを強化した日本メーカーの豊富な具体例も紹介された。

各国での運用を考慮したマルチ言語対応

2点目の課題は、「マルチ言語対応」だ。グローバル企業にとって、Webサイトのマルチ言語対応は必須の要件だが、TeamSiteでは、たとえばマスターサイトからローカライズコンテンツを複製できるという。各ローカルサイトにおけるコンテンツ翻訳の進捗状況を確認する機能や、翻訳が不要な特定のローカルサイト向けコンテンツを判別する機能も備えている。

さらに、CMSと自動翻訳システムとの連携も可能だが、「翻訳システムと連携しないほうが低コストになるときもあるので、ぜひご相談いただきたい」と並木氏は話した。

危機管理レベルに応じたコンテンツの表示ルール

3点目に「意外に軽視されがちな課題」として挙げられたのは「危機管理」だ。グローバルサイトの管理では、危機レベルに応じてどのような対応を取るのか、あらかじめ国ごとに計画を定めておくことが極めて重要になるという。たとえば、次のように危機レベルに応じてどんなコンテンツをどのように表示するかを考えておく必要がある。

どんなコンテンツを表示させるのか、危機のレベルを想定し、計画を立てておく
どんなコンテンツを表示させるのか、危機のレベルを想定し、計画を立てておく

そして実際に危機が起きた際には、Webサイト上でオフィシャルなメッセージを発信するだけでは不十分で、現場のスタッフがその情報に即して適切な対応を取る必要が生じる。たとえば、カンタス航空では、何か事故が起きた場合にはグローバルサイト上で関連情報や対応方針をスピーディに発表すると同時に、全営業社員や窓口社員にメールを送付し、Webで発表した情報に即して顧客対応を取る仕組みを、TeamSiteを用いて実現しているという。

コンテンツに応じた3つのブランドコントロール

最後のポイントとして紹介されたのは「ブランドコントロール」だ。並木氏はWebサイトのブランドコントロールの度合いは、コンテンツの種類によって次の3つに分かれると説明する。

  1. グローバルコンテンツ

    すべてのコンテンツを完全にテンプレート化し、グローバルで完全に統一する。
    (例)企業情報、プレスリリース、IR情報、環境報告書

  2. カスタム可能なコンテンツ

    ヘッダーやフッター、ナビゲーションといったものだけを共通化し、その他はローカルごとに自由につくる。
    (例)商品情報、ユーザー/テクニカルサポート

  3. ローカルコンテンツ

    各ローカルサイトが、独自にコンテンツをつくる。
    (例)キャンペーン情報、採用情報、商品プロモーション、販売会社の企業情報

このようにコンテンツの内容や性格によって、どこまでブランドコントロールを行うか、本社とローカルのどちらで制作を担当するか、どの言語で提供するかを、ガイドラインとして定めておくことがコスト低減と効率化につながるという。

実際にガイドラインを策定し、効率的に運用をしている事例として、世界各国でBtoBおよびBtoCのビジネスを展開しているオランダのPhilips社のWebサイトが紹介された。Philips社では従来、各国が独自にサイト制作と運営をしていたが、本社主導でグローバル統一を図っており、統一したデザインとしながらもローカルに応じたコンテンツ制作の仕組みを設け、ブランドガイドラインの徹底や運営コストの削減に成功しているという。

このほかのグローバル化の課題として、並木氏は「検索(サイト内検索)」と「レコメンデーション」の精度向上の必要性、そして「モバイル対応」などを指摘した。たとえば検索では、日本語や英語の検索はよくできていても、ドイツ語はまったく駄目なケースなどはよく見られるという。

並木 昌一氏

検索技術はオートノミーの強みの1つで、現在、最も多い顧客で151言語の検索に対応しています。類似する情報を提示する概念検索や音声・動画の検索(英語)も用意しており、グローバル化に十分対応できるだけの検索機能を提供している。

レコメンデーションに関しては、日本ではまだ環境が整っていないが、あらかじめ用意したオーディエンスデータに基づき、顧客がサイトにアクセスした瞬間に、その顧客にふさわしいコンテンツを表示できるという。またオートノミーは、ソーシャルメディアはもちろん、それ以外の非構造化データをマルチチャネル分析することによってパーソナライズ情報を見つけ出し、活用する技術を持つ。この技術を生かして、Webに限らず、メールや印刷物などすべての情報をパーソナライズしてターゲティングしていくことができるそうだ。

モバイル対応については、「米国や英国では、最初からモバイルファーストでサイトを構築するケースがかなり出てきている」という。モバイルといってもさまざまで、なかには特定の国・地域でしか流通していない端末もあるが、オートノミーではグローバル1万4,000端末に対応し、モバイルのプレビュー機能なども用意されている。

グローバル企業が抱える課題を掲示し、さまざまな事例を交えながら解決策を説明した並木氏は、今後予測されるデジタルサイネージなどへの対応もスムーズにできるように発展を続けていることを話し、講演を終えた。

並木 昌一氏
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