編集長ブログ―安田英久

UCC上島珈琲がTwitterで失策→お詫び、なぜソーシャルメディアは難しいのか

UCC上島珈琲が、Twitterを使ったPR活動でスパム的な行為をし、お詫び文を出すまでに至った件です。

今日は、ソーシャルメディアへの企業の取り組みについて、ある事件をとりあげて考えてみます。UCC上島珈琲が、Twitterを使ったPR活動でスパム的な行為をし、お詫び文を出すまでに至った件です。

UCC上島珈琲は、2月5日に同社サイト上にてお詫び文を掲載しました。

同社が実施するコーヒーをテーマにしたエッセイ・アートを募集する「第11回 UCC“Good Coffee Smile”キャンペーン」の告知として、Twitter上で了承を得ていないユーザーに対して自動的に宣伝メッセージを送信したというもの。

「bot」と呼ばれる、自動処理プログラムを使って、「コーヒー」などのキーワードが入ったつぶやきに自動的にメッセージを送っており、さらに、複数のbotが同一文面を送っていたとのこと(キャンペーン開始後2時間程度で問題に気づいて中止)。

この件には、大きく分けて2つのポイントがあると思われます。

  • ソーシャルメディアなのに「聞く」のない「話す」だけの企画
  • ソーシャルメディアの作法をだれが理解しているのか

それぞれについて考えていきましょう。

ソーシャルメディアなのに「聞く」のない「話す」だけの企画

既存のマスメディアでは企業は情報を伝達する立場にありますが、ソーシャルメディアは消費者がそれぞれの意識で語り合っている場です。そのため、マスメディア的な意識でメッセージを一方的に伝えるだけのアクションは場にそぐわないことも多いのです。

これはTwitterに限りません。mixi上でコミュニケーションを欠いたマーケティング施策を行って失敗した事例の記事をWeb担でも紹介したように、ソーシャルメディア全般に通じるポイントなのです。

2009年に話題を呼んだ書籍『グランズウェル』でも、ソーシャルメディアに対して企業がとるアクションとして、

「耳を傾ける」「話をする」「活気づける」「支援する」「統合する」

の5つが示されています。そう、「聞く」ことをまず示しているのです。

個人的にも、この「聞く」が企業にとって最も難しい部分だと思います。頭ではわかっていても理解しきれない部分なので、個人としてソーシャルメディアの世界にある程度入り込んで体験しないと、腹に落ちて自然に行動できるようにはならないと感じています。

ソーシャルメディアの作法をだれが理解しているのか

今回のbot利用もそうですが、ソーシャルメディアという世界では、だれもルールを教えてくれません。ソーシャルメディアという(比較的)新しい場には、マスメディアとは違う空気があり、「それをやっちゃダメだろう」「それはあり得ない」の線もまた異なります。

既存の広告ならば、テレビ局の審査があり、経験豊かな広告代理店の人が「やってはいけないこと」を教えてくれます。「ふつうのやり方」でやっていれば、マズいことは流れのどこかでストップされる仕組みができているのです。だからホラー映画の宣伝であっても残酷すぎるシーンがお茶の間に流れることはありません。

でも、ソーシャルメディアで何をしてはいけないかは、明文化されたものはありません。あくまでも場の空気や常識で存在しているだけなのです。総合広告代理店のマネージャーがその常識を把握しているとは限らないのです。化学薬品の取り扱いなら危険物取扱者の免状をもっているかどうかを確認すれば済みますが、ソーシャルメディアの常識を理解しているかどうかを判断できる方法はありませんからね。

現状ではソーシャルメディア企画の運用までぜんぶ広告代理店に任せている場合もあるようですが、ソーシャルメディアという場の本質からいうと、企業の担当者が自ら聞き自ら語るべきものです。個人的には、前述のように個人としてソーシャルメディアの世界に触れることで、企業側の担当者がその空気を理解できるようになっておくべきだろうと考えます。そうすれば、場にそぐわない企画にはおのずとNGを出せるようになっていくでしょうから。

みなさんは、Twitterをはじめとするソーシャルメディアとのかかわり、どう考えられますか? あなたもひとつコーヒーでも飲みながら考えてみましょう。

追記: UCC上島珈琲からのコメントも含めた追加情報が伝えられていますので、そちらも参考にしてください。

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