ここが変だよWebマーケティング
アクセス解析でつまずく5つの理由&チェックリスト/ここが変だよWebマーケティング#8

アクセス解析でつまずく人が抱えがちな5つの課題とクリアすべきポイントをチェック
ここが変だよウェブマーケティング

[コラム]
ここが変だよ
ウェブマーケティング

株式会社デジタルフォレスト 清水昌浩

集客のためによかれと思ってやっている、さまざまなマーケティング手法。なのに結果がついてこない、アドバイスを聞いてもなんとなく納得いかない……とお悩みの方は多いのではないだろうか。もしかしたらそんなあなたと、あなたの周囲のウェブマーケティングは、どこかが「変」なのかもしれない。

デジタルフォレスト 清水昌浩氏が、実話をもとにウェブマーケティングの問題点とその解決策を読み解くシリーズ。

「アクセス解析はツールを導入するだけでは効果は出ず、データやツールを使いこなして始めて効果が出る」こんなくだりは、Web担当者Forumを愛読するあなたなら、何度も何度も目にしたことがあるだろう。

「そんなことはわかっている。わかっているけどうまくいかない、だから困っているんだ」

なんて声が聞こえてきそうである。アクセス解析がうまくいかない原因は、実は明確である。あなたにとって今何が課題であるか、きちんと見えていないからだ。今回の記事では、よくある課題、言い換えればあなたがクリアする必要がある課題を、順を追ってチェックリスト形式で書いていく。

課題①:ツールを使う時間がない/人がいない

アクセス解析活用の課題で最初にあがるのは、時間である。多くのWeb担当者は多忙だ。キャンペーンに向けて代理店と打ち合わせを行い、新商品やサービスが出ればそのページを作る。他部門とのやりとりなど、何かと社内の調整も多く、さまざまな先端動向を把握しようとし、困ったことがあっても上司に相談もできず自分で考える。そんな状態では、アクセス解析が大事だと頭でわかっても、どうしてもアクセス解析は後回しになりがちだ。「時間は作るもの」とはいうものの、言うは易く行うは難しである。

あなたがこの課題にぶち当たっている場合は、上司の協力が欠かせない。企業戦略において集中と選択、やるべきことの優先順位付けが大事なように、あなたの仕事も優先順位付けが大事である。まず、あなたが普段行っている業務を棚卸したうえで、上司とともに改めて優先順位を決めるのがいい。優先順位を検討する中で、「あなたがすべきこと」「他の人でやれること」「外部に依頼すべきこと」「今はやらないこと」「捨てること」を切り分けることができればベストである。

もっとも、優先順位付けをするためにはサイトの現状分析も必要で、そこでアクセス解析が役に立つ、というジレンマもある。その場合、外部の専門家を使う予算をなんとか捻出すべく社内交渉することが、あなたの仕事の最優先事項かもしれない。

課題②:ツールを使いこなせない

一定の時間は確保できる、でもアクセス解析を活用できない。あなたがそんな状況に置かれているならば、思うままにツールを操作できないことが課題かもしれない。

この課題は解決しやすい。一度ツールベンダーのトレーニングを受講することをお勧めする。ツールの使い方を一番知っているのは、それを作ったツールベンダーである。ベンダーのトレーニングは有償であることが多いが、本気でお願いすればタダにしてくれる……こともある。

あなたがGoogle Analyticsを使っている場合は、残念ながら独学で勉強しよう。

課題③:どの数値を見ればいいのかわからない

時間も確保でき、ツールの操作も思うがまま、それでもうまくいかない。私の感覚だが、この状態にあるWeb担当者は非常に多いと思う。と同時に、これがアクセス解析を活用できるかできないかの分かれ道だったりする。

よくあるケースは、さまざまなデータを取得するのはいいのだが、何が大事なデータで何が大事でないか、判断がつかなくなってしまうことだ。たくさん数値は得られるけど、どの数値を見るべきかわからない、といった状態である。

あなたの担当するサイトが何かしらのコンバージョンを得ることを目的とする場合、直帰率、コンバージョン率が基本指標である。あなたがこの指標をチェックしていない場合は、まずこの指標を見るのがいい。

その先は、残念ながら、この記事に詳細を書くのは難しい。見るべき指標はサイトごとに変わってくるからだ。同じ業種であっても、集客施策の優先度によって見るべき指標は変わるし、アクセス解析の目的によっても変わる。どの指標を見るべきかは、サイトの目的や集客施策の優先度に応じて、あなた自身ががんばって考える、社内の分析が得意な人に相談する、外部の専門家に相談する、のいずれかの形になるだろう。

課題④:数値から意味を読み取れない、判断ができない

リスティング広告経由でサイトを訪問した人の直帰率が45%だったとする。あなたはこれを高いと取るだろうか、それとも低いと取るだろうか。これをどう読み取るかによって、判断が変わってくる。

何かを判断するときには、判断の鏡となる何かしらの基準(ベンチマーク)が必要になる。一般的によく使われるのは、競合に対してどうかという基準だ。製品別の競合比較、商品の市場シェアによる比較などはどこの会社でも行っているであろう。

しかしアクセス解析は、自社サイトの数字を明らかにするものであり、競合サイトの数字は明らかにしてはくれない。専門家であればいろんなサイトの数値を経験上把握しているが、固有の会社について教えてくれる人は少ないだろう。そして競合の数字を教えてくれる専門家に出会ったとしたら、実は要注意である。競合の数字をあなたに教えるということは、あなたの数字も競合に教えていると思って間違いないからだ。

では数値からどのように意味を読み取り、どう判断すればいいのだろうか。過去の数字と比較するという手がある。季節変動の激しい業界なら1年前の同じ時期の数値と比較するのがいい。1年前と比較して直帰率がほぼ同じだとしたら、状況は変わっていないことを意味する。

もう1つは、あなたのサイトの目標値から逆算する方法である。

現在の数値の詳細と目標値をもとに、目標CV達成の改善策を考える
図1 現在の数値の詳細と目標値をもとに、目標CV達成の改善策を考える

さて直帰率45%は良いのだろうか、悪いのだろうか。実際には「過去の数字と比較」と「目標値から逆算」の2通りの方法で考えてみてほしいのだが、私個人の考えとしては、リスティング広告の直帰率45%は高いと考えている。実際、図1のように直帰率が高い場合は、改善の第一歩として現時点から10%改善することを目標にすることも多い。これまで、さまざまな業界やブランドの会社について、広告出稿方針の違い、ランディングページの構成パターンなど見てきたが、直帰率はもう少し抑えたいところである。感覚的にも、お金を使って呼び込んだユーザーの半分近くが玄関(ランディングページ)で立ち去ってしまうって、ちょっと悲しくないだろうか?

課題⑤:数字に基づくアクション、意思決定につながらない

サイトで見るべき数値も適切で、その数値の意味合いも読み取ったのに効果が出ていない。あなたがこの状態にあるならば、することはただ1つ、アクションに移すだけである。最近成功本や人生本が売れていると聞くが、そのような本に必ず書いてあるのが、「行動に移すのが大事」ということ。アクセス解析もまったく同じで、アクションを起こさねば1円も儲からない。

アクションに移すとは、たとえばサイトやページの一部を修正したり、広告出稿媒体や広告キーワードの組み換えを行ったり、ランディングページを変更したり修正したりすることである。こうしたアクションは、コツがわかればどんどん実施できるようになり、それに応じて数値も改善できるようになる。実際私はこれでお客様からお金を頂戴している。

そのコツがいまいちわからないから困っている、という方も多いと思う。そういった方向けの1つのヒントは、「なぜ?」という発想を持つことである。たとえコンバージョン率が悪いことがわかっていても、悪いなあと思っているだけでは始まらない。なぜ悪いのか? 悪いのは直帰率なのか、それともランディングページのデザインやフォームなのか? 直帰率が悪いことがわかったら、自然検索が悪いのか、リスティング広告が悪いのか?

「なぜ?」を5回繰り返すのがトヨタ流だなんて言われるが、アクセス解析でもなぜ? を5回も繰り返せばアクションが見えてくる。

アクションを起こすには「なぜ」そうなのかを考えるのがポイント
図2 アクションを起こすには「なぜ」そうなのかを考えるのがポイント

もう1つのヒントは、ユーザー心理を想像することである。アクセス解析は数字を明らかにするだけで、ユーザーの心理や背景といったものを明らかにするわけではないことは、ご存知のとおりである。

たとえば、リスティング広告の直帰率が悪いとしたら、入札キーワード別の数値を見ると思う。そのときには、直帰率の悪いキーワードで検索して訪れたユーザーの心理を想像してみよう。そしてその心理のままランディングページを見つめてみると、改善ポイントが見つかることが多い。

最後に

今回の記事では、アクセス解析活用におけるよくある課題について、順を追って説明した。今一度、課題①~⑤を振り返って、あなたがどの課題でつまずいているか確認してほしい。あなたのつまずきポイントが明確になったら、それをクリアすべくこの記事内容が参考になれば幸いである。

  • 課題①:ツールを使う時間がない/人がいない

  • 課題②:ツールを使いこなせない

  • 課題③:どの数値を見ればよいかわからない

  • 課題④:数値から意味を読み取れない、判断ができない

  • 課題⑤:数字に基づくアクション、意思決定につながらない

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