はじめてWEBエキスパート(専門家)コラム 写真撮影入門(全12回)

ウェブサイトに掲載する「人物写真」の良い撮影方法(第8回)

第8回では、ウェブサイトに掲載する「人物写真」の意味や考え方について解説します。

会社や店舗にとってスタッフ(社員)は、商品(製品、サービス)や設備と並ぶ重要な財産です。
スタッフのことを「人材」ではなく、「人財」と表現することもあります。
より良い製品が生まれる源にも必ず「人」が存在します。

第8回では、ウェブサイトに掲載する「人物写真」の意味や考え方について解説します。

<今回の撮影現場>
撮影場所:高松市の魚料理のお食事処
営業時間:17:00~22:00
利用者層:社会人全般・家族づれ

カメラ目線で利用者に「安心感」を与える

利用者は何を基準に商品を購入したり、サービスを受けたいと思うのでしょうか?
どこで買ってもまったく同じ既製品なら、1円でも安いところで購入し、同様のサービスが得られるなら、新しくできた店で受けたいと考えるかもしれません。

利用者の中には、商品の製造などに関心を抱いたところから、商品購入に至るケースもあります。
製品、サービス、製造、歴史など全に関わる「人」にフォーカスすることで、これまで以上にお店のことを知ってもらえると同時に、ウェブサイトの価値も上がります。

では、スタッフを紹介する写真は、どのようなものがいいのでしょうか?
大切なことは「笑顔」であること。
お客様をもてなす自然な笑顔の写真は、利用者が実際に来店した時のイメージと直結します。

次に大切なのは「カメラ目線」の写真です。
カメラ目線には「まっすぐ向き合っています」という意味があり、利用者に「安心感」が生まれます。

テレビで観るアナウンサーの伝えるニュースは、なぜ安定感や信頼感を感じるかというと、答えは「カメラ目線で伝える」という姿勢にあります。

注意しなければいけないことは、ウェブサイトに掲載する写真がカメラ目線ばかりだと、利用者は「不自然」に感じるということです。
同一人物につき複数枚掲載する時は、象徴的な1枚をカメラ目線にして、その他は目線を外した写真にするなど、違和感を与えないように注意しましょう。

3世代全員が大切なスタッフ、「いらっしゃいませ!」と心の中で言いながら店舗入り口にて撮影

この店舗は玄関が西向きなので、逆光を避けた午後4時過ぎに撮影しました。 撮影前に全員が笑顔になっているかを、中央手前の女の子に確認してもらうことで、メンバー全員の肩の力が抜けリラックスした自然な笑顔になりました。

比較検討するために店舗内でも撮影
表情がよりわかるようにトリミング

※人物撮影のワンポイント

自然な笑顔は、タレントやプロのモデルでない限り、突然言われてもそう簡単にはできません。
撮影スタッフは、社内のムードメーカーに任せましょう。
被写体の肩の力が抜け、表情も明るくなります。

作業風景の写真で「良さ」をアピールする

実際の作業風景写真をみてみましょう。

表情をアップで撮影

注文を受けてから待たせることなく、新鮮かつ美味しい料理を食べてもらいたい、という思いは真剣な表情に表れます。

手さばきや調理のシズル感をアップで撮影

長年の経験に培われた確かな技術、正確で無駄のない動き、新鮮な魚をアップで撮影しました。手や調理道具を入れることで、確かな腕を備えたスタッフが作っていることをアピールしています。
常に動いている手や調理道具は、ブレていることで躍動感がでます。写真全体がブレている手ブレ写真とは違い、失敗写真ではありません。

作業風景の「寄り」と「引き」の比較

引き(広め)の写真は周辺の雰囲気を伝えるために、寄り(アップ)の写真はイメージ写真として使用します。

店の雰囲気や客席が中心の人物撮影

ひとけのない店舗をとるのもいいですが、人物を入れると写真の印象が変わります。
このような写真はスライドショーなどサブカットとしても使えるので便利です。

ひとくちに人物撮影といっても、撮り方はさまざまで、利用者に与える印象も変わります。
ウェブサイトを通じて伝えたいことや、デザインテイストを加味し、いろんなパターンで撮影した写真の中で「どのようなものを」「何枚くらい」掲載するといいかを考えるようにしましょう。

※撮影と写真レイアウトのポイント

人物撮影の場合は、被写体が向いている方向に余白をとると、圧迫感のない写真になります。
ページ上の全身写真(スタッフの集合写真)の場合は、足元よりも、頭上の余白を多めにとりました。

写真をページのどの位置に配置するかで、人物を左右どちら向きに撮ると良いかが決まります。

  • ページ左に配置する場合は、人物が右向き
  • ページ右に配置する場合は、人物が左向き

こうすることで、人物がページの内側目線となり写真やデザインの安定感が増します。
人物を真正面に撮影している場合は、ページのどの位置に配置しても大丈夫です。違和感がある時は、体の向きが内側になっているかも確認しましょう。
キービジュアルやバナーに使用する際は、デザインの都合上当てはまらない場合もあります。

左右どちらか迷わないように、絵コンテ制作をして事前に打ち合わせをすると、時間短縮やミスショットもなくなるのでおすすめです(第7回:「メイン写真が変わると、集客が変わる」参照)。

室内写真撮影はISO感度の設定がポイント

撮影モードを駆使しても、屋外に比べ暗い店内では「手ブレ」や「被写体ブレ」、「露出(明るさ)不足」で写真が暗くなるなど撮影が難しくなります。
暗い撮影現場では、「ISO感度」の設定を変更してミスショットを軽減しましょう。

ISO感度とは、デジタルカメラが光をとらえる能力です。
ISO感度の数値を上げると、暗い室内での撮影が可能になったり、屋外ではより速いシャッター速度で撮影できます。
ISO感度を100→200にあげると、絞り値(F値)が固定の場合、2倍速いシャッター速度で撮影可能になります。

ISO感度の特徴と連動するシャッタ速度や絞りの図

ISO感度を上げるメリット3点

  • 絞りとシャッター速度が固定の場合、明るく撮れる
  • 絞り値(F値)が固定の場合、シャッター速度を速くでき、手ブレや被写体ブレを軽減できる
  • シャッター速度が固定の場合、絞りを絞り込む(F値の数字を大きくする)ことができ、ピントが合っている範囲を広くできる(第6回:「今まで使ったことのない撮影モードにチャレンジ」参照)

ISO感度を上げるデメリット

暗い撮影現場では、ISO感度をできるだけ高くすることが正しいと思われがちです。
ISO感度を上げると画面全体にノイズが出てしまい、写真がきれいに写らないという現象がおこります。
例えるなら、テレビの放送中に暗闇を撮影しているシーンで、画面全体にノイズが出て、被写体が鮮明に映っていないということがあります。同じことが写真撮影にもおこります。

ISO感度の数字は、小さければ小さいほどきれいに写ります。
みなさんが持っているカメラも、撮影現場によって多少の差はありますが、仕上がりを確認しノイズが気にならない範囲内でISO感度の調整をするようにしましょう。
このチェックをすると、使用可能なISO感度の上限がわかります。

まとめ

今回紹介した飲食店の一番の売りは、「瀬戸内の美味しい魚がリーズナブルな価格で食べられる」という点です。このサービスの基礎には、「素材を見極める目」と「確かな技術力」「スタッフの連携」があり、全てを「人物撮影」として表現しました。

今回の撮影は大きく3つに分類しました。

  • 来店した時を想像させる、笑顔の写真
  • 真剣に食材に向き合う顔写真
  • 調理をする手元の写真

みなさんのお店ではどのような人物写真が撮れそうですか?

  • 「カメラ目線」+「自然な笑顔」で利用者に安心感を
  • 写真をレイアウトする位置を把握し、人物が向く方向を決める
  • 余白は被写体が向いている方向にあける
  • 室内撮影はISO感度をあげてブレやボケを調節する

人物撮影の場合は、撮影者が緊張すると、被写体もつられて緊張してしまいます。
「明るく、楽しく、元気良く」を心がけ、リラックスした雰囲気の中でいい写真をたくさん撮りましょう。

第9回は、室内で写真撮影をするときに、レフ板や照明機材を使うと被写体がどのように変化するかを解説します。

このコーナーのコンテンツは、KDDI提供の情報サイト「はじめてWEB」掲載の「エキスパート(専門家)コラム」の情報を、許諾を得てWeb担の読者向けにお届けしているものです。

「はじめてWEB」掲載のオリジナル版はこちら:
写真撮影入門(全12回)「第8回:いい顔でお客様を迎えよう」(2012/11/28)

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