キリン加藤美侑のデジタルマーケティングなう

大切なのは宣伝力だけではない統合的な発信力!?――デジタルトレンドに振り回されずに商品を話題にしてもらうにはどうするか?

デジタルマーケッターの仕事の本質とは何か? 今回は私、加藤美侑の日々の仕事内容と、心がけていることをご紹介したいと思います。
キリン 加藤美侑

「デジタルマーケッター」っていったい何をしているんだろう?? SNSの運営? Webサイト管理? データ分析? 商品のプロモーション? どのようにして企画を考えているの? トレンドはどれぐらい追っているの? 企業や組織、個人によって大きく違うとは思いますが、今回は一例として、デジタルマーケッターである私、加藤美侑の日々の仕事内容と、心がけていることをご紹介したいと思います。

デジタル領域でブランドコミュニケーションを支援する

みなさんの会社では、どこの部署がデジタルマーケティングを担当しているでしょうか? 「デジタルマーケティング部」という専門の部署がある企業は、日本ではまだまだ少ないかもしれません。

キリンには、デジタルマーケティング部という、要するに、すべての事業を横断的に見るデジタル専門チームがあり、私はそこに所属しています。

キリンでは、2014年に、従来型マーケティングから脱却し、デジタルを重視するという姿勢を体現するため、キリン株式会社内に、社内から人材を集めて「デジタルマーケティング室」が新設されました(2015年4月にデジタルマーケティング部に変更)。事業会社であるキリンビール、キリンビバレッジ、メルシャン内のマーケティング、広告、メディア担当などとともに、デジタルを含めたマーケティングを力強く推進していくためです。私が担当しているのは、キリンビールのクラフトビールやRTDブランドです。詳細は初回の記事をご覧ください。

デジタルマーケティング部でのおもな仕事は、デジタルを使ったブランドコミュニケーションの支援です。「氷結」や「グランドキリン」といった商品ブランドのデジタルを活用したコミュニケーションを担当しています。

キリンの会議室フロア。窓からは中野の街がよく見えます!
キリンの会議室フロア。窓からは中野の街がよく見えます!

ブランドコミュニケーションの企画・実施・検証に関して、デジタルを中心にしたサポートやプランニングをおこなっているわけですが、アドバイザー的な立場のこともあれば、みずから施策を企画・実施したりすることもあります。

具体的には、

  • どうしたらお客様に最適な情報を届けられるか
  • どういったキャンペーンを打つべきなのか
  • Web上ではどういった広告をどんなWebサイトに出すのか

といったことを考える仕事で、各事業会社のマーケティング部や広告代理店と一緒に議論しながら、お客様とどうコミュニケーションできるか、を考えています。

キリンビール公式Twitterでの投稿
グランドキリン「CRAFT TIMES」
グランドキリン「CRAFT TIMES」サイトで見る

メディアの企画運営なども行います。「デジタル」と銘打っていますが、お客様からすれば、自分が接している媒体が、デジタルなのか、テレビなどのマス媒体なのか、それともリアルイベントなのかを取り立てて意識することはないでしょうから、それらを明確に切り分けて考える時代ではありません

そのため、自社のマーケティング部と一緒にリアルイベントを含めたプロモーションの企画を検討したり、実際にイベントに立ち会ったりと、デジタルだけにとどまらない業務もたくさんあります。

氷結など、イベント協賛をするときには、足を運んで立ち会います
氷結など、イベント協賛をするときには、足を運んで立ち会います

デジタルマーケッターは流行に敏感であるべきか? 私の日々の心がけ

「デジタルははやりすたりが早い業界だし、最新トレンドは要チェック! もちろんiPhone7でしょ!!」……という人も中にはいると思います。しかし正直私はトレンドに乗れていません(笑)。

もちろん、「ポケモンGO」が話題になればやってみますし、「このインスタグラマーがきてる!」「SNOWが流行っている」「他社はこういったキャンペーンをやっている」などの情報はキャッチアップするようにしていますが、日々の業務で、そこまでトレンドを重視しているわけではありません

デジタルテクノロジーについても同様です。私自身最先端のテクノロジーが好き!得意!というわけではないので、特にこの領域は他のメンバーに任せています……。

私はもう少し大きな視点で、「コミュニケーション設計のトレンド」を気にするようにしています。デジタルマーケティングというのはマーケティング領域の1つの手法にすぎません。テクノロジーばかりを追うのではなく、

  • お客様とどうコミュニケーションしたらブランドを好きになっていただけるか
  • 商品を飲みたくなっていただけるか

ということを突き詰めることが大切だと思っています。

マーケティングの目的は「人を動かすこと」だと思っています。最近は、「人を動かすのは広告だけじゃない! 統合的な情報発信が大切だ」と感じています。広告は、雑誌や新聞、テレビ、ラジオ、Webサイト、SNSなどの媒体にお金を払っておこなう宣伝活動ですが、情報を発信する方法はそれだけではありません。

ブランドを伝えるための魅力的なコンテンツ、それを見てもらう体験してもらうための広告はもちろん重要だと思いますが、PRによって、一方的な情報発信活動だけではない、世の中ゴトにする、時流にのせて話題にさせる、という視点は重視しています。

読者の皆様も実感があると思いますが、とにかく今は情報があふれています。スマホのニュースアプリ、Twitterなど24時間365日、情報の洪水の中にいます。ちなみにこれは私のスマホ画面のスクショです(ちなみにAndroid)。

加藤美侑のスマホ画面
加藤美侑のスマホ画面

SNSやニュースアプリなど、よく使うアプリだけでもこんなにあるんですよね。さらには、それぞれのアプリ内で尋常じゃないほどの情報が溢れている中、どうやって自社の情報をお客様に見ていただけるのか、本気を出して考えないと何も届きません。いくら我々が「この商品がおすすめです!」「これ、おいしいよ!」と言ったところでお客様に面白いと思ってもらえなければ、スルーされます。そのため、少しでもお客様が興味・関心を持てる世の中ゴトにして情報に触れてもらうことが重要だと考えています。

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

Python
「Python」(パイソン)は、プログラミング言語の1つ。プログラマのグイド・ヴ ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]