KDDIのデジタルマーケチームの組織変革の中で一体感・横連携を強化したネットマーケティング検定の受験

高まったのは知識やスキルだけではない!
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社会人が検定試験に挑戦する目的と言えば、日常の業務を円滑に推進するために必要な知識やノウハウを吸収したり、自身が持っている知識を確認したりすることが挙げられるが、個人で検定に挑戦した場合の多くは「試験に合格すること」をゴールにしてしまい、検定に合格したことによる達成感=“やった感”によって努力を止めてしまうことも少なくない。一方、この検定試験をただの“目標”とせずに組織の変革を実現するための“試金石”として活用し、チームの「一体感・横連携の強化」に活用したのが、KDDIだ。

塚本陽一氏
KDDI株式会社宣伝部 担当部長
デジタルマーケティンググループリーダー 塚本陽一氏
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同社は、インターネットマーケティング全般の知識・方法論を問うWeb担当者向け検定試験である「ネットマーケティング検定」を2015年2月に団体受験した。宣伝部デジタルマーケティンググループを中心に、商標・ブランドマネジメント部門やマス媒体の宣伝部門などの社員35名が参加し、選任の監督者立会いのもと、同社会議室にて一斉に受験するスタイルだ。

特にデジタルマーケティンググループでは、このネットマーケティング検定を受験するという課題をチーム全員に課したことで、検定に向けてメンバーひとり一人が努力する過程において、これまであった業務上の様々な課題解決に結びつけられるような様々な化学反応が組織の中に生まれたのだという。

それまで組織にあった課題を解決するために、ネットマーケティング検定の団体受験はどのような道しるべとなったのか。KDDI株式会社宣伝部 担当部長 デジタルマーケティンググループ グループリーダーの塚本陽一氏にお話を伺った。

広告代理店出身の塚本氏が感じた、チームの様々な課題

塚本氏が率いる宣伝部デジタルマーケティンググループは、KDDIにおいてディスプレイ広告、SEMといったペイドメディアの出稿管理、オウンドメディアの管理・運用やSEOの推進、TwitterやFacebookなどソーシャルメディアアカウントの管理・運用などをコンシューマ向け、法人向け、コーポレートコミュニケーションといったあらゆる領域で担当しており、その業務内容は多岐に渡る。塚本氏によると、業務は担当をファンクションごとに分ける分業制を敷いており、社内のマーケティング部門や営業部門などとの連携や広告代理店やデザイン会社をはじめとするサプライヤーとの協業も多いという。担当者に求められるのは、サプライヤーにKDDIが目指したい方向性や戦略を示すプランニング能力であり、それぞれの担当者が担うマーケティング施策をゴールに導くためのディレクション能力だ。

しかし、塚本氏が媒体社や広告代理店でのマーケティング経験を経てこのチームに着任した2013年当時、チームには様々な課題があったのだという。

広告主に必要なのは、サプライヤーが提案する内容の有用性を判断して、的確なフィードバックができるスキル。また提案内容の本質を理解し、この提案で成果が出るのかを判断できるスキルです。しかし、着任した当時の意思決定方法やメンバーのスキルセットを踏まえると、サプライヤーに質の高いフィードバックを行い、目指したい方向性を示すには十分な状態ではありませんでした(塚本氏)

サプライヤーのカウンターパートとしてプロジェクトをリードするための能力を開発する必要性を強く感じたという。

また、投資するマーケティング予算に対してどのようなゴール(KPI)を設定してPDCAを管理するかという点においても、大きな課題があったという。例えば、ECサイトであればトランザクション数やコンバージョンレートをKPIにして「どうすれば売れるか」を考えれば目指す方向性は明確だ。しかし、リアルを中心とした商売で、自分たちが直接販売するわけではない携帯電話の契約獲得にこの論理を当てはめても適切ではない。将来の顧客を生み出すために、どのようなロジックを組めば広告施策の効果を適切に評価できるかという点が、塚本氏が着任した当時は曖昧になっていたのだそうだ。

KPIの設定とPDCAの運用は、自分たちの業態、ビジネスモデルの特徴、生活者との関係性を掛け合わせた上で検討し、方向性を決めなければいけません。しかし当時のKPIやPDCAは、KDDIの実態とミスマッチを起こしていたと言えます(塚本氏)

加えて、組織の中で様々な役割を分業体制で推進していることの弊害もあったのだという。塚本氏は、次のように振り返る。

塚本陽一氏
デジタルマーケティング全体を理解した上で方向性を示すことが重要と思い、チーム全員での受験を決定

デジタルマーケティングに必要な知識を体系立てて学ぶ機会が少なく、各担当者で育つスキルに偏りが生じていました。本来、プロジェクトをディレクションするためには、デジタルマーケティング全体を理解した上で方向性を示すことが重要であり、他の様々な施策と掛け合わせて全体最適しなければならないのですが、自分が担当しているマーケティング施策以外への理解がなかなか深まっていきませんでした(塚本氏)

こうした様々な課題を解決して強力なデジタルマーケティングのチームを生み出すべく、塚本氏はチームの意識改革に向けた様々な取り組みを推進し、そのひとつとしてネットマーケティング検定の受験にチーム全員で臨むことを決めたのだ。

KDDIが人材育成への投資を積極的に行うという社内方針を打ち出したことも、大きく後押ししました。ネットマーケティング検定を通じて、社内のスキルセットを標準化することを目指しました(塚本氏)

受験の背景となった組織の課題
  • 広告代理店などと対等にやりとりするだけの知識やスキルが不十分だった
  • KPIの設定やPDCAの管理が、KDDIが本来目指す方向性と異なっていた
  • 担当者のスキルに偏りがあり、社内の連携が十分にできていなかった
  • チームが分業・縦割りで、担当間での業務連携がうまくできていなかった

チーム全員で臨んだネットマーケティング検定、その結果は?

塚本氏は、自分自身が行う広告代理店などパートナー企業との日常的なやりとりの中で、本来あるべき広告主の姿やディレクションの在り方をチームのメンバーに見せたり、施策の検討に様々な部門の担当者を同席させてディスカッションを促したりなど、一歩ずつ組織の意識改革を進めていきながら、2014年の夏頃からマーケティング検定の団体受験に向けて、次のような動きをしていった。

  • テキストは会社で購入して支給し、2015年2月の受験に向けた準備を指示
  • 年末年始の休暇には社員がみんな追い込みの勉強
  • 受験を控えた1月には定例会議で勉強の進捗状況などを積極的に共有

受験は会社の会議室を使って2回に分けて実施し、メンバー全員が受験。結果は見事全員合格し、100点満点を獲得したメンバーもいたという。

91点だった私よりも高得点者が出たことは悔しかったです(笑)。デジタルマーケティングの基本的な知識が網羅されているので、今後は新たにチームに参加したメンバーには必ず受験してもらう予定です。また、基礎的な知識だけでなく最新の統計データを反映した学習機会の提供や、ケーススタディのような実践的な内容の“アドバンスコース”のような検定も創設してもらえると嬉しいですね(塚本氏)

ネットマーケティング検定を通じてスキルの標準化を目指すという当初の目的は達成されたと言えるだろう。

ネットマーケティング検定への挑戦が生み出した、社内の変化

しかし、塚本氏はネットマーケティング検定に合格したこと以上に、その過程で生まれた組織の変化こそが、検定に挑戦したことの最大の効果だと指摘する。具体的には次の2点がある。

  • 社内における横連携が活発化した
  • チームに一体感が生まれた

その変化のひとつは、社内における横連携の活発化だ。これまでは、担当者がそれぞれの施策のスキルに特化していたため他の担当の施策に理解がなく、業務上の連携が生まれにくい状態が続いていたが、お互いの施策内容がネットマーケティング検定に向けた学習によって理解できたことで、自発的に他の施策担当者に声を掛け、ディスカッションが生まれる環境ができてきたという。

ある施策をテーマにした会議にも様々な施策の担当者が集まって、闊達なディスカッションが生まれるようになりました。社内連携の深まりを実感しています(塚本氏)

塚本陽一氏
一斉受験によりチームに相互理解が生まれ、コミュニケーションの質が変わり、一体感が生まれた

そしてもうひとつは、社内で一斉受験をしたことによる普段の業務とは異なる緊張感や、全員が合格したことによる達成感を共有できたことで、チームに一体感が生まれたことだ。これまで分業制による“縦割り”だった組織がひとつの目標に挑戦したことで相互理解を生み出し、コミュニケーションの質に変化が生まれたのだという。

これまでは“自分は・・・”と自分を主語にした個別最適の話ばかりでしたが、相手の担当領域やインサイトを理解した全体最適の話ができるようになりました。お互いが理解しあうようになったことでコミュニケーションにおける“勘違い”がなくなり、本質的なディスカッションにたっぷりと時間を割けるようになりました(塚本氏)

ネットマーケティング検定を受験した効果
  • デジタルマーケティングに必要な知識やスキルを標準化することができた
  • お互いの業務内容が理解できるようになり連携が活発になった
  • 担当者同士の相互理解が深まりコミュニケーションが円滑になった

もちろん、塚本氏はこのネットマーケティング検定を“ゴール”にするつもりはなく、同氏が目指す理想のマーケティング組織に向けた改革はこれからも続く。

日本の企業では、デジタルマーケティングが企業の業績にどれほど貢献しているかを十分に可視化できておらず、プレゼンスがまだまだ十分ではないと感じています。KDDIに生まれる様々なビジネス課題を解決できる組織、ビジネスの発展に貢献できる組織に変革させ、日本を代表するデジタルマーケティング組織として業界全体のレベルアップに貢献したいですね。ネットマーケティング検定はその目標のためのひとつのプロセスであり、私たちが目指しているものはもっと高いところにあります(塚本氏)

塚本氏がいうように、ネットマーケティング検定の合格は、ひとつの“通過点”にすぎない。試験に向けての学習で身につけた知識や、合格することで得られた自信だけではない。いってみれば、これらは想定の範囲内なのだ。それよりも受験前には予想もできなかった、思わぬ副産物であるチームとしての一体感など、身につけた知識やスキルを業務で実践できる体制づくりに役だったわけで、デジタルマーケティングのプロ組織としての今後の活躍が楽しみだ。

塚本陽一氏
私たちはもっと高いところを目指す。検定合格はそのための通過点

ネットマーケティング検定は、その名の通りインタネットマーケティング全般の知識・方法論を問う試験だ。主催はサーティファイWeb利用・技術認定委員会、監修は株式会社ワールドエンブレム。マーケティングを体系的・網羅的に学習する本格的な検定であり、下記の4つの要件が評価・認定対象となる。

  • ファシリテート能力
  • Webに関する知識や技術
  • ネットマーケティングに関する知識
  • 経営戦略と連動したWebブランディング能力

問題は、基本問題30題、事例問題10題で、試験時間は80分。得点率70%以上で合格となる。ECの運営会社などが部署単位で受ける「団体受験」を基本とするが、個人で受けられる「全国一斉試験」もある。

次回の全国一斉試験は8月2日(日)に、札幌、東京、名古屋、大阪、福岡で開催予定だ。申し込み締め切りは7月12日(日)となるため、早めに申し込みたい。

ネットマーケティング検定の『体験版』『チャレンジ版』もこちらから無料で体験できる→http://www.sikaku.gr.jp/nm/

現代ビジネスに関わる全ての人に必須の知識が得られるネットマーケティング検定だから、どんな職種の人にもぜひ挑戦してほしい。

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