[対談]SEO 辻正浩氏×アクセス解析 小川卓氏:検索キーワードが見えない時代のSEOとは?

Googleアナリティクスで検索キーワードが見えなくなってしまったいま、頼れるのはSearch Consoleの検索アナリティクス
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2012年から、Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールで検索キーワードが見られなくなった。セキュリティ向上のため、Googleが検索結果をHTTPS化したためだ。さらに、ヤフーも2015年に同様の方針を発表している。解析にキーワードが使えない時代に、どうSEOに取り組めばいいのだろうか。SEOの専門家である辻正浩氏と、解析の専門家である小川卓氏に対談してもらった。

SEOにもアクセス解析にも大きな変化をもたらしたスマホシフト

2015年に起きたこと
  • モバイルからのアクセスが増大
  • ヤフーも検索結果ページのHTTPS化で、いよいよ検索キーワードがわからない時代に

―― アクセス解析やSEOの業界で、2015年に起きた大きな変化は何でしょうか。

小川 卓 氏
株式会社Faber Campany
社外取締役CAO

小川卓氏(以下、小川) まずはモバイルデバイスからのアクセスの増加ですね。サイトによって違いはありますが、私たちが分析するサイトは、PCよりもモバイルの比率が高くなっています

特に飲食・宿泊・求人の領域は多くのサイトで逆転しており、最近はブライダル領域でもその傾向が強まっています。パソコンを持っていない人たちも多いです。ニュースサイトやキュレーションサイトでは、90%以上がモバイルでアクセスされています。

辻 正浩氏(以下、辻) 以前は、情報探求系サイトの指名ワードはPCからが多かった。やはり、きちんと調べるならPCでということでしょう。ところが2015年には、そういうものすらモバイルになって、いよいよここまできたかと感じました。

小川 あとは、ニュースキュレーション系アプリの流行もありましたね。ただし、グノシーやスマートニュースからの流入はすごく直帰率が高いんですよ。

流入が増えるのはうれしいけれど、1つの記事だけ読んで、サイト内を回遊することなく、ブランドも認知されないまま帰ってしまう。以前、分析をさせていただいたメディアでは、月10回以上の訪問を「愛用ユーザー」として定義したのですが、詳しく分析してみると、ほぼキュレーションメディアからの流入のみで何回訪問しても1記事しか見ないユーザーでした。これは本当に「愛用ユーザー」なのかということで定義を見直したりしています。

一方で、お悩み系コンテンツを探しているユーザーは複数記事を読んでくれます。たとえば「合コン うまくいかない」とかね。

「××× 意味」なら答は1つですが、お悩み系のキーワードは答が1つではなく、いろいろな意見や考え方がありますから。だから複数の記事を読みますが、そういう人たちは一度で終わって何度も来てはくれません。悩みについて調べてわかったら、あとはそれをやるかやらないか、最後はオフラインになりますから。

辻 正浩 氏
株式会社so.la
代表取締役SEO

 スマホのアクセスを分析すると、2014年と2015年ではユーザー行動も変わりました。特に顕著なのはメインコンテンツ以外が見られずにサイト内の回遊がされづらく、直帰率が上がっているサイトが多いことです。サイトは何も変えていないのにそうなるのは、ユーザー行動が変わったからで、前はうまくいっていたのに変えなければならない、という感じになっています。

小川 ニュースキュレーションサイトからの流入だと、サイトをきちんと認識していないというのはわかりますが、検索でもスマホの影響が大きいですか。

 スマホになって、検索キーワード自体が大きく変わっています。よくいわれるのは、入力操作がわずらわしいからサジェストに引っ張られるというもので、テールは狭まりましたね。

あとは、ヤフーとGoogleの比率です。一般的にヤフーのシェアの方が高いままのはずですが、たとえばPCではGoogleが6割でヤフーが4割くらいのようなサイトが、スマホではGoogleが8~9割になるところもあります。でも、解析の人はヤフーの検索キーワードしか見ていない人が多いのが怖いですね。

スマホの場合は、アクセス解析ツールでヤフーからのアクセスだけ調べても、実態を把握していることにはなりません

小川さんの感覚として、解析の専門家やインハウスで解析を担当している人は、検索キーワードに頼らなくなっているのでしょうか。

検索キーワードがわからない!?
~検索結果のHTTPS化~

Googleの検索サイトは、2012年3月からデフォルトでHTTPS化された。SSL(Secure Sockets Layer:暗号化プロトコルの一種)により通信が暗号化されるため、外部から検索キーワードを取得できない。つまり「検索キーワードを公開しない」というポリシーなので、Googleアナリティクスでも検索キーワードの欄には「not provided」と表示される。

ただし、エンドユーザー側でSSLに対応していない場合など、暗号化されずに検索キーワードが取得できるケースが、少数だが存在する。

小川 それはあると思います。検索キーワードを取れない割合が上がるたびに、一部だけしかわからないデータを使って、本当に説明していいのか、結論を出していいのかと不安になります。

昔はコンバージョンが100件あったキーワードが、いまは5件とかになって、すごくジャッジしにくい。「not provided」になっているキーワードは、取れているキーワードと本当に同じ比率なのか、正直なところわからない。だから、それを元に判断するのがだんだん怖くなっています。

検索キーワードが見られなくなったのが、ここ数年では最大の変化ですね。

でも発想を変えて、「いままでは、たまたま検索キーワードを知ることができた」と思えば、別になくても何とかなります。

いまは、ヤフーは検索キーワードがわかります。だからPCの場合は検索サイトからの流入の約4割は情報が取れている。でも、2015年8月にヤフーも検索結果を段階的にSSL化すると発表しました。

現時点(対談が行われた2016年1月18日)では、まだあまりSSL化されていませんが、そのうちGoogleと同じように検索キーワードが見られなくなるでしょう。そうなると、検索キーワードの99%はわからなくなる。だから、キーワードにはあまり頼らないほうがいいと、発想を転換することになるでしょう。

やっかいなのは、検索キーワードを定期的なレポーティングに使っているケースがあることです。

私が以前かかわっていたケースでは、流入キーワードのユニーク数を見ていました。キーワードがどれくらいのバリエーションがあるかで、広くリーチできているかを判断するわけです。それが、見えるキーワードがどんどん減って、使えない指標になってしまいました。

だから、ヤフーのキーワード情報をメインにしたレポートを使い続けていると、どこかのタイミングでいきなり痛い目を見ることになります。

検索キーワード非公開化は小規模サイトのSEOに影響大

 解析の人は、ランディングページは完璧に把握できるので、そちらを頼りにするという方向に移行した人もいるようですね。

SEO側からすると、キーワードの分析から逃げられないと思っています。あまりにもコアな部分すぎて、いままでのような完璧なデータが取れなくなっているにもかかわらず、どうにかしてしがみつくところが、私はあります。

SEOの3本柱「キーワード」「リンク」「テクニカル」のうちの1本であるキーワードがそろそろ完全に切り倒されそうで、どうすればいいのか苦しんでいます。

コンテンツ以外のSEOは、キーワードとリンクと技術面という3つの柱で成り立っていると、個人的には思っています。3本柱のうち1本のキーワードがどんどん削られて、そろそろ完全に切り倒されそうで、どうすればいいのか本当に苦しみ始めています。

ただ、SEOでやるべきことはサイトによって違い、どのようなSEOの記事を書いても、「うちにはそれは当てはまらない」という例外はあります。

たとえば、私がSEOを担当している、月間何億PVというような巨大サイトでは、まだキーワードを詳しく見られなくてもなんとかなる部分も多いです。個別のキーワードを見るのではなく、大きくグルーピングしてテキストマイニングをするなど大雑把なキーワード収集でもどうにかなるんです。

小川 なるほど。個別のキーワードや個別のランディングページを見てもあまり意味がないから、グルーピングしてある程度のボリュームにすると。

 巨大サイトのSEOは通常サイトに比べるとテキストライティングはあまり重要ではありません。コンテンツを作るのではなく、テンプレートをどう作るかです。だから、それほど詳細なキーワードデータは必須ではありません。

でも、小規模なサイトはまったく違います。30ページくらいの静的なサイト、日本の企業サイトの9割以上がそうだと思いますが、そういうサイトのSEOをやるには、キーワードがないとどうしようもない。

そういうサイトのSEOは、テキストライティングがもっとも重要で、難しいSEOはほぼ不要です。2014年くらいからは、100ページ未満の小規模サイトでは技術的なSEOは不要だと思っています。不要というと言葉が強いですが、技術面は書店で売っている本を1~2冊読んで基本を抑えれば十分でしょう。

小川 明らかに悪いところをきちんと直す、まず負をなくそうというやつですね。検索エンジンが、サイトの各ページを読んでインデックスしているのかとか、きちんとサイト登録しているのかとか、もっと基本的なやるべきことがあるでしょうと。

 まっとうなWeb制作の人がまっとうに作れば、うまくいく。だからSEOで勝負する要素はテキストしかない。小規模なサイトはそうなると思っています。とはいえ、テキストは、どう考えてもキーワードがしっかり見えないとPDCAを回せません

小川 どういう記事を書くのかというのは、検索キーワードベース(そのサイトにどのような検索キーワードで流入しているのかの一覧)がほしいですよね。

昔のアクセス解析のやり方はもう通用しない

現時点の問題点
  • できていたことが、できなくなっている部分がある
  • まだ見えるヤフーの検索キーワードを使っているがが、Googleとヤフーは流入傾向が違う

――数年前までは効果があったけど、いまはダメというやり方にはどういうものがありますか?

小川 やはり、自然検索キーワードのレポートの重要性は下がりましたね。今でもダメというわけではありませんが、流入キーワードの「流入数」「直帰率」「コンバージョン率」を掛けあわせたバブルチャートみたいなレポートは気付けば作らなくなりましたね。その結果、相対的には検索エンジンからの流入×ランディングページから、検索エンジン流入ユーザーのニーズを推測するというような形に変わってきています。

Google Analyticsでは、以前第1階層になったオーガニックキーワードのレポートが、第2階層に移動していたりと、ツール側としても利用を推奨していないような形になっているのは、その動き1つ見ても感じ取れるところです。

Google以外の検索エンジンからの流入は今は計測できていますが、特にGoogleからの流入が多いサイトの場合は、取得できているデータだけで判断するのは怖いですよね。

 Googleとヤフーは全然流入傾向が違いますから、その段階でアウトですよね。

小川 だからヤフーのデータを元にGoogleを判断するのは、非常にリスキー。特に対象サイトの年代や性別がある程度固まっている場合は、そのリスクはさらに高まります。もちろん順位も違えば、出てくる内容も違うし、広告の枠の数とかもいろいろあります。

―― ユーザー層が違いますからね。SEOの、特に検索キーワードがらみで、昔は効果があったがいまはダメというのは。

 まっとうなSEO施策以外、流入ワードで無限にページを作っていくスパムとか、流入ワードを元に自動的に内部リンクを生成するとかは、ほとんど消えましたね(一同爆笑)。

もちろん、まだそういうテクニカルなSEOに穴はありますが、それもそのうち厳しくなるでしょう。逆に、マークアップをきれいにするというのは、それほど神経質にならなくてもよくなりました。検索エンジンが賢くなったので、よほどひどいものでなければ、きちんと評価してもらえます。

昔からある、一歩一歩着実に作りましょう、少しでもユーザーの意図に合うものを作っていきましょうというのが、結局は有効です。それは誰にでもできる、いえることなので、私はプロとしていいたくありませんが。そういう部分以外は、どんどん消えていますね。

―― つまり一般の人がSEOでできることは、ユーザーの役に立つものを作ること。でも、ユーザーが何に困っているのか、何を望んでいるのかわからなければ、役に立つことはできませんね。

 それは、キーワードデータを見るしかありません

これからはGoogle Search Consoleの検索アナリティクスが頼りに

Google Search Consoleの検索アナリティクスのいいところ
  • Googleの検索キーワードを見られる
  • CTRやクリックされなかったデータを見られる
  • いままではできなかった施策も可能に

 私はそれなりの経験もあるし、いろいろなキーワードを見てきたので、流入キーワードを見なくても、キーワードの肌感さえあればどうにでもなります。

小川 このサイトはこのキーワードがあったらいいという肌感は、たしかにありますね。

 自社サイトのSEOをインハウスSEOとしてやっている人も、ずっとやっている領域であればわかるでしょう。ただそれが、新規事業だとか、最近スマホで変わっているあたりがどうなっているのかとなると、本当にわからない。

―― Google Search Consoleの検索アナリティクスを見れば、Googleの検索キーワードを調べられますね。

 はい。ただ個人的には、ヤフーの情報が完璧に見えた時代には、検索アナリティクスをあまり信用していませんでした。というのは、解析ツールで見るGoogleからの検索流入の数字と、検索アナリティクスの数字に、あまりに差がある

その段階で、もう検索アナリティクスは使い物にならないと思いました。何かわからないフィルタがかかっているようだし、ヤフーという完璧なデータがあるからそちらでいいやと。ただ、ヤフーのキーワードも見られなくなるとすると、これはもう検索アナリティクスしかないと、2015年からあわてて使い始めました。

解析ツールの数字と検索アナリティクスの数字にあまりに差があって、これじゃあ使い物にならないと思いました。

データの信頼性という意味では、いままで見ていたデータとは違うものの、何らかの形で信頼できるデータであることは確かです。いままでのデータと比較するのではなく、検索アナリティクスのなかでの変化を見れば、意味はあります

Google Search Consoleの検索アナリティクス
検索キーワードを含む検索結果は暗号化し不特定多数に公開しないが、分析のためなら暗号化前の検索クエリ(ユーザーが入力した検索キーワード)が見られる。

小川 別にデータを詳しく知りたいわけではなく、判断できればいいわけですからね。アクセス解析だって、そもそも全部取れているわけではありません。ツールによってPV数が3~10%変わります。

 ですから、いままでずっと使っていた尺度がなくなりそうで、逃げ道がないからと駈け込んでみたら、本当に楽だった。ヤフーのキーワードという翼をもがれたけれど、検索アナリティクスという翼に付け替えたら、けっこう遠くまで跳べるぞ、みたいなね(笑)。

Yahoo!のキーワードという翼をもがれたけれど、検索アナリティクスという翼に付け替えたら、けっこう遠くまで跳べるぞ、みたいなね(笑)。

CTRやクリックされなかったデータを見られるのは、検索アナリティクスだけです。昔やっていたことがあって、3年前にセミナーでも話しましたが、検索アナリティクスで簡単にギャップを見つけることができます

ある程度以上の表示回数があり、かつ、ある程度以上の掲載順位があるが、クリック数がある程度以上になっていないキーワードを抽出するだけで、タイトル要素に何か問題があるのかもしれないとか、検索されている意図と実際のサイトが合っていないのかもしれないとか、すぐにわかります。

クリック数
掲載順位
クリック率が低すぎるページ
検索結果における各ページのクリック数と掲載順位の関係をグラフにすると1つの曲線に集約される。曲線から大きく外れた(ギャップのある)ページは何か問題がある(改善の余地がある)と予想できる。

キーワードのデータをダウンロードして、全部マージして、うまくフィルタをかけるだけで、きれいにできます。私はそれを、エクセルのマクロを作ってやっています。それを月に2回見直して、ギャップがあるものを抽出して改善するというPDCAに組み込むと、どんどん流入を上げられます。

小川 それはいまでも使える手法ですね。

 そういうことをやってはいたのですが、メインツールにするのはちょっと怖かった。それが、ヤフーのキーワードが使えなくなるので仕方なくメインツールにすると、そういえば昔こんな使い方をしていたけれど、きちんと使うとこんなことができるのかと。使い始めると、これで新しい施策がいろいろできる。

カレーうどんだと思ったら、ごはんも入っていてしっかりお腹いっぱいになるんだと気付いたのが、検索アナリティクスを使ってみて発見したことです。

検索アナリティクスをメインツールにするのはちょっと怖かったけど、いざ使い始めると新しい施策がいろいろできる。

検索アナリティクスで困ることベスト3

―― それなら検索アナリティクスを使えばいいと思うけれど、ダウンロードしてマージしてフィルタをかける「だけ」というのは、けっこう面倒そうです。

小川 面倒なのと、解析側の人間からすると、直帰率やコンバージョン率が見えないのが、本末転倒というか。

 解析の人は検索アナリティクスをどう使っているのですか。

小川 他の方がどう利用されているかは、詳しくは把握していませんが、私の場合は2つの用途で利用しています。1つは、「サイト分析をするうえでの理解促進のため」です。キーワードからどういった利用者がいるのかを把握するのは、分析をするうえで非常に大切です。

もう1つの用途としては、サイト内のコンテンツマーケティングの分析や施策後の振り返りとしての活用ですね。コンテンツの集客・閲覧・誘導・成果とあわせて、キーワードの流入やクリック率、順位の変化を確認しています。

しかしアクセス解析ツールと別画面ということもあり、メインのツールとしてガッツリ利用するというところまでは至っていません。

 解析の外部ツールみたいな感じですね。

小川 そういうイメージが、私は強いです。あとは、Googleトレンドのような、どういうキーワードで来ているのか、どういうニーズがあるのか、変化があるなら前後で見て、コンテンツの材料にもします。

ただし、検索からの流入が多ければ、です。ソーシャルも同様ですが、流入の3%なら分析しません。効率よくやりたいし、インパクトを出したいので、ボリュームの大きいところからやる。そのうちの1つとして、もちろんSEOは大事なパーツです。

 SEO側の、最近の私でいいますと、検索アナリティクスをメインにしつつ、解析を外部ツールとして使う感じです。

小川 ああ、アクセス解析をSEOの外部ツールのように使うと。逆バージョンですね。それで、辻さんは検索アナリティクスを実際に使っているわけですね。

 はい。私は本当にメインで使っています。難しいところは確かにあります。検索アナリティクスで苦しむ点は3つあって、まず、ヤフーの情報がまったく取れない。

小川 ああ、それ、つらいですよね。

 Googleのデータだけ見てもよくわからないので、キーワードで大きな判断をするのは、もう諦める。もしくは、そういうときはスマホの情報だけ見ることもあります。PCユーザーの一部のデータを見るよりも、スマホユーザーの行動の多くを把握することに注力した方が良い分析ができることも多いですね。

検索アナリティクスで困ること①

ヤフーとGoogleは違うので、ヤフー率の高いサイトの判断には使えない。スマホならGoogle率が高いからそちらだけ見る手もある。

 もう1つは、これが私にとって一番苦しいところで、999件の壁があります。検索アナリティクスのデータは、キーワードが最大で999件までしか出ません。

小規模サイトなら十分ですが、巨大サイトだと、掲載順位順にソートしたら1位から3位に表示されているデータしか見られないこともあります。それで何を判断すればいいのか。それを解決するためには、何かトラブルがあって詳しく分析したいときなどは、30日分のデータを1日ごとに分割して30回ダウンロードしてからマージしてデータを増やします。また、それをやると、30日間の順位推移を見られるのも参考になることがありますね。

検索アナリティクスで困ること②

キーワードが999件までしか表示されない。

 ただ、30回ダウンロードするのは、楽しくない。これが3つ目です。

小川 辛いですねー。心を無にして作業しないとですね。

検索アナリティクスで困ること③

ダウンロードは手作業なので面倒。

 それを楽にするツールが、ないことはないですが。とにかく、検索キーワードが見えない時代のSEOでは、Google Search Consoleの検索アナリティクスにどっぷり浸かるしかない。癖はありますが、キーワードを見るという観点では最高のツールです。

使い方のポイントは、どのようなキーワードで流入しているのか見るだけでなく、変化で見ることです。

検索アナリティクスのデータ自体、たとえばクリック数や平均順位を見るのではなく、ずっと見続けて、1か月前に比べてどう変わったかなど、変化を見る。そのためには、定期的にデータをダウンロードする必要があります。データは90日で消えますので、最低でも2か月に1回はダウンロードしましょう。

しっかりやっているお客さまは、一週間ごとにダウンロードしています。そして何かあって、激しく分析する必要があるときは、1日単位で。ダウンロードしたデータはエクセルなどに溜めておいて、不要なデータを消したりソートしたりして、ギャップとヒントを見つけます。

個別のキーワードの順位の動きから発見できる人は少ないはずですので、もっと大枠で見るべきです。クリック数が落ちている検索キーワードがあったら、セグメントを切ってどこが落ちているか洗い出しましょう。ディレクトリごとやページごとにフィルタするとか、デバイスごとにフィルタするとか、それは検索アナリティクスでも可能です。

検索アナリティクスよりもカンタン!
Google Search Consoleのデータを活用するためのツールが登場

Google Search Consoleのデータを蓄積して、Googleの検索結果に表示される自社ページへのクリック率(CTR)を改善し、流入数を最大化する提案を行ってくれるツール「サチコミエルカ」が登場。以下の記事で詳しく紹介しています。

検索結果の掲載順位は変わらずにクリック率が下がったときの対処法

―― 検索結果の掲載順位は変わらないのにクリック率が下がってきた場合、それをどうやってあぶり出しますか。ダウンロードしてマージしてフィルタして、という手順をもう少しかみ砕いていただくと。

 エクセルで、キーワード、掲載順位、表示回数、クリック数を並べます。まず一定以上の表示回数がないものは、見ても仕方ないので除外します。サイトによって違いますが、流入全体の何%に満たないものは除外するという感じです。

次に、検索結果の掲載順位が高い順にソートします。それとクリック数を関係づけて見ます。

小川 掲載順位を横軸、クリック回数を縦軸のグラフにすると、右肩下がりの線グラフになるはずですね、理論上は。

 順位が下がると、クリック数も同じように下がっていくはずです。しかし、実際には、その線グラフからははずれたところに数値が出ることがあります。この掲載順位ならもっとクリックされるはずなのに少ないとか、掲載順位にしてはクリック数が多いとか、それがギャップです。そのギャップを見つけることで、改善のヒントを得ます

小川 本来なら、この順位ならこのくらいのクリック率のはずだが、線グラフの下の方にあったとしたら、おかしいなと気づくことができる。このキーワードが原因じゃないかとか、このキーワードに何か起きたんじゃないかとか。

想定のラインからギャップがあるということは、ギャップには原因があって、それを特定できれば、改善に活かすことができる。悪いことがあれば直すし、良いものであればさらに伸ばせないか、みたいなことですね。そのために、継続的にデータを見ておく必要があると。

 どのタイミングで変わったのかを見つけます。

小川 SEOの場合はそれがすごく重要ですね。検索アナリティクスは癖もあるし、いままでのデータと違うので不安だけれど、実はいままでできなかったことができたり、意外といいから慣れましょうということですね。

◇◇◇

対談を終えて

辻正浩氏

小川さんとお話してあらためて思ったのは、使えるデータを使うのではなくユーザーを見る手がかりになるものを選ぶという姿勢でした。顧客候補が何かを知りたくて行動していることは変わりません。そこをしっかり見つめて手がかりを探していけば、これからさらに変わっていってもどうにでもなるものと思います。

キーワードマーケティングは、SEOでもっとも重要なことの1つです。その重要な手がかり、検索キーワードがこれまでどおりに使えなくなるのはあまりに大きな変化だと思います。実際私もSEOに使うデータの数割は、アクセス解析で見られるキーワードをに頼っていたので非常に困りましたが、検索アナリティクスを有効活用するとこれまで以上に頼れるデータになるとわかりました。

考えてみるとSEOはそのようなことの連続かもしれません。これまで頼っていた方法が使えなくなっては新しい方法を考えることを続けていますし、多くの新しい方法はこれまで以上に成果を上げられることが多いです。

今回の変化もいま使えるものを見つめなおして最大限に活用すると、これまで以上に成果につなげられるはずです。私もしっかりと取り組んでいこうと思います。

小川卓氏

SEOやWeb解析は常に変化しています。

分析をおもに取り組んでいる自分から見ると、特にSEOはその変化が激しいと対談を通じてあらためて気付かされました。しかし、辻さんが取材のなかで語られていたように、その変化が本質的なものなのか、またどういった条件のサイトに当てはまるのかを見極めながら、やり方を変えていく(あるいは変えていかない)ことが重要なのではないでしょうか。

最終的なゴールは、Webサイトの利用者とその運営企業に対して価値を提供することというのは変わらないはずです。その事実を軸に据えたうえで、SEOやWeb解析の変化に振り回されるのではなく、変化を検証し選択していくことが大切だと実感しました。

貴重な機会をいただきありがとうございました!

解析にキーワードが使えない時代のSEOに必須のツール「サチコミエルカ」登場!

対談で語られていたように、アクセス解析で検索キーワードが見えなくなったことで、SEOには“新たなやり方”が求められています。答えの1つは、辻さんが「見直した」と語ったGoogle Search Consoleの検索アナリティクスの活用です。しかし、SEO初心者が使いこなすにはハードルが高いことが難点です。

そんな検索アナリティクスを、誰もが簡単に有効活用できるようにするためのツール「サチコミエルカ」が、株式会社Faber & Technologyから2月4日にリリースされます。

※「Mieruca」(ミエルカ)のツールに含まれる新機能。

サチコミエルカは、辻さんがプレユーザーとして開発のフォローアップをし、またMierucaのアクセス解析機能には小川さんもアドバイザーとして開発にかかわっています

月額2800円からという導入のしやすさ、簡単にキーワードを分析したい初心者から多くのデータをもとに複雑な分析をしたい上級者まで、幅広く使えるツールとして注目です。以下の記事で詳しく紹介しています。

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