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御社のSEOコンテンツ戦略では、キーワードだけでなく訪問者の意図も考えていますか?(後編)

オーディエンスの意図を考えたコンテンツ戦略を、2つの事例から見ていこう
Moz(旧SEOmoz) 2014/9/1(月) 9:00 tweet60このエントリーをはてなブックマークに追加 印刷用

この記事は、前後編の2回に分けてお届けしている。前編に引き続いて、コンテンツ戦略の実例をいくつか見ていこう。→まず前編を読む

ランディングページの最適化とは異なり、コンテンツは、企業の目的に寄与するものであり、他社よりも優位に立てる手段であり、コミュニケーションを築きオーディエンスとの交流を生む手段なのだ。

オーディエンスの意図を考えたコンテンツ戦略とその実例について見ていこう。

コンテンツ戦略の実例2: 記事 VS コンテンツ

このクライアントは女性向けのオンラインマガジンで、サイト上では、ファッションや美容などいくつかのトップレベルのカテゴリーをスライドショーか記事のいずれかの形式で公開していた。

設定

  • オーディエンス: 主に女性(35~55歳)。
  • オーディエンスのニーズ/意図: ファッションや美容に関する刺激、ヒント、アイデアを得る。
  • コンテンツの目標: より多くの女性に働きかけ、交流を生む。
  • ビジネスの目標: ページビュー(広告のインプレッション数)。

このサイトの構造は複雑ではなくごく基本的なものだったので、キーワード調査を行うだけで、オーディエンスが何を求めているかをしっかりと把握できた。「ファッショントレンド」の下に「春のトレンド」や「夏のトレンド」といったサブカテゴリーのランディングページを作成するなどの手法は、すぐやれて効果をあげられるものだった。

しかし、「競争」という大きな課題があった。女性のファッションや美容は、オンライン上できわめて競争の激しい分野だ。ランディングページを作成してもユーザーが集まるとは限らない。このコンテンツには、「どうすれば、もっとうまくやれるか」という、よりクリエイティブな視点が必要だった。典型的なSEOの考え方からいえば、「どうすれば、競合相手よりもリンクしてもらえ、共有してもらえ、交流してもらえるものを作れるか?」ということになる。

私たちは、主に以下の調査方法を用いた。

  • ファッションや美容のオンラインでのトレンドに関する市場調査。

  • 広範な競合調査。

  • オンラインおよびソーシャルネットワークで人気のあるファッションや美容のトレンドに関する広範な調査。

その結果、このオンライン雑誌がより多くの女性に支持されて交流してもらえるようにするための、さまざまな鋭い発見があった。最終的に、コンテンツ戦略では以下のような取り組みを提案した。

  • さまざまなメイクアップブランド(たとえば、各種のボリュームアップマスカラや色落ちしない口紅など)を比較する動画やスライドショー。

  • 大変身のためのツール。

  • ピクシーヘアスタイル、カラフルなアイライナーのアイデア、ネイルのトレンドといった、さまざまなタイプの「ルックブック(カタログ写真)」。

  • ブランドパートナーに協力を得て、購読者へサンプルセットを提供。

  • 有名人のスタイルをお金をかけずに再現するシリーズ(購入できる店も紹介)。

  • ファッショントレンドに敏感な地元ブロガーを起用して、大都市で最新かつ最高にクールなファッションの掘り出し物が見つかる場所や、ファッションイベント、おしゃれな場所について書いてもらう。

  • 「今週のキュートな靴」「絶対手に入れたいドレス」「クレージーなファッショントレンド」など、さまざまなトピックを毎週メールで受け取れる特集やシリーズ。

ブランド比較:美容に関して調べる人の54%はブランド比較をするのに検索を利用していた(ソース:The Role of Search in the Beauty Research Process by Google & Compete)。さまざまな美容商品を比べられるコンテンツやツールの提供を検討するべきである。

たとえば、マスカラ比較のこのYouTubeビデオは3万回以上閲覧されており、この女性は約1万人のチャネル登録者がいる

https://www.youtube.com/watch?v=n03VIrdD020

コンテンツ戦略を完璧なものにするため、新たに提案したサイト構造では、クロスリンクの機会や最適化の提案(特に動画、画像、ソーシャル共有)とともに上記の内容を提示した。

コンテンツ戦略の実例3: 休暇パッケージの販売

このクライアントは、航空便や主な就航先でのツアーを含む休暇パッケージを販売する航空会社だ。サイト上にパッケージを掲載しているが、運用実績はかなり厳しい。

設定

  • オーディエンス: 米国から国外にでかける成人の旅行者。
  • オーディエンスのニーズ/意図: 旅行先のアクティビティやツアー、休暇パッケージを探して、その地域での休暇を計画する。
  • コンテンツの目標: より多くの人に訪問してもらい、エンゲージメントとコンバージョンを増やす。
  • ビジネスの目標: 第1の目標は航空券の販売で、第2の目標がパッケージの販売。

この会社のコンテンツ戦略を準備するうえで私が目を向けたのは、以下の点だ。

  1. 検索する人が考えている多種多様な意図について、検索から分かることは何か?

    人々は、特定のアトラクションを検索しているかもしれないし、ハイキングツアーを探しているかもしれない。

    私たちは、(パッケージを探すということ以外の)意図を大きく分類するには、少なくとも4つの大きな切り口があることを見つけた。アトラクション名による分類、街による分類、アトラクションの種類(滝など)による分類、アクティビティ(バードウォッチングなど)による分類だ。

  2. 現行のサイト構造は、これらの意図を満たしているか?

    実際のところ、「ノー」だ。アーキテクチャは少々行き当たりばったりだった。これら4種類の意図に基づいてサイト上で何かを探すには難しい。簡単に組み合わせて販売できるコンテンツも、パッケージセクションのランディングページとして埋没していたものがあった。

  3. こういった意図をもって訪問してくる人々は、現在どのようにサイトのナビゲーションを行っているか?

    私たちは、訪問者に特定のアトラクションやアクティビティを探して予約してもらうという形でユーザーテストを行った。すると、このタスクを最後までやり遂げられなかった人がたくさんいたうえ、そのやり方がみんなまったく違っていたからだ。

    人々は何を見つけようと考えているか、また、それをどういう風に見つけたいと期待しているのかについて、コンテンツ戦略を導くのに役立つ情報(たとえばパッケージを利用できる時期といった、予想していなかったような種類の意図も含めて)をたくさん学んだ。

  4. 扱うのはどのようなコンテンツ資産か?

    現在シーズン中でサイト上に公開されているコンテンツと、現在サイトから削除されているオフシーズンのコンテンツから、標本抽出してコンテンツの一覧表を作った。各ページは、パッケージに含まれる特定のアトラクション、街、アトラクションの種類、アクティビティのほか、パッケージ料金、旅行期間、航空券を含むかどうかの情報、出発空港、宿泊数で「タグ付け」されていた。

これらすべてを考慮し、最終的なコンテンツ戦略では以下のような点を提案した。

  1. サイト構造: アーキテクチャをアップデートし、主要な意図に合わせたランディングページをそれぞれ作成する。

  2. ナビゲーション: (アーキテクチャとは多少異なる)新たなナビゲーション。

  3. URL: もちろん。

  4. ツール: アクティビティの種類、宿泊数、価格帯など、さまざまな条件で絞り込むフィルタリングツールやシステムを提案する。

  5. オンページ: ユーザーテストから学んだ内容に基づいて、オンページのコンテンツを提案するとともに、エンゲージメントを深め、関連性の高いコンテンツを検索しやすいようにクロスリンクするための関連コンテンツを増やす。

    また、パッケージセクションの下に埋没しているランディングページの移動オプションなどを、モジュールとして抜き出して、関連性の高いパッケージページからクロスリンクする。

  6. 季節的なコンテンツの取り扱い: その時点ではシーズン外れのパッケージを予約できる機能を追加するほか、シーズンによって利用できるコンテンツや、毎年変更されるコンテンツのランディングページの長期的な対処法を提案する。

このコンテンツに対しては、ランディングページを作成して、人々が検索しているものに基づいて最適化するだけではなく、ユーザーにサイトを訪問してもらい、最終的にパッケージを予約してもらえるよう、ユーザーが考えているであろうさまざまな意図に対応するアプローチを採用した。

コンテンツの作成は、検索エンジンのためではなく、人々のためだということを忘れないようにしよう

「人」という点は、すべてに通じている重要なことだ。

オーディエンスが気に入るもの、もっとリンクして、もっと共有して、もっと交流してくれるものを作成すれば、検索エンジンの順位やトラフィックにも効果があるだろう。

もちろんこれは、典型的な古きよき「SEO」ではないが、今は1999年ではない。最高のSEOが優れた製品にあることは、今も昔も変わらない。じっくりと時間をかけてオーディエンスの意図を考慮しながらコンテンツ戦略を立てれば、いろんな面で成果が現れるものだ。

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