SEOについて最低限知っておくべきコト
失敗しないためのSEO会社の選び方

餅は餅屋、でも餅屋もいろいろ……

失敗しないためのSEO会社の選び方

検索エンジンにヒットしないページは存在しないも同然と言われるほどになった昨今、企業サイトにとってSEOは必須の項目だ。それにともない、数多くのSEO会社が存在するようになった。試しに“SEO”や“SEO会社”と検索してみると、多くのSEO会社がヒットするだろう。個人でも実践できるSEOだが、SEO会社に依頼すると何をしてくれるのか。ここでは、主なSEO会社の種類と、依頼するときに抑えておきたいポイントを紹介する。

TEXT:渡辺隆広

日本には現在、数え切れないほどのSEO会社が存在する。ただし「SEOできます」といっても実はタイトルタグしか変更しないウェブサイト制作会社や、単にメディアのリンクを代理販売しているだけの会社もあり注意が必要だ。こうした会社を見極めるために、契約前に次の項目は必ず聞いておこう。

1. 具体的な提供サービスとその範囲

同じSEO会社でも提供されるサービスはずいぶんと異なる。SEO施行前にまず対象キーワード毎の競合分析(どの会社がSEOを、どのような手法で取り入れているかを明らかにする分析)からキーワード選定、サイト内最適化とリンク獲得方法の方針、施行内容の提案、そして効果測定までフルラインアップで提供している会社もあれば、リンクを張るだけの会社、ページのタイトルタグを変更するだけの会社もある。契約すると何をしてくれるのか、そして成果物としてどんなレポートや資料が提出されるのか、実際の施行は誰が担当するのかを確認しておこう。

2. 何に対して費用を支払うのか

検索キーワードの検索回数を調査するツールとして、オーバーチュアが無料で提供するキーワードアドバイスツールというものがある。このツールを利用して検索キーワードの検索回数を出すだけで「200万円」という費用を請求している会社も過去には存在していたようだが、誰でも無料で簡単に利用できるのだから200万円は法外に高い値段だ。

このように、SEOは複雑が故に何に対してどんな費用が発生するかを明らかにしていない会社が多い。また、契約すると実はある作業を実施するために費用が発生することもあるので注意が必要だ。

特に、リンクの取扱いには要注意だ。詳細は後述するが、SEO契約を通じて獲得するリンクは基本的にクライアント(依頼する側)のものであり、SEO会社のものではないという原則がある。もし契約終了時にリンクをすべて取り外されるのであれば、その費用はSEOに対して支払った費用ではなく「リンクレンタル料」ということになる。しかし、リンクのレンタルを考えていないのであれば、あえてそのSEO会社を選択する理由にはならない。「張られたリンクは契約終了時にどうなるのか?」という点は必ず確認しよう。なお、SEOで成功している多くの大企業は、「誰かからレンタルしているリンクではなく、自分で獲得したリンク」によって支えられている。

3. SEOの施行内容

契約の前に施行の内容を必ず尋ねよう。会社によっては「企業秘密」という理由で非開示にしていることが多いが、少なくとも「施行方針」は開示できるはずだし、それすら開示できない企業はむしろ怪しいと疑ったほうがいい。施工方針とは、、具体的にはたとえばタイトル文字列を次のようなルールで変更する、カテゴリ構成を変更する、ある範囲のFlashを取り除く、Yahoo!ディレクトリに登録する、関連テーマを持つサイトに相互リンクの依頼を出すといったものだ。また、「自社の持つサービスからリンクを張ります」と言われたら、具体的にどのようにリンクを張るのか、必ず実例(過去のではなく、現在のだ)を見せてもらう。それをチェックして隠しリンクなどの怪しい手法を用いていたら、その業者は選ぶべきではない。

表1 タイプ別で見るSEOサービスのメリット&デメリット
  成果報酬型サービス コンサルティング型サービス
  検索順位の上昇に主眼においたサービス形態。特定キーワードの検索順位を上げ、その成果(順位)に応じて料金が発生する仕組みを採用していることが多い。 ウェブサイト全体を検索エンジンが理解、解釈しやすいように、情報の論理構造やコンテンツ、マークアップ(HTMLの記述)を最適に整えるサービス形態。月額のコンサルティングフィーで課金することが多い。
メリット 成果が悪ければ費用が発生しないためリスクが低い。また、順位で見るので成果がわかりやすい ウェブサイト全体を内外から最適化するため商品点数が多いウェブサイトなどでも幅広いキーワードで顧客を集客できる。また定例の打ち合わせが発生するため、顧客のニーズにあわせた提案なども期待できる。
デメリット 費用を発生させるために手段を選ばない会社も少なくないため、検索エンジンスパムを平然と行われることがある。
キーワードごとに費用(月額/日割りなど)が発生するので、多くの検索キーワードでSEOの依頼をすると割高になる。
せっかく最適化するための提案をされても、社内にウェブサイトを変更する人員、工数がないと受けた提案を実施できない。
正攻法の最適化手法を採用することが多いため、結果が出るのに長時間かかる。

代表的なSEO会社は
成果報酬型とコンサルティング型

主なSEO会社のタイプを表1にメリットとデメリットとともにまとめた。

成果報酬型は、とにかくリンクを大量に増やしてくれるため結果が比較的早くでる。しかも、成功したかどうかが順位という誰もがわかる指標で表れるため、わかりやすいのが特徴だ。

一方で手段を問わないSEO会社も少なくない。たとえば無料配布ツールの中に顧客のリンクを埋め込む(隠す)ことで大量のリンクを集めたり、あらゆるサイトにまったく同一のキーワード、リンクURLを設置したりするなど、検索エンジンスパムともとれる行為を実行する会社もある。

また、成果報酬系のサービスには契約期間中だけSEO会社が保有する多くのウェブサイトにリンクを設置することで順位を上げるものもある。この場合、「2.何に対して費用を支払うのか」でも説明したが、契約が終了するとリンクが失われるため順位は依頼前と同じ程度に落ちてしまう。つまり、支払った金額は「レンタル料」となる。

通常、SEOを通じて獲得するリンクは自分のものにすべきもので、自分のものにするからROI(費用対効果)が高いSEOが実現できるのであるから、もしこうした類の会社と契約をする場合は、「レンタル料ということで費用対効果はいいのか?」という点をよく考えよう。

コンサルティング型は、ウェブサイトの内部も整えつつ、外部からのリンクも獲得するという正攻法を採用するため、中~長期的にはサイトが「検索エンジンにヒットしやすい性質」を持つようになり、ロングテールに広がる多様な検索キーワードから見込み顧客が拾えるようになるが、そこまで行くのに時間がかかってしまうのもまた事実だ。ブログ検索や動画検索、ソーシャル検索、パーソナライズド検索などさまざまな種類の検索エンジンが登場するなか、検索エンジンが適切に解釈・評価できるウェブサイトを構築し、中長期的に検索エンジン対策を行っていきたい企業、社内のSEM管理業務の最適化も視野に入れている中~大企業や、商品点数が多いサイト(Eコマース、不動産、旅行など)に向いたサービスだ。

ただし、コンサルティング型はROIやコンバージョン数、誘導数という観点からの効果測定を行うことが多く、順位そのものを押し上げる力は成果報酬型よりは低い(時間がかかる)ため、わかりやすい結果(順位)がすぐに見えないという点で不満が募る、社内での理解を得にくいというデメリットもある。また、ウェブサイトを最適化するための作業が発生するため、社内でウェブサイトに変更を加える工数が取れない企業や、SEMをまったく理解できないという企業には向かないサービスで、そうしたケースは成果報酬型で適当に任せてしまったほうが会社全体にとっての費用対効果は高いはずだ。

これだけは押さえておきたいSEO導入前のチェックポイント
  1. 目的を明確にする

    「○○○で1位に表示したい」といった順位目標はダメ。検索エンジンからの集客によって会員を増やしたいのか、商品を販売したいのか、それとも円滑な情報提供をしたいのかなど、検索順位を上げることで何をしたいか明確にできなければ、SEOの費用対効果を測ることは難しいし、上手く行かない。

  2. 予算を決める

    SEO会社の提示する料金はピンキリだ。ただし、高価だからといって良いサービスが期待できるとは限らないし、安価だからといって悪いサービスしか提供されないなんてことはない。それがSEO業界の現状だ。予算を幾らまで投じることができるか計算した上で、会社を選定しよう。予算を決める際に、SEO導入後の効果測定をどう実施するかも決めておくこと。

  3. 話を聞く

    曖昧なこと、不明なことはとことんSEO会社に尋ねよう。返事しないところは問題外、答えてくれても説明が曖昧なところは避けるべきだ。SEO契約後は担当者とコミュニケーションをとることが多いので、きちんと納得できる説明をしてくれる会社を選ぼう。

  4. ポリシーを尋ねる

    SEO会社それぞれに検索エンジンに対する考え方があり、それが大きくSEO手法に影響する。1位にすればそれでよしという企業であれば手法についてしつこいほど尋ねよう。ウェブサイト全体の最適化を主張してきたら、作業は誰がやるのか、どの程度の詳細をどれくらいの頻度で提案してくれるかを確認しよう。契約後の最初の数回だけ提案してきて、後は放置なんていうひどい会社は残念ながら少なくない。

  5. SEOの基礎知識は身に付けよう

    SEOを外注するとしても、基本的なSEOの知識、検索エンジンの仕組みは覚えておこう。検索エンジンの仕組みのために、SEOの結果は3か月以上先になる場合がある。これはSEO会社のせいじゃない。これに対して「すぐに結果がでないじゃないか」と怒るのは、SEO会社にとっても依頼した会社にとっても不幸だ。SEO会社に問題があることは厳しく指摘すべきだが、検索エンジンのシステムに大きく依存する、SEOというサービスの性質も理解しておく必要はあるのだ。

※この記事は、『Web担当者 現場のノウハウVol.5』掲載の記事です。

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