国内&海外SEO情報ウォッチ 「海外SEO情報ブログ」の鈴木 謙一氏が、日本と海外の検索マーケティング情報をさらっとまとめて毎週金曜日にお届け。
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AIチャットはウソつき!? でっちあげが得意!? 使い方に要注意

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グーグル検索SEO情報②

AIチャットはウソつき!? でっちあげが得意!? 使い方に要注意
未知の情報を聞いてはいけない (日経クロステック) 国内情報

前回のこのコラムのトップでAIチャットを取り上げた。こちらの質問に何でも答えてくれる(少なくとも回答はだしてくれる)AIチャットは近未来的なツールだ。

しかしながら、AIチャットの使い方に警鐘を鳴らす声もある。理由は信頼性に不安があるからだ。米Meta(メタ)のAI研究責任者のヤン・ルカン氏は、次のようにコメントしているそうだ:

※コメント内の「LLM」とは「大規模言語モデル」のことで、いまの自然言語AIの仕組みを指す

LLMはでっち上げをしたり、近似的な回答をしたりする

LLMの欠点は人間のフィードバックによって軽減できるが、修正はできない

LLMを検索エンジンなどのツールに統合するのは容易ではない

so.laの辻氏も同様の懸念を抱いており、Bingチャットが生成した誤情報の例をいくつか挙げて指摘している。

※笑える作り話もあるが、人の人生や生命に関わる重大な誤情報も生成している

グーグルが近々公開予定のBard(バード)も、実は、PR向けのデモ画面で間違った情報を提供してしまっている。

「米航空宇宙局(NASA)のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)による新発見を9歳の子供に説明してください」との質問に対するBardの回答、「JWSTは太陽系外に存在する惑星の写真を初めて撮影しました」が誤っていると専門家が指摘した

では、自然言語AIは使い物にならないのだろうか。先のルカン氏は、未知の情報をAIチャットに聞くべきではないとしている。現時点ではそうした使い方ではなく、文章執筆補助に留めるべきだと主張している。

たとえば次のようなタスクならば、いまのAIも問題なく利用できる:

  • 長文を要約する

  • 文章に含める内容をユーザーが箇条書きで指定したうえで、流ちょうな文面を生成する

※後者の手法は日本では「深津式プロンプト・システム」という名称で、自然言語AIをうまく活用する手法として注目を集めている。

こうしたタスクであれば、AIチャットの出力内容をユーザーが検証できるからだ。反対に、ユーザーが正誤を判断できない用途には向いていない。

ChatGPTもBingチャットも、そしておそらくBardも、とてつもなく便利なツールだ。しかし現時点では、その使い方と情報の信頼性には十分に注意して使いたい。

★★★★☆
  • AIチャットを利用する、すべてのWeb担当者 必見!

2023年2月の2回目のオフィスアワー: robots.txtでのクロール制御、ステージングサイトのインデックス登録、動画SEOのベストプラクティスほか
今回は質問多し (グーグル ポリシー オフィスアワー on YouTube) 国内情報

2023年2月の2回目のグーグル ポリシー オフィスアワーを紹介する。金谷氏と小川氏が回答、アドバイスしたのはこちらの質問だ:

  • クロールブロックしているページの評価(5:03
  • robots.txt でクロールの制御(9:05
  • ステージングのドメインの登録(12:34
  • Search Console 内インデックス数の激減(14:44
  • Search Console と実際の検索結果の乖離(17:42
  • 大量ドメインからの覚えのない被リンクの影響(18:33
  • 「見つかりませんでした(404)」ページ急増(21:25
  • フリーワード検索ページに大量の無関係 URL(24:35
  • HTTPS URL として認識するページ数の乱高下(26:53
  • ショート動画枠に表示させる方法(30:25
  • 動画の SEO ベストプラクティス(30:47
  • sitemap.xml の置き場所(32:34
  • 構造化データのガイドライン(33:42
  • ホスト貸しのサイトを通報する(35:54
  • 専門性の評価(39:21
  • サイトが検索結果に表示されない(41:25
  • MFI 移行が進む中での SEO 対策(42:00

今回はたくさんの質問が取り上げられた。興味深いものも含まれているのではないだろうか。気になるものはそこから視聴できるようにリンクしてある。通しでの視聴用に録画も埋め込んでおく。

ちなみに、このGoogleポリシーオフィスアワーは、(諸般の事情で)終了となった。今後に関して小川氏がTwitter上でアンケートを実施しているので、興味がある人は回答しておくといいだろう。

★★★★☆
  • すべてのWeb担当者 必見!

英語版グーグルオフィスアワー28項目の日本語版文字起こし
28個の質問にグーグル社員が回答 (グーグル 検索セントラル) 国内情報

2023年1月の英語版オフィスアワーを文字起こししたコンテンツの日本語訳が公開された。取り上げられているのは次の 28 個の質問だ:

  • メタキーワードは重要ですか?
  • ブランド名がそのまま表示されないのはなぜですか?
  • サイトマップの lastmod として、どの日付を使用すればよいですか?
  • ニュース サイトマップと一般的なサイトマップを両方使用できますか?
  • 関連性のない検索エントリについて何かできることはありますか?
  • サイトの説明文が表示されないのはなぜですか?
  • 中古ドメインのスパムスコアを修正するにはどうすればよいですか?
  • ポルノサイトのスパムリンクはランキングに悪影響を与えますか?
  • Google はキーワード密度を使用しますか?
  • タイトルがメタ ディスクリプションと混同されているのはなぜですか?
  • ステージング サブドメインを削除するにはどうすればよいですか?
  • リンクを否認するとサイトのランクが上がりますか?
  • サイトを移転する最善の方法を教えてください
  • 私のサイトが Google に表示されないのはなぜですか?
  • モバイル版が Google に表示されるようにするにはどうすればよいですか?
  • 同じ名前の競合他社のソーシャル アカウントが表示されるのはなぜですか?
  • URL の削除がうまくいかない理由を教えてください
  • サービス ウェブサイトではどの構造化データを使用すればよいですか?
  • コンテンツがインデックスに登録されないのはなぜですか?
  • 古い移転済みの URL を検索で無視されるようにできますか?
  • Search Console の確認機能は検索に影響しますか?
  • 翻訳したコンテンツが Google に表示されないことがあるのはなぜですか?
  • 画像の URL の深さはランキングに影響しますか?
  • hreflang クラスタの一部に不具合があった場合どうなりますか?
  • サイトワイド フッターリンクは悪いものなのですか?
  • サイトの移転を早めるにはどうすればよいですか?
  • m-dot サイトの PC 版とモバイル版をリンクさせるにはどうすればよいですか?
  • EXIF データはどの程度重要ですか?

チューリッヒのグーグルに拠点を置く次の3氏がこれらの質問に簡潔に回答している:

  • ジョン・ミューラー氏
  • ゲイリー・イリェーシュ氏
  • リッジィ・サースマン氏

非常に多くの質問があるので、あなたの関心を引くものが必ずあるに違いない。回答をチェックしよう。

★★★★★
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

レシピサイトなのにレシピ情報はほんの少し、大部分が広告のサイトっていったい
ユーザーが求めているものを中心に据える (Matt Shirley on Twitter) 海外情報

レシピサイトのコンテンツ構成を皮肉ったツイッター投稿を紹介したい。

左が「レシピサイトに期待する内容」で、100%レシピ情報

右が「レシピサイトの現実」で、次のような構成:

  • 料理の写真
  • 料理の歴史詳細
  • だれかが料理を作っている15分の動画
  • 筆者の料理との経験
  • 広告(これが半分以上)
  • レシピ(全体のわずかな部分)

レシピを解説するというページは広告が大部分を占めており、肝心のレシピはコンテンツ全体の数%だったという。

筆者も同じような経験をレシピサイトでしたことがある。作り方に入る前に、その料理の歴史や料理人のプロフィールが長々と続き、ページ中程からようやくレシピが始まる。

レシピサイトに限ったことではないが、まず考えるべきは「ユーザーが何を求めてそのページを訪問したのか」だ。求めているものを中心に据え、さらにすぐに見つかるようにすることは、ユーザー体験の改善において極めて重要だ。グーグルが推奨しているユーザーファーストのコンテンツアプローチにも通じる。

(とは言うものの、こうしたコンテンツが増えた原因の1つが「こうしたコンテンツにすればグーグルが上位に表示する」という認識が広がってしまっていたことだというのが悩ましいところだが)

★★★★☆
  • すべてのWeb担当者 必見!

2023年「コンバージョン最適化」は死語になる? ユーザー行動もVUCAの時代か
業界第一人者も明確な答えを導き出せていない難問題 (アナリティクス アソシエーション) 国内情報

アナリティクス業界の第一人者である大内範行氏が、こんな言葉とともに2023年のアナリティクス方向性を語っている:

コンバージョンを見て最適化するやり方って、もう終わってる?

そのコラムのタイトルは「2023年 コンバージョン最適化を死語にしよう」。

これだけ見ると「どういうこと?」と違和感を覚える人が多いかと思うが、大内氏は決してコンバージョン最適化を否定しているわけではない。そうではなく、次のような問題提起をしているのだ:

  • ユーザー行動はどんどん多様化している(動画・音声・ソーシャルなどなど)

  • そうした行動は、昔ながらの「ネット上で取得できるデータ」でのユーザー行動分析やコンバージョン測定では把握できなくなっている

  • これまでと同様のデータだけでこれまでと同様にデータを分析していたら、実際のユーザーのメディア接触行動と逆行する施策判断になってしまいかねない

ではどうすればいいのかというと、大内氏も明確な答えを導き出せていない。それでも、現時点での方向性を次のように示している:

  1. CVや売上などの事業と直結するKPI/KGIは計測する

  2. タグやCookieで計測できる限界を理解し、限られたセグメントだけユーザー行動は引き続き計測する

  3. 上記の限界を認識し、それ以外のメディアについて、個別にユーザー最適化を積み重ねていく。こちらの世界(行動を追えない世界)の方が増えていく。

つまり、「これまでのコンバージョン計測はもちろん続ける」としたうえで、そうした計測で把握できない部分については、個別にユーザー行動観察などをしながら最適化していくというわけだ。

これまでのコンバージョン計測方法が完全に無意味になったということではない。それはそれとして継続していくにしても、実際のユーザー(潜在顧客)の行動に合致した指標と計測方法に取り組む必要があることを、大内氏は指摘している。

現時点ではピンと来ない人もいるかもしれない。「ちょっと前からそうだし、今さら」という人もいるかもしれない。そういう人には、大内氏の次の言葉を届けたい:

この傾向は、何も今年からの話ではなく、ここ数年で徐々に顕著になり、2023年からの今後3年間で、急激に進んでいくと思います。

★★★★☆
  • アクセス解析もやってるすべてのWeb担当者 必見!
  • アクセス解析担当者に伝えましょう

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