連載15万円でゼロから始める動画マーケティング
予算15万円で始めるはじめての動画撮影&配信ステップ | 第2回

機材選びから撮影まで、動画撮影から公開までの基本的な手順を解説します
伊東達夫(Jストリーム) 2012/2/13(月) 8:00 このエントリーをはてなブックマークに追加 印刷用
この記事を読むのにかかる時間: 約 19 分
15万円でゼロから始める動画マーケティング

企業サイトで動画を利用する方法をイチから解説するこのコーナー。今回は社内スタッフで動画撮影から編集、配信までを行うと想定し、実践方法を紹介していきます。機材調達を含めて予算15万円で実践します。

セミナーやイベント告知に動画を活用

第1回で動画制作の基本的な流れについて説明したように、最も重要なのは動画コンテンツの活用目的です。そこで今回は次のような目的を想定して、動画配信するまでの流れを説明していきます。予算も限られていますから、屋外ロケやプロへの制作依頼はせずに、社内会議室を使い社内スタッフのみで撮影を行っていきます。

動画撮影の目的
  • 目的:自社開催のセミナーの告知を行う
  • 予算:15万円(機材込み)
  • スタッフ:ディレクター1名、撮影1名、説明役1名(社内スタッフ3名)
  • 撮影場所:社内会議室
  • 動画の長さ:2分
  • 動画掲載場所:自社サイトで公開
  • 撮影機材:家庭向けビデオカメラを使用
  • 編集内容とソフト:「Windows Live ムービー メーカー」を使い説明のテロップを入れる

今回の予算 15万円(機材調達を含む)

撮影に必要な機材選び

まず撮影するためにはビデオカメラが必要です。携帯電話やデジカメでも動画撮影は可能ですが、企業Webサイトのビジネスコンテンツとして制作するのであれば、専用のビデオカメラを用意しましょう。製品紹介やセミナー講演など幅広い用途で利用できますし、一度使ってみるとクオリティの差や撮影のしやすさをはっきりと感じ取れるはずです。また、専用機材での撮影を体験しておくことによって、プロに頼む際の注意点や業者選定のポイントがわかってきます。

では、基本的な機材について紹介していきましょう。

  • ビデオカメラ
  • 三脚
  • 照明
  • 編集ソフト
  • マイク
  • 音声・画像素材集
  • アクセサリー類
  • その他

【必須】
ビデオカメラ(5万円前後)

予算は15万円ですから家庭向けのビデオカメラから選びます。プロ用の機材と比較すると機能やクオリティ面に差があるのは事実ですが、1~2年以内に発売された商品なら機能的には十分です。予算にもよりますが、今回は5万円前後の機種から選んでいきます。ちなみに、価格.comの2012年1月末現在のトレンドによると、売れ筋価格帯は、20,000~39,999円が約6割のようですが、見てみると高品質、多機能化が進んでいます。

5万円前後で探すと数十種類の製品がでてきますが、どれも今回の撮影に十分な機能を備えています。実際に手に取ったときに操作や撮影がしやすいかも大切ですが、初めて撮影する方が知っておくと便利な、カタログスペックからわかる選択のポイントをいくつか紹介します。

  • 画質

    大きくわけると、スタンダード(SD)、ハイビジョン(HD)、フルハイビジョン(フルHD)の3種類がありますが、主流はフルハイビジョンになりつつあります。ブロードバンド化、高画質化が進むなか、これから購入という方はフルハイビジョンを選択することをおすすめします。

  • 最低被写体照度

    撮影可能な明るさを示しています。3ルクスもあれば十分ですが、数値が低くなればなるほど、暗い所での撮影が可能になります。

  • ズーム機能

    ズームには、「光学ズーム」と「デジタルズーム」の2種類があります。「光学ズーム」は●倍といった倍率の高いもののほうが遠いものを綺麗に撮影できます。「デジタルズーム」は無理やり画像を引き伸ばしているので、高倍率になると画質は一気に劣化します。あまり使わないほうがいいでしょう。また、ズームにすると、少しの手ブレでも大きく映像が揺れているように見えますので、注意が必要です。

  • 焦点距離

    30mm-300mm、50mm-500mmといった記載があります。最初の数値が小さければ広く広角に撮影でき、値が大きくなれば狭くなるため、望遠になります。つまりこの値のレンジが広い方が使い勝手が良くなるということです。一般的に、広角のもののほうが室内撮影などには向いており、望遠のもののほうが屋外風景や遠くのものを撮影するのに向いています。

  • 手ブレ補正機能

    カメラが揺れを感知し、映像がまっすぐ撮れるように細かく補正する機能です。初心者には、付いていると心強い機能の1つです。歩き撮りに強いタイプ、ズームに強いタイプなどがあります。

  • バッテリーの持ち時間

    大きさやメーカーなどで変わるため事前にチェックしましょう。今回は長い収録は行わない前提ですが、2時間くらいの収録ができるものを選んでおくと、外部で収録する際にも便利です。付属バッテリーの持ち時間に加え、必要に応じて予備バッテリーも用意しておくといいでしょう。

  • 記録媒体と撮影フォーマット

    ビデオカメラ選びの際に、気をつけておきたいのは記録媒体と撮影フォーマットです。記録媒体は、HDD録画もしくはメモリー録画できるものの方が、PCへとデータを直接移せるため後の編集作業が楽になります。

    撮影フォーマットは画質にも影響する要素ですが、現在主流のAVCHD準拠(ハイビジョン映像をビデオカメラで記録するための規格の1つ)のMPEG4形式や、HDV形式(ハイビジョン規格)を選ぶといいでしょう。ここで注意すべき点に、ビデオカメラの撮影フォーマットが後述の編集ソフトに対応しているかがあります。また、撮影フォーマットによってはWebにそのままアップロードができないため、編集して変換する必要があります。たとえば、YouTubeはMPEG4形式には対応していますがHDV形式には対応していません。

その他、最近では、人物の顔に自動的にピントをあわせてくれる「顔認識機能」や、コントラストを自動的に補正してくれる機能などもあります。今回はマストではありませんが、便利な機能として挙げておきます。

【必須】
三脚(1万円前後)

ビデオカメラを安定させ、きれいな映像を撮影するには三脚(約1万円から)が必須です。最低限、ビデオカメラと三脚さえあれば撮影を始められます。小型から大型までさまざまですが、1m50cm程度まで調整できるものを選んでおけば十分でしょう。

ビデオカメラと三脚はセットで購入。この2つさえあれば、ひとまず撮影は可能になる。
ビデオカメラと三脚はセットで購入。この2つさえあれば、ひとまず撮影は可能になる。

【こだわるなら】
照明(2万円前後)

必須とまではいきませんが、よりきれいな映像を撮影するのであれば用意しましょう。いまのカメラは、室内照明だけでも十分きれいに撮影できますが、照明を使うと、光量を増やすことで(明るくなる)、映像や撮影対象のクリアさが増します。今回は、会議室での撮影という前提ですが、オフィスの照明は天井のみという場合がほとんどでしょう。照明が上からのみ当たっていると、顔の凹凸などで影ができやすくなりますが、照明をあてることで、影をなくすこができます。また、蛍光灯のみの照明の場合、映像が青白くなりやすいのですが、フィルタ付きの照明機材を使うと、青白くなった映像を補正する(色温度を変える)ことができます。

初めてのネット動画制作という場合、照明選びのポイントとしては、カメラに取り付けられるタイプをおすすめします。理由は2つあり、1つはカメラマンが照明を兼務できることです。今回は3名という設定ですので、照明専門の担当者を付けることなく、照明を当てることができます。

もう1つの理由は、カメラに取り付けることで、演者に対して正面から、きっちりと照明を当てられるからです。照明担当のプロフェッショナルは、ストーリーや撮りたいイメージにあわせて、色味の細かな調整や明暗を使い分け撮影映像にメリハリを与えていきますが、今回の場合は、セミナー内容が明確に伝わることが一番大切です。細かな照明調整を行う必要性は低く、むしろ、照明位置を固定してしまい、同じ角度から安定して照明を当てられるほうがいいでしょう。

【必須】
編集ソフト(0円~2万円)

視聴者のことを考えると撮影した動画は編集すべきです。今回はセミナーの告知ですので、セミナーのテーマ、開催日時、場所などが簡潔にまとめられ、強調したいポイントはテロップ(文字)が入っている、というのが見る側にとってもわかりやすいでしょう。

カメラ付属のバンドルソフトやフリーソフトでも映像編集ソフトは数多くありますが、映像をつなぎ合わせるシンプルなカット編集しかできないなど、制約も多くインターフェイスもとっつきにくかったりしますので、予算に余裕があるなら商用製品の購入をオススメします。一昔前に10~20万円出して購入したレベルのものが今では2万円程度で購入でき、編集から簡易なエフェクト、テロップ入れ、BGMの追加や音量調整などまでできます。なかには「YouTubeやFacebookにも簡単にアップ!」などの売り文句があるものもあります。

今回はなるべく予算を抑えるため、日本マイクロソフトが無償提供するWindows Vista / 7向け編集ソフト「Windows Live ムービーメーカー」(Windowsのバージョンによっては「Windows ムービー メーカー」が標準インストールされています)の利用を想定して進めていきます。ムービーメーカーでも取り扱える素材は多く、場面転換や映像に載せるエフェクトもそれなりに揃っており、テキストを打ち込んでテロップなどを挿入することもできるため、まず試してみるのがいいでしょう。あくまで簡易な編集+αの味付けしかできませんが、編集をはじめて行うのであれば十分です。操作も直感的にできて簡単ですし、便利に使えると思います。

参考:ムービーメーカー簡単操作ガイド(日本マイクロソフト)

【こだわるなら】
マイク(5,000円)

音質にこだわるのであればマイクを用意する必要があります。音に関しては映像よりもシビアに金額とクオリティが比例しますが、カメラマイクは幅広く音を拾ってしまうため、演者の声だけを拾いたい場合は、ハンドマイクやピンマイク(ラベリアマイク)の用意が必要です。1本5千円程度から購入できます。

ピンマイク(左)は映像で見た際にマイクが目立たず、音声をしっかり拾いたい講演向けの映像に適している。ハンドマイク(右)はインタビューやレポートなど、動きを挟む映像向き。
ピンマイク(左)は映像で見た際にマイクが目立たず、音声をしっかり拾いたい講演向けの映像に適している。ハンドマイク(右)はインタビューやレポートなど、動きを挟む映像向き。

今回は演者が1人の設定ですが、複数名いる場合は、複数の音声入力を1つの音声として出力するポータブルのミキサー(約5,000円から)も購入しておきましょう。その他、細かい音量調整や音質調整などもできます。ほとんどのカメラは音声の入力が一系統しかないため、複数の演者がしゃべるような場合、ミキサーを通して1つにまとめる必要があります。想定される人数をもとにミキサーの入力数を確認して購入しましょう。ほとんどの場合、3つほど入力があれば十分です。

【こだわるなら】
音声・画像素材集(1万円~2万円)

ロイヤリティフリーの素材(画像やBGMなどの音素材)購入費や撮影時の費用として、1~2万円程度を用意しておきましょう。映像にBGMなどを加えることで格段に質があがります。素材集のCD-ROMなどを購入してもいいですし、最近はオンラインから1つ単位で購入できるサービスもあります。

アクセサリー類

必要に応じてビデオカメラの予備バッテリーや延長コードなどアクセサリー類を検討しましょう。また、カンペ用の画用紙(スケッチブック)やマジックペンなど、いざというとき、その場になって気づくものに対しての出費もバッファとしてみておくといいでしょう。

あると便利なもの
  • 予備バッテリー
  • 電源タップ
  • 延長コード
  • スケッチブック
  • マジックペン
  • ストップウォッチ
  • 養生テープ/ガムテープ

その他

外部で撮影を行う場合は、貸し会議室など外ロケの費用や軽飲食代(ケータリング費)、ロケ地が外であれば移動交通費なども考えられます。撮影場所が変われば準備も異なります。公共の場所であればあるほど各方面に許可を取ったり、一般の方にぼかしを入れたりするなどの準備が必要なので注意しましょう。

また、できれば編集用のPCを購入したいところですが、最近のPCであればスペック的には問題ないでしょう。ただし、収録・編集素材を保存する外付けハードディスクなどを用意しておくと便利です。500GB~1TB程度の外付けハードディスクであれば、6,000円~1万円程度で購入できるでしょう。

以上から、今回の想定予算は次のとおりです。

ビデオカメラ 5万円
三脚 1万円
マイク 5,000円
アクセサリー類
(予備バッテリー、延長コード、簡易照明など)
2万円
編集ソフト 0円(商用製品の場合2万円ほど)
素材集 2万円
ポータブルミキサー 5,000円
外付けハードディスク 6,000円
合計 11万6,000円

今回は予算を抑えるためになるべく無料のツールを利用していますが、必要に応じて編集ソフトや動画配信サービスの予算を加えます。また、外部ロケを行ったり、プロに依頼したりする場合は予算が大きくなります。

【編集部】おすすめ機材の一例

以下に、予算15万円以内という今回の利用シーンに合わせ、基本的なスペックを備えた編集部が選んだおすすめ機材の一例を挙げておきます。予算に余裕があれば、より高機能な製品を選んでもいいでしょう。実際の予算に合わせて比較検討の参考にしてください。

ビデオカメラ

2011年はじめに発売された製品であれば、多くが5万円前後で購入できます。新機種の販売もはじまっていますが、エントリークラスとしては十分です。ただし、スペックだけでなく、実際に手に持って撮影感を試してみることも大事です。

  • HDC-TM85(Panasonic)
    広角で室内撮影に向いており、最低被写体照度も1ルクスと十分です。iAズームという独自技術を使っており、通常のデジタルズームよりもきれいに撮影が可能とのこと。
  • iVIS HF M41(CANON)
    機能の充実もそうですが、レンズメーカーの老舗、キヤノンのカメラということで画質面でも信頼がもてます。
  • HDR-PJ20(SONY)
    光学ズーム30倍まで対応可能なため、遠くのものまできれいに撮りやすいでしょう。プロジェクター機能がついていて便利です。
照明

ホームスタジオ向けの照明もありますが、カメラに取り付けられるタイプが、設置場所を選ばず、簡単に顔に照明を当てることができるためおすすめです。

  • L26851 マクロリングライト VLR-490(LPL)
    レンズの周りに光源を配置することにより撮影物にほとんど影が出にくくなります。
  • L26831 LEDライト VL-960C Pro(LPL)
    付属のフィルタを入れることで、色温度をかえられます。蛍光灯だと映像が青白く映ることもありますが、色味調整ができます。
三脚

プロ仕様では、カメラが重いこともあり、重い三脚が安定性の点から重宝されますが、今回のような場合は、持ち運びや手軽さを考え軽いものがいいでしょう。下記シリーズは実売価格が想定予算の1万円以内で、どちらもおすすめです。60AVは、足を3段階に伸ばせるため、コンパクトにまとめられます。ハンドルでの微調整も可能です。

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