15万円でゼロから始める動画マーケティング
動画マーケティング事例5つに学ぶ活用法と動画SEO | 最終回

動画を積極的に活用するための方法や押さえておきたいポイントを、事例とともに紹介

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15万円でゼロから始める動画マーケティング

企業サイトで動画を利用する方法をイチから解説するこのコーナー。最終回では、動画を積極的に活用するための方法や押さえておきたいポイントを、事例とともに紹介します。

いま、動画活用は新たなフェーズに入ってきました。視聴者側(顧客)を取り巻く環境を見ても、ここ数年での動画共有サイトの利用頻度増はもちろんのこと、スマートフォンやタブレットなどの出現で動画に触れる機会が増し「動画のコモディティ化」が一層進んでいます。企業側としても単に動画を配信するだけではなく、マーケティング視点で動画を活用する事例が増えてきました。

ここからは、私たちが考える、押さえておきたい3つのポイントについて、いくつかの事例とともに説明します。

  1. 動画の種類と目的を明確にする
  2. 動画SEO
  3. マルチデバイス対応

動画の種類と目的を明確にする

今回初めてWeb用に動画を制作する企業もあれば、すでにマスメディアや展示会など、リアルな場所で使う映像を制作している企業もあるでしょう。どんな映像もWebに展開することは可能ですが、必ず押さえておくべきポイントがあります。それは、

Web上で配信する動画の種類と目的を理解し、
それに応じた効果指標を設定する

ということ。高い効果のあったテレビCMを、Webサイトの商品購入ページで配信したところで、同じ効果は得ることはできません。理由は明らかで、視聴者の視聴態度がまったく違うからです。

Webサイトを訪れるユーザーの多くは、検索して情報を探すなど、基本に能動的なアクションをとっているため、動画の視聴者は目的となるゴールへすぐに進みたいのが現実です。そのため、テレビでよく使われるような演出、たとえばコンテンツが始まる前に共通の15秒ジングルムービーをつけるといった演出をすることで、その間に視聴者が離脱してしまうといったことが、動画解析ツールなどで一目瞭然になります(動画の効果測定や解析ツールの詳細は第4回を参照)。

これは制作者側としては当たり前のことですが、再生数などの結果がWeb上では数値化されるため、マーケティング担当者としては、その数値の振れ幅に悩まされることになります。

能動的に、目的を持ってアクションを行うWeb上の視聴者は、いち早く動画を使って情報を得たいという要望が強いため、動画の掲載する場所、その動画がもたらす目的などをきっちり理解したうえで活用することがポイントとなります。動画は文字より情報を理解しやすいというメリットがありますが、こうしたWebならではの特性を理解することが必要です。

事例で知る動画マーケティングの実践効果

以下に、弊社がかかわった事例をもとに、動画を活用しているいくつかの企業の「動画の種類と目的」「活用によって得られた成果」をまとめました。予算15万円でこれらと同じ規模の施策を行うのは難しいですが、どのような目的で動画を活用しているのか、事例として参考になるはずです。

ここで紹介するのは、次の4つの事例です。

それぞれの事例を、「動画の種類と目的」「活用によって得られた成果」に着目しながら紹介していきます。

キヤノンカメラミュージアム(キヤノン株式会社)
http://web.canon.jp/Camera-muse/

キヤノンが展開する「キヤノンカメラミュージアム」は、企業ブランドそのものの魅力をより深く知ってもらうことを目的としたサイト。広告色を極力排除し、キヤノンが持つ歴史や高い技術の蓄積を感じることのできるコンテンツが多数収められています。

サイトでは、カメラやレンズがどのように作られているのかを、オンライン上でリアルに感じてもらうために、映像を活用しています。レンズを1300度もの高温で溶解するシーンや、デザイナーの作業風景など、普段、自社の社員も目にすることがない映像を、内部資料も交えて公開しています。出演者は、技術者をはじめとした担当社員です。

2006年に同サイト内にある「バーチャルレンズ工場」を、動画をはじめとしたリッチな表現を用いてリニューアルした際には、リニューアル前の数十倍にアクセス数が増加し、検索順位も大幅にアップしました。広告告知などは一切行っていませんが、映像によるわかりやすい情報発信や貴重な映像がクチコミで広がり、海外の人気ブロガーに紹介されたり、自社製品ユーザーに限らず広くカメラファン全体に注目されたりするなど、話題を呼びました。ユーザーからは、「交換レンズの価格がなぜ高いのか、よくわかった」という声が寄せられ、教育現場の教材として活用されることも多くあります。

また、別コンテンツである「カメラのデザインができるまで」も、2011年1月に動画をふんだんに使用したリッチなサイトへリニューアルしたところ、リニューアル直後から、日本語版は2.5倍、英語版は3.5倍へとPVが拡大しました。

「カメラミュージアム」は、欧米だけでなく、インドやシンガポールといったアジア圏からのアクセスも増加傾向にあり、新興マーケットからの反響も高いそうです。キヤノン中国の社長から『市場の成長が著しいので、カメラブランドを訴求するのに、歴史的な裏打ちがあるものをネット上に公開してほしい』という依頼があり、中国語展開も同時に行ったというエピソードもあります。

『バーチャルレンズ工場』
「バーチャルレンズ工場」では、1300度もの高温でガラスを溶解するといったシーンも見ることができる
http://web.canon.jp/Camera-muse/tech/l_plant/
『カメラのデザインができるまで』
「カメラのデザインができるまで」では、デザイナーの筆が進む映像でデザイン現場の緊張感を伝えている
http://web.canon.jp/Camera-muse/design/making/

シーラボTV(株式会社ドクターシーラボ)
http://www.ci-labo.com/tv/

機能性化粧品の老舗であるドクターシーラボでは、2001年からメーカー直営の化粧品ECをいち早く手がけ、自社サイトでの動画活用をPC、携帯電話、スマートフォンと積極的に展開しています。ユーザーとの双方向メディアとして自社サイトを位置づけていましたが、そのために意識したこととして、「“おもてなし”する自社サイトであること」「手軽に見られること」「わかりやすいこと」の3つを挙げています。

2009年からは、全商品の「使い方動画」をPC、携帯、スマートフォン向けに発信開始していますが、動画活用のきっかけとなったのは、ユーザーからの「効果が感じられない」という声でした。化粧品は、力の入れ具合、化粧水の付け方、マッサージする方向の動きなど、使い方が大きな効果の違いを生むのですが、「効果が感じられない」というユーザーには正しい使い方が伝わっていなかったのです。

実際、化粧品の使い方を検索するユーザーは多く、動画によるわかりやすい情報提供を行うことが、潜在顧客層を誘引する役割も担っています。また、既存顧客へのサービス向上という点でも、理解不足による商品への誤解回避によって、化粧品の効果を最大限に感じてもらうことが、リピート促進にもつながります。

シーラボTVの動画活用の目的
シーラボTVの動画活用の目的は、化粧品の正しい使い方を動画でわかりやすく伝え、効果を最大限に感じてもらうお客様へのおもてなし。
http://www.ci-labo.com/tv/

ニッセンTV(株式会社ニッセン)
http://www.nissen.co.jp/all/special/nissen_tv/

カタログ通販大手のニッセンは、2011年1月から動画に特化したネット通販チャネル「ニッセン TV」を立ち上げ、PCサイトのほか、タブレット、iPhone/Androidアプリも展開しています。これは、動画を使った購買促進「V(Video)コマース」という取り組みです。

ニッセンTVは、動画によって商品の細やかな風合いや素材感、使用方法、実際の動きなどをよりわかりやすく伝え、購入検討における不安要素の払拭や商品本来の魅力を理解してもらうことを目的としています。

画面の大きいPCやタブレット向けサイトでは、1ページあたりの掲載情報を多くし、スクロールなしで見られる動画サイトとすることで、比較検討やまとめ買いが楽にできるような動画掲載を行っています。表示画面の大きさを活かし、画面上部で動画を再生しながら、プレイヤー下半分に掲載されるカテゴリから、見たい動画を選べるインターフェイスにしています。また、動画の再生中には、内容に応じてプレイヤーの右横に関連商品の画像表示がされ、購入ページへ移動できるようにしています。

一方、iPhone/Androidアプリでは、画面サイズを配慮し、ぱっと見てコンテンツ選択がしやすい作りにしています。各動画には、「お気に入りに追加」ボタンがあり、商品や動画カテゴリに関係なく、動画を一箇所に集めることができるようにし、ユーザビリティの向上を図っています。これは、隙間時間を利用してアクセスしてくるモバイルユーザーの特性にあわせ、目的の動画(商品情報)を手間なく探してもらえるというユーザーサポートの意図で行っています。

「ニッセン TV」公開開始直後から、スマートフォンのアプリダウンロード数は順調に増加し、PCサイトのアクセス数も増加傾向が続いています。また、日本のカタログ通販事業において動画に特化した通販チャネルの登場は、メディアや業界内外、Twitterをはじめとしたソーシャルメディア上でも大きな話題を呼びました。

ニッセンTV
ニッセンTV、PCおよびiPadでの視聴では、再生した動画の内容に応じて、関連商品の画像が動画横に表示され、購入ページへ移動できる
http://www.nissen.co.jp/all/special/nissen_tv/
お気に入りに追加(または削除)
スマートフォンアプリでは、チェック中の商品の関連動画を「お気に入りに追加(または削除)」ボタンをワンクリックで更新できる。

CMライブラリー(大阪ガス株式会社)
http://home.osakagas.co.jp/cm_lib/

人気のネット動画を詳細ページへのフックとして活用し成功しているのが大阪ガス株式会社です。同社では、CMをキラーコンテンツとして2005年より常設していましたが、数年前にCMライブラリーをリニューアルし、再生プレイヤーも新しい作りにしました。新しい再生プレイヤーでは、視聴動画の横にカテゴリごとのタブが並び、カテゴリごとの再生回数順に関連動画が表示されます。人気CMの把握が容易にできるようにすることで、キラーコンテンツである動画の回遊率を高め、ブランドへの接触時間の拡大を図りました。また、動画の直下にCMに関連した商品ページへのリンクを掲載し、誘導促進も図っています。

動画サイトリニューアル後、CMライブラリーはPV数130%アップ、ページ滞在時間35秒アップ、商品ページへの遷移数180%アップという成果を上げています。

ここで紹介した事例のように、「動画を活用してブランディングを行う」「商品の正しい使い方を理解してもらう」「購買行動の後押しを行う」「見てもらいたいページへの誘導促進をする」など、さまざまな活用シーンが増えてきています。

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