国内1700サービスの統計にみるレンタルサーバー選びの基本

EC サイトやASPにレンタルサーバーを使うならば構築や管理サポートの有無で選ぶ

国内1700サービスの統計にみる

レンタルサーバー選びの基本

レンタルサーバーで物販を行うなら、ショッピングカートやクレジットカード決済代行などに対応しているかどうかをチェックすべきだ。このサービスの有無により、構築に要する労力、コストが大幅に変わってくる。

また、セキュリティーへの対応、アクセス解析サービスが提供されているかもチェックポイントとなる。

TEXT:レンタルサーバー完全ガイド編集部

※調査データは2006年12月調査時点のものです(調査概要は記事末尾を参照)。

ショッピングカートが使えるかどうかは時間と費用に影響する

レンタルサーバーの利用目的が物販であれば、ショッピングカート機能が提供されているサービスを選択すべきだ。専用サーバーや仮想専用サーバーであれば、イメージ通りの機能や操作性、デザインを実現するために、独自で開発して使用するということも可能ではある。しかし、開発に要する時間やコスト、そして運用開始後のメンテナンスを考慮すると、その負担はかなり大きなものとなる。

共用サーバー、専用サーバーにおいては、比率としては高くないものの、2割弱は無償でショッピングカート機能を提供している。仮想専用サーバーでは4割弱が無償での提供となっており、有償での提供を合わせると半数以上がショッピングカート機能を提供していることになる。このことから仮想専用サーバーは、ECサイト運営、特に物販サイトの利用を意図していると読み取ることができる(グラフ12)。

グラフ12 ショッピングカート機能の提供状況
グラフ12 ショッピングカート機能の提供状況(図はクリックで拡大)

ショッピングカートの操作性も契約前にチェック

いかにショッピングカートが提供されているとはいえ、操作性や安定性がよくなければビジネスチャンスを逃しかねない。契約前に確認できるようであれば、操作性や機能面のチェックは行っておきたい。ショッピングカート機能は、レンタルサーバー事業者が独自に開発して提供しているものもあるが、それは少数で、多くの場合、オープンソースの「osCommerce」や「Zen Cart」、パッケージソフトの「通販開業X」などが使われている。そこで、それぞれの操作性の違いを確認し、好みのツールが使われているサービスを選択するという方法もあるだろう。

なお、「通販開業X」は、2006年10月31日付けで販売終了となっている。2008年3月31日までサポートは継続されるが、それから先も継続して運用していくようであれば、いずれ別のものに変更することが必要になるだろう。これから契約するのであれば、別のソフトウェアでショッピングカート機能を提供しているサービスを選択するのがよいだろう。

ECサイト運営目的なら、SSL対応は必須チェック項目

情報管理の重要性が叫ばれている昨今、安全性が確保されていないサイトでは、それだけで集客がおぼつかなくなる可能性もある。特にECサイトでは、個人情報、クレジットカード番号などの入力を求めることが一般的なので、データ通信の暗号化およびデータの盗聴や改ざん、なりすましを防ぐSSLへの対応が必要だ。そこで、SSLへの対応状況を見てみよう。「無料」「有料」を合わせると7割弱が対応している(グラフ13)。

グラフ13 SSLへの対応状況
グラフ13 SSLへの対応状況(図はクリックで拡大)

SSL証明書の取得代行は行ってもらえるか

SSLを使用するには、単にレンタルサーバー事業者がこれに対応しているだけでは意味をなさない。電子証明書の発行を申請し、認証を受け、取得した電子証明書をサーバーにインストールする必要ががあるのだ(図1)。しかも、何度も書類をやりとりしてやっと手続きが完了となる場合もある。また、一定期間での更新が必要であり、その際には、再び手続きを行わなくてはならない。

図1 SSLの仕組み
図1 SSLの仕組み(図はクリックで拡大)

こうした申請手続きは、ユーザーが自ら行うこともできるが、レンタルサーバー事業者に申請手続きの代行から、インストールまですべて行ってもらえるようだと手続きに要する労力が軽減できる。また料金の支払いも1本化することができるので、その事務手続きの労力も軽くなる。

これを代行してくれるのは、共用サーバー5割弱、専用サーバーでは8割弱、仮想専用サーバーでは8割以上が対応しているが、ほとんどが有料での対応となっている(グラフ14)。

グラフ14 SSL電子証明書取得代行の有無
グラフ14 SSL電子証明書取得代行の有無(図はクリックで拡大)

電子証明書を発行する機関により手続き、費用が異なることも考慮

電子証明書は複数の機関で発行が行われている。この機関を「CA」または「認証局」というが、こうした機関は複数存在し、それぞれで申請手続きの方法や費用が異なる。特に費用は継続的に支払うことになるので、なるべく費用負担は軽減したいということであれば、相対的に安価な認証局を利用すればよい。しかし、複数の認証局から選択できるレンタルサーバー事業者もあれば、特定の認証局だけしか対応しない場合もあるので、他のサービス内容を含めて、検討を行うべきだろう。

一般的に扱われているのは、どの認証局の電子証明書であるか、その傾向を見てみることにしよう(グラフ15)。

グラフ15 SSL証明書発行機関
グラフ15 SSL証明書発行機関(図はクリックで拡大)

その比率はサーバータイプにより異なるが、順位は変わらない。

一番多いのがベリサインだ。これは、もっとも古くからこのサービスを提供しており、それだけ営業活動も長く、知名度が高いこと、価格が高くレンタルサーバー事業者の利益にもつながるといった理由によるものと考えれれる。

以下、ジオトラスト、セコムトラストシステムズ、コモド、サイバートラストと続く。それぞれの認証局ごとの費用を比較するとともに、他の認証局に対応しているレンタルサーバーであれば、そのコストを比較してみるといいだろう。

2007年12月4日追記

グラフ15は2006年12月調査時点のもの。

ジオトラストの電子証明書を販売していた日本ジオトラスト株式会社は、現在グローバルサイン株式会社として活動しており、グローバルサインの電子証明書を販売している。

ジオトラストの電子証明書は、現在、日本ベリサイン株式会社が販売している。

また、日本コモド株式会社は日本クロストラスト株式会社と合併し、現在は日本クロストラスト株式会社として電子証明書を販売している。

※この追記にあたって本文での社名に関する記述を修正した。

クレジットカード決済代行サービスの有無も要チェック

ECサイトの運用では、必ず金銭の授受が発生する。そして、その特性上、迅速かつ容易な手続きが求められることから、カード決済に対応することが必須となるだろう。しかし、このクレジットカード決済を可能とするための手続きは煩雑であり、利用できるようになるまで長い時間を要する。しかし、いずれのサーバータイプでも7割以上のレンタルサーバー事業者がクレジットカード決済の代行に対応しているので、こうした事業者の中から選択して契約するとよいだろう(グラフ16)。

グラフ16 決済代行サービスの対応状況
グラフ16 決済代行サービスの対応状況(図はクリックで拡大)

なお、このグラフから読み取ることはできないが、決済代行を行っているレンタルサーバー事業者は、どのサーバータイプでもクレジットカード決済に対応しているところが100%で、ほかにコンビニ決済に対応しているレンタルサーバー事業者もある。

オンラインゲームを提供するといった用途ではコンビニ決済、主婦をターゲットとするようなコンテンツなら郵便振替に対応かも確認するとよい。これは未成年は当然のこと、主婦もクレジットカードを所有していないことがあるからだ。

サイト運用の基礎データ取得に有用なアクセス解析ツール

どんな事業でも、計画を立て、実行し、その結果を分析するといったことが必要であることは変わらない。ECサイトにおいて分析を行うための基礎データとしてはアクセス解析ツールが有用だ。単に、どの商品が売れ筋なのかといったデータであれば、アクセス解析を行うまでもなく、容易に知ることができる。しかし、顧客がどのようにしてサイトに来訪したのか、どんなキーワードを指定して検索しているのか、そして、サイト内をどのように移動しているのかなど、詳細な情報を得るためには、アクセス解析が必要となる。ECにおいては、ウェブが顧客との唯一の接点であり、そこで得られる情報を分析することは他の業態と比較すると非常に重要度が高い。こうした情報を得る手がかりとなるのがアクセス解析ツールなのだ。

そこで、アクセス解析ツールを提供しているレンタルサーバー事業者がどれだけの比率になるか見てみよう。

グラフ17を見ると、共用サーバー、専用サーバーでは、7割程度の対応、仮想専用サーバーでは、9割弱が対応となっており、多くのレンタルサーバーで、アクセス解析に対応していることがわかる。

グラフ17 アクセス解析への対応
グラフ17 アクセス解析への対応(図はクリックで拡大)

アクセス解析の精度についても検討しよう

さて、アクセス解析が多くのレンタルサーバーで利用できることはわかったが、この目的で使用されるツールには複数の種類がある。そして、使用するツールにより、得られる情報の精度は異なる。

これらは大別すると、統計情報を提供するにとどまるもの、サイト来訪者がどのようにサイト内を閲覧しているかといった導線まで解析を可能とするものの2種類になる。

どのようなキーワードを指定して検索し、サイトを訪れたか、どのページへのアクセスが多いかといった統計的な情報だけでよければ、前者で十分だ。

しかし、サイトの構造やサイトデザインを改善する上での情報まで必要であれば、後者のような詳細な情報が得られるツールを提供しているレンタルサーバーを利用すべきだろう。

※2007年11月22日、掲載企業名に誤りがありましたので記事を修正いたしました。

この記事で紹介したレンタルサーバーの調査データは、インプレスR&Dの発行する『レンタルサーバー事業者調査報告書2007』に掲載されているものをベースにしている。

レンタルサーバー事業者調査報告書2007
  • 定価:
    • 書籍:160,000円(税別)
    • PDF版(プリントアウト可):160,000円(税別)
    • PDF版(プリントアウト不可):80,000円(税別)
  • サイズ・判型:A4版
  • ページ数:722P
  • 調査・執筆:インプレスR&D インターネット生活研究所
  • 発行:株式会社インプレスR&D
  • 発売:株式会社インプレスコミュニケーションズ
レンタルサーバー事業者調査報告書2007

調査報告書『レンタルサーバー事業者調査報告書2007』では、レンタルサーバー事業者を、サービス内容に応じて、専用サーバー、共用サーバー、仮想専用サーバーに分類し、さらに価格帯、ハードウェア仕様、ネットワーク仕様、運用体制、セキュリティー関連サービス、アクセスログ解析機能、ショッピングカートや決済代行などの付加サービスを詳細に分析、前年度データを使った時系列の分析も行っている。

調査対象企業一覧とそのサービス内容も掲載しているため、レンタルサーバー業界の需要や傾向はもちろん、提供事業間のサービス競合研究などにも役立つ。

調査概要

本調査は、事業者に対する調査とユーザーに対する調査の2つからなっている。事業者調査は、2006年12月に、国内のレンタルサーバー事業者280社(1,733サービス)に対して、ウェブを使った調査を行った。

また、利用者へのアンケート調査は、個人および会社でレンタルサーバーを利用している2,050サンプルに対して行った。

『レンタルサーバー事業者調査報告書2007』に関する詳細情報や目次などは、こちらから

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