UX、SEO、Webも良い発注先を見つけるには、業界の仲間を作れ!/土居氏×枌谷氏(後編)

「Webのトレンドを押さえて、いい発注先を見つける」をテーマにナイル土居氏とベイジ枌谷氏が語る。(後編)

いい発注先を見つけて、Webサイトを今よりも改善したい。ビジネスの目標を達成したい。そう願うWeb担当者は世の中にたくさんいるでしょう。しかしWeb業界の知識がない担当者にとっては、「いい発注先を見つける」のは至難の業です。

「どうすれば良い発注先を選べるのか、Webの知識を身に付けられるのか」にフォーカスして、業務提携を行った株式会社ベイジのUXスペシャリスト枌谷(そぎたに)氏とナイル株式会社のSEOスペシャリスト土居氏に対談してもらった。(後編)

Web担当者はイベントに足を運ぼう

土居 健太郎氏(以下、土居): Web担当者は、どうやって知識を身に付け、トレンドを押さえたらいいと思いますか。

枌谷 力氏(以下、枌谷): 制作の現場にいる我々もWeb業界は変化が激しいと感じるわけですから、他に業務があるWeb担当者はもっと感じていると思います。そんな人へのアドバイスとしてまずは、セミナーに参加して、いろんな人と出会ってください。

土居: 僕も同感です。「自分で最新情報をウォッチするよりも、まずはセミナーに行く」というのが手っ取り早いと思います。「セミナーイベントに足を運んで、迷ったときに相談できる、信頼できる仲間を何人か作っておく」ことが解決策につながると思います。

枌谷: 課題がどこにあるかにもよりますが、コンテンツマーケティングやデジタルマーケティング、BtoBマーケティングなど、各種イベントが開催されていますから、探してみてください。

イベントに参加したことがない、どのセミナーが良いのわからない」という場合は、Web担当者Forum、宣伝会議、日経BP社、ITmediaといったITやマーケティングに関する情報を発信している媒体で紹介しているセミナーに参加してみるといいと思います。

後は、Web広告研究会、企業研究会のWebマネジメントフォーラム、JIAAといった業界団体。さらにはCSS Nite、Web解析士協会のようなところでも探してみてください。

枌谷 力氏

土居: ちなみに、年に何回くらいイベントセミナーに行かれています?

枌谷: 私は年に5回くらいですかね。

土居: 僕は1回くらいかな(笑)。

枌谷: 当社の社員には「最初は月に1回位のペースでいくのがいいよ」と言っています。参加していくうちに「おもしろいイベントだ、新しいことが学べそうだ」といったことが読めるようになってくるんです。そうなってきたら数を減らしてもいいと思います。

土居: 賛成です。ナイルには「月に1万円以内なら、有料セミナーに行っても本を買っても、会社が負担する」という制度があって、みんなその制度を活用してセミナーに積極的に参加しています。

枌谷: Web担当者になってまだ日の浅い人や「サイトのログを読み解くことが難しい、目標を達成するためにどんな指数を見ていけばいいのかわからない」といった人は、できるだけ頻繁にセミナーに参加するべきだと思います。

イベントに参加する時間がない人は、業界の有名人をFacebookやTwitterなどでフォローしておくのもおすすめです。その人の発言やコメントで繰り広げられるやりとりを読んでいるだけでも、今までと見方は変わってくると思います。

土居: この場合の有名人はどう定義しましょうか。有名人にもいろいろいますので(笑)。有名だけど実務を任せるのはあまりふさわしくない人というのもいます。正しいことを言っている人が、必ずしも成果を挙げられるわけではないですから。

枌谷: 自分あるいは自社との相性の問題もありますね。目利きができるようになるためには、普段からいろいろな情報に触れて、勘を養うことが重要ですね。

イベントに参加して慣れてきたら、懇親会に参加する

土居 健太郎氏

土居イベントに慣れてきたら、次のステップとしては?

枌谷: 私の場合、イベント後に懇親会や交流会があれば、できるだけ参加して名刺交換します。懇親会で込み入った話はできないので、翌日にFacebookで友達申請をします。そうすると時々、気になる人が出てくるので、Facebook上でコミュニケーションをとり、お互い気が合いそうだったら少人数の飲み会を開催します。

少人数の飲み会のほうが、大人数の飲み会より身になる情報が得られたり、自分の考え方や見方が変わったり、ということが起こりやすいです。

土居: それって、僕らだからできることであって、一般のWeb担当者がそんなことやりますか?

枌谷: 本気で課題解決をしたい人ならばやると思います。私の場合、自分よりもベテランやキャリアのある人に声をかけたい場合、その人にとって価値ある場になるような相手を連れて行くようにしています。

土居「貴重な情報を得るにはどうしたらいいか」という視点で立ち回るということですね。そして、この人とリアルなつながりを持ちたいと思えば改めてアプローチすればいいし、良質な情報を継続的に得たいのならFacebookで追跡するのもいい。

枌谷: そういうことを積み重ねていくことでWebに関して相談できる相手が作れるし、その中からいいパートナーが見つかるかもしれません。友達を作ることが目的ではないので、目的意識を持って人脈を開拓していくというスタンスが必要ですね。

インプットして、アウトプットを繰り返すことで使える知識となる

枌谷: こういった行動でインプットのニーズは満たせるようになってくると思います。インプットできたら次は、アウトプットの機会を増やすべきです。ブログやSNSで、少しずつ思ったことを発信してみましょう。

土居: アウトプットは日頃から我々も意識していますが、一般のWeb担当者になぜアウトプットが必要なんでしょうか?

枌谷: インプットした情報が仕事にすぐ役立つ場合はいいんです。しかし多くの場合、インプットした知識が役立つのは、数か月、数年先です。人間はインプットだけでは、多くの知識を記憶できません。

アウトプットを繰り返すことで、知識が身に付きます。そのため印象が鮮明なうちに、何らかの形で文章にまとめることが有効です。「すごく読書家なんだけれど、提案書が書けない」という人は、だいたいアウトプットをする習慣を持っていないことが多いと思います。

土居: ブログで記事にまとめるのはハードルが高いとしても、Facebookにちょっと書くくらいなら、ハードルが下がります。「月1回セミナーに行って、内容をまとめてSNSに投稿する」を自分に課す。それが知識を身に付けて、人脈を作る近道かもしれませんね。

お客様には「本業」のビジネスに専念していただきたいが、丸投げされては困る

土居: お客様と良いパートナー関係を築くためには何が必要ですか。

枌谷: お客様には本業があります。Webというツールを使って、本業のビジネスに集中したいんです。しかし、「よくあるのはWebのことはわからないから、全部よろしく」といって、お客様のビジネスに関しても丸投げされることがあります。パートナーとして、一緒に成果を出すのであれば、お客様の本業については、しっかりとした考えと熱意を持っていただきたいです。

我々もお客様が目標を達成できるように、お客様のビジネスモデルをしっかり理解して、ベストなマーケティングを提案して、実行していきます。

良いパートナー関係は、互いに良い情報、正しい情報を提供し合って初めて成り立つものです。

土居: 「丸投げしていいのはWebだけであって、ビジネスまで丸投げされては困る」。お客様も自分のビジネスに向き合って、突き詰めるところまではやってもらいたいですね。

枌谷: 以前、我々の提供するアイデアや施策が非常にうまくいって、「目標値の200%を達成した」ことがありました。しかし、これは当社だけでなし得たことではありません。

お客様の持っている商材の魅力や、お客様のマーケティング活動、営業活動が実ってこそ、そうした効果が出るわけです。あるいは元々、そうした成果が出せたはずなのに、何らかの原因で出せていなかっただけかもしれません。

我々の力だけで、お客様にめざましい成果をお届けできるわけではないんです。「Webはなんとかなった、次は自分たちがなんとかしよう」という動きがお客様にないとうまくはいきません。我々としては、そういうお客様と付き合っていきたいと思っています。

対談の最後に土居氏と枌谷氏からアドバイスをもらいました。

土居氏からWeb担当者に「SEO」に関するアドバイス

今のGoogleの検索結果を見て、上位表示されるサイトが適正かどうかといわれると、残念ながら首をひねる部分はあります。それはおそらく、SEOに関わる多くの人が感じていて、キュレーションメディアがなくなったからといって、検索結果の精度が良くなったわけではないという事実があります。

しかし、実際のアルゴリズムとしては「みんなが検索して求めているもの」が上位に表示されやすくなるような進歩が続いていて、今はまだ粗が多いにせよ、遠くない将来に本当にユーザーが検索して使われるようなものが上位に来るようになると思っています。

そうなると、小手先のSEOテクニックはもちろん、Googleのアルゴリズムをだますためのライティングテクニックも、いずれ意味がなくなっていくでしょう。

今までは「ここをこういう風に変えたら順位は上がりやすいですよ」と言えていたやり方が、これからは通用しなくなる可能性は大いにあります。

すでに言い古されている感はありますが、やはり「検索した人が使いたくなるような、ちゃんと使ってくれるような、実際に求められているコンテンツを豊富に用意する」ことが、最終的には一番大事になっていくと思います。

ですから、Web担当者の皆さんにも「今のところはテクニックでしのいでおこう」という感覚ではなく、「SEOとはそもそも包括的な概念。その概念、全体を考えておくべきだ」ということを、ぜひ理解いただければと思っています。

枌谷氏からWeb担当者に「UX」と「Web制作」に関するアドバイス

今はたまたまUXという言葉が注目されていますが、我々制作会社にしても、SEOにしても、今の時代は1つのジャンルだけを追っていてはダメなんじゃないかと思います。

UXの背景にはビジネスがあり、ビジネスの背景には「人・物・金」といった問題があります。そして、企業にはもっと複雑な問題もあります。

やはり1つのジャンルを突き詰めて専門家になるというだけではなく、専門性を持ちながらプラスアルファで情報を集める。さらに、さまざまな価値観があることを意識しながら、その価値観をミックスしてものを考えられたほうがいいのではないでしょうか。

Web担当者も「これが得意です。でも、他のこともちゃんと把握しながらやっています」というようにしていかないときびしくなっていく世の中なのかな、と思います。

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