ユーザー視点のウェブデザインガイド

4つのレポートから見えてくるサイト改善のヒント

4つのレポートから見えてくるサイト改善のヒント

アイトラッキング調査(Tobii社のシステムを利用)では、ユーザーごとに、?「どのような順番」で、?「どこを見ていたか」がすべて記録される。

現在ビービットで利用しているシステム「Tobii 1750 eye-tracker」では、このデータから、「Hot Spot」「AOI(Area of Interest)」「Gaze Plot」「Gaze Replay」の4つのレポートが得られる。

(1)Hot Spot

Hot Spotとは、熱感知カメラ映像のように、ユーザーがよく見ているサイトの領域をヒートマップとして表示してくれるものである。

複数のユーザーのデータを重ね合わせることが可能であるため、「ユーザー全体として(あるいは属性別に)どのような領域が見られているのか」を明確に浮き彫りにすることができる。

ビービットのウェブサイト(http://www.bebit.co.jp/)を2つのユーザー群「企業のウェブ担当者」と「就職を検討している学生」に利用してもらったのが図3だ。アイトラッキング調査の結果からは、ユーザー群によって見ている領域が大きく異なることがわかる。

このように、Heat Spot分析を用いることにより、ユーザー属性にひも付いた行動内容をより詳しく把握することが可能になる。

「インターネットリテラシーによるユーザー行動の違い」「既存顧客と新規顧客による行動の違い」などは、特に貴重なインプットになるだろう。

図3 Hot Spot調査結果例。属性による行動の違い。

(2)AOI(Area Of Interest)

AOIとは、ウェブページにおける領域別の注視率を表示する。領域は、自由に設定することが可能であるため、ナビゲーションや特集、あるいは主要なメッセージを掲載している領域がどの程度見られているのかを知ることが可能だ。

結果はグラフ形式で見ることが可能であり、ウェブページの枠組み(レイアウト)が有効に機能しているかを調べたりする際に大いに参考になるだろう。

(3)Gaze Plot

Gaze Plotは、時間の経過に伴う目線の軌跡をレポートする機能であり、ユーザーが、どこをどの順序で閲覧したかがすべて記録される。

注視した箇所は円形で表され、円が大きいほど注視時間が長いことを意味している(図4)。

ユーザーが最初にどこを見ているのか、そしてその後どのような順序で何を見ていくのかを知ることができる。

図4 ユーザーの目の動きをとらえ、見ている箇所とその順序を取得することができる。長時間注視した箇所では青い円形が大きくなるため、ユーザーがまずどこに注目し、次にどこを見るのか、どこを重点的に見ているのかも一目瞭然だ。

(4)Gaze Replay

Gaze Replayは、ユーザーのブラウザ上での全行動と、その際の視線の動きを動画形式で出力してくれる機能である。

ユーザーの行動のすべてを見返すことが可能であるため、FlashやAjaxなどを用いた複雑な動きや動的なページ、ポップアップなども含めた分析に対して大きな威力を発揮する。

また、動画やストリーミング配信の効果検証にも有効である。

今後、リッチインターフェイスやマルチメディアの普及が進む中で、さらにこのGaze Replayの価値が高まることが予想される。

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