「VTuber」市場規模は“800億円”と推計、「同人誌」「トレカ」と並ぶところまで成長【矢野経研調べ】

マネタイズ手法は「グッズ」が過半数を占める。

矢野経済研究所は、「VTuber市場」に関する調査結果を発表した。VTuber(Virtual YouTuber)とは、2Dまたは3Dのキャラクター(アバター)を使って、YouTubeをはじめとする各種動画プラットフォーム上に投稿する配信者のこと。

本調査ではマネタイズ方法により「ライブストリーミング」「イベント」「グッズ」「BtoB」の4つのセグメントに市場を分類し、当該事業売上高(海外事業を含む)ベースで、市場規模を算出している。

アニメキャラのような魅力的な見た目とインフルエンサーのような生の声で活躍

それによると、新型コロナウイルス感染拡大の影響でVTuberは知名度と人気が急拡大。2022年度のVTuber市場は、前年度比167.7%の520億円に拡大。2023年度の同市場は同153.8%の“800億円”の見込みとなった。

800億円の市場規模は、同じオタク・サブカルチャージャンルの「同人誌」800億円(2021年度、小売金額ベース)や「トレーディングカードゲーム」792億円(2021年度、メーカー出荷金額ベース)とほぼ並ぶ。

VTuber市場規模推移

VTuberはアニメルックなキャラクター(アバター)で活動しているため、そのキャラクターデザインを用いたグッズ販売、ゲーム・アニメ作品への出演といったIPライセンスビジネスの展開が可能だ。そうした背景から、「ライブストリーミング」「イベント」「グッズ」「BtoB」の4つのセグメントで見ると、2022年度は「グッズ」51.3%の規模が過半数を占め、「ライブストリーミング」26.0%を大きく上回っていた。

VTuber市場セグメント別構成比(2022年度)

調査概要

  • 【VTuberの定義】
    VTuber(Virtual YouTuber)とは、2Dまたは3Dのキャラクター(アバター)を使って、YouTubeをはじめとする各種動画プラットフォーム上に投稿する配信者。「演者(中の人)がアニメルックなアバターを纏いロールプレイを行うことで、演者でもアバターのキャラクターでもない新たなキャラクターが成立している」かつ「そのキャラクターがインフルエンサー、IP(Intellectual Property)の2つの特性を有している」ことが条件。
    ※演者がいないAIの言語生成により活動する「AITuber(アイチューバー)」は対象
    ※CV(声を担当している人物の名前)が明記されているVTuberは対象内
    ※「IRIAM」や「REALITY」をはじめとするライブ配信アプリで活動する「ライバー」は対象外
  • 【調査対象】VTuberをマネジメントする事務所/プロジェクトを運営する企業の当該事業売上高(海外事業を含む)ベースで算出
  • 【市場分類】
    ・ライブストリーミング(動画配信による広告料・スーパーチャット・メンバーシップ等からの収益)
    ・イベント(ライブ・コンサート等有償イベントのチケット販売収益)
    ・グッズ(記念品など有形商品や楽曲ダウンロード販売等の収益)
    ・BtoB(タイアップ広告、IPライセンスによる版権・商品化権ビジネスによる収益)
  • 【調査方法】専門研究員による直接面談(オンライン含む)、アンケート調査、電話による調査、ならびに文献調査併用
  • 【調査時期】2023年2月~6月
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