編集長ブログ―安田英久

理解しやすい文章をつくる11の基本ポイント

読みやすい・理解しやすい文章をつくるための、テキストライティングのポイントを解説

今日は、読みやすい・理解しやすい文章をつくるための、テキストライティングのポイントを、NII(国立情報学研究所)などが開発している「リーディングスキルテスト」の要点から考えてみます。

リーディングスキルテスト

「リーディングスキルテスト(RST)」とは、シンプルな文章を子どもたちがどれぐらい正確に読めるかを科学的に診断するものです。

人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」の一環として、NII(国立情報学研究所)社会共有知研究センターが開発し、他の企業などと協力しながら実施していいるもの。

このテストでは、人が初見のドキュメントを読解するにあたって、11のプロセスをを経ているという考えで作られています。そのプロセスとは、次のようなものです。

人がドキュメントを読解するときのプロセス

  1. 文節に正しく区切る。
    例:私は学校に行く。→私は/学校に/行く。

  2. 係り受けの構造を正しく認識する。
    例:美しい水車小屋の乙女。→美しいのは「乙女」である

  3. 述語項構造や接続詞を正しく解析する。
    (「誰が」「何を」「どうした」のような構造を正しく認識する)

  4. 照応関係を正しく認識する。
    例:私はハンカチを落とした。それを彼は拾った。→「それ」は「ハンカチ」である

  5. 日常生活での経験や伝聞から得られる常識と、小学校における学び等から得た知識と、簡単な論理推論によって、未知の用語の意味を実世界に関する知識の中に位置づける。
    (語レベルのマッピング)

  6. 日常生活での経験や伝聞から得られる常識と、小学校における学び等から得た知識と、簡単な論理推論によって、未知の関係や概念の意味を実世界に関する知識の中に位置づける。
    (文構造レベルのマッピング)

  7. 既存の知識と新たに得られた知識に対して、論理推論を働かすことにより、実世界に関するさらなる知識を獲得する。

  8. 得られた多くの情報間の重要度を適切に付与する。特に、与えられた観点において、また問題解決の上で必要な情報を適切に取捨選択する。

  9. 同様のことを、図やグラフ等、ほかの論理的表象手段についても実行できる。

  10. テキストと図やグラフで表していることの同一性を実世界の意味を介してチェックすることができる。

  11. 以上の各処理において誤りがないかをメタな視点からモニタリングして修正する。

7の「既存の知識と新たに得られた知識に対して、論理推論を働かすことにより、実世界に関するさらなる知識を獲得する」は少しわかりづらいですが、たとえば次のようなことです。

「ヨーロッパは日本より相対的に緯度が高いので、夏の昼の時間が長い」という新知識が与えられたとき、常識(一日は昼と夜で構成される)に基づき、論理的に推論することで、「ヨーロッパは日本より相対的に緯度が高いので、夏の夜の時間が短い」ことがわかる。

これらのプロセスは、3文程度までの短いテキストの意味や意図を正確に読み取るために必要なものであるとのこと。複数の段落から成るテキストを読解するには、これ以外にも文脈の理解などの力が求められるだろうとしています。

理解しやすい文章をつくるために大切な11のポイント

では、理解しやすい文章をつくるには、どうすればいいのでしょうか。

このリーディングスキルテストが前提としている読解プロセスそれぞれを行いやすいように文章を構成すればいいのではないでしょうか。

前述の読解プロセスにそれぞれ対応した「理解しやすい文章にするためのポイント」を次に示します。

理解しやすい文章をつくる11の基本ポイント

  1. 文節に正しく区切りやすいようにする

    • 1文を長くしすぎない
    • 適切に読点を入れる
    • など
  2. 係り受けの構造をわかりやすくする

    • 1文を長くしすぎない
    • 適切に読点を入れる
    • 形容詞や副詞はできるだけ対象となる語に近づける
    • など
  3. 主述の関係や接続詞でつながれている語の関係をわかりやすくする

    • 1文を長くしすぎない
    • 主語を省略しすぎない
    • 主語と述語を離しすぎない
    • 主語に合った述語を使う
    • 「また」「および」などでつながれている語の構造がわかりやすいように、かっこで囲んだり箇条書きで抜き出したりする など
    • など
  4. 照応関係を正しく認識しやすくする

    • 1文を長くしすぎない
    • 指示代名詞(「それ」など)に対応する語に複数の可能性がある構造では、指示代名詞を使わず語を明示したり、何を指しているかわかるように「その男性」などヒントを含めるようにする
    • など
  5. 未知の用語の意味を読者の知識に結びつけやすくする

    • 専門用語などは初出時に補足をつける。また、その補足にも新たな専門用語は使わないようにする
    • 一般に知られている用語に置き換えたり関連づけたりして表現する
    • など
  6. 未知の概念や関係の意味を読者の知識に結びつけやすくする

    • 専門用語や新しい概念などは初出時に補足をつける。また、その補足にも新たな専門用語は使わないようにする
    • 一般に知られている用語に置き換えたり関連づけたりして表現する
    • など
  7. 文章で示す概念によって応用できることのヒントを示す

  8. 文章に含まれる情報の重要度が一目でわかるようにする

    • <strong>や<em>などの要素を使ってポイントを適切にマークアップする
    • 見出しを適切に使って重要な情報を示す
    • 図やグラフなどのビジュアル素材を適切に使って重要な情報を示す
    • 各セクション内のポイントを整理してまとめる
    • など
  9. 図やグラフについても、1~8のポイントを押さえる

    • 1つの図やグラフで使う要素を多くしすぎない
    • 図やグラフに含まれる要素間の関係をわかりやすくする
    • トピックがわかりやすいようにする
    • 図やグラフ内の要素の意味がわかるように凡例や補足を付ける
    • 専門用語や把握しにくい概念は補足を付ける
    • 図やグラフ内で示している内容のうち重要な点がわかるように表現を工夫する
    • など
  10. 図やグラフで解説している内容のテキストとの関連をわかりやすくする

    • 文章のどの部分に関連するかわかりやすいレイアウトにする
    • テキストで解説している以上の内容を図やグラフに含んでいる場合、それがわかるようにテキスト内またはキャプションで示す
    • など
  11. コンテンツの要点を、リード文やまとめとして整理し、理解のズレや漏れがないか確認できるようにしておく

もとのリーディングスキルテストが基本的な読解に関するものですので、このリストも、Webライティングとしても文章術としても、かなり基本的なものになっています。

でも、私もこれをまとめながら「意外とできてないことあるな」と感じました。

ウェブに限らず文章を扱う人間として、こうした国語の基本はしっかりと押さえておきたいものですね。

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