国内&海外SEO情報ウォッチ 「海外SEO情報ブログ」の鈴木 謙一氏が、日本と海外の検索マーケティング情報をさらっとまとめて毎週金曜日にお届け。
海外&国内SEO情報ウォッチ

生成AIとSEOとゴミコンテンツと「基本はインデックスされない時代」【SEO情報まとめ】

「チャットAIでSEOコンテンツを自動生成」と考えたことがある人に読んでほしい、最新の生成AIとSEOやネットの情報を2つと、「これからは、インデックスされないことが普通」という情報を、ピックアップしてお届けする

ページ

「チャットAIでSEOコンテンツを自動生成」と考えたことがある人に読んでほしい、最新の生成AIとSEOやネットの情報を2つと、「これからは、インデックスされないことが普通」という情報を、ピックアップしてお届けする。

今回のピックアップは特別に3記事だ。それぞれ切り口が異なる別サイトの情報だが、3つあわせて読むことで見えてくるものがあるはずだ。

もちろん他の記事も、あなたのSEO力アップに役立つ情報を厳選している。Yahoo!検索、セマンティックHTML、キャッシュなどなど、あなたに必要な情報をみつけてほしい。

  • AI生成コンテンツSEO、結局は専門家に頼まなきゃダメなら微妙じゃない?
  • インデックスされるのが当たり前の時代は終わった⁉️
  • 生成AIが書いたゴミコンテンツが増殖中。グーグルは対策するのか?
  • ヤフー、グーグルとの検索事業の提携を終了か? ヤフー検索はどうなる?
  • セマンティックHTMLはSEOに効果があるのか?
  • 検索に表示されるためにはキャッシュされる必要があるか?
  • 何度でも繰り返します! 「グーグル検索SEOに最適な文字数」なんて存在しない
  • 新しいユーザーフィードバックフォームをグーグルが公開
  • グーグル、サイトマップの pingエンドポイントを12月に終了へ
  • SPAサイトをGA4で計測する方法
  • GA4がようやくAMPをサポート
  • Google Search Consoleのウェブに関する主な指標レポートにINPが追加される

今週のピックアップ

AI生成コンテンツSEO、結局は専門家に頼まなきゃダメなら微妙じゃない?
最初から専門家に書かせるほうが早い (Lily Ray on Twitter) 海外情報

米国の腕利きSEOコンサルタントのリリー・レイ氏が、生成AIに頼った記事作成に対する見解をツイッターに投稿していた:

  1. 「良い」AIコンテンツを書くための効果的なプロンプトを見つけ出す

  2. 専門家に依頼して、AIコンテンツの正確性を確認したり、独自の洞察で深掘りしたりしてもらう

そんなことをするなら、最初から専門家にコンテンツを書いてもらうほうが早いのでは?

あるいは、知識のあるライターでもいいでしょう。事実を確認するスキルをもっていて、突拍子もない完全な嘘を書かない人ならば。

Bardの現状が、AI生成コンテンツの正確性がどんなふうであるかの見本だとしたら、そういったコンテンツ戦略には絶対に私はかかわりたくありません。

※※筆者補足: Bardの回答はしばしば誤った情報を含んでいるという皮肉

「このコンテンツがどれほど間違っているか」は、専門家でなければ判断できないのですから。

チャットAIなど生成AIに任せて記事を書かせることに、レイ氏は否定的だ。いちばんの理由は、事実とまったく異なる間違った情報が入り込む余地があるからだ(生成AIに適当な会社や人を説明させると、だいたい明らかな嘘情報が混じっているものだ)。

レイ氏の見解には筆者もまったく同感だ。生成AIは、内容が正しいかどうかまでは見ていない。学習した言語データをもとに(それらしい)文章を生成しているに過ぎない。

※筆者注: 抽象的な概念を現実世界のものごとを結び付け、情報の精度と理解力の向上を図るGrounding(グラウンディング)という技術も利用されつつあるがまだまだ発展途上だ

AIが書いた記事が誤情報を含む危険性については、先月開催されたSearch Central Live Tokyoでグーグルのゲイリー・イリース氏が繰り返し注意喚起していた。

となると、「質の高いコンテンツ」であることを担保するには、間違いを発見して修正してくれる専門家の知識が必要になる。それならば、最初から専門家に頼めばいいというのがレイ氏の意見だ。

まったくそのとおりだと思う。生成AIをアイデア探りや参考原稿づくりのツールとして使うことに反対はしない。また、生成AIをうまく使うプロンプトが作れるのならば、専門家にも適切な依頼をだせるだろう(「生成AIのプロンプト」と「人への依頼や指示」は性質として近いものがある)。

もちろん、情報の正確性にも独自性にも興味がなく、ただひたすらに「手間をかけずにコンテンツを増やす」ことが目的ならば、この考え方は当てはまらない。しかし、グーグルのゲイリー・イリース氏が「インデックスされるのが当たり前の時代は終わった」と言っているように、そんなコンテンツではインデックスされなくなっていく未来も遠くはないかもしれない(場合によっては、そうしたコンテンツを含むサイト全体が)。

★★★☆☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

インデックスされるのが当たり前の時代は終わった⁉️
高品質なコンテンツとウェブでの評判がカギ (Search Off the Record) 海外情報

グーグル検索のインデックスに関して、Search Off the Recordポッドキャストで、ゲイリー・イリース氏が次のように説明した。

非常にユニークで、人々が実際に興味をもつものを公開していない限り、インデックスに登録するのはかなり難しい。なぜならば、インターネットがその全体をインデックス化できないほどの大きさに成長してしまったからだ。

昔、私がまだ若かったころは、マイクロソフトのLive SearchやGoogleやAltaVistaなどの主要な検索エンジンで、ほとんど何でも見つけることができた。しかし、今では、すべてをインデックス化するのに十分な合理的な量のリソースがないので、検索エンジンはどこかで切り捨てる必要がある(ある基準を満たしていないページはインデックス化しないということ)。

つまり、サイト所有者の立場で言うと、「インデックスに登録してもらえるもの」だという期待は下げるべきだということだ。そうでなければ、コンテンツの質や興味深さやバイラル性を高められないか検討する必要がある。

※18:00あたりから

いかにグーグルといえど、無限のリソースを所有しているわけではない。コンテンツが飽和している現代ではすべてをインデックすることはできない。そのため、すでにグーグルは、

  • インデックスすべきコンテンツ
  • インデックスするほどではないコンテンツ

を分別するようになっている。20年前や25年前とは異なり、コンテンツを作れば無条件でインデックスしてもらえる時代は終わった。むしろ、インデックスされないほうが当たり前の時代が訪れるかもしれない。

インデックスしてもらうには、より高品質なコンテンツと良い評判が重要になってくるとイリース氏は示唆している。つまり、コンテンツが良いだけでなく、

  1. 他の人に知ってもらい
  2. 話題にしてもらい
  3. その話題が広がる

ようにすることがSEOで重要になってくるかもしれないということだ。

★★★★☆
  • すべてのWeb担当者 必見!

生成AIが書いたゴミコンテンツが増殖中。グーグルは対策するのか?
ウェブのエコシステムを破壊してはいけない (MIT Technology Review) 国内情報

生成AIが書いた記事による厄介ごとが、起こり始めている(予想どおりというべきか)。

メディア研究機関のNewsGuard(ニュースガード)による新しいレポートによると、一部のウェブサイトではAIチャットボットを使って広告主を引きつける偽のニュース記事を作成しているということだ。これらのウェブサイトは「信頼できないAI生成ニュースウェブサイト」と呼ばれる。

そのようなページには大手ブランドの広告が掲載されていることが多く、そのほとんどは最大の広告取引所であるグーグルが配信しているという。この行為はGoogleの自身の方針に違反しており、広告主が支払う何十億ドルもの広告費を無駄にしている

また、インターネット上の誤情報の問題を悪化させる恐れもある。なぜなら、これらの人工知能生成サイトの中には、有害な情報や虚偽の情報を拡散しているものがあるからだ(特に健康に関する話題で)。

NewsGuardは、生成AIシステムに特有のエラーメッセージを探すことで、これらのサイトを特定する方法を見つけた。レポートによると、NewsGuardは毎週約25件の新しいAI生成サイトを発見しており、そのほとんどは「誤情報を拡散している」とまではいかなくても、低品質でスパム的なものだという。

レポートは、プログラマティック広告業界における透明性と説明責任の向上を求めている。こうした「ゴミサイト」が作られる理由は、どんなゴミコンテンツであっても売上を生み出す広告システムがあるからだ。こうしたサイトをなんとかするには、収入源にメスを入れるべきだということだ。

とはいうものの、プログラマティック広告を完全に禁止するとインターネット経済に悪影響を及ぼす。そのため元記事のレポートでは、誤情報の拡散を防ぎ止めるためのより強力な仕組みを提案している。

いまの生成AIと大手プラットフォームに関する重要なトピックなので、ぜひ元記事を読んでほしい。

先日、ツイッターでこんな投稿があった。AIによる記事作成のツールを使って、記事を大量生産しているらしい(以下の内容を推奨するわけではない、あくまでも例示のためだ):

100%がAI生成のブログだが、(検索トラフィックが)増え続けている。(文字どおり労力ゼロで)ビジネスのトラフィックを増加させる方法を教えてあげよう。

繰り返すが、上記ツイートの内容を推奨するわけではない。そもそも、ツールを紹介するリンクがアフィリエイトリンクで、具体的なサイトを明かしていないので、アフィリエイト報酬のためのでっちあげかもしれない。

「手間をかけずにコンテンツ(ページ)を増やす」という欲求は昔から変わらず存在しており、それに対応する(と謳う)ツールやサービスは常にある。

グーグルは「人が書いたものであろうが、AIが書いたものであろうが、検索ユーザーに役立つコンテンツであれば問題ない」としている。しかし、生成AIだけで作成し人間がレビューしていない記事には、誤情報が入り込んでいる可能性がかなり高い。検索トラフィックが伸び続けているとはいえ、本当にユーザーの役に立つ記事を公開できているのかどうか疑わしい。

さらには、そうしたゴミコンテンツをAIが学習に使えば、状況はどんどん悪化していく。

こうした状況が続けば、グーグルは確実に何らかの対応をしてくるはずだ。実際にグーグルはそうした対応をしてきている。

たとえば2010年ごろには、安価なライターをたくさん雇い、コンテンツを大量に公開して検索に引っ掛からせて収益を上げるサイトが増殖していた。検索トラフィックを集めるためだけに作られたコンテンツで、どれもこれも低品質なコンテンツばかりだった。そんなおり、グーグルはパンダアップデートと呼ぶ新しいランキングシステムで対策した。パンダアップデートは、SEO業界が震撼するくらいの大変動を引き起こした(パンダ検索システムはすでにコアランキングシステムに組み込まれている)。

検索エンジンファーストのコンテンツが検索結果に出ないようにするという目的では、最近では、ヘルプフル コンテンツ アップデートが記憶に新しい(さほど大きな変動は起こさなかったようだが)。

AIだけで作成したコンテンツの寿命が長いとは思えない。結局は痛い目を見るだけだ。“ゴミ”コンテンツを撒き散らして、ウェブのエコシステムを破壊するような行為には絶対に手を染めてほしくない。

★★★★★
  • すべてのWeb担当者 必見!

グーグル検索SEO情報①

ヤフー、グーグルとの検索事業の提携を終了か? ヤフー検索はどうなる?
次の検索システムは韓国NAVERか? (日本経済新聞) 国内情報

ヤフーは、検索サービス「Yahoo!検索」において、米グーグル関連企業から提供されている検索エンジン技術について他社への切り替えを検討していると、日本経済新聞が報じた。

すでに意識していない人も多いかもしれないが、現在のYahoo!検索では、検索エンジンとしてグーグルのシステムを利用している。ヤフー独自のコンテンツを盛り込むため検索結果はグーグルと完全には同一ではないが、ベースとなる検索のインデックスやアルゴリズムは、グーグルの検索システムから提供されている。

歴史的にはそうでない時期もあった。ヤフーは、2004年5月から「YST」と呼ぶ独自の検索システムを用いて検索サービスを提供してきた。しかし、2010年に独自の検索サービスの提供を終了し、以来グーグルの技術提供を受けていた。

筆者注: 日本以外のヤフーは、マイクロソフトが提供するBing検索エンジンのシステムを利用している。ヤフーのグーグルとの提携についてはこちらこちらの過去記事を参照してほしい。

さて、話を本題に戻そう。

ヤフーは、グーグルではなく別の検索システムを利用して検索エンジンサービスを提供するというのだ。「バケットテスト」と呼ぶ、少数のユーザーを対象にしたA/Bテストをすでに始めているらしい。

ヤフーを展開するIT大手「Zホールディングス」は、「ヤフー」と「LINE」などを2023年度中をめどに合併する方針を発表している。新会社の名称は「LINEヤフー」であり、その資本関係をたどると韓国のネイバーがある。ネイバーは、韓国で最大のシェアを誇る検索サービス「NAVER検索」を提供している。次は、NAVER検索のシステムを利用して検索サービスを提供するのではないかとの憶測も出ている。

「ヤフー検索結果≒グーグル検索結果」の状況だった今までは、SEOにおいて両者の違いを特に意識する必要はなかった。しかし、ヤフーがどの検索システムに乗り換えるかによっては、SEO担当者が違いを意識して仕事を進める必要が出てくるかもしれない。Bing検索も重要視しているなら、3つの検索エンジンを意識しなければならなくなるだろう。

もっとも、どの検索エンジンも、関連性があり高品質なコンテンツをユーザーに届けることを最優先する点において違いはない(と期待したい)。ユーザーの役に立つコンテンツ作りとユーザー体験を高める改善に注力する取り組みを今後も続けていくことに変わりはない。

※Web担編注 Yahoo!検索のシステム変更に関する情報は、日経新聞の記事であり正式発表ではない点には注意してほしい。
★★★★★
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

セマンティックHTMLはSEOに効果があるのか?
検索エンジンの理解に役立つ (#AskGooglebot on YouTube) 海外情報

セマンティックHTMLは、検索エンジンがコンテンツを理解してと評価するのに役立ちますか?

この質問に、グーグルのジョン・ミューラー氏が動画で回答した:

簡単な答えは「はい」で、ページを理解するのにセマンティックHTMLは役立つ。しかし、ウェブサイトの順位を上げるための魔法のような掛け算ではない

一歩引いて考えると、セマンティックHTMLとは、HTML要素それぞれの意味に基づいてコンテンツを構造化することで、HTML要素を「見た目」ではなく「意味」で使用することだ。

たとえば、次のようなものだ:

  • <div class="big">~</div>
    テキストを大きく目立つ表示にするために、そうしたスタイルのクラス名付きdivを使う(見た目)
  • <h2>~</h2>
    そのテキストが見出しであることを示すために、見出しの意味をもったHTMLタグのh2を使う(意味)

ここではSEOの目的のために簡単に説明したが、多くのニュアンスが存在する。

グーグルに役立つセマンティックHTMLのいくつかの例を挙げると、次のようなものがある(すべてのHTML要素について説明するのは多すぎるのでここではできないが、多くのドキュメントが存在する):

  • テキストはセクション分けして、適切な見出しをつける
  • テキストでの説明付近に、関連する画像を埋め込む
  • tableタグは、レイアウトのために使うのではなく、表形式のデータのために使う
  • リンクにはclickイベントハンドラではなくaタグを使用する

似たような要素について、私たちのシステムは厳格なわけではない。たとえば、テキストをグループ化する際には、

  • section要素
  • article要素
  • div要素

どれを使っていても、ほとんどの要素は同じように扱わる。

とはいうものの、セマンティックHTMLは次のような利点がある:

  • アクセシビリティなどの非SEO的な理由でも、使う価値がある
  • ページが有効なHTMLになる傾向がある

つまり、簡潔に言えば、セマンティックHTMLを使うといい。ランキング要因ではないが、私たちのシステムがコンテンツをより良く理解するのに役立つ。

正しい文法でHTMLを記述したからといって、それだけでランキングが上がることはない。これは間違いない。

しかし、本来の意味に基づいたHTML要素を使うと、検索エンジンのページ理解を助ける効果がある。これも間違いない

CSSで太字強調して見出しに見せるよりも、<h2>タグや<h3>タグでマークアップすれば、見出しだと検索エンジンは確実に理解できる。「・」でリスト形式にするのではなく、<ul>タグと<li>タグでマークアップすれば並列関係の列挙だと確実に理解できる。

セマンティックを意識したHTML要素の使用は、(SEOの観点では)原理主義的にこだわるものではない。しかし、簡単にできることだし、長期的にみてSEOや読者の役に立つので、やらない手はないだろう。

★★★★☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
用語集
AMP / CSS / Googlebot / Googleアナリティクス / HTML / JavaScript / SEO / UA / metaタグ / robots.txt / アクセシビリティ / アクセス解析 / アフィリエイト / インデックス / キャッシュ / キーワード出現率 / クロール / ドメイン名 / バイラル / フィード / ページビュー / ボット / リンク / 検索エンジン / 訪問

ページ

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

1組織1ドメイン名の原則
1つの組織に対して1つのドメイン名のみを認めるという原則。「go.jp」(政府組 ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]