相談できるWeb担当者の仲間が欲しいと思いませんか? 勉強会を始めるのに必要な3つのポイント

Web担当者の仲間を増やしてもっと仕事をしやすくするために、あなたもWeb担当者の勉強会を始めてみませんか?

Web担当者の仲間を増やしてもっと仕事をしやすくするために、あなたもWeb担当者の勉強会を始めてみませんか? 中小企業向けのWeb担当者勉強会を主催するKDDIウェブコミュニケーションズのWebマスターが、勉強会を始めるために必要な3つのポイントを教えます。

Web担当者勉強会を始めるために必要な3つのポイントを説明する前に、まずはWeb担当者勉強会ってどんな感じなのかを、私の開催した勉強会の参加者の声でお伝えします。共感する部分が1つでもあれば、Web担当者勉強会を始めてみることをおススメします。

勉強会で見つかった大切なこと

インプットはもちろん、アウトプットの機会も得られることです。自分の意見をぶつけて、それに対するフィードバックがもらえるというのは勉強会ならではの貴重な経験です。

自社で抱えている課題について参加者からの意見を踏まえつつ、そこからどうすると良いのかという発展的な議論ができたり、アウトプットができたりするというのが勉強会の場ならではと感じました。

悩んでいるのは自分ひとりじゃないって思えることです。社内リテラシーの問題で、自分の考えが間違っているのかと悩んでるときに勉強会に参加すると、冷静に振り返ることができる。また、他のセミナーなどに参加しても勉強会で知り合った仲間がいてうれしい。

普段忙殺されてなかなか振り返りができない自分の行った施策や仕事内容を「誰かに伝える」という視点でまとめなおし、勉強会で発表することで、自分にとっていろんな気付きがありました。そして、その内容が「参加した皆さんにとっても、何かしらの気付きになる」という点もいい。自分が発表したなかから「こういう点は仕事で取り入れてみるかも」なんて意見がもらえたりするのは、結構刺激的な体験でした。

参加者が勉強会を楽しむポイント

勉強会を主催するのは自分にはハードルが高いけど、Web担当者の勉強会があるなら参加してみたいと思ったあなたに、参加者として勉強会を楽しむポイントを紹介します。

  • Web担当者の仲間を見つけるんだ、という気持ちで参加してください。

  • 勉強会に参加したら積極的に発言して、自分の気持ちや意見を伝えてください。
    黙っていては、あなたが誰なのかわかってもらえません。

  • できれば勉強会後の懇親会(飲み会)にも参加して、みんなと話をしてください。

Web担当者勉強会は参加者みんなで作っていくものなので、参加者同士の距離が縮まればWeb担当者勉強会がもっと楽しいものになっていきます。そして自分にとって大切な仲間を見つけることができると思います。

【実録】Web担当者勉強会を始めるのに必要な3つのポイント

勉強会を始めるのに必要なことは次のたった3つです。

  • 会場探し
  • 勉強会のテーマ
  • 参加者集め

実際に僕が勉強会を立ち上げる時に行ったことを順を追って説明します。

ポイント1会場探し

まず会場探しですが、意外と身近にあるものです。どこの会社も会議室ってたいてい夜は空いています。僕の勤めるKDDIウェブコミュニケーションズもしかりです。

そこで会議室を借りるために会社に次のようにお願いしました。

スキルアップのために、他社のWeb担当者が集まる勉強会を開催したいと考えているのですが、会場として会社の会議室を貸してほしい

もちろん、タイムカードは押してから勉強会をスタートさせます。会社としては会議室を提供するだけでスタッフが自主的に勉強をするというのだから、断る理由はあまりないでしょう。快く利用の許可を得られました。

ポイント2勉強会のテーマ

次は勉強会で話し合うテーマです。勉強会で話し合うテーマだからといって難しく考える必要はありません。テーマはあなたの身近なもの、あなた自身が他のWeb担当者に聞きたいことで大丈夫です。ただ、初回に関しては参加者を集めたかったので、最大公約数的なテーマを設定したいと考えました。そこでWeb担当者ならほとんどの方が外部の制作会社(代理店)とお仕事したことがあるでしょうし、それにまつわる悩みも多そうなので「制作会社(代理店)選定について」をテーマに設定しました。

ポイント3参加者集め

あとは参加者集めです。開催日の1か月前を目安に参加者の募集を開始しました。「参加者が集まらなかったらどうしよう?」と不安がありました。そこで、僕の知っているWeb担当者の何人かに「勉強会に参加してみないか」と声をかけて、最低1名の参加者を確保してから本格的な募集を開始しました。

無料で勉強会やセミナーの募集ができるサービス(ATNDこくちーずなど)を利用して募集ページを作成し、ソーシャルメディアでの告知やWeb担当者Forumのユーザー投稿ページを活用しました。そして、Web担当者Forum編集長の安田さんに募集の呼びかけを手伝ってもらえないかとお願いしたところ、快く協力していただきました。

募集にあたってやったことはたったこれだけですが、初回は15名の方が集まりました。

勉強会を始めるにあたって、実際の募集ページに記載した内容をコピペして使えるように書いておきます。募集要項を作るときは、参加するとこんな良いことがある、という参加者にとってのメリットをしっかり伝えることがとても重要なので、忘れずに記載するようにして下さい。以下の内容を参考にして、自分が開催したい勉強会の内容にカスタマイズして活用下さい。

募集ページの記載内容

中小企業のWeb担当者のみなさん、いっしょに勉強会をやりませんか?

制作者向けや大企業向けWeb担当者のセミナーや勉強会の場はありますが中小企業のWeb担当者向けのセミナーや勉強会はほとんどありません。

中小企業のWeb担当者が自分と等身大の者同士で気軽に意見交換、相談できる勉強会を行います。ゲストとしてウェブ解析士の方にも参加いただき、問題解決のアドバイスもいただきます。

【参加して得られること】

  • Web担当者同士が本音で語り合えて仲間ができる
  • 異業種の成功事例だけでなく、失敗事例から学んだことなどセミナーでは語られないリアルな話ができる
  • 今抱えている課題を解決するためのヒントがもらえる

【対象者】

  • 中小企業のWeb担当者
  • 他業務と兼務もしくは1~2名ほどでWebサイトを担当していて、相談相手がほしいと思っている方

【運営サイトイメージ】

  • サイト構築費x00万円、毎月SEMなどWebマーケティング予算あり
  • Webサイトの改善のためにアクセス解析を行っている
  • WebサイトにCVが設定されている

【対象外】

  • 上記対象者にあてはまらないWeb担当者(大企業のWeb担当者、Webサイトへの投資がほとんどない方)
  • Web制作会社、代理店の方など自社サイトの運営側でない方

【第1回のテーマ】
「制作会社(代理店)選定について」

  • 提案を受けても、どの提案を選べばいいかわからない、判断基準に悩んでいる。
  • 提案された制作コストは妥当か?
  • 運用も内制がいいのか外部が良いのか?
  • 期待した内容の提案が得られない、どこまで相手に期待していいのか?
  • 優れた提案、付き合いのために気をつけること。

【タイトル】
Web担当者の勉強会

【テーマ】
制作会社(代理店)選定について

【日時】
x月x日(金)19:30~21:30

【場所】
東京都千代田区

【料金】
0円

【定員】
10名

【その他】
終了後、場所を移動して懇親会を予定しています。懇親会の参加費は別途徴収します。大体x円くらい。

【主催者】
主催者の自己紹介、問い合わせ先など

勉強会開催に向けて工夫したことがあります。

それは、参加者から課題ばかりが出て、解決策のアイデアが出ないと消化不良になるので、アドバイザーとしてウェブ解析士の方に参加してもらえるように手配しました。想像していたように勉強会を進めるなかで、Web担当者だけでは話が煮詰まった場面が幾度となくありましたが、解決の糸口を与えてもらって助けてもらっています。

また、募集する際に重要なのが応募者の参加率です。参加率を上げるためにリマインドメールを開催1週間前と前日に送ります。一般的に無料セミナーなどの参加率は6~7割ですので、応募後のフォローは大切です。勉強会後に参加者に話を聞くと、リマインドメールが参加の後押しになった、と数人から聞いたので必ず送るようにしましょう。

勉強会のテーマはWeb担当者のあなた自身が知りたいこと

勉強会のテーマについて、いままで開催したテーマを紹介しながら詳しく説明します。

勉強会のテーマは身近な所にあります。Web担当者のあなた自身が今知りたいこと、他のWeb担当者に聞きたいことがテーマです。主催者はテーマを決められるので、自分が今抱えている課題を解決するヒントが得られます。

ただ、それだけでは身勝手な勉強会になってしまう恐れもあるので、参加者に要望を聞いたりしてテーマを決めています。要望はみんなの前で聞くと出てきにくいのですが、個別に聞くと意外と出てきます。Web担当者の悩みは尽きないので、テーマが枯渇することはありません。

過去のテーマをいくつか例としてあげます。

  • 情報収集はどうしてますか?
    Web担当者としてどういう分野、どういう方法で情報をキャッチアップしているか。おすすめの書籍などを参加者で意見交換しました。

  • 制作会社へのオリエンテーション前に担当者が準備すること
    セミナーで学んできたオリエンテーション項目をベースに、ワークショップのようなディスカッションを行いセミナーで学んだ項目に肉付けした内容を作成しました。

  • CPA(Cost Per Acquisition)の決め方
    アトリビューション分析の取り組み状況や考え方とCPAの算出方法を意見交換しました。

  • オウンドメディアをやってみてわかったこと
    オウンドメディアを運営している方に、立ち上げまでの経緯や体制、運営のポイントなどを発表していただきました。

  • Webサイトコンサルティング
    参加者の運営しているサイトの現状や取り組みを話してもらい、他の参加者から改善ポイントなどのアイデアを出し合いました。

勉強会の運営はマーケティングそのもの

テーマが決まれば後は、実際に勉強会を進めていくだけです。勉強会を本音が語れる場にするために、自分が気を付けていることをいくつかあげます。

  • 参加者の参加意識を高めてもらうために、一人一回は発言してもらう機会を作るように意識する。

    テーマによっては冒頭で問題提起し、参加者に順番に答えてもらうこともあります。初参加者がいる場合は参加者全員のネームプレートを用意し、自己紹介タイムを持つことでお互いの立場を理解できる時間を作ったりします。

    最近では、何度か参加された方が増えてきたおかげで自然と話が盛り上がってくるようになり、参加者同士が本音で話合える勉強会になってきたように感じています。参加者をWeb担当者だけに限定したこと(ウェブ解析士にはアドバイザーとして入ってもらっています)や毎回10~20名程で勉強会を行っているのも本音が語れる空気感を作れている部分だと感じています。

  • 勉強会の後は交流を深めるための懇親会(飲み会)を設ける。

    懇親会は参加者と主催者、参加者同士のつながりを深めるため、次回の勉強会への参加率アップにつながっています。また、懇親会に参加すると、勉強会では相談できなかった個別の相談ができます。

  • 勉強会の開催日は原則毎月第2金曜日に行う。

    なぜ金曜日にしているかというと、金曜日だと月~木で金曜日の仕事量を調整しやすいので参加しやすく、勉強会の後の懇親会(飲み会)にも参加してもらいやすいのではと考えたからです。固定した日程で行うようにしているのは、スケジュールを調整しやすくするためです。勉強会の開始時間は19:30にしていて、就業時間が19時までの方でも参加できる時間にしました。

  • Facebookでクローズドグループを作成する。

    勉強会は毎月開催しているが、月1回の集まりだけでは接触頻度として弱いため、勉強会がないときもコンタクトが取れるようにグループを作りました。そこでは、今後の勉強会の案内やテーマの募集などを行っています。

  • 参加者にはテーマと都合が合うときに参加してもらえればいい、という割り切りを持って運営する。

    参加者にはテーマと都合が合うときに参加してもらえればいいという方針で運営しています。一方で、主催者の努力するところは、参加者に「絶対参加したい」と思われるテーマと中身にしていくことなので、不参加が多ければ努力不足だと思ってさらに工夫していくことが重要だと思っています。

今後の大きな課題としては、参加者が増えてきて課題意識が分散してきている点です。分科会のように勉強会を分ける方法もありますが、運営に手が回らなくなることも想像し難いので悩みどころです。

◇◇◇

振り返ってみると勉強会の運営はマーケティング活動と同じです。参加者の声を聞き、それが励みになり、さらに改善していこうと努力します。Web担当者の場合、Webを通してお客様と接するため、お客様の声を直接聞く機会は少ないんじゃないでしょうか? そのため、お客様がいて企業が在ることを忘れてしまいがちです。しかし、私自身Web担当者の勉強会を通して、改めてそのことに気づくことができました。

片手間ではあるけれど勉強会の運営をやったのとやらなかったのでは仕事力に大きく差ができているのではないか、と思うのです。他のWeb担当者から学ぶことも多いですが、主催することで学ぶことも多いので、Web担当者勉強会をあなたが始めてみることを僕はおススメします。

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

アクセシビリティ
広義には、障害者、高齢者を含むすべての人間が、同じレベルでサービスや機器、施設を ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]