スポンサードサーチ再入門
リスティング広告でやってはいけない8つの施策

コンバージョンアップをねらう「攻め」施策の効果を倍増させる「守り」の施策とは
近藤裕史(LIC) 2013/12/25(水) 10:00 tweet75このエントリーをはてなブックマークに追加 印刷用
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今回は、うっかり見逃したり陥ったりしてしまうであろうリスティング広告の施策や設定について、「やってはいけないこと」という視点でまとめました。この年末年始に放っておいてはいけない(=やっておくべき)こともあるので、参考にしてください。

キーワードは何にしようか?
入札金額はいくらにしようか?
広告文はどんなものにしようか?

……こういった広告の施策内容や予算を広告主が自由に決められるところが、リスティング広告の魅力であり、多くの広告主を引き付けるゆえんです(もちろん、広告掲載のガイドラインやポリシーの範囲内においてですが)。

しかし同時に、この自由さが頭を悩ませる理由にもなっています。

「効果が出る」といわれている施策を次々と試すのはいいのですが、実は逆効果になっている場合もあります。逆に、やらなければいけない施策をうっかり見落としている場合も多いです。

そこで今回は、費用対効果の視点から「こんな施策や設定は避ける&止めると、より効果的にリスティング広告を活用できますよ」というノウハウを8つ紹介します。

題して「やってはいけない8つの施策」です。

やってはいけない! その1
「インタレストマッチ」(YDN)への配信を未設定のままにしてしまう

スポンサードサーチの「アカウント設定情報」の中に、インタレストマッチへの配信設定があります。これは「配信しない」に設定しましょう。「未設定」のままにするのではなく「配信しないように設定」します。

「インタレストマッチ」とは、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)に含まれる広告掲載方式の1つで、検索ネットワークとは別の配信です。

アカウント登録情報の配信設定>「インタレストマッチの配信設定」で「配信しない」を指定する。
アカウント登録情報の配信設定>「インタレストマッチの配信設定」で「配信しない」を指定する。
※この画像はサンプルです。

この設定を行うには、次のようにします。

  1. [広告管理ツール]>[広告管理:スポンサードサーチ]>[アカウント設定情報]とページを移動。

  2. [アカウント登録情報]の[配信設定]を「オン」にする

  3. インタレストマッチへの[配信]を「配信しない」に設定する

誤解のないように説明しておくと、決して「YDNは効果がない」というわけではありません。

検索ネットワーク内で一緒に設定してしまうと、効果検証が非常にやりづらくなるため、その後の改善ポイントも見つけづらくなってしまうからです。

効果検証を行うためには、さまざまな要素を切り分けられるようにするほうがよく、そのためにも入金割合をインタレストマッチ(YDN)に配分することは避けましょう。

まとめ

インタレストマッチへの配信設定は「配信しない」に設定する。

やってはいけない! その2
キーワードに含まれる検索ユーザーの意欲を無視して
アカウントを構成してしまう

キャンペーンでは、その中の広告グループや、キーワードを、1日のうちどのくらい表示させるかを決定する「キャンペーン予算」の設定ができます。その中に、「自社名キーワード」も「ビッグキーワード」も「費用対効果が良いキーワード」も「費用対効果が悪いキーワード」も、一緒に入れてしまってはいませんか。

もし一緒にしているなら、見直すことをおすすめします。なぜ見直すべきなのでしょうか。

たとえば、下記のキーワードが同じキャンペーン予算の中に含まれていたとします。

キーワードに含まれるユーザー意欲を無視したアカウント構成
キーワードに含まれるユーザーの意欲を無視したアカウント構成。

そして、このキーワードの成果は以下のようだったとします。

キーワードCV数CPA
ダイエット112,000円
ダイエットサプリ通販23,000円
Web担 ダイエット(商品名)71,000円

見てのとおり、下に行くほど費用対効果が高いことがわかります。

この場合、キャンペーン予算を「1日1,000円」にすると、良いキーワードも悪いキーワードも同時に予算制限がかかり、夜の時間には商品名で検索したユーザーに対して広告を出せなくなってしまいます(リスティング広告の仕様上、1日の予算を超えないように自動的に表示回数に制限がかかるため)。

これも非常に大きな機会損失になります。そのため、キーワードに含まれる検索ユーザーの意欲(モチベーション)を把握してグルーピングすることが重要です。

たとえば次のように細分化します。

キーワードに含まれるユーザーの意欲を考慮したアカウント構成
キーワードに含まれるユーザーの意欲を考慮したアカウント構成。

その後、費用対効果の高いキャンペーン3の予算を「1日100万円」として、検索されたら常に表示させるというくらい強めに出すといった強弱を付けて運用するのが効果的です。

本当に費用対効果の高いキーワードは、「365日24時間常に出す!」というくらい強めるとよいでしょう。

まとめ

キーワードに含まれる検索ユーザーの意欲(モチベーション)を把握してグルーピングする。

費用対効果の高いキーワードは「365日24時間常に出す!」というくらい強調した設定にする。

やってはいけない! その3
キャンペーンの予算で単価調整をしてしまう

「その2」にも通じますが、月の後半に「今月の予算が少し超えそうだから、キャンペーン予算を下げようかな……」と考え、大雑把にキャンペーン予算を下げるという予算調整をしてはいませんか?

これをしてしまうと、キャンペーン内のキーワード全体に影響が出ます。

具体的な例を挙げて説明しましょう。たとえば、同じキャンペーン内に下記のキーワードが入っていたとします。

同キャンペーン内 [予算10,000円]
広告グループキーワード入札単価CVCPA
Aしみ化粧品100円18,000円
Bしわ化粧品150円16,000円
Cたるみ化粧品80円41,500円

この場合、キャンペーン予算10,000円を2,000円などに下げてしまうと、A~Cのグループすべての表示回数に制限がかかり減ってしまいます。ここでは、キャンペーン予算で単価を調整するのではなく、AとBの単価を下げて、Cの費用対効果が高いキーワードは出し続けるという施策をするべきです。そうしないと、広告費の超過は避けられても、同時にコンバージョン数もしぼんでしまいます。

たとえば、AとBのキーワードは下記のような状況にしてみて、それでも消化が激しい場合は最終手段として一時停止にするという手順を踏みます。

同キャンペーン内 [予算10,000円]
広告グループキーワード入札単価CVCPA
Aしみ化粧品30円18,000円
Bしわ化粧品60円16,000円
Cたるみ化粧品80円41,500円
まとめ

広告費消化率も調整し、なおかつコンバージョン数を維持するために、できるだけキーワード単価で細かい調整を心がる。

やってはいけない! その4
リンク先ページの内容とかけ離れたキーワードにしてしまう

たとえば、家具のECにおいて、キーワードを「ソファー通販」と設定した広告で、リンク先ページをトップページにしてしまうと、どうなるでしょうか。広告をクリックしたユーザーは、あらためてソファーのページを探さなければいけません。

広告のリンク先は、できる限りキーワードに一致したページにすることが重要です。

「トップページにどうしても見せたいオファーがある」といった例外的な理由がない限り、この施策は基本です。

また、広告文とリンク先ページとの関連性は品質インデックスにも影響します。キーワード、広告文、リンク先ページは一貫性を持つようにしましょう。

スポンサードサーチの公式ヘルプでも関連性が品質インデックスに影響することが示されている。
スポンサードサーチの公式ヘルプでも関連性が品質インデックスに影響することが示されている。
※ただし、A/Bテストの結果「トップに誘導したほうがコンバージョン率が高い」といった理由がある場合は、その限りではありません。
まとめ

広告のリンク先は、できる限りキーワードに一致したページにすること。

クリックしてもらうことを意識しすぎてリンク先ページの内容から逸脱したキーワードを設定してしまうのは逆効果。

やってはいけない! その5
広告文のA/Bテストを放置してしまう

広告文は「値段表記」と「ユーザーボイス風」のどちらのクリック率が高いか、A/Bテストを試してみよう!

これはよくある話ですが、そのテストはいつまでやっていますか?

クリック数の集まり方にもよりますが、すでにテスト結果で優劣が付いた状態にもかかわらず、いつまでも放置しておくのはよくありません。ユーザーが検索した際に、本来ならば「勝った広告文」(=クリック率が高い)が表示されるべきなのに、「負けた広告文」(=クリック率が低い)が残っていると、いつまでもそちらが表示される可能性があるからです。

たとえキャンペーン設定を「クリック重視で最適化」という設定にしていたとしても、流入割合が100対0になることはありません

また、クリック率は品質インデックスにも影響するため、負けた広告にも表示回数が流れてしまうのは、大きな視点で見ると成果改善を妨げることになります。A/Bテストをして結果が確認できたら、勝った広告文に完全に切り替えるか、または新しいテストをするなど、次のアクションに取りかかりましょう。

まとめ

A/Bテストは結果を確認したら、勝った広告文に完全に切り替えるか、または新しいテストをするなど、放置せずに次のアクションに取りかかる。

やってはいけない! その6
使用可能文字の変更を把握せずに広告を放置してしまう

リスティング広告では、広告文などに使用できる文字(特に記号)が変更されることがあります。

この点は日ごろから気にして運用していなければ、規定が変更になったことに気づかず、「いつの間にか広告審査で落ちてコンバージョン数が減って初めて気づく」ということもあります。

使用可能な文字や使用ルールが変更される場合は、事前に次のような「広告入稿規定の変更」のリリースが発表されるので、定期的にチェックしておきしましょう。

スポンサードサーチとYahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)では、上記のリリースにあるように、2014年1月29日から使用可能な記号種別が変更されます。また、すでに承認済みの掲載内容については、2014年4月1日以降から適用されます。

使用不可記号が含まれている広告を放置していると、2014年4月1日以降に掲載されなくなるので、早めに(遅くとも2014年3月31日までには)内容確認と修正をしておきましょう。

広告文を変更すると、再度審査が行われるため、掲載までにある程度の余裕を持って進めることが必要です。その意味では、この年末年始の間にまとめて取り組むとよいかもしれません。

Yahoo!プロモーション広告のリリースページで使用可能な記号種別の変更点を確認しておこう。
Yahoo!プロモーション広告のリリースページで使用可能な記号種別の変更点を確認しておこう。
まとめ

使用可能な文字(記号種別)に変更がないか、リリースなどをこまめにチェックして対応する。

やってはいけない! その7
広告文の書式変更を把握せずに広告を放置してしまう

使用可能文字の変更と似たようなものとして、広告の説明文の書式変更があります。

これまでスポンサードサーチの広告説明文は33文字でしたが、これが19文字×2行の形式に変更されました。

  • 変更前: 広告説明文は33文字
  • 変更後: 広告説明文は19文字×2行

すでにこの形式でしか入稿できませんが、変更以前に入稿されていた広告は33文字のまま配信されています。これらの広告は、将来的には自動的に分割されて19文字×2行の形式に統一される予定なので、今から見直して準備しておきましょう。

こちらも、広告内容の再審査を考慮すると、この年末年始の間にまとめて取り組んでおくとよいでしょう。

広告説明文の書式が19文字×2行に変更された。
広告説明文の書式が19文字×2行に変更された。
※画像はサンプルです。
まとめ

広告の説明文が新しい書式「19文字×2行」に適したものになっているか、チェックして対応する。

やってはいけない! その8
考えられる改善施策を一度にすべて加えてしまう

リスティング広告は、広告主自身が費用対効果を見ながらリアルタイムで改善できます。しかし、それを行うための施策や根拠となる要因には、実に多くの選択肢があります。

たとえば、「CPAの改善」だけでも、次のような要因が考えられます。

CPAの改善で考えられる要因
  • キーワードの順位が高すぎて、意欲の低いユーザーからもクリックされたのではないか?
  • 部分一致で無駄なキーワードに拡張したのではないか?
  • 費用対効果が悪いキーワードが上位表示されてクリックを誘導しているのではないか?
  • 費用対効果の良いキーワードが下位表示されて埋もれてるのではないか?
  • 広告文で少しあおりすぎて、ページ内容とかけ離れてしまったのではないか?
  • サイトの成約率が悪いのではないか?

では、この考えられる要因に対する施策を一度に行えばいいのでしょうか?

その場合、もちろん改善される可能性はありますが、逆に悪くなってしまう可能性も秘めています。

また、仮に改善されたとしても、一気にすべて変更してしまったら、どれが原因でボトルネックになっていたのかを把握できません。一時的には「改善できてよかった!」で済みますが、広告運用に「ずっと安泰」という言葉はありません。どのようなアカウントでも、不定期に不調になったり、CPAが急に高くなったり、さまざまな波が訪れます。その際に、過去の改善によって蓄積されたノウハウがなければ、次の不調時にどう対策すべきかがわかりません。

1つずつ改善策を試すことで原因を突き止め、次回に同じ轍を踏まないように経験を蓄積することが、広告運用では重要なのです。よくいわれる「広告運用の鉄則はPDCAをまわすこと」というのは、まさにこの「施策を試す→効果を確認する→次に活かす」ことを指しているのです。

まとめ

複数の施策案があっても、1つずつ試すことで原因や効果を突き止め、次回に同じ轍を踏まないように経験を蓄積する。

たとえば、3つの施策A~Bがあるときは、以下のようなステップを踏むことで、施策と結果の関係を検証できる。

  1. 施策Aを実施 → 施策Aの効果検証
  2. 施策Aを止めて施策Bを実施 → 施策Bの効果検証
  3. 施策Bを止めて施策Cを実施 → 施策Cの効果検証
  4. 各施策の検証結果に基づいて施策A~Cを実施
◇◇◇

ここで紹介したことは、ほとんどの広告主に当てはまる「やってはいけない」施策の一例です。設定面から運用面までいろいろと説明しましたが、今回の話は攻守でいえば主に「守り」(ディフェンス)の働きになります。

ちなみに、「攻め」(オフェンス)は以下のような、「コンバージョン数をいかに増やすか?」といった話になります。

  • どのキーワード単価を上げるか?
  • キーワードはどれを追加するか?
  • どの機能を使ってコンバージョン増加を図るか?
  • ランディングページのどこを変えてコンバージョン率を上げるか?

これらは、「リスティング広告を改善するための施策とは?」といったテーマで語られることが多いトピックです。そのため、今回の「守り」の話は、コンバージョン数の増加につながるような「強力なもの」には思えないかもしれません。

しかし、これらの施策を実践して「誤ったリスティング広告運用」を避けることで、「攻め」の施策で倍以上の効果が出ることになります。

防御は攻撃の効果を最大限に活かすための前準備である!

「攻撃は最大の防御」という言葉がありますが、リスティング広告の運用では、防御は攻撃の効果を倍増させるために欠かせない動きです。

せっかくの「攻め」であるコンバージョン増加の施策がヒットしても、ほかで無駄なコストがかかってしまうと効果も半減です。

ぜひ、この「守り」の施策を今一度見直してみてくださいね。

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