千客万来! 誌上検索マーケティング講座
誌上検索マーケティング講座13 LPO:ユーザーを逃がさないクリック後への気配り

鈴木綾香 2007/10/11(木) 8:00 tweet1このエントリーをはてなブックマークに追加 印刷用
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千客万来! 誌上検索マーケティング講座 ~ムダなく費用対効果をアップするキーワード広告術

講座13 LPO:ユーザーを逃がさないクリック後への気配り

文:鈴木綾香 監修:紺野俊介((株式会社アイレップ))

なぜLPOが重要なのか?

最近よく耳にする「LPO」という言葉を、あなたはきちんと理解できているだろうか。LPOとは「ランディングページ最適化」(Landing Page Optimization)のことだ。簡単な説明は前回の講座12でも行ったが、ここでは改めて、キーワード広告での成果をより高めていくための施策として、LPOとは何か、なぜ必要なのか、実際に何をするものなのかについて、基礎から勉強していこう。

まず知ってほしいのは、キーワード広告においてコンバージョン率を高める施策として、LPOの重要性は年々高まっていることだ。

一般的にコーポレートサイトなどの通常サイトのトップページは、キーワード広告以外からの流入も考慮しているため、さまざまなコンテンツやサービス、他サイトへのリンクなど、多様な訴求や動線を持たせる場合がある。しかし、特定のモチベーションを持ったユーザーにとっては、その多様な動線が逆効果となる。目的達成までの動線がわかりづらいためにサイト内を「迷子」になってしまうケースが多く、結局サイト内を回遊して離脱してしまう可能性が高くなるのだ。

キーワード広告は、特定のキーワード、つまり何らかのモチベーションを契機として集客するものだ。そこで、さまざまな要素を集合させたページにユーザーを誘導するのではなく、ユーザーのモチベーションと適合性の高いキーワード広告専用の受け皿ページを用意することにより、キーワード広告の効果を改善する。それが、LPOの基本的な考え方であり、そのニーズが高まっている理由の1つである。

LPO≠デザイン?

まず、LPOの基本として押さえておきたいのは、「LPOとは見た目のデザイン性を高めることとは異なる」という点である。

独立したランディングページにありがちなのが、全体に統一感のある色調でデザイン性の高いページだ。キーワード広告専用の受けページとして、コーポレートサイトなどの通常サイトと独立して作成している分、キーワード広告に特化したデザインとなっているようだ。

見た目のデザイン性に意味がないとはいわない。しかしLPOで大切なのは、キーワード広告からの流入という特色を活かして、ユーザーのモチベーション分析や人間の行動心理などのいわゆる「テクニック」をページに盛り込み、“意図を持った構成”で効果を高めていくことだ。訴求したいテキストやクリックしてほしいボタンなどの色彩構成や大きさ、配置などに強弱を付けるといった工夫をするのは、デザインの統一感を保ちながらでも可能なはずだ。また、ユーザーのモチベーションと関係性の低いリンクをページ内から減らすことで、ユーザーの離脱につながる動線を排除するなどの工夫もできるだろう。

改めて確認するが、LPOは、キーワード広告で流入するユーザーの意図を考慮した“最適化”を目的として行うものであり、「ユーザーの意図に沿ったコンバージョンへの動線構成をあらゆる観点から分析している」という点が重要だ。これは、デザイン重視のLPOとの決定的な違いだといえるだろう(図1)。

図1 ユーザーのモチベーションに合致する、目的に合ったアクションを導く工夫をこらしたランディングページの例
図1 ユーザーのモチベーションに合致する、目的に合ったアクションを導く工夫をこらしたランディングページの例
「ユーザーの意図に沿ったコンバージョンへの動線構成をあらゆる観点から分析している」という点が、デザイン重視のLPOとの決定的な違いとなる。

モチベーションを意識した動線構築

キーワード広告でユーザーをコンバージョンへと道案内するために重要なポイントがいくつかあるので、基本的な考え方を紹介しよう。

まず大切なのは、「キーワード」「広告文」「ランディングページ」をセットで考え、それらに一貫性を持たせることだ。また、そこでの情報の伝え方にも工夫が必要だ。検索キーワードや訴求ポイントを広告文やランディングページに含めるテクニックを活かし、視線の動線など人間が元々持っている性質を利用したコピーや画像の配置も、ユーザーをコンバージョンへ導くのに重要なポイントとなる。与える情報量も過多にならないよう注意が必要だ。

当然のことだが、「コンバージョンのしやすさ」も非常に重要だ。関連性のあるページへユーザーをうまく誘導できたとしても、資料請求や会員申し込みのボタンが目立たないと、コンバージョンの仕方がわからず諦めてしまうユーザーが増えてしまう。

LPOによって、キーワード広告をクリックして飛んだ先のページを、モチベーションのマッチングとユーザビリティとの双方で最適化することができれば、結果としてキーワード広告の「成果」の向上が期待できるというわけだ。

効果的なLPO施策のための4ステップ

それでは実際に効果的にLPOを行うにあたり、どのような手順で構成を考えればいいのか、また、LPOの効果を高めるには何に着目するべきかについて説明していこう。

(1)キーワード×モチベーション分析

LPOの構成を検討するのに重要となるのは、ランディングページとしての設定対象となるキーワードの選択だ。まず、「候補キーワードを検索するユーザーはどのようなモチベーションを持っているのか」を分析する必要がある。というのも、自分では「モチベーションはこれしかない」と思っているキーワードでも、想定外のモチベーションで検索されている場合が多々あるからだ。たとえば「ヒアルロン酸」というキーワードを聞くと、化粧品のイメージが強いが、検索キーワードのモチベーション分析を行うと、関節痛との組み合わせ語の検索が意外と多いものである。検索キーワードの組み合わせ語のパターンと、そのボリュームから、候補キーワードを検索するユーザーのモチベーションを定量的に分析し、思い込みを排除することが、この段階で重要となる。

(2)検索ボリューム

次に、そのキーワードに対して、自社のビジネスモデルに合致する検索ボリューム(検索される回数)がどれぐらいあるかを調べる。これが少ないと誘導可能な母数が少ないため、いくらLPOを実施しても効果を出すのが難しくなる。モチベーションが自社ビジネスモデルに沿った内容であるもののうち、誘導数がある程度見込める検索ボリュームのキーワードを対象とすべきだろう。

(3)モチベーション分析に基づいたクリエイティブ作成

これでようやく、調査結果をもとに「どのような訴求がLPOとして適しているのか」を分析し、ランディングページの構成を検討する段階に入る。

ここで重要なのは、キーワードごとのモチベーション分析に基づいて、ランディングページで使う訴求を選定することだ。また、キーワード広告自体の広告文も、それにマッチしたものにする必要がある。

前にも述べたが、せっかくLPOに力を入れていても、広告文の訴求とページとがマッチしていなければ、ユーザーは「今自分が欲しい情報ではない」と判断して離脱してしまう。広告文で紹介している内容が適切にLPOで表現されているかの確認が、成功のポイントとなるのだ。サービス内容や商品説明といったものをわかりやすくユーザーに伝えられる構成を考えることが、これにあたるだろう。

(4)コンバージョンへの動線を強化

さらに、「コンバージョンのしやすさ」を改善するために、関係のないリンクを排除したり、申し込みフォームを簡易化したりするのも効果的だろう。

図2 効果的なLPO施策のための4ステップ
図2 効果的なLPO施策のための4ステップ
LPOを行うにあたり、「キーワード」とページ内容が密接に関連していること、コンバージョンへ迷うことなく進めることが重要となる。思い込みを排除し、的確なキーワードを選択し、広告文とのマッチングを図り、ユーザーがアクションしやすくすることが大切だ。

◇◇◇

ポイントをまとめると次のようになる。

  1. 「キーワード」「広告文」との関連を強める
  2. コンバージョンへ迷うことなく行けるようにする

「ユーザーが検索し、広告文を読んで、サイトへ来て、なんらかの行動をする」。キーワード広告を成功させるには、この一連の行動の中でモチベーションを下げない対策をしていく必要がある。LPOはその中でも、「コンバージョンへの道案内」という重要な役割を担っているのだ。

もちろん、限られた広告予算の中ではLPOの実施が困難なケースもあるだろう。その場合でも、キーワード広告のリンク先設定をコーポレートサイトのトップページにしているならば、それを広告文で紹介している商品の個別ページへ設定するだけで、コンバージョン率は改善されるはずだ。

LPOはキーワード広告の良きパートナー。

モチベーションを意識することで、効果もアップ。

コンバージョンへ迷わず移行できることが大切。

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