ブラックハットSEO大全

ウィジェットベイトとは? - ブラックハットSEO大全#10

それ自体はブラックな手法ではないが、やり方を誤ると問題になる、扱いの難しいものだ
株式会社イトクロ+Web担編集部 2010/11/25 8:00 |

ブラックハットSEO(悪質なSEO)を知り、避けるためのこのコーナー。記事を読んで理解した内容は、SEO会社への発注時に具体的に聞いたり、自社サイトの対策状況をチェックしたりといった使い方をしてほしい。

ブラックハットSEO大全

「ウィジェットベイト」とは

ブログバーツなどを作って配布する際に、配布するHTMLコードにリンクを含めておくことで、被リンクを獲得する手法。

どんな手法か詳しく解説

「ブログパーツ」とは、ブログやWebサイトに貼り付けて使うパーツのことで、アクセスカウンターや時計、広告配信など、さまざまなものがあります。

「ウィジェットベイト」とは、ブログパーツの開発者がパーツのHTMLコードにリンクを含めておくことで、ブログパーツの利用者がサイトにパーツを設置すると意図したサイトへのリンクを獲得できるようにする手法です。

リンクが含まれていることを明記しているパーツもありますし、明記せずに結果として利用者が意図しないリンクとなっていることもあります。

上記のような枠線で囲まれている箇所にリンクを含ませているのがウィジェットベイト。

ブラックSEO会社はなぜこの手法を使うのか

ブラックSEO会社がブログパーツを配布する理由は、手間をかけずにたくさんのリンクを獲得するためです。また、IPアドレス分散などを目的として、自分たちで保有しているサイトからだけではなく、数多くのさまざまなサイトからのリンクを獲得するために行う場合もあります。

リンク先には2種類あり、リンクを獲得したいサイトのURLを直接含めておく場合と、いったんブログパーツを配布しているサイト、もしくはブラックSEO会社が保有しているサイトなどにリンクを集めそのサイトの評価を高めてから、評価を上げたいサイトに対してリンクをする場合とがあります

なぜこの手法が問題なのか

実は、ウィジェットベイト自体は問題ではありません。有益な情報を提供し、リンクが集まるというのは、自然な形であるからです。

しかし、利用者に明示的にリンクの存在を知らせずにリンクを忍ばせる行為は隠しリンクに該当し、これは検索エンジンでは禁止されています。

  • 隠しテキストと隠しリンク(Googleウェブマスターセントラル)

    コンテンツに隠しテキストや隠しリンクが含まれていると、ユーザーに対するものと異なる情報が検索エンジンに提示されるため、信頼できないサイトと見なされる可能性があります。
    ……(中略)……
    隠しリンクとは Googlebot でクロールされることを意図し、ユーザーには読み取れない次のようなリンクです。

    • リンクが隠しテキストで構成されている (テキストの色と背景色が同じであるなど)
    • CSS を使用して、高さが 1 ピクセル程度の非常に小さいハイパーリンクが作成されている
    • リンクが小さな文字 (段落中のハイフンなど) に組み込まれている
  • 検索エンジンスパムとは?(Yahoo!検索インフォセンター)

    以下は、検索エンジンスパムの例です。
    ……(中略)……
    検索する利用者に見えないテキストを使っているウェブページ

グーグルのマット・カッツ氏は、ウィジェットベイトに関して、次のような要件に反している場合に問題があるとしている。

  • リンクが含まれていることを利用者が認識していること
  • リンク先がウィジェット自身に関連するURLであること
  • リンクを詰め込まないこと

またウィジェットベイトでのリンクを第三者に利用させるのは品質ガイドライン違反になるといわれている。

NG度+行った場合のリスク

NG度の表記について
1無意味な対策です
2サイトの評価が下がる場合があります
3サイトの順位が下がる場合があります
4サイトの順位が大きく下がる場合があります
5サイトが検索結果から削除される場合があります

NG度:3
※サイトの順位が下がる場合があります

ウィジェットベイトを使ってリンクを獲得していて、それが利用者に明示されておらず検索エンジンに隠しリンクとして認識されると、ウィジェットベイトによって獲得しているリンクの効果がなくなることが予測されます。その結果、既存のリンクの内ウィジェットベイトによるリンクが占めている割合に応じて順位が下がることが予測されます。

どうすれば見つけられるのか

依頼先のSEO会社がウィジェットベイトを使ってリンクを獲得していないかをチェックするためには、リンク元サイトを1つずつチェックし、ブログパーツからのリンクになっているないかを調べます。調査方法は、ワードサラダの回で説明したリンク元の調査方法を参考にしてください。

もしやってしまっていたら

自社サイトのリンク元を調査してウィジェットベイトによるリンクが発見された場合は、施策を行ったSEO会社にそのようなサイトからのリンクを外すよう依頼することをお勧めします。

Yahoo!サイトエクスプローラーに自社の管理サイトを追加している場合は、意図せぬスパムリンクを「スパム報告」することもできます。管理サイト一覧からサイトを選んで左のメニューから[インデックス状況]をクリックして被リンク元ページを表示し、スパム報告したいリンク元の左のチェックボックスをチェックして、ページ最下部の[スパム報告]ボタンをクリックしてください。

また、Googleウェブマスターツールに登録することで、他サイトのスパムを報告することもできます。

まずは、自分で管理しているサイトのリンク元を確認することから始めましょう。

用語集
CSS / Googlebot / Googleウェブマスターツール / HTML / SEO / アクセスカウンタ / インデックス / クロール / サイトエクスプローラー / チェックボックス / リンク / 検索エンジン / 被リンク
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