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SEO担当者ためのKPI(重要業績評価指標)5例

SEOの月間目標は、どんな指標を基準にすべきだろうか?

今日の話は、最近Q&Aで目にした、ある素晴らしい質問から思いついたものだ。その質問とは、SEOの目標や目的の設定に関することで、こんなようなものだった。

SEOの月間目標は、どんな指標を基準にすべきだろうか?

SEOに関するキャリアのかなりの部分を社内SEOチームの管理者として過ごしてきた僕は、この質問を見て、組織内SEOに関する話題がどんなに興味深いものになり得るかと興味をもった。そして、この議論が全般的にどれほど放置されてきたかに気づいた(SEO業界のほんの一部のブログは別にして)。

この記事では、社内SEOに的を絞って、SEOに携わる個人やチームに共通して使える重要業績評価指標(KPI)を見ていこう。

検索エンジンにおける露出度(検索順位)

検索エンジンにおける個々の検索順位を測定することの価値は、僕らの仲間うちで頻繁に論じられているテーマの1つだ。結局のところ、ターゲットにしたキーワードで常に高い検索順位を維持することこそ、僕らが皆、SEOを行っている理由なのだから。競争の激しい市場では特にだが、SEOチームにはキーワードが与えられ、そのキーワードで検索したときの順位が上昇しつつあることを示すように求められる。

検索エンジンにおける露出度をターゲット指標とすれば、SEOチームは対象サイトの全体的なパフォーマンスに焦点を絞ることが可能になる。ただし、検索エンジンにおける露出度を指標とするについては、解決すべき2つの問題がある。検索順位の測定法と追跡すべきキーワードの選択だ。

以前に社内SEOを担当していた頃、Hitwise UKと、僕ら独自の分析プラットフォーム、それにGoogle Keyword Toolの3つから得たデータに基づいて、キーワードの選択方式を開発した。旅行関係のSEOだったので、一部の観光地とそれに対応するキーワードへの需要には季節的な変化があることがわかっていた。この業界の歴史に関する知識を少し加味して膨大なデータを活用できれば、この業界のキーワードトップ200について、季節的な需要がどれだけあるかがいつでも明確に把握できる。

毎日の検索順位を計測することで、露出度のスコアをパーセンテージで計算できる。このプロセス全体で特に興味深かったのは、キーワードの選択法を長期に渡って変えなかったので、露出度を前年比の形で比較できたことだ。SEOチームの活動が功を奏し続けていたため、全体的な露出度は、数年で約60%から85%へと上昇した。

こういった方式を作ることに興味があるなら、検索順位データの把握や露出度のスコア計算には、Advanced Web Rankingのソフトウェアを利用するといい。

検索エンジンにおける露出度をKPIにした場合の利点は、この指標がSEOに基づくすべての活動にとって、重要な推進役として作用することにある。結局のところSEO責任者であれば、自分の打った手がいかに露出を高め、結果としてトラフィックを増大させることに貢献したかを、評価しないわけにはいかないのだから。

検索エンジンのトラフィック

競争の激しいニッチ市場では、多くの企業が次の年のトラフィックレベルを予想するモデルを活用している。運がよければ、ビジネスアナリストがモデルそのものの制作を引き受け、SEOに関する君の専門知識に基づいて、将来の動向や計画した構想がサイトの全体的なトラフィック量にどう影響するのかを予測してくれるだろう。

SEO責任者、あるいは社内SEO担当者としての君の役割は、予測されたトラフィック水準を達成することにある。そのためには、検索エンジンにおける露出を管理して向上させ、具体的なSEO強化策を展開し、ロングテールにおける重要なトラフィックをすべて増やし、そしてもちろん、リンクを構築しなければならない。

リンクの構築

検索エンジンにおける露出度とサイトのトラフィック量に、リンクの構築がきわめて重要な役割を果たすことは疑問の余地がない。となると、リンクビルディング担当者に量的目標を与えるのは理に適ったことだと言えるかもしれない。だが残念なことに、リンクビルディング担当者がどれだけの数のリンクを構築できるかを正確に判断することは、担当者の資質や市場、選択したリンク取得方法によって成果が左右されるため、非常に複雑だし、多くの場合限界もある。

僕が社内SEO担当だったころ、チームの各メンバーに季節ごとの小規模なリンクビルディングプロジェクトを与えて少数のキーワードを担当させたところ、これが大変うまくいった。リンクビルディング担当者が、各自のプロジェクトと利用可能なリソースに基づいて独自の戦略を自由に設計できるようにすることで、長期的に見ればずっと価値の大きい成果が得られる。だからこのKPIは、リンクビルディングプロジェクトで選ばれたキーワードが、僕らの新しい友である検索エンジン露出度をどの程度獲得するがということで測れるだろう。

コンバージョン

君のサイトのコンバージョン率に関して情報を得られるチャンスをつかむことは、新しいスキルを学んだり、すでに持っている技術を向上させたりするための、すばらしい機会だ。

ただし1つ忠告するなら、KPIとするのは、自分で管理できるもの、あるいは大きく影響を及ぼせるものだけにしておこう。コンバージョンの場合、事業全体にわたり多大な責任を負い、コンバージョン率最適化プロジェクトに関わる必要が生じる。そのためのツールやサポートがないなら、コンバージョンは、KPIとしてあまり優先的に選定すべきではないだろう。

自己開発の目標

検索エンジン最適化(SEO)を実践している者なら、仕事のやり方を学び、技術を磨くことに相当の時間を費やしてきたことだろう。SEOチームを管理する場合は、個々のメンバーに自己開発のための時間を少し与えてやるとうまくいくことを覚えておいてほしい。僕はかつて、1つのプレゼンテーションの目標を設定する際に、4分の1を自分の好きなテーマに充てていた(もちろん、SEO関連のテーマだよ)。僕は今も、自己開発の目標が何よりも最高のKPIだと思っている。学ぶことがあれば、楽しくやっていけるものだからだ。

もちろん、どんな組織も多少の違いがあるものだから、上記とは異なるKPIもあるだろう。ぜひ、コメント欄で教えてほしい。

用語集
KPI / SEO / キャリア / コンバージョン / コンバージョン率 / リンク / リンクビルディング / 検索エンジン
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