大きな企業サイトだと特にそうだが、サイトには様々なコンテンツがあり、様々な人々がそれぞれ別の目的でサイトを利用しにくる。大きなサイトあるいは多目的なサイトであればあるほど、サイト全体の推移分析を行っても、その上下動の理由は簡単に見えてこないものだ。そこで様々なブレークダウン(切り分け)をして、その理由を探し出す必要が出てくる。
原因追究にはセグメント化が有効
リアルの店舗で考えてみよう。売上がもし不振だったら、どういう分析をするだろう? 商品カテゴリー別、エリア別、メーカー別、価格帯別、などのセグメントに分けて、予算対比で落ちてないか、対前月対比で落ちてないか、月次のトレンドで下落傾向がないかといった分析をすることが頭に浮かぶ。
また、利益率が落ちているといった場合はどうだろう。原価率が上がっている、販売奨励金の割合が増えている、間接人件費の割合が増えている、など比率が悪化する要因を挙げて分析しなくてはならない。
アクセス解析でも同様の分析ができる。グラフ1をご覧いただこう。これはあるサイトの日別のトレンドグラフである。サイト全体のページビュー数を折れ線で示しているが、これだけを見た限りでは一定のパターンがなく、サイト全体で一体どういうアクセスパターンをもったサイトなのか想像できない。
全体のページビュー数でパターンが見えない場合は、まずコンテンツ別に分けて集計してみるのが有効だ。ツールによっては標準で第1ディレクトリ別あるいは、すべてのディレクトリ別に集計してくれたり、独自でコンテンツグループを定義してグルーピングできるようなものもあるが、このデータを活用して、上位の主要なコンテンツ群であるAからCまでの日別のページビュー数の推移を重ねて表示したのがグラフ2だ。
こうすることで、このサイトの特徴が明確になってくる。コンテンツAとコンテンツCは比較的コンスタントに見られているのに対して、コンテンツBは不規則な激しい上下動がある。これらの波が重なることで、サイト全体もパターン化できない不規則な上下動をしている結果に見えていたのだということが理解できる。
3つの指標を使ってコンテンツ別閲覧パターンの特徴を掴む方法
アクセス解析では、「ページビュー数」「セッション数(利用回数)」「ユニークユーザー数」「滞在時間」という4大指標がある。しかしこの指標をそのまま4つのKPIとして設定するのは、あまり賢い方法ではない。KPIとしてみる時は、「効率」の視点で見るべきだ。効率の視点で見る際にキーとなるのが「ユニークユーザー数」である。
ユニークユーザー数を「流入の絶対量」という指標ととらえる。その上でページビュー数の代わりに「一人当たりのページビュー数」、セッション数(利用回数)の代わりに「一人当たりのセッション数(利用回数)」を使う。滞在時間は精度の低い指標であるということと、一人当たりのページビュー数と比較的動きは近いので、まずは省いておく。
そのうえで、コンテンツ別にこの2つの指標をグラフ化してみたのがグラフ3である。
X軸に一人当たりのページビュー数、Y軸に一人当たりのセッション数(利用回数)をとっており、バブルの大きさはユニークユーザー数を表す。
コンテンツA、コンテンツB、コンテンツCはグラフ2と共通になっているが、改めてグラフを見比べてみると、次のことが見えてくる。
最もページビュー数の多いコンテンツAは利用頻度(一人当たりのセッション数)も高く、一人当たりのページビュー数も高いということで、定常的に繰り返し深く見られているということになる。
一方コンテンツBはどうか。バブルチャートの大きさはユニークユーザー数を表しているので、実は最も集客に貢献しているコンテンツであることがわかる。しかし、利用頻度(一人当たりのセッション数)と一人当たりのページビュー数ともに低く、気まぐれに訪れてあまり回遊しないで去っていくという傾向がある。つまりユニークユーザー数は多いものの、それに比例する形でページビュー数に貢献しているわけではないということだ。
このようにまとめてみることで、それぞれのコンテンツの特徴が浮き彫りになってきたが、数の多い少ないに一喜一憂してはいけない。これがサイト運営者の狙い通りになっているのか、意外な動きになっているのかということに着目して、行動を起す必要があるかないかを判断しなければならない。
不規則なアクセスの原因は参照元でセグメント化して見る
安定したアクセスの場合は、その多くがリピーターから構成され、参照元を見ると「検索エンジン」や「参照元なし」が多いのが特徴である。
検索エンジンが多い理由は、ブックマーク代わりに検索して訪れるためだ。検索語のレポートを見ると、会社名、ブランド名、特定商品名などまさに狙い撃ちで来ていることがよくわかるだろう。一般語がもし多いとすれば、検索エンジンの上位表示つまりSEOがうまくいっている場合もあるだろう。
「参照元なし」の場合は、ブックマークやメーラー、直接入力などが該当する。メルマガなどを出していれば、メーラーからサイトに来るという流れもある。また最近ではブラウザのアドレスバーに2~3文字入れるだけで、自動的によく訪れるURLを表示してくれる補助機能が発達しているため、なじみのサイトはそのような方法で入ってくるケースも多いと思われる。その結果、参照元なしが多いと比較的リピーターが多いと推測できる。
そして、不規則なアクセスが多い場合は、逆にブログやニュースサイトなど、突発的で人気不人気の激しい話題が書かれたサイトからの流入が多くなったりする。こちらは参照元を調べることで判明する。
レポート見る実際の手順としては、まずはドメイン名、サブドメインという大括りで参照元のランキングを見たうえで、次に実際の参照元URLまで細かく見ていくことになる。これで騒ぎの大本がどこなのかというのが絞られるので、もしよいアクセスであれば、そこにもっと情報を提供して話題にしてもらう機会を増やしてもらうといった施策が有効であるということになる。
まとめ
- 原因追究にはセグメント化が有効
- コンテンツ別閲覧パターンの特徴を掴むには、ページビュー数の代わりに「一人当たりのページビュー数」、セッション数(利用回数)の代わりに「一人当たりのセッション数(利用回数)」を使う
- 不規則なアクセスの原因は参照元でセグメント化して見る

