今からでも遅くない! これから始めるケータイマーケティング入門

ケータイサイトの制作と集客、基本を理解しよう - 携帯マーケ入門#2

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[特集]今からでも遅くない! これから始めるケータイマーケティング入門

ケータイマーケティング入門

はじめてのケータイサイト 制作PCサイトとの違いを把握する

ケータイマーケティングで最も大きなウェイトを占めるのは、ケータイサイトの構築である。サイトの構築には、PCサイトとは違う、いくつかの注意するべきポイントがある。

1.キャリアによる違い

携帯サイトを構築する場合、対応する携帯キャリアによって、仕様が細かく異なっている。キャリア特有の特徴を把握しながら、サイト制作をする必要がある。

2.メーカーや機種の世代による違い

同じキャリアの中にも、メーカーごと、機種(の世代)ごとによる違いもある。これらの違いは、たとえば画像の表示の仕方に現れる。キャリアやメーカーによって画面サイズが異なるし、さらにキャリアによって画像フォーマットが異なる。キャリアの違いについては、他にも絵文字形式や動画形式、Flash、アプリなど多岐にわたって考慮することがあるので注意が必要である。

3.情報量の違い

ケータイとPCでは情報量やユーザビリティに大きな違いがある。ケータイ特有の小さな縦長スクロールの画面の中で、ユーザーに負担をかけない階層構造や導線を意識したサイト作りを心がけなくてはならない。このサイト設計に失敗すると、サイト内でユーザーが迷子になったり、目的のページに到達する前に離脱したりしてしまうなど、コンバージョン率の低下を招く。

4.ケータイ特有の表現

※1

3キャリア対応CMSには「Mobile Director」や「Let'sケータイ!」といったものがあり、これらを利用すれば各キャリアに最適なウェブページを作成して配信できる。携帯電話向け画像変換ASPとしては「Picture Fitter」「PurePicture」「Saver Image Gateway」などが有名だ。インストールタイプでは「IDK」「ImageMagick」といったツールがある。

ケータイサイトを運営する上で忘れてはならないポイントが、「絵文字」などを活用した独特な文章表現である。絵文字を使うことで、ユーザーはサイトに対して親近感を感じる。特にケータイがマーケティング上で最も活かされる、ティーンやF1層をターゲットにする場合は、絵文字を使ったコミュニケーションは重要なポイントとなる。

これらは、ケータイサイトを構築する上で考慮するべきポイントのほんの一部であるが、これだけでも、考慮するべきポイントが実に多いかおわかりになるだろう。したがって、ケータイサイトの制作を外部に委託するのであれば、現在PCのウェブサイト制作をお願いしている会社に、そのままついでに頼むのではなく、ケータイを熟知したスタッフや実績を抱える制作会社や、ケータイ専門の制作会社を頼ることをお勧めする。

もし、自社内で制作運営をするのであれば、サイトの表現力や導入できるコンテンツに制約はあるが、3キャリアに対応したCMSや、キャリアや機種に最適なフォーマットに画像を変換する画像変換ASPの活用を検討してみるのも良い。※1

ケータイ向けサイトとPC向けサイトの違い
  1. キャリアの違い

  2. メーカーごと、機種(の世代)ごとによる違い
    画面サイズ、画像フォーマット、絵文字形式や動画形式、Flash、アプリなど

  3. 情報量やユーザビリティの違い

  4. PCサイトにはないモバイル特有の表現がある

バラエティに富むケータイサイトの集客手段

図4ケータイコンテンツへの接触経路・タッチポイント
図4  ケータイコンテンツへの接触経路・タッチポイント(ビデオリサーチインタラクティブ「ビデオリサーチケータイ2008」をもとに作成)

構築したケータイサイトにユーザーを誘導するには、ケータイサイトのタッチポイントを意識し、どのタッチポイントからどういう方法で誘導するのが目的の達成に効果的かを考える必要がある(図4)。誘導方法には、公式メニュー、QRコード、空メール、検索、メールなどがある。

1.公式メニュー

ケータイサイトへの誘導として、まず挙げられるのは携帯キャリア各社が提供する公式メニューである。もちろん、公式サイトとしてキャリア側に申請して受理される必要があり、それなりのハードルがあるが、ケータイサイトにとって最もポピュラーな集客手段の1つであることは間違いない。

2.QRコード

QRコード(Quick Response Code)、これも浸透しているポピュラーな誘導手段だ。ケータイサイトのURLを記録したQRコードを印刷媒体に印刷しておき、これを携帯電話内蔵カメラで読み取ることで、URLを入力する手間なしにケータイサイトへアクセスできる。QRコードを使えば雑誌やDMはもとより、商品パッケージや屋外広告、リアルの店舗、PCサイトからケータイサイトへ誘導するといったことが手軽にできる。

3.空メール送信

指定したメールアドレスに携帯から空メール(本文を入力していないメール)を送ってもらい、それに返信するかたちで、ケータイサイトのURLを載せたメールや、ユーザー登録のためのメールを送ることにより、ケータイサイトへ誘導する。

4.拡大を続ける「ケータイ検索」

ケータイサイトへの集客で忘れてならないのが検索である。2006年にauとグーグルの提携をきっかけに検索の利用は急拡大している。『ケータイ白書2008』によると、公式メニュー経由のケータイコンテンツ利用57.8%に対して、検索サイト経由は40.5%に達している。ケータイでもPCウェブと同様にSEO/SEM戦略が重要になることは間違いない。

5.開封率の高いケータイのメール

今や消費者向けのメールマーケティングはケータイなしでは立ち行かないのではないだろうか。ケータイメールの特徴は、PCメールより高い開封率と即時性にある。また、「デコメール(デコメ)」を活用することにより、HTMLメールのような高い表現力を持った情報をユーザーに届けることが可能だ。たとえば、F1層をターゲットとしたケータイサービスを提供している「ガールズウォーカー」(http://www.girlswalker.com/)のメルマガがそのよい例であろう。メール本文に情報を詰め込んでおり、メルマガ自体がリッチコンテンツとして機能しているのである。

キーワード:デコメール

「デコメ」と略して呼ばれることも多い。メール本文の文字に着色したり、文字以外の静止画像やアニメーション画像が使えるメールのこと。ちなみに「デコメール」はNTTドコモの登録商標なので、auとイーモバイルでは「デコレーションメール」、ソフトバンクでは「デコレメール」というのが正式名称。

用語集
ASP / HTML / SEM / SEO / キャリア / クロール / ケータイ / ケータイサイト / コンバージョン率 / モバイルマーケティング / ユーザビリティ
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