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検索ボリュームが僅少の「超ローカルだけど効果的」キーワードを見つける3つの戦略

キーワード調査ツールは検索ボリュームが少ない超ローカル検索キーワードの調査には向いていない、ではどうすればいいのか

ローカル検索をターゲットにしたSEOにおいて、ごく限られた狭い地域をターゲットにするのは、なかなか厄介だ――特に対象キーワードの選定において。

その地域に関して意欲の高い検索ユーザーにリーチできれば、その価値は非常に高い。だが、情報を提供してくれるまとまった量のデータがなければ、キーワード調査は壁にぶつかることになる。

今日のホワイトボード・フライデーでは、適切な人々に正確にリーチできる、強力なピンポイントのキーワードを見つける方法をランドが説明する。

超ローカルなキーワードを見つけるための3つの戦略
問題点
データが足りない!
キーワードツールのほとんどは検索ボリュームのデータを元にしている。しかし、超ローカルなフレーズでの検索は月に数回や年に数回しか行われないことが多い。
戦略1:人口の多い、似たような地域のキーワードデータを利用する
戦略2:グーグルの自動サジェストを役立てる
 通常は人気の高い順に表示される
 BingやGoogleマップ、YouTubeでも利用できる
戦略3:意味ベースと関連SERPベースのサジェストを利用する
2種類のキーワードサジェスト
・同じような検索結果を返すキーワードに関連するもの
・密接に関連するトピックに基づくもの

Mozファンのみんな、こんにちは。ホワイトボード・フライデーにようこそ。今回は、超ローカルなキーワードの調査について話をしよう。

これは、地元密着型のビジネスにとって大きな課題であるだけでなく、ごく限られた地域をターゲットとするさまざまなウェブサイトにとっても難しい問題だ。そう、キーワード調査キーワードターゲティングを行ってページ最適化をする際の問題だ。

問題は何か

問題は、キーワード調査ツールにある。つまり、Google AdWordsのツール、MozのKeyword ExplorerKeyword ToolUbersuggestなどといった、よく使われる製品のほとんどが、検索ボリュームに依存しているからだ。

具体的に言うなら、候補となるキーワードはたくさんあるだろうが、たとえば、「Sequim」(スクイム)と入力するとしよう。スクイムはワシントン州の半島に位置する小さな町で、そこからピュージェット湾を超えたところが、僕たちのいるシアトルだ。

スクイムは人口が6500人ほどで、とても小さい町だ。したがって、先ほど挙げたツールのどれも、スクイムに関連する検索のほとんどについて、十分な量のデータが存在しない

そのため、キーワードをどんなふうにターゲティングできるか、適切なキーワードが何なのかを考えようにも、情報量が足りない。あるキーワードを含む検索が「1か月間に一度も行われなかったのか」「4回行われたのか」はわからないし、4回行われていたとしても、その4人の検索者がターゲットにぴったり一致しているのかもわからない。

これは実に大きな問題なのだ。

そこで、プロのSEO担当者が活用している3つの戦略を紹介しよう。Mozでも使っている人がいるし、Moz Localチームも利用しているもので、かなり便利だと思う。

戦略1人口の多い、似たような地域のキーワードデータを利用する

最初の戦略は、近隣の同じような地域のキーワード情報を利用してデータを当てはめるというものだ。

たとえば、ワシントン州にあるスクイムの人口は6669人だ。だが、30キロほど離れた場所にポートエンジェルスという都市があり、その人口は2万人を超えている。ほとんどのキーワードが、おそらく4倍から5倍は検索されているだろう。これには近隣のものもある程度含まれるはずだ。

こうなれば、データを得るための取り組みを開始できる。ポートエンジェルス関連ならば、どのキーワードも1か月間に一度も検索されていないなどというはずはない。その検索結果を参考にすれば、スクイムのデータがどのようになるのか推測できるだろう。

同じことは、ルイドソとサンタフェについても言える。ルイドソの人口は約8000人だが、サンタフェはその10倍近い7万人だ。バーモント州のストウは人口4300人の小さな町だが、近くにあるバーリントンは4万2000人と10倍近い人口がある。

すばらしい! こうした大きな都市で検索ボリュームをチェックすれば、小さな町の検索ボリュームを相対的に推測できる。バーリントンの人々は、ストウの人々と検索パターンが似ていると考えられるからだ。多少の違いはあるだろうが、ほとんどの種類のローカル検索でうまくいくだろう。

戦略2グーグルの自動サジェストを役立てる

2番目の戦略では、グーグルの自動サジェストが非常に役に立つ

Googleサジェストでは、ある検索が1か月に1回しか行われていなくても、1年に1回しか行われていなくても関係ない。この1年に一度も検索されなかった場合を除けば、何らかの内容が表示される。

たとえば「Sequim day」と検索して、Googleサジェストの表示順を見てみよう。すると、「Sequim day care」(保育所)よりも「Sequim day spa」(デイスパ)のほうが検索としては人気であることが推測できる。その次に表示されたのは「Sequim day hikes」(ハイキング)だった。

このテクニックはグーグルでしか使えないわけではない。BingやGoogleマップ、YouTubeでも利用できる。

ここでもう1つ伝えておきたいのは、モバイルデバイスを使うと、デスクトップデバイスと異なる結果が表示されることだ。したがって、目先を変えてみたいなら、モバイルデバイスを使ってみるのもいいだろう。そうすれば、異なる結果が表示される可能性がある。

戦略3意味ベースと関連SERPベースのサジェストを利用する

では、三番目、最後の戦略に進もう。ここでは「キーワード調査の2つのスタイル」とでも言うべきものを使う。

  • 1つは、関連するSERPによるサジェストを利用するもので、ここではキーワード調査ツールが活躍する。MozのKeyword Explorerが使えるし、SEMrushは非常に人気のあるツールだ。他にもいくつかあると思う。

    これらのツールは、基本的に検索語を教えてくれるもので、「『Sequim day care』で検索したときと同様の検索結果が出るのは、こんな単語やフレーズで検索したときだ」ということがわかる。つまり、そうした検索でも順位を獲得すべきいうことがわかるのだ。

  • もう1つは語彙そのものに基づくもので、基本的には言葉や語句の間の意味的な関連に基づいている。

さて、「Sequim day care」を調べるに当たって、僕はKeyword Explorerを使って2種類のサジェストを調査した。

1つは、同じような検索結果を返すキーワードに関するサジェスト、つまり関連性のあるSERPから得られるサジェストだ。

「Sequim day care」で調べると、近くの町の「バンベリー保育園」や「バンベリーの中学校」、すぐ近くにある「ホートン託児所」「ポートエンジェルス児童センター」「幼稚園」といった、たくさんの情報がもたらされた。

関連性が高いと思われ、先へと導いてくれるたくさんのキーワードサジェストが見つかってくる。

もう1つは密接に関連するトピックに基づくサジェストで、意味や語彙的なものだ。

僕はこちらの調査では「Sequim」という地名を外した。というのは、スクイムが入っていると、この地域独自の事項がたくさん出て来るからだ。

「day care」で調べると、「保育所」「託児所」「学童保育所」「特別支援を必要とする子供たち」「就学前プログラム」「課外プログラム」など密接に関連するトピックがたくさん出てくる。

こうして調べたキーワードに地域名を加えれば、超ローカルな結果が得られるというわけだ。

◇◇◇

調査の手法はいくつかあるが、どの手法を使ったとしても、人気の高い検索キーワードを調べたときに確認できるようなデータは入手できない。それは事実だ。

とはいえ、キーワードリストを作り、ターゲットを絞り、テストをし、これらの検索語で順位を獲得するために必要なページ上の作業を試してみるには、これは良い方法だ。そうすれば、これらのキーワードでトラフィックが増えていくだろう。

超ローカルな検索は規模が小さいかもしれないが、きわめて効果的でぴったりと的を絞ることができ、求める顧客にリーチさせてくれる。

超ローカルターゲティングでの成功を祈っている。

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