はじめてWEBエキスパート(専門家)コラム 業種別ホームページカラーガイド(全12回)

士業のホームページのおすすめ配色の見本(第4回)

第4回は士業のホームページの配色です。
※「はじめてWEB」は2020年10月13日をもってサービスを終了しました。

このコラムでは、業種ごとに「合う色と合わない色」「注意すべきこと」をまとめています。

毎回、異なる業種を取り上げて解説しますが、それらの業種でよく使われる色やたびたび見られる失敗があり、それにはきちんとした理由があります。それに加え、ホームページの色は、看板や紙のパンフレットと同じ色の場合であっても、画面の構成や使い方のポイントも異なります。

第4回目は士業のホームページの配色です。

士業でよく使われている色

士業と一口に言っても様々な職業があります。職業であっても税理士・会計士・弁護士・司法書士・行政書士など取り扱う業務のは様々ですが、配色はだいたい同じ傾向を示しています。しかし、税理士・会計士と弁護士・司法書士・行政書士のようにお金を扱う士業と法律を扱う士業では少しだけ色の使い方が違うところも見られます。今回は主にお金と法律を扱う士業を中心に説明しますが、上記以外の士業(弁理士や社会保険労務士など)も上記の2グループと同じような傾向を持っていますので、ぜひ参考にしてください。

まずこれらの分野で使われる色は、大きく以下の3つのパターンに分類することができます。

  1. 信用・信頼感を表す青
  2. 安心・安全を表す緑
  3. 親しみやすさを感じさせるオレンジ

上記の色はあまり組み合わせて使われることはなく、青なら青、緑なら緑と1色の濃淡で配色が構成されているホームページが多く、複数の色を組み合わせたカラフルなホームページはほとんど見られません。

士業で多く見られる色

「士業」という職業は、自身が持ち得ない知識や経験をその道の専門家にお任せするという職業です。依頼する側としては、通常は知り得ないような会社の情報やトラブルの内容などを知らせなければならないことから、信用されるということが大事です。これが配色の傾向にもはっきりと現れており、信頼感や信用を表す青が多数のホームページで使われており、全体の半数以上は青が基調のホームページとなっています。青は明るい水色から暗い紺色まで幅広く使われています。

次に多く見られるのは緑です。緑は信頼というよりも、安心感や安全のような意味を持っています。信号や道路標識・非常口などに使われていることからもわかるように、この事務所に依頼すると安心ですよという意思表示をホームページで行っています。

実際に調べてみたところ、緑が使われている士業の事務所は青に次いで多く、この2色が士業のホームページの定番色と言えるでしょう。緑も明るい色から暗い色まで幅広く見られますが、全体的に暗めの色が多く、緑で安心感を伝えたいという意図が色として表れています。

3つ目は暖かみを感じさせるオレンジです。オレンジの持つ親しみやすさを利用して、様々な問題の相談をしやすいよう敷居を下げるための色です。親しみやすい街の先生のようなイメージを出したい場合には、明るめのオレンジが使われることになります。

また赤はオレンジと同じ暖色ですが、大きく使うと攻撃的なイメージが前面に出てしまうため、小さく使われることがほとんどです。色でイメージを伝えたいというよりは、ロゴマークが赤なので、それを使って配色したというホームページが多いようです。

離婚問題などで特に女性に向けてアピールしている事務所などでは、ピンクなども見られます。

ピンクを使った例。対象がかなり限られる

色の使い方と配色のポイント

信用・信頼感を表す青

各色で共通するのは、基本的に士業は固い職業ですので、あまり曲線は使われず、しっかりした直線に囲まれる形で使うのが基本です。特に青は明るい色から暗い色まで広く使われますが、暗くなるほど固いイメージが強くなり、法人向けの業務を中心に行っているように感じられます。

企業向けに特化したイメージを出したいのであれば、大きく暗い色を背景として配置することで、重厚で信頼できそうなイメージになりますが、明るい青を大きく敷くと派手で安っぽいイメージになり、画面も見づらくなってしまいます。

明るい青を使うのであれば分量を控えめにし、暗い色は大きめにしっかり使うようにしましょう。

明るい青と暗い青ではまったくイメージが変わる

安心・安全を表す緑

緑も、青と同じような使われ方で、固く見えるように直線的な使われ方をしますが、暗い青のようにページ全体の背景に使われることは少なく、どちらかというとロゴ・ヘッダ部分やナビゲーションの背景のように、各部品ごとにまとめられ、白背景の上に置かれて使われることがほとんどです。

大きな背景であまり使われず、主に白背景に置かれる緑

また明るい黄緑色はあまり使われていません。黄緑は新芽や若葉のような爽やかでみずみずしいイメージを生みますが、士業が求められるどっしりした信頼感から外れるからでしょう。そのため、黄緑より成長した葉の緑色が多く使われ、全体的に落ち着いた少し暗めの色が多く使われる傾向があります。

親しみやすさを感じさせるオレンジ

法律関係の士業ではよく見られるオレンジは、親しみやすさや相談しやすさを出すために使われています。しかしながら、会計士や税理士などのお金を扱う士業のホームページではあまり見られませんが、これはお金のイメージが出てしまうことを避けているからだと考えられます。

オレンジは業務の規模が大きくなると、その明るく軽いイメージが内容に合わなくなることもあります。そのような場合には暗いオレンジ(つまり茶色)で青の代わりに信頼感を出すこともあります。

資金調達というキャッチコピーとオレンジのイメージ

士業の仕事はホテルや飲食店と異なり、写真のイメージだけで伝わるものではないため、どのような業務を得意としているかや事務所の方針・理念などは文字で表現するしかありません。しかし1色だけにこだわると文字が読みにくくなることがあります。これはオレンジを使う場合に特に多く見られる傾向です。

読みにくい文字の色だけを少し変えた例。全体のイメージはそれほど変わらない

大事な文章が読みにくいというだけでもホームページの信頼度は下がるため、キャッチコピーや見出しは読みやすい色になるように配色しましょう。文字の色を変えたとしても、全体のイメージはあまり変わらないので、読みやすさを優先させるべきです。

まとめ

  1. 士業のホームページでよく使われているのは青・緑・オレンジの順
  2. 複数の色が使われることは少なく、同じ色の濃淡での配色が多い
  3. 法人向けの業務が多いほど、使われる色は暗くなる傾向がある
  4. 明るい色を多用しすぎて派手になりすぎないようにする
  5. オレンジは親しみやすさ・問い合わせやすさを出すが、お金を扱う士業ではあまり使われない
  6. オレンジを使う場合には文字が読みやすいかどうかに十分配慮する

このコーナーのコンテンツは、KDDI提供の情報サイト「はじめてWEB」掲載の「エキスパート(専門家)コラム」の情報を、許諾を得てWeb担の読者向けにお届けしているものです。

※「はじめてWEB」のオリジナル版は掲載を終了しました

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