企業ホームページ運営の心得

Web担の仕事はマネタイズ。才能を活かしてモチベーションアップする心得

Web担当者の仕事はマネタイズにあり。それはビジネスとしても、自分磨きとしても
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の437

現場感にこだわる

新年あけましておめでとうございます。今年も「現場」にこだわる小欄にお付き合いいただければ幸いです。

Rawpixel Ltd/iStock/Thinkstock

年初号にあたり、あらためて「Web担当者」という仕事について考えてみました。一口にWeb担当者といっても、守備範囲は広く、それでいて企業ごとに職務内容や権限が異なり、責任の軽重もさまざまです。かつてはドラマ『あまちゃん』で、小池徹平さんが演じた制作実務も兼ねる「ホームページの管理人」的な印象が強かったものの、ブログやSNSを筆頭としたネットサービスの普及によって、いまではHTMLの知識すら、Web担当者の必須条件ではなくなりつつあります。

しかし、視点を変えてみると、すべてのWeb担当者に共通する事実が見えてきました。一言で言えば、

Web担当者の業務はマネタイズ

だということ。マネタイズとは現金化。ビジネスプランやマーケティングの話ではありません。本稿を最後までご覧いただけば、今年1年、Web担当者としての「モチベーションアップ」につながることをお約束します。

中身だけに取り組める時代

会社員である以上、不向きな業務や、苦手な作業を押しつけられることもあるでしょう。そして多くの場合、拒否権はもちろん、選択権すら与えられません。かつてのWeb担当者も同じでした。少しパソコンに詳しいという理由で、サイト構築を押しつけられ、それを苦に退社した人物を目にしてきました。

ところが、いまやブログや各種SNSが普及し、Webサービスの「Jimdo」や「Wix」での構築なら、特段の専門知識は必須ではありません。すると残されるのは「中身」です。その結果、Web担当者は、得意なことだけに取り組むことができる職種となりました。

Webにおいて文章の重要性は言わずもがな。文章を書くことが得意ならば、それは戦力と同義です。会社の業務や取り組みを、粛々と紹介し続けるだけでも「会社案内」になりますし、ブログやオウンドメディアを開設して人気が高まれば、業績に貢献することは言うまでもありません。

イラストは最強かも

イラストが描けるなら、それを軸に展開するという方法もあります。公開するのはブログやTwitterでもOK。本サイトでいくつもの漫画連載があるのは、Webにおける「絵」の訴求力が強いからです。イラストが描けるWeb担当者とは、コンテンツ企画において、とてつもないポテンシャルを秘めているのです。なお、本サイトにおけるストーリー漫画の連載に先鞭を付けたのは、私が原作を書いた『Web担当者 三ノ宮純二』。電子書籍でお買い求めいただければ幸いです。

写真が好きなWeb担当者なら、それを活かしてインスタグラムと言いたいところですが、ICT総研が2015年7月に実施した「SNS利用動向に関する調査」では、いまいちブレイクしなかった「Google+」や、すっかりゲーム会社となった「mixi」と同レベルの利用者数に留まります。一方、まだ分母が小さいながらも、利用者満足度では1位になっており、ユーザー数も伸びていることから、今後の期待を込めて先行投資しておくチャンスでもあります。

デスクワークからの解放

書けない、描けない、写真のセンスがない。けど、しゃべることは得意。そんなWeb担当者なら「生配信」に「YouTube」。撮影機材はスマホでも十分です。顔出しに抵抗があるなら、商品や現場の映像にナレーションをいれるだけでもコンテンツとなります。つまり「話す」だけでコンテンツは作れます。

どれも得意じゃない。でも、Webに常時張り付くのは苦じゃない。これも武器になるのが現代的Web担当者です。TwitterやFacebookで、自社の商品に興味がある人、あるいは顧客になりそうなユーザーを見つけては「いいね!」を送り、リツイートをします。そして積極的にフォローし、友だちを増やしていくことは、会社の広報力、伝播力の基礎体力となります。ともすると、マイナスイメージにもつながるため、ソーシャルの文脈を理解していることが必須ですが。

さらに「ジッとイスに座っていられない」という人でも安心してください。職場が許せばという前提ながら、スマホを使うことで、デスクワークのくびきから解放されます。

好きなことだけのロジック

好きなことや才能を活かして、会社に貢献できるのがWeb担当者なのです。そしてその貢献を会社が認めたならば、待遇に直結、すなわち自身の「マネタイズ」に成功します。自分の才能をキャッシュに直結できるのは、タレントやクリエイターを除けばWeb担当者だけ、とは言い過ぎでしょうか。

ネットを散策していると「好きなことだけやって成功した」的な発言を目にします。大半は過剰広告や自己宣伝に過ぎませんが、すべてを嘘と否定できないのは、こうして紹介してきたように、得意分野に特化することで成功しやすいのがWebの特性だからです。

Webという空間に発表することで、支持と批判の両方に触れ、Webがなければ出会うことのなかった同好の士と、切磋琢磨できることが理由でしょう。いわばこうした、「自分磨き」に業務として取り組めるのがWeb担当者ということ。せんえつながら趣味に過ぎなかった作文で、微禄を得ている私もその一例です。

毎日が春闘

ただし、好きなことをやるのと、好き勝ってやるのは別の話。あくまで会社の利益のために、Web担当者は存在します。また、会社にやりたいことを認めさせるためのアプローチは不可欠で、そのための努力は避けて通れません。しかし、嫌な仕事を押しつけられるより、好きなことをやる努力の方が、何倍も楽しく、なによりさほど難しいことではありません。これについては、次回紹介する予定です。

会社に貢献しても、金銭や待遇で応えてもらえないこともあります。しかし、世界とつながるWeb。理不尽なことも多い社内と異なり、会社の外は、市場原理という「神の見えざる手」が支配します。そこでは能力に見合った評価が与えられます。語弊を怖れずにいえば、Web担当者の業務とは、そのまま自分の「価値」をアピールすることであり、日々、転職活動と春闘をしているようなものなのです。だから、モチベーションは常に高く保つことです。それは自分のためにもなります。

今回のポイント

Web担当者は自分の才能を活かせる仕事

「仕事ぶり」は常に世界に公開されている

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