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コンテンツ拡散にインフルエンサーの手を借りる4つの方法

コンテンツを、影響力ある人たちの目に触れさせ、広めてもらう、4つのやり方を解説する。

コンテンツを作って多くの人に見てもらうには、どうすればいいのだろうか。

ステップ1: コンテンツを作成する。しかも、他サイトの10倍価値のあるものを。
ステップ2: ???
ステップ3: 大量のトラフィックが押し寄せる。

上記のステップ2には、たいていのマーケターが思っているより大きなギャップがある。そのギャップを埋める最善の方法の1つは、コンテンツを影響力ある人たちの目に触れさせて、それを広めてもらうことだ。ただし、そのためには広める側にもメリットがなければならない。

今回のホワイトボード・フライデーでは、ランドがその方法を説明する。

コンテンツ拡散にインフルエンサーの手を借りる4つの方法
企業やサイトの規模が小さかったり、目立たない存在のソーシャルアカウントだったりすると、コンテンツの拡散は次のような感じになるだろう。
今までになくすごいものができたぞ!
チューチュー
すでに(ブログやソーシャルアカウント、ニュースサイトなどで)フォロワーがいる人は、バイラル性を発揮できる並外れた能力を持っている。
企業向け、CRMソフトウェアの選び方と
活用の仕方
彼女にリーチするにはどうすればいいだろう?
4つの即効戦術
#1 シンプルにお願いする
こんにちは、アン。僕はあなたの大ファンで、ずっと前からフォローしていました。僕たちが作ったコンテンツで、あなたに気に入ってもらえると思うものがあるのです(me.com/thing)が、何かご提案やご意見があったらぜひ教えてください。よろしくお願いします。ランド
コンテンツや関連性が際立ったものでなければならない。
メールでも、Twitterでも、LinkedInのメッセージでもいい。Facebookのメッセージでも構わない。ターゲットを知れば、どれを使えばいいのかは、すぐにわかる。
VoilaNorbertとConspireが役に立つ。
#2 発言を取り入れ、言及する
@MarketingProfs 僕たちはCRMへの不満に関するあなたのツイートを見て、このコンテンツ(me.com/thing)を作りました
人やブランド、場所にインスパイアされたコンテンテンツがある場合、あるいは、そういう人や物に言及したコンテンツがある場合は、相手に知らせよう。
見解の相違はあっても、専門的で、礼儀をわきまえていて、考え抜かれたコンテンツであり、会話を前に進めることができるものなら、効果的だ。
#3 レビュー
@MarketingProfs の最新のガイドをレビューしてみた(me.com/thing)
評価が肯定的であり、その評価がはっきりとした根拠のあるものなら、うまくいく。
ただし、うんざりするほど繰り返されているものでなければ(大きすぎるブランドを相手にするのもNG)。
#4 ネットワーク効果
この4つのアカウントは、いずれは主要インフルエンサーに取り上げてもらえそうなコンテンツを共有する傾向がある人たちだ。
@suchandsuch @herandher @soandso @whoandwhere
インフルエンサーのインフルエンサーは、ターゲットやアウトリーチの対象にしやすいことが多い。
たとえ本命のターゲットにたどり着けなくても、成果はあがったといえる。

Mozファンのみんな、こんにちは。ホワイトボード・フライデーにようこそ。今回は、コンテンツマーケティング、具体的にはコンテンツの拡散に関する話題で、僕を含むMoz執筆陣へのコメントやツイート、質問、メールでよく目にする問題を取り上げよう。

ここでいうコンテンツの拡散とは、次のようなことだ。

よし、素晴らしいコンテンツができたぞ。

でも、これをいろんな人にシェアしてもらうには、どうすればいいだろう?

特に、拡散してくれそうなインフルエンサーたちにコンテンツを届けるには、どうすればいいだろう?

これはとても歯がゆい状況だ。ブランドやサイトの規模が小さかったり、目立たない存在のソーシャルアカウントだったりすると、コンテンツの拡散は、たいがい次のような感じになるだろう。

「今までになくすごいものができたぞ!」なんて叫んでも、反応は薄い。これではあんまりだ。僕にもその辛さはわかる。十分すぎるほどわかる。誰もが経験してきたことだ。

今のMozには、抜群のコンテンツ拡散チャネルをもつという、すばらしく優位な立場と機会がある。しかし、僕が始めたころ、2004年ないし2005年にこのブログを作ったころは、記事を書いても誰の耳にも届かなかった。とてもストレスのたまる経験だったし、コンテンツ拡散のライフサイクルが転機を迎えるまでには、何年もかかった。

ある年、確か2008年だったと思うが、SEO世界のレジェンドであるグレッグ・ボーザー氏が、検索エンジンのカンファレンスでパネリストを務めた。同氏はそこで、こんな風に言ったのだ。

ランドはおおげさなんだ。[公開]ボタンを押せばいいだけなのに。

僕としては、「そうとも、今ならパブリッシュボタンを押せばいいだけだと言える」という感じだった。しかし、そこに至るまでには、長い時間がかかる。

ブログやソーシャルアカウント、メールリスト、ニュースサイトなど、何であれ、すでにフォロワーがいる人は、バイラル性を発揮できるこの並外れた能力を持っている。あなたが作った、すばらしい可能性を秘めたコンテンツを、喜んで受け入れて、広範なオーディエンスの目に触れるように手助けしてくれる存在を持っているのだ。

ただし、そこに至る過程はフラストレーションの溜まるものになり得る。

たとえば、アン・ハンドリー氏のアカウントを見てみてほしい。

アン・ハンドリー氏(ハンドルネームは@MarketingProfs)は、オンラインマーケティングの世界でも特にフォロワー数が多い著名な人物で、そのツイートはいつも決まって大量にリツイートされ、多くのエンゲージメントを生み出している。

だから、人々はこう考える。

彼女にリーチするには、どうすればいいか?

マーケティング業界の人たちに見てもらいたい、すばらしいコンテンツがあるのだが、どうすれば、このコンテンツをハンドリー氏に共有してもらえるだろうか?

インフルエンサーへのリーチを目指す人に提案したい4つの戦術

最初に言っておこう。これらの戦術は難しそうに聞こえると思うが……実際のところ、本当に難しい。

#1 シンプルにお願いする

これには、費やせる時間の8割かそれ以上をかけるべきだと僕は思う。

シンプルにお願いするとは、そのままのイメージだ。

こんにちはアン。僕はあなたの大ファンで、ずっとフォローしています。

僕たちが作ったコンテンツで、あなたに気に入ってもらえると思うものがあるのですが、何かご提案やご意見があったらぜひ教えてください。

これから数週間かけて更新していくつもりです。それでは失礼します。ランド

これはメールでも、LinkedInのメッセージでもいい。Facebookのメッセージでも構わないし、ツイートでもいい。ツイートには少し長すぎるので、ダイレクトメッセージを何回かに分けて送ってもいいかもしれない。

ただし、ここで重要なのは、コンテンツや関連性が際立ったものでなければならないということだ。

メッセージを送って、タイトルを見てもらった瞬間に、すばらしいと思わせるものでなければならないし、アンに「ちょっと待って、これほどのものは見たことがない。すごく興味がある」と言わせるものでなければならない。

とはいうものの、こういったインフルエンサーに小さな働きかけをして、「とてもすばらしいから、この人の名前は聞いたことがないけれど、チェックしてみて、共有してみよう」と思ってもらえるコンテンツを、どうやって見つけ出せばいいのだろうか。

これは実際にやるとなると難しい。とても、とてもハードルが高い。ただし、僕が「10倍価値のあるコンテンツ」と呼ぶものを作成するのと、ハードルの高さは同じだ。10倍価値のあるコンテンツとは、実際に共有して、拡散してもらえるようなコンテンツのことだ。

これについて僕はたくさん話をしているが、そこで必ず、次のように自問するように呼びかけている。

誰がこれを広める助けになってくれるか? その理由は?

この質問に対して満足な答えが返せるなら、自分の時間の8割はこの小さな働きかけだけに費やしていい。

次に、おすすめのツールを2つ紹介したい。どちらもメールのアウトリーチ、具体的には、人々のメールを探したり、メールを通じて彼らとつながったりするために使うものだ。

VoilaNorbertはメールを検索できる優れたツールで、Conspireは、自分がメールした人や、その人にメールした人まで、あらゆる人を教えてくれる素晴らしいツールだ(以前のホワイトボード・フライデーでも取り上げたことがある)。

もし僕がアンに直接メールしたことがない場合は、Conspireで調べれば、「ほら、サイラス・シェパードが以前、アンにメールしている。よし、サイラスに連絡して、紹介してもらおう。アンにつないでくれるだろう」となるかもしれない。

こんなふうに、役に立つ優れたツールがいくつかある。あまり僕から宣伝するのはやめておくが、こういった発見プロセスにはFollowerwonkも非常に便利で、そもそもこういうインフルエンサーがどういう人たちなのかを明らかにしてくれる。

#2 発言を取り入れ、言及する

この戦術はうまくいく可能性があるし、特に、うまくいかなくてもあまり苛々しないという人なら、それとなく人々を巻き込める良い方法だ。

たとえば、アンがCRMソフトウェアについてツイートしたとする。ここではアンがCRMソフトウェアについて何らかの不満を、こんな風に書いていたとする。

どのベンダーを選べばいいかわからない。すばらしいリソースがあったいいのに。

それに対して僕は、「@MarketingProfs 僕たちはCRMへの不満に関するあなたのツイートを見て、このコンテンツを作りました」と言うというわけだ。

いいね。これで、アン自身が関心を示したものを共有して、そのままツイッターで彼女を巻き込んでいける。さらにメールでアウトリーチしてもいいし、LinkedInを使ってもいい。手段はたくさんある。

人やブランド、場所にインスパイアされたコンテンテンツがある場合、あるいは、そういう人や物に言及したコンテンツがあるなら特に、必ず相手に知らせるべきだ。

知ってもらう分には何の害もない。10回中9回は無視されるかもしれないが、10回のうち1回は特別な拡散効果が得られることもある。これはすばらしいことだ。

また、ブログ投稿やツイートなど、共有されたメッセージに返信する形で長文形式のコンテンツを示す場合、見解の相違はあっても、専門的で、礼儀をわきまえていて、考え抜かれたコンテンツであり、会話を前に進めることができるものなら、非常に効果的である場合が多い。

だから、アンが表明した意見に対して、僕が「それには同意できません。その理由と根拠を説明させてください」と言うこともある。ただし、きわめて専門的に、きわめて礼儀正しくするよう心がける。論点を挙げて会話を前に進めたり、曖昧な点を提示して会話の質を高める助けにしたりするだろう。

それをきちんとした文章にまとめれば、アンと共有することもできる。実際にコンテンツを公開する前に、あらかじめ相手と議論を共有しておくるのは、非常に効果的だ。これも、コンテンツの拡散を図る前にアウトリーチをすべき十分な根拠だと言える。

#3  レビュー

レビューは難しい問題だ。個人的には必ずしも好きではない。特に何度も繰り返されると嫌になるし、そういうことが本当によくある。

ただ、ここで言うレビューとは、「@MarketingProfsの最新のガイドをレビューしてみた」といったたぐいのものだ。つまり、MarketingProfsのサイトを見に行って、ガイドの1つをダウンロードする。それがとても気に入り、レビューを書くというわけだ。

ただし、これがうまくいくのは、これは評価が肯定的であり、その評価がはっきりとした根拠のあるもので、拡散することだけを目的としたものでない場合だ。

残念ながら、よく見かけるのはそうではなく、ただリンクやリツイートを獲得したいがためだけに書かれたレビューのたぐいだ。ウェブマーケティングで特に多いが、テクノロジ業界や旅行業界でもかなり行われている。こういうものに本音が一切書かれていないのは明らかだ。質の高い情報ではない。リンク獲得のためだけのものだ。

だから、いつもこういうレビューのターゲットにされるインフルエンサーの大多数は、そんなことなどすっかりお見通しだ。だから、うんざりするほど繰り返されていることなら、あえてやることはないだろう。

ただ、レビュー方式は他のことに役立つ場合もあるし、評価が肯定的で真摯なものであり、リンク獲得が目的でないのなら、やる価値がある。

#4 ネットワーク効果

これは常に有効とは限らないため、ストレスがたまる。ただし、大きな収穫は得られなくても、小さな勝利を得ることはできる。

何をするかというと、Followerwonkなどをチェックしてみて、できれば実際に使ってみるのだ。あるいは、他の選択肢としてLittle Birdもある。有料で、しかも高いが、とても優れている。

ここで4つのアカウントが見つかったとしよう。いずれは主要インフルエンサーに取り上げてもらえそうなコンテンツを共有する傾向がある人たちだ。

これはいいぞ。この人々は、ターゲットやアウトリーチの対象にしやすく、返信してくれる確率もずっと高く、リプライをくれたり、やり取りしてくれたりする可能性がはるかに高い。

たとえ本命のターゲットにたどり着けなくても、たとえこの人たち止まりになってしまったとしても、こちらが本命にしている7人のインフルエンサーにフォローされている人たちであることに変わりはない。この人たちが共有してくれれば、本命の7人のインフルエンサーが誰も共有してくれなかったとしても、それでいいのだ。それでも成果はあがったといえる。

◇◇◇

これらのことを念頭に、実際にやってみて、アウトリーチやコンテンツの拡散でわずかでも成功を収められることを願っている。実際にうまくいった戦術を報告したいという人は、ぜひコメント欄で聞かせてほしい。他のみんなだって知りたいと思うはずだ。となれば、たくさんの読者に評価ボタンをクリックしてもらえるだろう。

では、またお会いできるのを楽しみにしているよ。ごきげんよう。

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