国内&海外SEO情報ウォッチ 「海外SEO情報ブログ」の鈴木 謙一氏が、日本と海外の検索マーケティング情報をさらっとまとめて毎週金曜日にお届け。
海外&国内SEO情報ウォッチ

ウィキペディアがサイト全体を常時HTTPS化、これが今後のWebの方向性か など10+4記事

URL階層は深いとSEOに不利なのか、ページネーション時のtitleタグ、検索結果でのカルーセル表示、モバイル専用インデックスなどの情報も

ページ

ウィキペディアがサイト全体を常時HTTPS化した話題は、Webサイトのトレンドとして要注目だ。ほかにも、「URL階層が深いとSEOに不利な場合も」という情報をどう考えるか、ページネーション時のtitleタグ、検索結果でのカルーセル表示、モバイル専用インデックスなど、SEOの情報をお届けする。

今週のピックアップ

ウィキペディアがついに常時HTTPSへ移行
★★★★☆ HTTPSには暗号以外のメリットあり (Wikimedia Blog)

ウィキペディアのサイト全体を完全なHTTPSへ移行したことを、ウィキペディアを運営するウィキメディア財団が発表した。世界で最も巨大で利用者数が多いウィキペディアが常時HTTPS化したことは、大きなニュースだ。

HTTPS接続のウィキペディア

ウィキペディアは特に機密性が高い情報を扱っているわけではない。よって暗号化は不要だと思うかもしれない。しかしそれは違う。

HTTPSは、次の3つの役割を持つ

  • 盗み見防止 ―― ネットワークを流れるデータを第三者に盗み見られることを防ぐ
  • 改ざん防止 ―― 通信経路上でデータを勝手に変えられることを防ぐ
  • なりすまし防止 ―― 接続先が確かに意図したサーバーであることを確認できるようにすることで、なりすましに騙されることを防ぐ

1つ目は、いわゆる「暗号化」によって達成される。

2つ目の「データの整合性」と3つ目の「認証」がウィキペディアにとっては、HTTPS化の大きな意味を持つと筆者は考える。

ウィキペディアに掲載されている情報を見ていると思っていたら、実はインターネットの回線を通ってあなたが使っているブラウザに届く途中で誰かが情報を書き換えていたとしたらどうだろうか? 偽の情報であっても、ウィキペディアにはそう書かれていると信じてしまうかもしれない。

また、ウィキペディアにアクセスしているつもりでも、実はまったく異なる、悪意あるサイトにアクセスしていることもHTTP通信では発生しうる。偽ウィキペディアに書かれているデタラメの情報をあなたは信じてしまうかもしれない。

このように、暗号のほかにもHTTPSには大きなメリットがあるのだ。

ウィキペディアのHTTPS移行は、ウェブの世界がHTTPSへ確実に向かっている証だと筆者は強く感じた。

日本語で読めるSEO/SEM情報

URL階層が浅いほうがSEOに有利なんていうことは決してない
★★★★☆ 条件反射しないように (辻正浩 on Twitter)

URLのディレクトリ階層が深ければ深いほど、URL発見のためのクロール優先度が下がる。

グーグルのゲイリー・イリーズ氏がこのように筆者に説明してくれた。ブログ記事にしたところ、辻正浩氏が次のようなツイートを連投した。

辻氏が言いたかっただろうことを端的にまとめると、次のようになる。

URL階層の深さでクロールの優先度が変わることは事実だが、それが問題になるようなケースは、現在は一般的には滅多にない。クロールやインデックスに問題があるとしたら、それはURL構造ではなく別の要因によるもの。

辻氏が指摘するように、「URL階層は浅いほうが有利」と条件反射的に解釈しないように注意してほしい(筆者も「ランキング要因ではないし、普段の運用で気にするべきものではない」とブログ記事で書いている)。

ちなみに、アメブロなどサイバーエージェント社が運営するサイトの運用責任者、木村氏はこんなふうにも言っている。

気にかけたほうがいいサイトが、ごくごくわずかだが存在することも確かなのだろう。

ページネーションしたときのtitleタグはどのように付けるべきか
★★★★☆ ユニークにするのが理想 (グーグル ウェブマスター向けヘルプフォーラム)

ページネーション(ページ分割)したときのtitleタグは、1ページ目と2ページ目で変えたほうがいいのでしょうか?

このような質問がウェブマスター向けヘルプフォーラムに投稿された。

上級レベルのメンバーが次のようにアドバイスした。

1ページ目と2ページ目以降のタイトルには関連性を持たせても、全く同一ではない方が良いのではないかと思います。これはディスクリプションも同様です。

ページタイトル等の統一部分に加え、「20ページ中2ページ目」等の記載などを加えればいかがでしょうか?

記事であれば、各ページの主トピックを的確に表すように、それぞれのページに合わせたtitleタグが好ましいだろう。一覧ページのページ送りのようにテーマが同じ場合のページネーションであれば、せめてページ数だけでも付け加えたい。

そうすれば、SEO的によくないtitleタグの重複を避けられるし、ユーザーにもわかりやすくなる。

meta descriptionタグもできればページごとにユニークにしたい。同一にするくらいなら、いっそmeta descriptionを記述せずに、検索結果のスニペット作成はグーグルに任せてしまうという手もある。

ウェブマスター向けオフィスアワー5月開催分
★★★★☆ やっぱりモバイル系の質問多し (ウェブマスター オフィスアワー on Google+)

5月末に開催されたオフィスアワーを紹介する。サーチクオリティチームの金谷氏と田中氏、長山氏の3人が、次の質問に回答・解説している。

  • モバイルフレンドリーアルゴリズムの今後
  • Vary HTTPヘッダーの実装について
  • PageSpeed Insightsとモバイルフレンドリーテストの違い
  • モバイルフレンドリーの影響範囲
  • スマートフォンサイトのサイトマップ
  • ローカル情報の検索結果の変更
  • titleタグの書き換え
  • リンクネットワークへの制裁
  • 低品質サイトの評価
  • リファラースパム

初めて聞く情報が必ずあるはずだ。開催時に参加していなければ録画を視聴しよう。

次回のオフィスアワーは 6月24日(水)12:00~12:30 の予定だ。聞きたいことがあれば、質問フォームから事前に送っておくといい。あなたの名前やサイトが公開されることはない。

検索結果にカルーセルが登場、最新のニュースや話題の映画を表示
★★★☆☆ あなたのサイトにも適用チャンスあり? (グーグル モバイル検索)

グーグルは今年2月に、最新のニュース記事や話題になっている映画を“カルーセル”形式で表示する機能を米グーグル(google.com)のモバイル検索に導入した。公式アナウンスは出ていないが、日本のモバイル検索にも同じ機能が導入されたと思われる。

Yahoo!映画のカルーセル
映画が画像付きで表示される。水平方向にフリックすると次の動画がスライド式に現れる。

適用されるのは大手サイトばかりだが、米グーグルではMozのように一般サイトでも表示されていたのを筆者は見た。ひょっとしたらあなたのサイトにもチャンスがあるかもしれない。

適用されやすくするために、記事ならschema.org/Articleで、映画ならschema.org/VideoObjectの構造化データでマークアップすることをグーグルは推奨している。

goo.gl短縮URLからアプリが開けるように
★★★☆☆ App Indexingがここでも活躍 (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ)

goo.gl」はグーグルが提供するURL短縮サービスだ。グーグルは goo.gl短縮リンクから、直接アプリのコンテンツを開けるように機能を拡張した。

http://goo.gl/のアドレスはURLなので、通常は短縮元のウェブページをブラウザで開く。しかし、アプリ内のコンテンツへのディープリンクにも対応したのだ。

“アプリ内コンテンツ”や“ディープリンク”と聞いて察しがつくように、App Indexingの設定が必要となる。Androidアプリだけでなく、サポートが始まったばかりのiOSアプリでも利用可能だ。

ウェブサイトとアプリの両方でコンテンツを提供しているなら、利用してみるといい。設定の詳細は公式記事を参照してほしい。

海外SEO情報ブログ海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ

Googlebotのレンダリング能力についてSMX Advancedカンファレンスで入手した情報を共有する記事を2本ピックアップ。

用語集
Googlebot / PageRank / SEM / SEO / meta description / nofollow / なりすまし / アクセス解析 / インデックス / クロール / スニペット / スマートフォン / セッション / ディレクトリ / ディープリンク / リンク / 常時HTTPS / 構造化データ / 被リンク

ページ

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

インデックス
検索エンジンがWebページをデータベースに保存しているデータベース。データベース ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]