【レポート】Web担当者Forumミーティング 2014 Spring

コンテンツマーケティングとデータドリブンマーケティングを連動させる3つのポイント/アドビ システムズ

データドリブン・コンテンツマーケティングの実践に必要なポイントを解説
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優れた顧客体験を提供するには、データドリブンマーケティングとコンテンツマーケティングの2つを組み合わせて実行しなくてはならない。データ分析をもとにコンテンツを最適化するというサイクルを回すには、両者を組み合わせた「データドリブン・コンテンツマーケティング」という考えが役立つ。そのためには3つのポイントがあると、アドビ システムズの国和 徳之氏は説明する。

データドリブン&コンテンツマーケティング

アドビ システムズ 株式会社
マーケティング本部
プロダクトマーケティングマネージャー
国和 徳之氏

コンテンツをお客様にとって価値のあるものにするには、どうしたらよいかというヒントになる話をしたい。

ユーザーの体験価値を高めることは、企業にとって重要なミッションだが、実際に何がポイントで、何をすればいいのか、よくわからないというのがWeb担当者の現状だろう。国和氏は、製品やサービスがいいなと感じてもらえる「体験」をさまざまな「チャネル」を通じて提供することで、「ブランド」の力を強化できると説明を始める。

ここでポイントとなるのは、データドリブンマーケティングとコンテンツマーケティングの2つの言葉を組み合わせた「データドリブン・コンテンツマーケティング(DDCM)」という考え方だ。国和氏は、このDDCMによってユーザーの体験価値を高めるための考え方について説明を続ける。

Webサイトには、1つのページに万人に受け入れられるようなコンテンツを載せようとしがちだが、特定の人に響くような「刺さる」コンテンツを提供するほうが理想的だ。特定の人に響くコンテンツを制作し、そのコンテンツに対してどのような反応があるのか仮説を立て、検証のためのデータ分析を行い、コンテンツの改善に努めるというサイクルを回すことが重要となってくる。このデータとコンテンツというサイクルを回していくことが、DDCMの基本的な考え方だ。

データドリブンの意識を全社で共有する

しっかりと仮説を立てて、その仮説が正しいかどうかを検証するというゴールがなければ、分析だけを行っても意味がない」と話す国和氏は、分析する人とコンテンツを作る人が密接に連携して、どのような訴求をし、どのような行動を起こさせたいか、それをどうやって分析するかを考えることが重要だと話を続ける。

また、限られたWebサイトのスペースのなかで、自分の勘だけで1つのコンテンツを選ぶのではなく、A/Bテストなどを行って「ユーザーに選んでもらう」こともDDCMでは必要な考え方だ。しっかりとしたテストを行えば、コンバージョン率を21%向上(Adobe 2013 Digital Marketing Optimization Surveyの調査結果)できると国和氏は話す。また、さまざまなチャネルのデータをもとにペルソナを想定しておけば、サイト指標を20~50%も向上(フォレスターの調査:The ROI Of Personas)できるという。

さまざまな分析を行うことで、「属性」「訪問間隔」「興味」「反応」「ニーズ」「利用デバイス」などを数値で知ることができ、新たな次のアクションが行えると説明する国和氏は、「担当者1人が頑張るのでは成り立たない。会社として取り組んで、さまざまな部署の人がデータを使ってマーケティング活動を改善していく意識を持って協力し合わなければならない」と話す。

アドビでは、このような組織を「データドリブン型組織」と名付けており、組織作りに必要な要素を説明したホワイトペーパー「データドリブン型組織を作る6つの要素」を公開していることを国和氏は明かした。

コンテンツマーケターがチームをまとめる

次のポイントは、どのようなコンテンツを作るかだ。ユーザーごとに適切なコンテンツを提供してエンゲージメントを得ることが基本だが、そのためには、マーケターが分析したデータをもとに「適切なコンテンツとは何か?」と、知恵を絞らなければならない。また、コンテンツマーケティングを促進するには、コンテンツを作るクリエーターのほか、製品担当、広報、Web制作者、ライター、代理店などのさまざまなチームを取りまとめる「コンテンツマーケター」の役割が必要になると国和氏は説明する。

「製品を知らない」「気になっている」「購買を迷っている」など、さまざまな顧客行動(カスタマージャーニー)によって提供すべきコンテンツが異なることも考えていく必要がある。たとえば、アドビのB2Bの事業では、カスタマージャーニーを企業の担当者、意思決定者、決裁者の3段階に分けるコンテンツ戦略を取っており、それぞれの企業のペルソナに応じたコンテンツを提供するようにしているという。

コンテンツには、ITシステムの7階層のように、さまざまな階層があると説明を続ける国和氏は、たとえば動画コンテンツの場合は、次のように分けられると話す。

動画コンテンツのマーケティング7階層

このうち、前半の3つの層は「表現」にあたり、後半の4つは「手法」にあたる。マーケターは価値を伝える「表現」に集中したいもの。一方の「手法」は、一般的にはIT部門や代理店の役割になる。ただ現実には、何を伝えたいかという「表現」と、どうやって伝えるかという「手法」の部分を、チームで分業しつつ、1つのコンテンツとして組み立てていかなければならない。

コンテンツ管理ではなく、エクスペリエンス管理という考え方

そうやって制作したコンテンツを伝えるメディアには、テレビやPC、モバイルなどがあり、チャネルもWebやソーシャルなどさまざまだ。ユーザーは認知から購買までの過程で、どの「メディア×チャネル」の経路を通るかはわからない。どの経路でも適切な情報に接触してもらうために、国和氏は「1つのコンテンツに対し、伝送メディア×配信チャネルの順列組み合わせを用意する必要がある」と強調する。

しかし、膨大なコンテンツそれぞれを適切なメディアとチャネルを組み合わせて配信し、効果的な反響を得るのは困難だ。また、反響を分析して修正をしたり、ターゲティングを決めたり、効率化していく必要もあるため、ツールやシステムなどの仕組みが必要となってくる。

従来からCMSやWCMというツールもあるが、残念ながらマーケターがやりたいことを支援する設計にはなっておらず、システムの視点で作られているものが多い」と話す国和氏は、これまでのコンテンツ中心で作られてきたWebサイトをエクスペリエンス中心で考えていくべきだと説明する。

コンテンツ中心からエクスペリエンス中心の考え方へ

「コンテンツ管理よりも顧客に何を体験してほしいのかを考えたシステムが必要」という国和氏は、エクスペリエンス管理のためのシステムが登場してきていると話す。これにより、セグメント、デバイス、チャネルなどに対応し、データに基づいて最適化するサイクルを実現できるようになっているという。

こうしたツールを使えば、マーケターは表現に注力し、訴求したいメッセージをタイミングよく、狙い通りの相手に適切な形で出すことができる。マーケター、IT担当、クリエーターなどが役割に応じて分業・協働を行い、手間を掛けずに膨大なコンテンツをさまざまなチャネルに適切に出すことができるようになるのだ。

このエクスペリエンス管理を提供する「Adobe Experience Manager」では、マーケターはペルソナやメッセージなどの表現に、IT部門はコンポーネントやテンプレートなどの手法に注力し、コンテンツを多様な「メディア×チャネル」へ配信できる。しかも「Adobe Marketing Cloud」なら、コンテンツとデータの両輪をカバーしているという。たとえば、顧客の反応は「マスターマーケティングプロファイル」に蓄積し、そのデータは最適化に活用される。多様なチャネルで適切な顧客体験を提供することで、「個」客に沿ったコミュニケーションを実現できる、と国和氏は説明する。

最後に国和氏は、「データとコンテンツは両輪を回す」「テストして最適化することが重要」「表現と手法で分業し、協働することが重要」というDDCMの3つのポイントを覚えてほしいと、講演をまとめた。

アドビ システムズ 株式会社
http://www.adobe.com/jp/

Adobe Marketing Cloud
http://www.adobe.com/jp/solutions/digital-marketing.html

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