【レポート】Web担当者Forumミーティング 2013 Spring

250万ユーザーの知見を自社コンテンツに、日本最大級のQAサイトによるユーザー参加型のWebサイトの活性化施策/オウケイウェイヴ

Q&Aコミュニティを自社サイトに取り入れ、サイトを活性化する手法が事例とともに語られた
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【レポート】Web担当者Forum ミーティング2013 Spring

セミナーイベント「Web担当者Forumミーティング 2013 Spring」(2013年4月24日開催)の講演をレポートする。他のセッションのレポートはこちらから。

自社サイトを活性化させるには、アイデアはもちろん、大きな労力やコストが必要となる。オウケイウェイヴの佐藤哲也氏は、運営するソーシャルQ&Aサービス「OKWave」のQ&Aデータベースを企業サイトに取り込むことで、労力をかけずにユーザーコミュニティを構築し、サイトを活性化することを実際の事例を交えながら解説した。

最大級のソーシャルQ&Aを自社サイトに活用する

佐藤 哲也氏
株式会社オウケイウェイヴ
エンタープライズソリューション事業部
事業部長
佐藤 哲也氏

「OKWave」は、会員数250万人、月間利用者数5,000万人以上、Q&A総数2,700万件の最大級のソーシャルQ&Aサイトだ。OKWaveがなぜQ&Aにこだわって運営を続けているのか、佐藤氏は「意見は対立を生みやすく、それだけでは解決に向かわない。質問は協調や融和を促進し、Q&Aは人と人を信頼と満足でつなぐ最適な方法だと考えている」と説明する。

何かを調べようとしたとき、Web検索がよく使われるが、検索結果はマーケティングに利用されているため、本当の意味で求めていた結果にたどり着く可能性は少しだけ減ってきていると感じる。自分の状況をしっかりと質問して、それに対する答えが返ってくる世界を作りたくてQ&Aサイトを運営している。

オウケイウェイヴでは、OKWaveなどで培ったソーシャルQ&Aのノウハウをベースに企業にもサービスを提供している。FAQなどのサポート面でのサービスを数多く提供している同社だが、佐藤氏は「今回はプリセールスで製品やサービスを知ってもらったり、Webサイトにより多くの人が訪問するためにQ&Aを活用できることを知ってもらいたい」と説明する。同社では、ソーシャルメディア、ソーシャルCRM、ソーシャルコマースのサービスを提供しているが、中でもソーシャルCRMの「QAPartner」について佐藤氏は説明を続ける。

2012年10月に経済広報センターが発表した「インターネット利用に関する意識・実態調査報告書」の「企業について参考にする情報」では、「企業のホームページ」が87%と最も多く、オウンドメディアが非常に重要であることがわかる。

一方で、「個人によるソーシャルメディア情報」と「企業運営ソーシャルメディア」は、企業の情報を提供する場としてはまだあまり活用されていない。また、同調査の企業運営のソーシャルメディア参加率では、87%が「参加したことがない」と回答しており、企業ソーシャルメディアに興味はあっても参加にまでは至っていないことが明らかにされた。

企業について参考にする情報(複数回答)
企業について参考にする情報(複数回答)
出典:「インターネット利用に関する意識・実態調査報告書」(2012年10月、経済広報センター)

「ホームページで評価する点」という項目では、「知りたい情報に早くたどり着ける」「見やすさ」「情報が豊富」「新しい情報が掲載されている」が上位を占めている。これについて佐藤氏は、「ユーザーの期待に応えるためには、Web担当者自身が努力して改善する部分もあるが、ツールやサービスを上手く活用すれば、より効果的にホームページを活性化できると我々は考えている」と話す。

ホームページで評価する点(複数回答/択一)
ホームページで評価する点(複数回答/択一)
出典:「インターネット利用に関する意識・実態調査報告書」(2012年10月、経済広報センター)

「知りたい情報に早くたどり着ける」と「見やすさ」については、デザインやブランディングなど、Web担当者自身が考えなければならない部分が多い。一方で、「情報が豊富」や「新しい情報が掲載されている」については、製品担当者などの他部署との連携が必要となり、何らかの仕組みを作る必要がある。

さらに、5番目や6番目に回答が多い「他社にはない独自性がある」や「楽しい」といった要求に応えるのは非常に難しい作業となる、と佐藤氏は話す。

ソーシャルメディアに企業ページを作ろうとしても、人材やコストを増やせないことが多い。限られたリソースでユーザーの要求に応え、競合他社に差をつけることを考えなければならない。

Q&Aコミュニティを自社サイトのコンテンツに

佐藤 哲也氏

我々も他社のサービスと差別化させるために努力しているが、一般的な会社とは大きな違いが1つある。Q&Aサイトは、我々が更新しなくても、ユーザーが日々新しい情報を更新してくれる」と佐藤氏は説明を続ける。

Web担当者にはさまざまな課題がある一方でリソースには限りがある。前述のように、生活者が企業運営のソーシャルメディアへ参加する割合は低い。参加してもらうためのキャンペーンなどを行っても再訪率は低く、ファンになってもらう道のりは非常に遠い。

これらを解決する方法として佐藤氏は、Q&Aサイトを企業サイトに取り込むことを勧める。これによって、情報をユーザーが更新し、ユーザーが参加できるサイトを構築できるというのだ。企業によっては、製品やブランドのファンに協力してもらい、ユーザーコミュニティなどを作っているケースもあるが、これらのコミュニティを運営するには非常に労力がかかり、盛り上がる保証もない。

一方で、オウケイウェイヴが提供するQ&Aは企業サイトに統合した形で提供されると佐藤氏は説明する。たとえば、検索ポータルのgooではコンテンツの一部としてOKWaveのQ&Aデータベースを活用しており、ポータルに訪問するキッカケの1つになっているという。その他にも、OKWaveのQ&Aデータベースを中心に、多くの企業がQ&Aコンテンツを活用しているという。

OKWaveのQ&Aデータベースを活用するQAPartnerの事例として、IT系メディアサイトと住宅情報サイトでの活用も紹介された。IT系メディアサイトでは、メディアとして記事にはできない噂レベルの情報でもユーザー同士の会話の中でホットな話題として盛り上がることができ、最新のIT情報をやり取りできる場としてアクセス数向上に貢献しているという。

住宅情報サイトでは、たとえば引越しというカテゴリだけで2万数千件のQ&Aが登録されており、ブランディングに則したインターフェースで、自社コンテンツのように利用できるようになっている。それぞれに適したカテゴリのQ&Aが提供されており、質問をすれば非常に短い時間で複数の回答が返っているようだ。また、住宅情報サイトではQ&A導入を決定してから1か月後にはサイトを公開しており、導入期間が短いことも特長の1つとなっている。

回答が付いたときには質問者のメールに通知できるので、たとえば夜中に質問して翌朝の通勤時間にスマートフォンで回答をチェックできる。質問者は回答が付くたびにホームページに訪問してくれることになる。何度もユーザーが再訪してくれるようなコンテンツを作成することは非常に労力のいることだが、Q&Aを活用すればほとんど労力を使わずにユーザーの再訪を得られることも期待できる。

Q&A活用の効果について説明する佐藤氏は、さらに金融系の企業での事例を紹介し、「さまざまな規制がある金融業では、顧客からの質問に迂闊には答えられないケースも多々ある。このような顧客の興味を下げることなく、問題を解決したいというニーズに対してもQ&Aのようなユーザーコミュニティのパワーが役立つ。我々はそのパスを提供しているに過ぎず、Web担当者がユーザーパワーをどのように活用するかがポイントとなる」と話し、Q&Aコンテンツの活用を以下のようにまとめた。

Q&Aコンテンツ活用のメリット
  • 楽しい
  • 独自性がある
  • 情報が新しい
  • 情報が豊富
  • 手間がかからない
  • 継続性がある

250万人を超えるユーザーの力を活用

ユーザーコミュニティを利用することに対しては、リスクがあると感じている人も多いだろう。しかし、佐藤氏はこれまでOKWaveを運営してきたノウハウがあることを強調し、誹謗中傷などの投稿チェックから問題投稿対応までを行っており、炎上することはないと説明する。また、250万人を超えるユーザーと多くのパートナーサイトがあるため、盛り上がり、質問に対しての回答率が非常に高いことも示した。これらのQ&Aに則したコンテンツを自動的にお勧めすることによって、既存ページのアクセスも向上させられると佐藤氏は説明する。

顧客サポートのトラブル解決のためにQ&Aが活用されていることも事例として示した佐藤氏は、「Q&Aは、ホームページのターゲットによってプリセールスにも、ポストセールスにも活用できるので使い分けが可能」と話す。最後に佐藤氏は、「Facebookページを持つよりも、自分たちのオウンドメディアにユーザーコミュニティのパワーを取り込むほうがはるかに効果的。そのための選択肢はいくつかあるが、選択肢の1つとして相談に乗ることができればうれしい」と、QAPartnerの説明を終えた。

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