ディスプレイ広告の新潮流Video Exchangeとは?

今注目のアドテクノロジー「ビデオエクスチェンジ」とは
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◆ディスプレイ広告の新潮流Video Exchangeとは?

Video Exchangeとは

 このところUSのアドテクノロジー市場をにぎわしている新しい広告手法、それがVideo Exchangeだ。その名の通りディスプレイ型広告の中でも動画、音声を使用したリッチな表現が可能なビデオ型広告と、近年急速な広がりを見せているディスプレイ型広告関連のアドテクノロジーであるRTB、DSP、オーディエンスターゲティング等が融合した広告手法である。ビデオ広告とこれらの技術が融合することで、ターゲティング技術の活用や、オプティマイズ機能を利用することが可能になった点が、この新たなムーブメントの起爆剤となっている。

 現在USでの市場規模が急拡大しており、2012年の予測値で約31億ドル(出典2011年11月eMarketer調べ)の市場が形成されている。これは、ディスプレイ型全体の約25%にを占め、前年比約50%増にも上る高い成長率を示している。プレイヤーはBrightRoll, Spot Exchange, Play Wire, Tube Mogulが有名で、VodafoneやToyotaなど大手企業もこの広告の手法を大々的なキャンペーンに活用している。

◆ビデオ型広告の経緯から

そんな成長著しいVideo Exchangeであるが、それがどのようなものなのかビデオ型広告の国内でのこれまでの経緯から掘り下げてみようと思う。Video 広告自体の歴史は日本国内でも意外と長く2005年頃にUsenがGyaoを開始したのを皮切りに、Yahoo!動画やYou Tubeなどがサービスを開始しRich Media 型広告の手法の1つとして、大手メーカなどのブランドアドバタイザーに活用されてきた。しかし効果の指標の設定の難しさによって、他のネット広告と比較した際に単純に直接のCPA,CPCの効果指標を基で行うと割に合わないとみなされたり、CM動画でのネット使用の許諾や、広告主側のマス、ネットを扱う部署の分断による構造的な問題も多く、広告メニューのカテゴリーとして広く認知されるほどには至ってはいない。

現在USで広がりつつあるVideo Exchangeは広告枠が、いわゆるエコシステムと連結され、1imp単位で購入することができ、オーディエンスデーターや地域データー等、インターネット広告のいわゆるエコシステムの発達により可能となった技術をフル活用することができる。

より具体的に言うと、ただパブリッシャーーサイトにアクセスしたユーザーに対してビデオ型広告を配信するだけではなく、例えばオーディエンスデーターを活用して関東地方在住で自動車に興味を持っているユーザーにのみビデオ型広告を配信するというターゲティングや、リーターゲティングの技術を活用して1度広告主サイトの特定のプロダクトのページを閲覧したユーザーに対してより詳細なプロダクトのVideoを配信する等のより細かな設定を可能にしている。しかも広告主側、エージェンシー側でバジェットの設定や配信後のオプティマイゼーションまで行う事ができ、他のディスプレイ型広告と同様の高い柔軟性を担保している。

また、これまでの取り組みが効果指標という点で明確な解を出せなかったのに対し、今回のムーブメントはアトリビューション解析システムと連結する事により、CTRやCPCなど従来の指標ではとらえる事の不可能なVideoを閲覧後のユーザーアクションを可視化する事が出来るようになるため、ビデオ型広告の価値そのものが再定義される可能性を秘めている。

◆Video Exchangeが生み出すディスプレイ広告の価値

 現在のディスプレイ市場(バナーとビデオの両方)は良し悪しではなくLast Click Conversion至上主義となっており、そもそものユーザー母数の拡大のための広告キャンペーンはそれほど多くない。これまでのディスプレイ広告は、ニーズの顕在層化した層に対して効率的に網掛けができるという点では非常に高い効果を発揮しており、その効果によって市場拡大をけん引してきた。しかし長い目で見た場合にはそれはニーズの顕在化した層を刈り取っているのみのため獲得数に限界がくるだろう。それを回避するためには獲得の効率ではなく数を増やす努力が必要不可欠だ。その点で動画と音声でブランドの価値をひろく訴求する事の出来るビデオ型広告の役割は高まる可能性が高い。さまざまなデーターからもわかるように、デジタル環境の進化によってユーザーはマスメディアからインターネットの世界にどんどんとシフトしてきている。この変化に合わせ、ディスプレイ型広告はマスではリーチできず且つまだ自社のユーザーになっていない潜在層の獲得にポジショニングを移していくべきだと私は考える。

そのような状況の中で、Video Exchangeはアドテクノロジーを活用しながら、ユーザーに直接的でRichなメッセージを届ける事のできるフォーマットとして、今までのディスプレイ広告ができなかった深いレベルでのメッセージ訴求を行う事のできる可能性を秘めている。先端のアドテクノロジーを活用し、誰にどんな表現でどんなメッセージを届けるかというクリエイティブのプランニングを結びつけて考えることができれば、獲得施策のみに偏らない、より大きな視点でのマーケティングキャンペーンのプランニングができるようになる。それは更なるディスプレイ広告の市場拡大のための起爆剤となるはずだ。

先日、オムニバスではアドネットワークスとの業務提携により、Video Exchange経由でのePlayer のVideo広告枠のバイイングを開始した。今後、Omnibus Audience Networkに保有する1.5億UBのオーディエンスデーターと、アトリビューション解析システムpandraを組み合わせる事によって既存の効果指標であるCPC,CPAにはとらわれないVideo広告の効果の調査を行う予定だ。この取り組みについては、オムニバスのサイト上で随時アップデートを行いVideo Exchangeに関するより深い情報を提供をしていく。

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